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2022年6月 6日 (月)

制裁される側:イラン-ロシアは、いかにして新しいルールを設定しつつあるか

2022年5月31日

The Saker

 できる限り長期間アメリカ制裁を防ぐのに熱心な中国は遅れているが、RICパートナー、イランとロシアは欧米の世界金融支配を破るため大変な作業をしている。

 著者ペペ・エスコバールの許可を得て掲載。The Cradleに重複投稿

 先週キルギスタンのビシュケクで行われた最初のユーラシア経済フォーラムは、ユーラシア中心地域の地理経済統合の特徴を設定する節目と見なすべきだ。

 ロシアのユーラシア経済連合(EAEU)統合・マクロ経済担当大臣セルゲイ・グラジエフは、中国と共同で、代替の通貨・金融システム、事実上、ブレトン・ウッズ後の第三次設計の動きを調整している。

 グラジエフによれば、このフォーラムは「国家通貨と商品バスケットに固定した新しい世界の決済通貨モデルを議論した。ユーラシアでの、この通貨機構導入はドル体制の破たんと、最終的に米軍と政治権力に悪影響を及ぼすのは必至だ。SCOの枠組みの中で適切な国際協定への署名について交渉を始める必要がある。」

 四月に、グラジエフはThe Cradle独占インタビューで、欧米の世界金融システムを覆す構想を、より詳しく説明していた。

 主要ユーラシア大国、中国、ロシア、インド、パキスタン、カザフスタンとイランをまとめる上海協力機構(SCO)の増大する地政学的、地理経済学的役割を、EAEUの動きと、グラジエフが、いかにして相互連結させようとしているか理解するのは特に重要だ。

 それは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ユーラシア経済連合首脳会議で、EAEUとSCOの最新の(そして唯一の西アジア)正式加盟国であるイランとの間で、一時的な自由貿易協定の延長を支持したことと直接連結している。これを「西側諸国との対立」にもかかわらず先に進めるべきだとプーチンは述べた。

 2015年にロシア、カザフスタン、キルギスタン、ベラルーシとアルメニアの五つの正式加盟国で始まったEAEUは1億8400万人の市場と5兆ドル以上の共同GDPだ。イランのアリエザ・ペイマンパク通商副大臣によれば、イランの次段階は、年末までに完全な自由貿易協定施行ことだ。エジプト、インドネシアとUAEもEAEUへの加盟候補だ。

 40年以上、連続的な帝国の制裁パッケージを回避する独創的解決を見いだすよう強いられたイランは、ロシアに教える経験が一つ、二つあるかもしれない。バーター協定が勢いを得ている。イランのレザ・ファテミ・アミン産業・鉱山・貿易大臣によれば、テヘランはイランの金属、鉱業に大いに必要とされる亜鉛、アルミニウム、鉛と鋼鉄と引き換えに、モスクワの発電所に保守部品とガスタービンを提供する。

 そして、ロシアのアレクサンドル・ノヴァク副首相による最近のテヘランへ訪問中に論じられたように、更に広範囲な商品のバーターが予定されている。

 もう一つの「RIC」

 ゆっくりと、しかし着実に、BRICS(ロシア-インド-中国)という旧RICに対しての、新RIC(ロシア-イラン-中国)は彼らの金融システムを統合しようと試みている。中国にとって、イランは国家安全保障戦略上、重要で、エネルギー供給者として、西アジアでの一帯一路構想(BRI)の不可欠なパートナーだ。

 だがロシア-中国関係は遙かに複雑だ。アメリカ制裁を引き起こすのを大いに恐れて、中国の銀行は、ロシアの銀行との取り引きを増やすのを、少なくとも当面は、抑制しているが、そこでユニオンペイの話題になる。

 特にアジア全域で、ますます人気が高い中国の銀行カード・プロバイダは、EUとアメリカによって国際金融取り引きプラットホームSWIFTから排除される前でさえ、ロシア最大の銀行スベルバンクとの提携を除外していた。ユニオンペイは、ロシア市場からのビザとマスターカード撤退につけこんで、ロシアのミール・カードと提携したユニオンペイカードを他のロシア銀行が発行する計画をキャンセルした。

 これは中国にとって依然慎重な綱渡りだ。今年早々ボアオ・アジア・フォーラムで「一方的制裁の理由ない使用」への反対で習近平主席は強固だった。既にロシアに設立された中国企業の80パーセント以上が平常どおり業務を続けるように思われた。

 だが実質的には深刻な問題がある。中国銀行と中国工商銀行(ICBC)はロシア商品のための融資を制限している。BRIに関係していようと、いまいと持続可能な開発計画に絶対欠かすことができないアジア・インフラ投資銀行(AIIB)さえ「財務の健全性」を「保護する」ため、3月初旬、ロシアとベラルーシへの全ての貸し付けを凍結すると決めた。

 金融の活動領域に関して、用心深い中国の銀行は欧米との取り引きが膨大だが、グローバル越境取り引きのほぼ80パーセントが、依然ドルとユーロで、元は、わずか2パーセントにして常に均衡を保っている。だから、ロシア市場は決して優先事項ではない。

 並行するロシア-イラン関係は非常に活発だ。アレクサンドル・ノヴァク副首相が強調するように、彼らは国家通貨での相互決済を「可能な最高レベル」で推進している。「我々は中央銀行と金融メッセージ交換システムの拡大と運用と、ミールと[イランの]シェタブ決済カードの接続を議論した。」

 現状では、ミールカードはイランでまだ受け入れられていないが、変化しようとしている。この夏ロシア観光客のミールカード支払いを受け始めるトルコと同様に。これが実際意味するのは、ロシアとイランが、彼らの銀行を、SWIFTと同等のSPFS(金融メッセージ転送システム)と結びつけるということだ。中国も、この移行がどれほど円滑に行われるか吟味しているだろうことは明らかだ。

 上の全てを、マスターカードCEOマイケル・ミーバックがダボスで漏らしたように、まもなくSWIFTはなくなるだろうという見込みと比較願いたい。

 ミーバックは、クロスボーダー送金を論じる中央銀行デジタル通貨パネルに参加していて、SWIFTは、まもなく過去のものになるかもしれないと示唆した。それについて質問はなかった。モスクワは既に暗号とデジタル通貨に注目しており、北京は、SWIFTと、それにリンクするCHIPS(クリアリングハウス銀行間支払いシステム)を回避するデジタル元を断固設定する予定だ。

 制裁される側が、今や素早く動いている

 イランのエブラーヒーム・ライースィー大統領がモスクワを訪問し、「シリアにおけるテロとの戦いでイランとロシア間協力の非常に良い経験」をもとに作り上げ、「経済、政治、文化、科学、技術、安全管理と宇宙問題同様、防衛と軍事分野」に拡張する今後20年間の戦略的協力の協定草案をプーチンに手渡した今年一月以来、ロシア-イラン関係は急速に進展している。

 ライースィーは「SCOへのテヘラン加盟促進に対しても」プーチンに明確に感謝した。

 イランのジャバード・オウジ石油相は、先週テヘランでのノバックとの会談で単刀直入に要点を言った。「わが国は厳格な制裁下にあり、我々は二国間関係を発展させて、それを無力化する可能性がある。我々は、原子力発電所建設も含め、金融、エネルギー、輸送、農業問題のための合同委員会を設置した。」

 そこで、またもやウィーンを本拠とする包括的共同行動計画(JCPOA)交渉の永遠メロドラマの話題に戻るが、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は今最終稿が「採択の高度な準備段階だ。文章の完成とは関係ない若干の政治問題がある」と表明している。

 有名なアメリカ沼の歪曲の霧を通り抜けて、リャブコフは「イランとの平和的核協力という文脈を含め、我々の利害関係に関して、文章は非常に満足で「微調整」すべき何もない」と強調した。アメリカが、合意は「手が届かない」と言うのを、彼らが「彼らの内部議論の結果を放送している」ことを意味するとリャブコフは付け加えた。

 肝心な点は、JCPOAについて、テヘランとモスクワが同期していることだ。「待ちきれない状態にあり、政治的決断がされれば、それは非常に速くまとまる。」

 彼らの同期を延長し、テヘランはウクライナ紛争に関し、トルコの例に習ってモスクワとキエフ間交渉主催さえ提案した。だがアンカラの失敗後、今ワシントンの意思決定者が、最後のウクライナ人までの果てしない戦争以外、どんな交渉も欲していないのは明確だ。

 イランのホセイン・アミール・アブドラヒアン外務大臣は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と波長が合っている。ダボスで、ウクライナ・ドラマが「アメリカとNATOの挑発的行動によって起こされたと彼は言った。彼らが「クレムリンをこれに駆り立てたのだ」。それは本質的に北京が控えめに暗示していたことだ。

 上記の全てが、ユーラシア統合の幾多の試練の一部と、EAEU-SCOの新金融制度への長い曲がりくねった道を示している。まずは大事なことから取りかかることだ。ミール-ユニオンペイ活動で何か動きがあるはずだ。そのニュースが公表される時、賽は投げられる。

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-sanctioned-ones-how-iran-russia-are-setting-new-rules/

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 Jimmy Dore Show
 New York Times記事と、記者会見での答えをを引用している。

Biden ADMITS Ukraine Will Have To Cede Territory To Russia

 寺島メソッド翻訳NEWS

ニューヨークタイムズも、ネオコン主導の「ウクライナ発核戦争」を危惧し始めている

 耕助のブログ Naomi Wolfのワクチン問題記事翻訳

No. 1469 親愛なる友人たち、ジェノサイドを発表することを心苦しく思う

 植草一秀の『知られざる真実』

種子法廃止違憲訴訟で証人尋問

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種子法廃止から見える国の欺瞞。民主政治と国民主権の侵害を許すな

 日刊IWJガイド

バイデン米大統領が、かつてカショギ氏殺害事件で『亡国』と非難したサウジを7月に訪問予定! ロシア制裁のため不足する石油の増産を依頼! 支持率挽回を狙うバイデン大統領を米『フォーリン・ポリシー』が「小手先の努力」と酷評!! 唯一の解決策は需要を減らすこと!? それでは消費不況間違いなし! プーチンの警告通り、欧米への「不況」というブーメランに!!

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