帝国マネージャー連中は、とんでもない阿呆
2022年6月6日
ケイトリン・ジョンストン
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ポリティコのロッキード・マーティンがスポンサーであるNational Security Dailyニュースレター最近記事が、サウジアラビアの殺人皇太子ムハンマド・ビン・サルマーン(MBS)の専制政治は、彼をセミナーに行かせれば抑制できると主張する帝国シンクタンク研究員を引用した。
「サウジアラビアは、バイデンが全てを手に入れることができないのを示している」という記事で、ポリティコは、サウジアラビアでの人道的懸念を優先事項にしたい誠実な願望と、モスクワに対するワシントンの経済戦争のさなか、石油価格を安く維持するため、リヤドとの暖かい関係を維持する必要性という大統領の関心事の、全く想像上の葛藤を説明している。私が「全く想像上」と言うのは、もちろん、彼らがアメリカの化石燃料権益を推進し続ける限り、スキート射撃に赤ん坊を使うサウジアラビア王族をアメリカは喜んで見て見ぬ振りをするだろうからだ。
この記事は、戦争の不当利益者に資金供給される主流刊行物(ニュースレターは、ロッキード・マーティンの前は、ノースロップ・グラマンがスポンサーだった)に人が期待するだろう、いつもの、ありふれた帝国弁明だが、一部は、とんでもないばかさ加減で、他のものより遙かに突き抜けている。アメリカは化石燃料の権益と、極めて重要な人道的懸念両方を推進できると論じるカーステン・フォンテンローズという名の帝国集団思考の住人が下記の文章(強調は私によるの)で引用されている。
ガソリン価格を下げ、地政学的強化を確保するため、サウジアラビアを利用するには、アメリカが、強情な皇太子を道徳的な国王に仕立てることができれば、人権推進を分離せずに済む。
「若いリーダーを、アメリカがパートナーとして好むタイプの意思決定者に形成するには、指導と監視と成形が必要だ」とキルスティン・フォンテンローズ、トランプの安全保障会議の元トップ中東当局者が延べた。「湾岸や世界の他の場所で、MBSや側近や他の若い指導者たちのために、プライベート・セミナー・シリーズに似たようなものを我々が用意できない理由はない。」
うわっ。
This quote belongs in a museum somewhere. Seen a lot of bad policy proposals but few match this combination of arrogance (America must teach foreign heads of state how to do their jobs) and futility (as if they'd even attend, let alone be "shaped" by it) https://t.co/5lw6nHJq0g pic.twitter.com/QSpG9XsJXn
— Gregg Carlstrom (@glcarlstrom) June 5, 2022
だから、帝国で撹乱されたフォンテンローズの頭では、MBSだけでなく、他の外国指導者連中に、残虐行為と戦争犯罪をしないよう教える、プライベート・セミナーをアメリカは提供できるのだ。しかも、これはアメリカ政府が高く評価すると言っていることと、実際していることの間の目につく不調和を両立させるのだ。
この類いの思考こそが、これまで集めたものの中で最強力な軍隊を持った政府で、トップの国家安全保障担当補佐官の座に押し上げるのだ。実際、それは帝国を動かしている考え方だ。
フォンテンローズは、政府機関や軍産複合体や化石燃料企業や富豪に資金供給され、NATOに深く関わるシンクタンク大西洋協議会の非常勤上級研究員だ。去年、大西洋協議会が湾岸君主国家から何百万ドルも受け取った事実について「アメリカン・プロスペクト」に問われて、フォンテンローズは「ワシントンの全てのシンクタンクが、中東政府から金をもらっている。」と答えた。
これは本当だ。一般的に言って、シンクタンクというものは、悪い愚かなことをするのが、なぜ良くて賢明なのか、知的に聞こえる理由を考え出すため、学者が世界最悪連中に雇われる組織だ。世界を生きるためにより悪い場所にするのを支援すべく、それら言説が、影響を与える重要な時点で、意思決定者と大衆に吹き込まれるのだ。
AVOIDING ACCOUNTABILITY AND TRANSPARENCY: THE BLOB EDITION - brought to us by @mideastXmidwest & Kirsten Fontenrose
— Eli Clifton (@EliClifton) March 22, 2021
1.) Work for the Atlantic Council, a think tank that receives $1m+ from close Saudi ally UAE & $$$ from UAE state run entities. https://t.co/fXzJ35kg1H [THREAD] pic.twitter.com/sv2NvZcl8t
これは明晰な思考に役立つ類の動的関係ではない。大西洋協議会のフォンテンローズの経歴は、人間の脳を帝国機構の歯車に変える処方箋に見える。ハーバードからアメリカ-アラブ関係国家評議会に入り、中東と南アジアの軍事将校や外交官と関係を構築するため、国防総合大学、近東南アジア戦略研究センターへ、国防総省と国務省における役職、トランプ政権の安全保障会議で湾岸諸国担当理事に、そして大西洋協議会へ。
そして大西洋協議会で、再び政府に戻るベルトウエー沼の激しい出入りの時まで、彼女は帝国のたわごとをぶちまけながら、いい給料をもらって待っている。
こういう連中が世界を運営しているのだ。帝国機構は、この種すすり泣く権力崇拝者、いかに無謀で愚かであろうとも、ひどいことを進んで擁護し、地球上最も下劣な権力機構内で、より影響力ある地位へと這い上がって人生を過ごすと決めた連中ですし詰め状態だ。
これが世界が、こういう現状にある理由なのだ。権力と富を割り当てる仕組みは、我々の中で最悪の連中を最も重要な地位に出世させ、そこで連中は自身の内面的苦悩を他の人々に対する行為に好き勝手に表し、我々を苦しみとトラウマ状態に置き続ける。そうした制度を我々が変えるまで、何も良くなることはない。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/06/06/empire-managers-are-fucking-idiots/
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寺島メソッド翻訳NEWS Cynthia Chungのグラディオ作戦の記事翻訳
事実検証シリーズ第三部グラディオ(諸刃の剣)作戦。NATOはヨーロッパ市民と民主的選挙で選ばれた政府に、いかにして秘密戦争を仕掛けたか
2007年12月20日に下記翻訳を掲載した。
耕助のブログ Pepe Escobarによるビルダーバーグの記事翻訳
はじめに~ウクライナ紛争で深刻化する世界の食糧危機をグテーレス国連事務総長が警告! ロシアはウクライナの機雷が港を封鎖と主張! ウクライナは第三国の軍艦による輸送船の護衛と対艦兵器を要求!
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