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2022年5月31日 (火)

八百長ポピュリズム:言説のマトリックスの端からのメモ

2022年5月28日
ケイトリン・ジョンストン

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 帝国がお互い対抗しているふりをする二つのオリガルヒ傀儡政党を設立しただけでなく、それら各党内に、各党の支配層と戦っているふりをする中でエセ・ポピュリズム運動を設定したのは非常に重要で、大衆はアメリカ政治で本当の発言権を持っていないのだ。

 ほとんど全ての本当の反対勢力を吸収してしまう非常に巧妙な錯覚だ。もし人が最初の八百長対決にだまされずに、ゲームが強力な権力者連中のために不正操作されていることを悟っても、彼らに反対するべく設定されたエセ・ポピュリズム運動を支持させられることになり得る。私もこの議論で両方にはめられた。しかし、しばらく彼らがすることを見て(連中が言っていることだけを聞くのとは対照的に)、彼らの実際の立場が何で、戦うか、戦うのを拒否するか見て、それが全て始期段階の八百長だとわかる。反対派は制御されていて、反対勢力に対する反対勢力もそうなのだ。

 それは夢を見ていて、自分は夢から目を覚ましているのだが、実際は、もう一つの夢の中にいるようなものだ。リベラル派-保守派の人形劇から目覚め、解決策として、偽進歩派民主党員か、アメリカを再び偉大にするでたらめ陣営に方向転換するが、あなたは依然眠っている。

 この全てはアメリカ国民が(A)破壊的な政府に投票する、あるいは(B)革命を戦う を阻止する地球規模の帝国の能力に依存しているのを皆様が想起するまでに体験すべき非常に多くの仕事のように聞こえる。それほど多くの権力がこれをする連中の能力に依存する。

 テキサスの学校の銃乱射事件以来、我々は国中が、人を救ったり、どんな危険も覚悟でやってみたりするのは、実際は警官の仕事ではないことを学ぶのを見ているが、人々が、逆のことを考えていた唯一の理由は映画とテレビ番組のためだった。

 アクション映画用のアイデア。ドウェイン・ジョンソンは攻撃的銃撃犯がいる小学校から子供を救出する必要があるが、彼はまず、彼を止めようとする警官の壁をなんとかして通り抜ける必要がある。

 アメリカが暴力と果てしないマスメディア心理作戦によって、ばらばらにならないように維持している地球規模帝国の総本山役をするのをやめることで、アメリカの銃乱射事件を終わらせることが可能だ。それは不可能ではない。困難でさえない。責任者の誰かがいつか考える選択肢でもない。

 ウクライナ戦争に関し、アメリカ無辜の小さな花だと思う人々に対して、私は堪忍袋の緒が益々切れそうだ。いかげんにしろ。ガキみたいなことをしてるんじゃねーよ!

 世界を脅かすロシアに対する代理戦争に資金供給する費用の数分の一で、ロシアと和平を結ぼうとして、この戦争の邪魔をしたら、リンチにかけると脅すネオ・ナチ民兵から、ゼレンスキーを守ることがアメリカにはできたはずだと老婆心ながら言いたい。

 ウクライナ軍が次々と大勝利を続けて、ロシア軍を破壊し、プーチンに屈辱を味あわせているという愚かな主流メデイアの物語は維持不能になった。

 

 

 別の一人は、家で安穏に座ってドリトスを食べながら、交渉による和平調停は受け入れられないと叫び、アメリカ一極覇権のため、アメリカ帝国がウクライナ人の命を愚かな代理戦争機構のギアに投げ入れるのを支援する、勇敢なソファー戦士全員に向かって叫ぶ。

 あなたがヘンリー・キッシンジャーよりタカ派なら実に極端なタカ派だ。

 ウクライナ戦争が、核によるホロコーストにエスカレートする危険について私が話をすると、そんなことになればプーチンが悪いと人々は言う。まるで、それで何か問題でなくなるかのように。それが何らかの形で、我々の指導者が我々をそういう局面に陥れるためにした全ての措置を正当化するかのように。

 チーム忠誠と党派心が自身を表現できることの中で、皆様は、これ以上愚かな考え方は思いつけないだろうと思う。「最初に核兵器を発射するのは向こう側だから、核を使った我々の瀬戸際外交は問題じゃない。

 核攻撃の応酬をロシアが始めるのは確実だというふりさえしても、その考えは、地球が震動するのを感じた時、実際あなたを慰めるだろうか? あなたは、プーチンがそれを始めたと自身に言うことで、その瞬間を呼び起こした決定について、より良く感じるだろうか? もし「それを始めた」ことが重要ではない時がくれば、相互確証破壊の「相互」と「破壊」部分が作動を開始したのが確実なことを意味するのではないだろうか? その時点で、我々の間抜けな団体競技は、声援する側も、ヤジを飛ばす側もすっかり消えてなくなるのではないだろうか?

 

 ハリウッドは、アメリカ兵や警官が実際に何をしているかに関してウソを言うのと同じように、アメリカのジャーナリストが実際に何をしているかに関してウソを言うが、それは人々の現実認識に対し、同じぐらい破壊的影響を与える。

 アメリカ帝国に疑問を呈したり、批判したりすると、人々は、クレムリンに忠誠だと言って非難するが、彼らは、声明が本当かウソかは気にせず、我々の支配者に忠誠を示すか否かを気にしているのを認めているのだ。それが連中が世界を見るレンズで、頭がおかしいに過ぎない。人がどれだけ正直かによってではなく、人がどれほど忠誠を示すように思われるかによって常に評価される時、人々が、どうして明晰な考えで、考え方や出来事について明晰な論議をすることができるだろう? それは不可能だ。

 帝国政府支持者には主張が二つある。

1.「我々の政府が嫌いな外国指導者はアドルフ・ヒトラーに等しい。」

2.「徳の高い我が政府が、その指導者に対し計画したことに反対するなら、その人はその指導者を愛し、支援することを意味する。」

 内面的平和を目指す日々の修練なしで、どうして、人々が、オリガルヒ帝国の日々の悪行に対応しつづけられるのか私は正直言って分からない。事態は実に常軌を逸しており、混乱し、益々酷くなるばかりだ。安定性を維持するためには、きちんとした自制心がなければならない。

 けものの顔をじっと見つめ続けても頭がおかしくならずにすむよう、瞑想、自己探求、ヒーリングやエネルギー修養など、なんらかの方法で、事前に胆力をつけておかなければならない。何らかの修練なしに、毎日こうした物事を見るのを私は想像できない。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/05/28/kayfabe-populism-notes-from-the-edge-of-the-narrative-matrix/

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 『芳ちゃんのブログ』が下記記事翻訳を公開しておられる。

 The West is preparing to betray Kiev: By Victoria Nikiforova, RIA Novosti, May/27/2022

西側はキエフ政府を見限る用意をしている

 不思議なことに記事の英語原文が見つからない。ロシア語原文ならみつかるのだが。

Запад готовится предать Киев

 笙野頼子さんの本を多々拝読している。最近雑誌『群像』に作品が掲載されないので、体調不良で作品を書いておられないと思い込んでいた。

 新刊『笙野頼子発禁小説集』を拝読してびっくり。日本人作家版ジュリアン・アサンジ。不当な政策を、当たり前に批判しているがゆえに講談社から閉め出されていたのだ。講談社の本購入は控えるしかない。過激でも何でもない、ごく当然のことを言うと排除される。何か作家協会が抗議したという記事、見たことがない。菅首相による学術会議の六人の教授の不当承認拒否の場合、様々な学会から反対意見があがったのに。日本人作家全員忖度文士。

 集中連載「質屋七回、ワクチン二回」解題とその反響、受難、救い、今後 (上)

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