奇妙で愚かなディストピア
2022年5月3日
ケイトリン・ジョンストン
❖
ここ数日、普通のアメリカ人が益々苦しむ中、アメリカで、お互い自我を満足させ合い、風変わりな服装でカメラを意識して笑顔を浮かべる裕福な奇人連中のパレードがあった。
週末のホワイトハウス記者ディナーで、勇敢に真実を語り、地球上最強力な政府の責任を問うて、何と素晴らしい仕事をしているか、お互い祝うためメディア名士の喧しい連中が集まった。ホスト役、デイリーショーのトレヴァー・ノアは、報道機関が権力者連中がいやがることを言うためアメリカに、どれほど自由があるか、とうとうと熱狂的に述べた。
I’ve always respected @Trevornoah so much but this closing speech from the White House correspondents’ dinner is particularly spectacular. pic.twitter.com/k8GmBOAoYB
— Mike Birbiglia (@birbigs) May 1, 2022
「今晩のこの部屋で、私は本当に皆様全員に今晩の本当の目的が何か想起頂きたいと願います」とノアは言った。「楽しいです。我々はおしゃれな服を着ています。人々は食べ、飲み、楽しんでいます。しかし我々がここにいる理由は、ジャーナリズムに、皆様が体現するものに名誉を与え祝うことです。皆様が体現するものとは、権力の責任を問う更なる抑制と均衡、発言を聞いてもらえない人々のために発言することです。」.
「もし皆様が、ご自分の責任を疑い始めたら、もし皆様が、それがどれほど有意義か疑い始めたら、ウクライナで起きていることをご覧頂けば十分です」とノアは言った。「そこで起きていることをご覧ください。ジャーナリストは、何が本当に起きているか世界に知らせるため命を危険にさらし、失えさえしています。皆様は、それがどれほど驚くべきことかご存じです。アメリカでは、皆様は真実を探し、たとえ権力者連中を不愉快にさせても、たとえ皆様の視聴者や読者を不愉快にさせても、真実を話す権利を持っています。皆様はそれがどれぐらい驚くべきであるか理解するか? 私は今晩ここに立って、アメリカ大統領をからかっても何の問題もありません。問題ありませんよね? 皆様はそれが、なんと幸いなことか本当に理解されているでしょうか?」
もちろん、アメリカ大統領がいやがることを言い、無事ですまなかった人々がいる。彼を防諜法で裁判される初の発行人にすべく、アメリカ政府が引き渡しの取り組みを続ける中、ジュリアン・アサンジは、ベルマーシュ刑務所でやせ衰え続けている。アメリカ諜報カルテルの邪悪な監視慣行を、彼が英雄的に内部告発をしたのを、どの大統領も赦免を拒否しているために、アメリカ人のエドワード・スノーデンは亡命中だ。ドローン計画の恐ろしい堕落を暴露したかどで、アメリカ人のダニエル・ヘールも投獄されている。
Trevor Noah: "In the US you have the right to speak the truth even if it makes the people in power uncomfortable."
— Friendly Neighborhood Comrade (@SpiritofLenin) May 2, 2022
In 2021 Daniel Hale was sentenced to 45 months in prison for exposing that in Afghanistan, 90% of the victims of US airstrikes were civilians. https://t.co/rs4i0wPPSU
トレヴァー・ノア: "アメリカには、たとえ権力者連中を不快にさせても、真実を語る権利があります。"
2021年、アフガニスタンで、アメリカ空爆の犠牲者の90%が民間人であることを暴露したかどで、ダニエル・ヘールは、禁固45月を宣告された。
主流メディア・メンバーの仕事は、知らせることではなく、プロパガンダ活動に従事することなので、トレヴァー・ノアは、これらの人々や、アメリカを支配する権力者連中が許さないことを言って、迫害され、沈黙させられ、投獄され、殺された多くの他の人々に言及しなかった。
ノアが主張するように「権力の責任を問う更なる抑制と均衡、発言を聞いてもらえない人々のため発言する」どころか、土曜夜の彼の聴衆は、権力者連中の権益を推進するため、大衆の考えを操る仕事を与えられている。アメリカで、西欧世界全て、いわゆる自由民主主義国家中で、主流ニュース・メディアは、オリガルヒ帝国のための同意でっち上げプロパガンダ組織だ。
それが、その夜、アメリカ大統領が演壇に立った際に、主流報道機関に対し、友好的な言葉以外何も言わなかった理由だ。
「明確なことは、私は心の底から申し上げるが、皆様自由な報道機関は、前世紀以上に重要です」とバイデンが言った。「生命を危険にさらして現地にいる、この部屋のアメリカ人記者や世界中の皆様同僚の勇気のおかげで、ウクライナの人の勇気を我々全員が目にしています。」
Congratulations to US journalists for doing nothing but produce coverage that the White House absolutely loves https://t.co/ToTnPZBlXs
— Michael Tracey (@mtracey) May 1, 2022
ホワイトハウスが絶対に聞きたがることしか報じないアメリカのジャーナリストさん、おめでとう。
先週末にも、ネオコンの戦争プロパガンダ雑誌The Atlanticの億万長者オーナーが主催するパーティーで、勇敢なジャーナリスト真実の戦士、アメリカ帝国の政治、政府要員の友好的集会があった。
デイビッドとキャサリン・ブラッドリーとローリー・パウエル・ジョブズは、ブラッドリー家でディナーを主催した。居合わせた人々。アントニー・ブリンケン国務長官とエバン・ライアン内閣官房長官、ジナ・ライモンド商務長官、ビル・バーンズCIA長官、ジェン・サキ報道官、リサ・モナコ司法副長官、ティナ・スミス上院議員(民主党-ミネソタ州)、ジェシカ・ローゼンウォーセル連邦通信委員会委員長 、ステイシー・プラスケット(民主党-バージン諸島)、エリザベス・シャーウッド-ランドル国土安全保障顧問 、ジェフリー・ゴールドバーグ、ニック・トンプソン、ピーター・ラットマン、アン・アップルバウム、ラッセル・バーマン、フランクリン・フォール、デーヴィド・フラム、エレイン・ゴドフレー、アダム・ハリス、マーク・リーバヴィッチ、ジェフ・デュフール、ヘザー・クルデル、ケビン・バロン、ホセ・アンドレス、エネス・カンター、ミッチ・ランドルー、ダフナ・リンツァー、レイチェル・マーティン、ジュディー・ウッドラフ、ジェイク・タッパー、ウルフ・ブリッツァー、ジョナサン・ケイプハート、キャティー・ケイ、スティーブとジーン・ケース、ジョン・ディッカーソン、そしてジェン・パルミエリ。
そう、いかがわしいバスケットボール選手/帝国プロパガンダ屋がメディアを所有する富豪が主催するパーティーでメディア有名人や政府部内者に囲まれて、CIA長官と親しくなるのを見れば、皆様は権力者連中が責任を問われる国にいることがわかる。そうだろう、トレヴァー?
当惑の熱狂は2022年メット・ガラで終えた。金持ち奇人連中が映画「ハンガー・ゲーム」の上流階級のような服を着て、カツカツで生きる人々の前で笑う大きい奇妙なディストピアのパレード。
本物のメット・ガラ・ドレスは、イエメン人の子供の骨で出来たコルセット、子供奴隷の小さな手で紡いだ、盗まれた金とリチウムの布で覆われ、行く所どこでも石油と血を拭き取る、床まで届く長い裾があるはずだ。
普通のアメリカ人が生き残るため苦闘する中でこれだ。アメリカ女性が子供を産む主権を失う瀬戸際にいるように思われる中で。地球の全ての命を簡単に終わらせることが可能な紛争にエスカレートするおそれがある代理戦争に金が注がれる中で。
これが皆様の死に瀕した帝国アメリカだ。これが皆様の末期資本主義だ。これは、あらゆる奇妙で、いんちきで、愚かな栄光の、皆様のディストピアだ。
ぞっとする。皆様が長時間見れば見るほど益々身の毛がよだつ。
その全てを受けいれろ。
我々は、とんでもないことになろうとしている。
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ジョンストンさん、別記事で、自国民のCOVID対策予算はさておき、他国での戦争予算を優先する死の帝国にあきれている。
耕助のブログ 同じ記事を訳しておられる。関心・興味が似ているということだろうか。
日刊IWJガイド 田代秀敏氏インタビュー!
<インタビュー告知>国の長期債務残高が1000兆円超え! 18年連続で過去最高を更新! 米国の約2倍(2020年時点)で先進国中最悪の債務残高のまま! ウクライナ情勢と新型コロナ感染症の影響が注目される中、本日夜6時半より、岩上安身によるシグマキャピタル株式会社・チーフエコノミスト田代秀敏氏インタビュー「米国の代理戦争が引き起こす食糧・エネルギー不足により『狂乱物価』の大波が日本を襲う!第2弾」を冒頭オープンでお送りします!
【IWJ_YouTube Live】18:30~「岩上安身によるエコノミスト 田代秀敏氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
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