« アメリカはキーウをナチから守ることで、この戦争を妨ぐことができたはずだ | トップページ | トラス演説と台湾問題 »

2022年5月15日 (日)

ウクライナだけでも、バイデンは長年で最悪の大統領

2022年5月8日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 Antiwarのリバタリアン・ヒーロー、スコット・ホートンが「ウクライナでの終戦交渉の試みをバイデンが拒絶しているのはアメリカ政治史上最大のスキャンダルだ」と書いたTweetが大いに広まっている。

 ある種、平手打ちのようなものではないだろうか? これまで一度も誰も、そう表現するのを見たことはなかったが、考えてみれば本当でないわけなどあるだろうか?

 バイデン政権が、実際、この戦争の終戦交渉外交努力阻止しており、和平確保を目指す制裁や他のアメリカによる措置の緩和の可能性に関し、ウクライナに、いかなる外交交渉力も与えるのも拒否しているのは単純な事実に過ぎない。アメリカ国務長官は、モスクワでの外務大臣との、いかなる対話も露骨に欠席している。

 実際、政権の声明は、連中が、この戦争を延々引き延ばすことを期待しており、死と破壊を最小にする速やかな終焉は、アメリカ帝国にとって、興味がないだけでなく、望ましくないことを極めて明確に示している。NATO諸国を代表して、イギリスのボリス・ジョンソン首相が「たとえウクライナがプーチンとの保証で何らかの協定に署名する用意があるとしても、我々はそうではない」とゼレンスキーに言ったとウクライナ・メディアが報じている。

 

 しかも、これは単なるもう一つの戦争ではない。世界二大核大国の一つが、もう一つの世界核大国に対して行う代理戦争なのだ。イラク戦争より遙かに深刻だ。ベトナム戦争より遙かに深刻だ。国としての存在そのものが脅かされているとロシアが信じる益々正当な理由があるのだから、これらの単語を読んでいる皆様の生涯で起きたどのアメリカ戦争より遙かに深刻だ。これは実に簡単に地球上の全員の死をもたらしかねない戦争だ。

 アメリカ国防長官は、アメリカの狙いは、この戦争でロシアを「弱体化する」ことだと公然と述べた。バイデン自身「モスクワで政権交代が必要だ」としか解釈できない発言をした。アメリカ当局者は、アメリカ諜報機関が、ロシア将官殺害や、ロシア戦艦沈没を直接支援したという主張を報道機関に漏らした。

 帝国の政治/メディア支配層は、もはや、これがアメリカの代理戦争であることを否定さえしない。これを代理戦争と呼ぶのはロシアのみが推進する単なる「非難」に過ぎないという以前のマスメディア見解から危険なほど早い方向転換で、今やこの単語が公認報道機関で益々頻繁に使われるのを目にしている。先日ニューヨーカーは単刀直入に、アメリカは「ロシアと全面的代理戦争」をしていると宣言し、最近セス・モールトン下院議員は、アメリカは代理を通して対ロシア戦争をしているとフォックス・ニュースに言った。

 「結局、我々は戦争をしていることを認めなければならない、我々はウクライナを支援するためにだけ戦争をしていない」とモールトンが言った。「いくぶんは代理経由だが、我々は基本的にロシアと戦争している。そして我々が勝つのは重要だ。」

 

 それは一体どれほど早く起きたのか? 「これを代理戦争と呼ぶのはロシアのプロパガンダだ」から「明らかにこれは代理戦争で、我々は必ず勝たなければならない」へと、一体どんな早さで変わったのだろう? 目まいがするほど速かったのは確かだ。

 それは単に代理戦争というだけでなく、アメリカが承知の上で引き起こした代理戦争だ。今我々は、この侵略を開始するロシアの計画を、アメリカ諜報カルテルが、はっきり見通していたことを知っており、つまり連中は、どのようにそれを防ぐかも知っていたことを意味する。ウクライナをNATOに加えないと約束し、そうするという彼の公約ゆえ、ウクライナ人が彼を選出した通り、ミンスク合意を尊重し、ロシアと和平を結んだら彼を殺すと脅した暴力的ファシスト党派から、彼と政権をアメリカが守るとゼレンスキーに約束する程度の僅かな低コストの妥協だ。必要なのは、それだけだった。

 実に多くの欧米専門家が、アメリカとNATOの行動は我々が今脅かされている紛争を招くと長年警告していた。この戦争を避けるあらゆる機会があったが、代わりに、アメリカに集権化した帝国はアクセルを踏み込み、まっすぐ突っ込んだのだ。承知の上で。

 全てが周到に準備されていした。全て、ロシアを弱体化し、アメリカ一極覇権を確保するため、モスクワの政権交代を目指して。

https://twitter.com/RnaudBertrand/status/1498491107902062592

 バイデン政権は、平和よりも、世界を脅かす、この対立を選んだ意思決定者の長い行列最後の政権だった。この脅威を避ける機会があったのに、機会は生かされなかった。

 世界を、これほど核戦争に近づけたことだけで、ブッシュ以来、バイデンは最悪の大統領だ。少なくとも。彼は前代未聞、最も下劣な唯一の大統領だと歴史が示すだろう。

 核戦争を防ぐことは大統領の最も重要な仕事だ。それは非常に重要で、自明な最優先事項なので、本当にそれについて話をする必要がないほどだ。ところが、この政権は、日々、益々頻繁に、核戦争で、さいころを転がしているだけなのだ。

 たとえ人類がこの対立(と次に控える中国とのもの)から生き残るにせよ、バイデンは、これほど終末に近づくのを可能にしたかどで、許し難く下劣な大統領だ。地球の全ての命に対して、このように気軽にさいころを転がすことに弁解の余地はない。

 核戦争とは何か、それが何を意味するのかを真面目に考えるだけで、我々の世界にそれを引き起こす万々一の可能性を持ったどんな火遊びも容赦できないと理解するのに十分なはずだ。実際の核戦争を除いて、人が犯すことができる最悪の罪だ。

 今我々ができる全ては、我々が自身を永久に消滅させる前に、何らかの健全な精神の小さい火花が、我々人類に深く火を点けるよう願うことだけだ。

_________________________

 私の記事は完全に読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら共有し、FacebookTwitterSoundcloudあるいは、YouTubeをフォローするか、Ko-fiPatreonPaypalのチップ入れにいくらか投げ銭していただきたい。更に多く読みたいとご希望なら、私の本を購入可能だ。私が発表する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトか、Substackでメーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて電子メールで通知が行く。人種差別サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事でも)再配布、使用、翻訳されるのを私は無条件に許可している。私が一体誰で、私がどういう立場で、この場で何をしようとしているのかなどについて、より詳細をお知りになりたい場合には、ここをクリック願いたい。全ての記事はアメリカ人の夫ティム・フォーリーとの共同執筆。

ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/05/08/ukraine-alone-makes-biden-the-worst-us-president-in-a-long-time/

----------

 狐につままれたような話題

 アメリカ国防長官が、ロシア国防大臣に即時停戦を要請?

 Moon of Alabama

If Ukraine Is Winning Why Is The U.S. Requesting A Ceasefire?

 Gonzalo Lira氏も語っている。

Gonzalo Lira: Why Did Lloyd Austin Call Sergei Shoigu?

 寺島メソッド翻訳NEWS

次々と明らかになるウクライナ生物研究所の実態:ドイツとポーランドも関与

 百々峰だより

ウクライナ問題の正体――アメリカとの情報戦に打ち克つために、その14「ロシア軍の行動は国際法違反?

 沖縄日本復帰50周年

 日刊IWJガイド

「本日は沖縄返還50周年!『「核抜き」本土なみ」』はどれだけ達成されたか? IWJは日比谷公園で開催されるデモを中継取材します」

« アメリカはキーウをナチから守ることで、この戦争を妨ぐことができたはずだ | トップページ | トラス演説と台湾問題 »

アメリカ」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

NATO」カテゴリの記事

ロシア」カテゴリの記事

Caitlin Johnstone」カテゴリの記事

ウクライナ」カテゴリの記事

バイデン政権」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« アメリカはキーウをナチから守ることで、この戦争を妨ぐことができたはずだ | トップページ | トラス演説と台湾問題 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ