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2022年5月20日 (金)

現状に投資している名士連中は人間のくず

2022年5月15日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 皆様は、彼らの仕事を楽しんでいる有名人は、世界の出来事に、なぜこれほど近視眼なのか不思議に思われたことがあるだろうか?連中の言葉や連中の音楽で皆様の心の奥深く、皆様をかき立てながら、シンクタンクや、権力に有利に話を歪曲する連中がでっち上げる偏狭な主流政治世界観を持つことができるのだろう?

 ここ数日、名士連中は特に不愉快な帝国ごますりで、そういうことになる際、一体何が起きているかの熟考には、おそらく時間を割く価値がある。

 最近、ベット・ミドラーは粉ミルク不足に関して「ケーキを食べればいいじゃない」風に、アメリカ人に「母乳を試しなさい。無料だし、要求にあわせてあげられる」とTwitterで言って大見出し記事になった

 アメリカの現状がしばしば作り出す健康上の問題や長時間労働もあるが、それに限らず、なぜ親が赤ん坊に始終母乳をあげることができないかには、もちろん多くの理由がある。裕福で権力をもった連中に引き起こされた組織上の問題に対して、個人に何をすべきか言うのは、そうした人々や体制批判から注意を逸らすのに大いに役立つ。

 

 3月、ミドラーは、ウクライナ国旗を持った子供の写真を載せたアカウントで「私は彼女のため、ガソリンに喜んで更に多く払う」とツイートしたように、それほど恵まれない人々の苦闘への無関心を広めるのにTwitterアカウントを使っている。ミドラーには推定2.5億ドルの資産がある。

 ウクライナの話題で言えば、最近U2のボノとEndは、もちろん彼らが大いに支持しているので、世界を脅かすアメリカによるロシアに対すに代理戦争を支持してキーウでコンサートをした。彼は戦争犯罪人ジョージ・W・ブッシュを「大好きになり」、世界経済フォーラムで資本主義を称賛し、2016年には、シリアに関するアメリカ帝国言説推進で戦争屋リンジー・グラハムと協力したボノは、もちろん2022年にキーウ地下鉄でアメリカ帝国言説を支持して「ウクライナに味方する」と歌って当然だ。

 最近サドグル・ジャッギー・ヴァースデーブという非常に人気の高いインド人精神指導者が専制政治流血が国際記事見出しになっているのに、アパルトヘイト民族国家の農業慣行を称賛し「イスラエルが世界を奮い立たせるよう!」とツイートした。魂の市場では「悟り」商人のごくわずかしか個人の目覚めに関し言うべき価値があるものを持っておらず、外界に関する意識の話になると、彼らほぼ全員ぐっすり眠っている。

 先日恐怖物作家のスティーヴン・キングは国土安全保障省真実省を率いる酔狂な阿呆リベラルを支持して「私はニーナ・ヤンコヴィッツを支持する」とツイートする奇異な決断をした。言うべき言葉もない。

 

 プロパガンダと、資本主義と、大規模軍事暴力によって、ばらばらにならないよう維持されている帝国内では、この種のことは非常にしばしば起きるが、この帝国内で著名な地位に出世した人々は、そうした物事と共生関係がある。

 2.5億ドルの資産を持った人物が、資本主義の終焉や、膨大な富の不平等の除去を支援することなどありりえない。富と地位をハリウッドから得ている人物が、ハリウッドがその重要部分である帝国プロパガンダ機関に反対することなどありえない。現状政治から利益を得る人物が、それらに対して意味ある反対を推進することなどありえない。

 そして、それは、お互いさまだ。帝国機構は、その死を求める人々を出世させない。反帝国主義ジャーナリスト、アーロン・マテはピューリッツァー賞を決して受賞するまい。反戦喜劇役者デイブ・スミスは、主流ハリウッド映画で決して主役を演じるまい。ヒットチャートのトップになる歌は、金と富裕を称賛する傾向があり、それを可能にする仕組みに対する反対を決して増幅しない。

 一般に、人は、そうなるよう推進する力がある人々の協力なしでは、金持ちや有名になれない。連中は、現状体制に、親密に絡み合わさっているので、そうした人々は、常に現状体制の継続に投資する。資本主義や、帝国や、イスラエルのアパルトヘイトや、アメリカ制裁や、冷戦瀬戸際外交の終焉を人が求めれば、そうした人々の誰からも、頂上への出世のために、手を貸してもらえる可能性はありそうにない。

 だから、人は名声と富への特別切符をもらった途端、すぐに自身が、自分を高めた現状システムに大きく投資している人々に囲まれていることに気がつく。人は彼らのパーティーに行く。人は非常に有名な場合、普通の人と普通の友情を維持するのが難しいので、彼らと友達になる。人は、そうと気がつく前に、世間としっかり隔絶された現状維持世界観の反響室の中にいるのだ。

 

 だから名声は、様々な方法で支配体制権力に対する支持を自己強化型のフィードバックループで、それは大問題だ。それは、我々の社会で最も多く発言力を持った人々は、常に必ず現状体制から大いに利益を得る人々であることを意味するから、大問題だ。彼らの声は、彼らが、より正当だとか、より正直だからではなく、単により拡声されるがゆえ、同じ体制下で苦しむ無数の何百万人もの人々を覆い隠してしまうのだ。

 体制がうまく機能していることを示唆する形で、世界と彼らの国について語る最もうるさい声を聞かされ、反対のことを言う遙かに多数の声は、事実上聞いてもらえない時、一体何が起きるだろう? 体制がうまく機能しているという錯覚を引き起こすのだ。現状維持政治はやるべきことをするだけで、大規模な全面的変更は不要なのだ。

 こうして、十分な人数の住民に、現状は機能しているに違いないと考えさせるので、現行支配体制秩序に対する名士の満足は、一種自明の予言になる。家計をやりくりし、破産せずに持ちこたえるどんな困難も、体制ではなく、自分が悪いのだ。答えは革命や変化ではなく、自滅的な自己責任と、経験から得られた無力さだ。

 寡頭政治帝国の中で名士だということは、極めて僅かが顕著な例外で、帝国工作員だということだ。我々の画面を埋め、我々の世界観を形成する奇妙なプラスチックの顔をした奇人連中は、国防総省や警察などの圧政機構機の一部だ。

 この乱雑の中を進む中、知っておいて有用なことだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/05/15/celebrities-are-such-scumbags-because-theyre-invested-in-the-status-quo/

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コメント

 おっしゃるとおりだと思います。素晴らしい論説です。
 例えば「マザーテレサ」、例えば「ダライ・ラマ」、例えば「アウンサンスーチー」等々、突然、米英や日本のマスコミにもてはやされる連中の共通項は、つまりは、「反共主義者」だということ。
 人口の1パーセントにも満たない人々が、財産の半分以上を独占する資本主義国のメディアには、支配層に都合の良い、インチキしか書かれません。


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