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2022年4月 7日 (木)

ロシアとの戦争を支持する評論家は人類の敵だ

2022年4月4日
ケイトリン・ジョンストン

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 MSNBCのショー・ヴェルシに出演して現代戦研究所のジョン・スペンサーがウクライナ、ブチャ市での戦争犯罪とされるもののかどで、ロシア軍と米軍の直接交戦を明示的に提唱した。

 「私は今日以前と異なり、この時点で、ロシアを止めるため、ロシアとの直接交戦のため要員投入を支持する用意がある」とスペンサーは言った。「平和維持と呼ぼう。皆さん好きなように呼んでください。我々は武器提供以上のことをしなればならない。「我々」というのはアメリカ合衆国を意味する。そう我々は連合として他の多くの人々と共にそうするが、我々は手本だ。だから地上軍を送ろう、武器を直接ロシアに対して送ろう。」

 核保有超大国との戦争を支持している事実をわかりにくくするためスペンサーが奇異なごまかしを使ってているのに留意願いたい。「ロシアと要員が直接交戦するようにしよう」「武器を直接ロシアに対して送ろう」。一体誰がそのような言い方をするのだろう?彼は米軍にロシア軍を砲撃するよう要求しており実に奇妙な言い方をしているだけだ。

 はっきりさせたいが軍需産業に資金供給されたただのシンクタンクがこれを言っているのではない。現代戦研究所国防総省が直接運営する陸軍士官学校の教育部門の一部だ。

 ショー司会者アリ・ヴェルシに、ロシアとの直接軍事対決が核戦争をもたらしかねないという警告について彼はどう考えるか問われた、スペンサーは言った「それは大きな危険だ、私はそれを理解している。だが今日は違う。」

 ヴェルシ自身は、オンラインでもソーシャルメディアでも、彼のゲストよりずっとはっきり言っている。

 「制裁や強い言葉の非難やオリガルヒの豪華クルーザーを奪う時期は過ぎた。」とヴェルシはMSNBC視聴者に言った。「もし今が国際連合やNATOや国連やG-20と欧州評議会やG-7が作られた類の時期でければ、これを止めないなら、これら連合に何の意味があるだろう?ウラジーミル・プーチンがこの恐怖政治を続ける中、世界は傍観していられない。」

 週末「日曜日にキーウに太陽が昇る時、欧米とNATOに転機が来て、民間人非戦闘員に対する戦争犯罪は全員の目に見える」とヴェルシがTwitterで言った。「言い逃れの時間がない。「二度とあってはならない」に何か意味があるとすれば、今は行動の時だ。」

 これで、彼が具体的に何を意味したか尋ねられて、ヴェルシは「直接軍事関与」を主張したとはっきり言った

 「一線は越えられ、プーチンが戦争犯罪を行い、直接軍事介入はNATOが今本気で考慮しなければならないものとなった」とヴェルシは付け加えた

 

 こうした意見を表明するヴェルシは、とんでもない精神異常者と私が言うと(私の考えでは、このような狂気に対する唯一健全な対応だ)彼は「飛行禁止区域は、欧米がウクライナに送る兵器の果てしない供給とさほど違わない」と言って、ウクライナのためにロシアと戦争をしても、必ずしも核戦争にならないと主張した

 こうした意見は、一流評論家が人に語る健全で許容される内容ではない。ロシア軍を直接攻撃すれば、実に容易に全面的核戦争に導きかねない急速なエスカレーション連鎖を始める危険を冒すことになる。予測可能だったり制御可能だったりするには余りに多数の小さな変動要素がある。ウクライナ上の飛行禁止区域設定は、NATO部隊を即座にロシアとの直接戦争に導くはずで、ウクライナ軍への兵器供給とは実際全く違うのだ。

 核保有超大国が、核兵器を持たない国と同様に見なすことができない事実は、スターリンが核爆弾を手に入れた時以来、全ての大国にとって基本的な常識通説だ。これは何年間も研究して、ようやく理解できるような何か高度で難解な概念ではない。私が知る限り、依然子供は小学校で核兵器の歴史や相互確証破壊について学んでいる。これは人が良い大人や、まして影響力ある売れっ子評論家に説明しなければならないことではない。

 ところが、それが益々当たり前になっている。我々が既に第三次世界大戦にあり、それに応じて行動をし始める必要があるという言説が益々頻繁に現れている。NATO諸国が核攻撃の応酬をひき起こさずに、ウクライナでロシア軍を攻撃しておいて、ただで済むことが可能かもしれないという考えは、あっという間に、欧米外交政策評論家独自ジャンルとなり、その傾向はこの戦争におけるロシアによる最近の(かなり疑わしい)残虐行為という主張で加速しつつあるように思われる。

 既にヴェルシの第三次世界大戦要求に、自身、陣太鼓を叩く訓練に長い時間かけた人権財団理事長ガルリ・カスパロフが加わった

 ニューヨーク・タイムズのようなメディアにも「アメリカとNATOは、ウクライナ支援のためだけではなく、将来の世界的地政学の安定性を確保するためにも、核兵器で威嚇するプーチン氏の企てに敬意を示してはならない」と説く世論形成者がいる。

 なぜバイデン政権は、ロシアに対し更にエスカレートしないのか知りたいと野心的な記者連中が積極的に要求する腹立たしいホワイトハウス記者会見があるが、主流報道機関は、より多くの流血を要求する時だけ、アメリカ当局に強引に対決的になるのを許されるという事実の、これ以上望めないほど明らかな実例だ。

 我々が以前論じたように、たとえ核保有超大国間の戦争に対する、これら益々喧しい要求が即座に成功しないにせよ、彼らがしているのは、主流言説のオーバートンの窓を、可能な限り極端な戦争挑発に押しやり、更なるエスカレーションの呼びかけが穏健に思われ、段階的縮小に対する要求が、ウラジーミル・プーチンの過激論者の弁明に見えるようにしてしまうのだ。最良のシナリオは、どんな思慮深い人も同意すべき以上に、人々が更に多くの核を使う瀬戸際外交に、ずっと同意しやくすることだ。

 

 これは問題だ。連中が、我々に、こうするのは問題だ。人類を容易に消滅しかねないエスカレーションという考えを、連中があたり前のことにするのは問題だ。人として、とり得る最悪の立場だ。ナチズムや皆様が思いつける他のどんな過激イデオロギー以上に狂っている。人類絶滅をもたらすかもしれない行動を支持する人々は我々人類全体の敵だ。

 ウクライナは依然外国志願兵を受け入れている。もしこの核兵器皆殺し尻軽連中がロシアに対する「直接軍事関与」にそれほどウズウズしているなら、全人類を引きずり込もうとせず、飛行機に乗って自分だけそうすればよいだろうと私は思う。

 あなたは直接軍事関与がご希望だろうか?結構。ご自身でおやり頂きたい。ご自身に何としてもご覧になりたい直接軍事関与をお願いしよう。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/04/04/pundits-who-advocate-hot-war-with-russia-are-enemies-of-humanity/

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 東京新聞 社会面 重要な写真。

米兵が琉球新報記者に銃口 連続写真

 こまつ座『貧乏物語』上演中。女優陣の大熱演。ジョンストンさんにも見て頂きたいもの。

 The Jimmy Dore Showも、同じ番組を取り上げている。

US Media Pushes “War Crime” Propaganda In Ukraine

 某youtube我慢しながら見た。ゼレンスキーを賞賛しながら日本の与党は危険という不思議な発想。両方危険か安全かだろう。

 寺島メソッド翻訳NEWS

クレムリンは学ぶことがないのか (ウクライナ、ブチャのプロパガンダ戦争)

 耕助のブログ

No. 1427 マイケル・ハドソンへのインタビュー

 9/11と無関係なイラクを大量破壊兵器という真っ赤なウソで攻撃した。あの戦争を煽ったアメリカのテレビ新聞、いまロシアとの直接戦争を煽っている。それを信じる阿呆。プーチンを戦争犯罪人と呼ぶ本人こそれっきとした戦争犯罪人。

 植草一秀の『知られざる真実』

イラク戦争の戦争犯罪検証不可欠

 Youtubeに「IWJ岩上安身 橋下徹と意気投合して歴史的和解が可能なレベル」というのがある。真実を知りたいものだ。

 日刊IWJガイド

「ロシアからマクドナルドは撤退してない? 欧州や日本企業が米国を筆頭とする経済制裁で撤退を余儀なくされている中、米国企業はロシアで営業中」2022.4.7号~No.3493号

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