ゼレンスキーはロシア石油に支払うのは「殺人報酬」だと言うが全ての石油購入がそうだ
誰から買おうとガソリンや軽油の購入は常に殺人報酬だ。
フアン・コール
2022年4月15日
アンアーバー(Informed Comment)
インタビューで、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がロシア石油に対し「殺人報酬」を支払ったと言ってドイツとハンガリーを非難したとBBCが報じている。
2022年にロシアはエネルギー輸出で3200億ドルの収入を得て、モスクワの戦争機構に燃料を供給した。
おそらく、ゼレンスキーは、アリン・ベーカー記者がTime誌で説明した問題、血のダイヤモンドになぞらえているのだ。一部のダイヤモンドは、大量殺人の資金調達をするため、ギャングが強制労働を使って採掘し、売るためにアフリカの紛争地域に由来する。倫理的な人々は、今血のダイヤモンドを買うのを避けようとしている。だが彼らは、殺人報酬石油を避けるのは不可能なことに気が付くだろう。
風力と太陽エネルギー、バッテリーや電気自動車への動きを速める政府の大規模プログラムは明白な進むべき道だが、緑の党はショルツよりも、はっきりこれを見ている。
ゼレンスキー大統領がガソリンや他の石油製品購入は殺人報酬を支払っているというのは正しい。この言葉は、ブチャ、マリウポリや他のウクライナ都市の子供、女性やと非戦闘員男性にしていることを考えれば、今のところ特にロシアにあてはまる。ロシアの石油も「血の石油」だ。
けれどもガソリンや軽油などの購入は誰からそれを得るかにかかわらず、常に殺人報酬だと私は付け加えたい。石油産業は、何百万という人々を殺し、何億人もの人々をホームレスにする可能性がある二酸化炭素排出で惑星を破壊しつつある。大気汚染で病気になったり、死にさえしたりする人々全員や、危険な石油や化学物質の漏れにより被害を与えられた全ての人々、掘削作業によって家を追われ、被害を受けた全ての人々は言うまでもない。それは大規模な殺人報酬だ。
ロシアに関してさえ、石油は単一国際市場なので、ルク・オイルから直接買わない場合でさえ、モスクワに殺人報酬を支払っているのだ。この商品を、あらゆる場所で/あらゆる人からの購入も価格を支持し、全ての生産者を助けるのだ。
一台買う余裕がある何千万人もの人々が一台も買わないが、全員がハイブリッドあるいは電気自動車を買う余裕があるわけではない。全員が公共交通機関を利用できるわけではないが、そうできる何百万人もの人々がそうしない。全員が自転車で仕事に行けるわけではないが、そうしている人々より遙かに多くの人々がそうできる。それは健康に良く、そうすれば長生きに役立つはずだ。そして我々全員、石油の悪を終わらせる大規模インフラ変えるため政府の力を使う政治家にだけ投票できる。
ゼレンスキーはなぜ特にベルリンとブダペストに腹を立てているのだろう? 欧州連合内でドイツとハンガリーは、これまで連合のロシア石油購入禁止令を無視している。
ドイツは一部のロシアボイコットを支持した。例えばロシア石炭ボイコットに参加し、ロシアからバルト海を通るノルドストリーム2ガスパイプラインを中止した。後者は死文になるかもしれない。
だがドイツはロシアから石油の25%とメタンガスの40%を輸入しており、オーラフ・ショルツ首相はそれら商品をボイコットするのは一層困難な提言だと主張している。彼の姿勢は連立相手、緑の党を激怒させた。
ショルツと、左翼なので、アメリカの反対にもかかわらず、モスクワとの良い関係を長年求めている社会民主党より、ドイツ緑の党は、ウクライナへの軍事援助送付を、より熱心に望んでいるとロイターのポール・カレルは報じている。だが、SPDは、ロシア政府がどう猛な資本主義者で権威主義者であることに気付いていないように思われ、それが社会主義とどう関係があるのか私は良く分からない。
だがドイツ緑の党もショルツ以上に化石燃料からの離脱を一層熱心に望んでいる。
だから、ウクライナ危機は、ベルリンの連立与党に重い負担をかけている。
もちろん、もしドイツがロシア石油をボイコットすれば、他の生産者から買わなければならないだろう。ボイコットでロシア石油を地中に保存すれば、グローバル供給が減るだろうから、価格はより高くなるだろう。それでドイツは有権者には評判が悪い新たな輸出業者に追加費用を払わなければなるまい。それ故、ショルツが不本意なのだ。風力や太陽エネルギー、バッテリーと電気自動車への動きを速める大規模な政府プログラムは明白な進むべき道だが、緑の党はショルツがそうするよりいっそう明らかにこれを見る。
ゼレンスキーはBBCに述べた。「我々の友人やパートナーの一部は今や時代が変わり、もはやビジネスと金の問題でないことを理解している。それは生き残りの問題だ。」
フアン・コール
著者について
フアン・コールはInformed Comment創設者と編集長。ミシガン大学のリチャード・P・ミッチェル歴史教授。著書にはMuhammad: Prophet of Peace Amid the Clash of EmpiresやThe Rubaiyat of Omar Khayyamがある。Twitterの@jricoleあるいはInformed Comment Facebook Pageで彼をフォローする。
記事原文のurl:https://www.juancole.com/2022/04/zelensky-against-russian.html
----------
The Jimmy Dore Show番組でこの記事を知った。
Zelensky Singles Out Russian Oil As “Blood Oil” With Straight Face
ロシア石油をやめ、サウジアラビア石油を買うというが、彼らは虐殺者だ。そもそも一番大量虐殺をしているのはアメリカだ。チョコレートからスニーカーまで、欧米の人々が易く購入しているのは発展途上国の人々を搾取しているおかげだというJimmy Dore氏説に納得。
芳ちゃんのブログ
WOKE in Tokyo. The US Nukes Cool Japan Out Of Its Existence: By Thorsten J. Pattberg for the Saker Blog, Apr/13/2022を翻訳しておられる。
『耕助のブログ』で翻訳された下記記事の続編。
4/22のJimmy Dore Show、イルハン・オマール議員の案に感心。
プーチンを戦争犯罪で非難するためアメリカは国際刑事裁判所締約国に加わるべき。
Pars Todayには下記記事があるが、属国大本営広報部は一切報じない。
The Sakerには、同じ筆者の最新記事がある。
Worried about WW3 and transmitting coronavirus, Japanese bought 20 million house pets
属国と違い、宗主国にはまともな保守論客もいる。
「ワシントンはウクライナ人が最後の1人となるまでロシアと戦う」 米国の保守の論客・ダグ・バンドゥ氏がバイデン政権を批判する論文を発表」
« この戦争は心理作戦で覆われたプロパガンダ攻勢だ:言説のマトリックスの端からのメモ | トップページ | 長い急降下へ向かうアメリカ・サウジアラビア関係 »
「アメリカ」カテゴリの記事
- アメリカは残忍なゲシュタポ国家になりつつある(2026.01.16)
- トランプとグリーンランドとヨーロッパが見て見ぬふりをする植民地主義(2026.01.12)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- アメリカは残忍なゲシュタポ国家になりつつある(2026.01.16)
「NATO」カテゴリの記事
- トランプとグリーンランドとヨーロッパが見て見ぬふりをする植民地主義(2026.01.12)
- 哀れなヨーロッパ属国諸国を暴露するトランプの超強化ならず者政権(2026.01.14)
「ロシア」カテゴリの記事
- 想像以上に酷いトランプ外交政策の狂気(2026.01.06)
「シェール・ガス・石油」カテゴリの記事
- アメリカの蛮行を隠蔽するためのロシアと中国に対する中傷(2026.01.13)
- ベネズエラの暗い穴で崩壊しかねないトランプの調子よい石油の夢(2026.01.11)
- 「力こそ正義」が我々全員にとって危険な理由(2026.01.10)
「サウジアラビア・湾岸諸国」カテゴリの記事
- 新たなエネルギーの未来に大きく賭けるアラムコ(2025.12.05)
- 世界を恐怖に陥れる一方、イスラム教徒を恐れよと我々に言うアメリカ帝国(2025.10.28)
- カタールの次はサウジアラビアか? サウジアラビア・パキスタン相互防衛協定は何を意味するのか?(2025.09.30)
- アラブ首脳会議:決意なき言説? アラブ連帯の限界、ドーハ2025(2025.09.22)
「ウクライナ」カテゴリの記事
- クリスマスに、裕福な「難民」が貧しいヨーロッパからウクライナに集まる理由(2026.01.07)
- 今やナチスに同行し「陥落した」ポクロフスクから偽ニュースを流布するBBC(2026.01.03)
- ロマン・アブラモビッチに法的措置を取るとキア・スターマーが恫喝しているのは、違法なだけでなく、経済的にも汚い行為だ。(2025.12.31)
コメント
« この戦争は心理作戦で覆われたプロパガンダ攻勢だ:言説のマトリックスの端からのメモ | トップページ | 長い急降下へ向かうアメリカ・サウジアラビア関係 »



個人的には、地球温暖化防止というのは、インチキな思想だと思っています。
現在の地球で、温室効果ガスの多くは、水蒸気(ただの水)です。ちなみに、温室効果ガスが全くなくなると、地球の平均気温は、マイナス18度にまで、低下するそうです。温室効果ガスは、極めて重要です。
二酸化炭素のほとんど大部分は、岩石として固定されているので、人間が利用できる化石燃料など、ほんのごく一部です。全部燃やしてしまっても、せいぜい恐竜が生きていた時代の気候に、ほんの少し近づく程度だと思われます。
生き物たちにとっては、二酸化炭素が増えて、気温も上がれば、むしろ、住みやすい環境です。
投稿: なし なし | 2022年4月25日 (月) 23時03分
宇沢教授の『自動車の社会的費用』を思い出しました。原油価格の高騰は庶民の生活を圧迫するという意味では嘆くべき事態ですが、非倫理的な石油製品の製造や石油商品の逓減に寄与するかもしれないという面では歓迎すべきかもしれません。
投稿: 一読者 | 2022年4月25日 (月) 18時53分