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2022年4月16日 (土)

ジェットコースターのようなパキスタン-アメリカ関係

2022年4月8日

Sakerブログへのザミール・アワン寄稿

 「アメリカの敵になるのは危険かもしれないが、友人になるのは致命的だ」ヘンリー・キッシンジャー。1947年10月20日、英領インドからの分離による、パキスタン独立から、わずか2カ月と6日後、アメリカは、パキスタンと国交を樹立した最初の国の一つになった。その時以来、関係は全ての分野で膨張し続け、教育、科学・技術、農業、経済での協力、貿易、防衛投資などは協力の主要分野だった。中国がパキスタン市場の最大輸入業者と輸出業者であるにもかかわらず、アメリカはパキスタン海外直接投資の最大の源の一つであり続け、(2016年まで)パキスタンの最大輸出市場だ。

 防衛分野での協力と共同作業は極めて顕著だった。1954年-55年、中央条約組織(CENTO)と東南アジア条約機構(SEATO)の採択以来、パキスタンは主要メンバーで、冷戦の大部分の間、アメリカと同盟していた。1971年-72年、アメリカが、防衛条約を持っていたにもかかわらず、冷たくあしらい、インドと戦うべくパキスタンを支援し損ねた東パキスタン戦争後、パキスタンはアメリカとの連合を終わらせた。1965年のインド・パキスタン戦争中、アメリカは、その誓約に反して、いかなる軍事支援の提供も拒否した。アメリカがもはや信頼できる同盟国ではないことは、パキスタンで広範囲にわたる反米感情を生み出した。

 冷戦時代、パキスタンは共産主義の脅威に対し、アメリカの友好同盟国のままだった。パキスタンはアメリカに全面的な支援と軍事基地を提供し、共産主義の拡大に対処した。旧ソビエト社会主義共和国連邦侵略に対するアフガン戦争では、パキスタンは前線国家で、アフガニスタンからのソビエト社会主義共和国連邦軍撤退まで全面的にアメリカに協力した。パキスタンは対テロ戦争中、アメリカと共に立ち上がり、非NATOの親密な同盟国を宣言した。

 ほぼ70年間、パキスタンはこの地域におけるアメリカ権益に奉仕し世話していた。パキスタンは貧しい経済の小国ではあるが、その戦略地政学的な位置と献身が、世界のこの地域で、アメリカが全ての戦略上の狙いを実現することを可能にした。

 パキスタンはアメリカ-中国関係を橋渡しする上で重要な役割を演じた。リチャード・ニクソン大統領とヘンリー・キッシンジャーは秘密接触を始めるため、中華人民共和国とパキスタンの親密な関係を利用し、その結果、1971年7月、パキスタン訪問後に中国へのヘンリー・キッシンジャーの秘密訪問をもたらした。この接触は1972年、中国へのニクソン訪問と、更にアメリカと中華人民共和国の関係正常化をもたらした。中国は常にそれを認識して、高く評価しているのに対し、アメリカはそれを見過ごしている。

 実際、パキスタンはアメリカ援助の最大受益国の一つだったが、支援の大部分は支配層エリートとアメリカ当局者内にしか回らなかった。社会には、ほとんど何のトリクルダウン効果もなかった。パキスタンあるいはアメリカの少数個人だけが、この援助の受益者で、一般大衆は恩恵を受けなかった。

 だが、パキスタンはアメリカ側につくために非常に重い代償を支払わねばならない。アフガン戦争で、アメリカ支援のために、我々は80,000人の貴重な人命を犠牲にした。経済的損害は、2500億ドルと推定される。国の社会的、経済的成長に対する巨大な妨げだ。不穏状態のため、経済活動が止まり、社会が悪化した。過激主義、不寛容、テロ、麻薬や銃文化はパキスタンへの追加の贈り物だった。意図的に、社会は過激化し、個人と団体が資金供給され、洗脳され、訓練され、武装させられ、国家に対し利用された。

 アメリカは我々の社会に入り込み、社会の弱点を理解した。彼らは不正で、不実で、貪欲で、不満を抱く、貧窮したパキスタン人を見つけ出した。連中は彼らに金や、ビザ、移住などを申し出て、国家に対して利用できるよう彼らを養成した。今日、アメリカ国籍や、グリーンカード、複数ビザなどを持って、アメリカ権益を支持する多くのパキスタン人がいる。支配層エリートの一部は、アメリカでの彼らの未来を考慮して、アメリカで彼らの正当、あるいは不正な所得の富を保持し、アメリカに彼らの家族を置いている。実際、支配層エリートの大半がアメリカにより忠実ながら、パキスタンに仕えている。彼らが人生を賭ける対象は、パキスタンではなく、アメリカだ。

 アメリカはパキスタン内政介入の実績があり、公務員の任命、異動、昇進、指名のような些細な問題まで命令し続けている。実のところ、アメリカは、パキスタンの重要役職に、国内問題を解決するのではなく、自分たちの狙いに奉仕する忠実な連中を据える。民主主義の旗の下、連中はパキスタンに、常に自分たちの狙いを押し付けている。友情を装い、内政に影響を与えるべく、連中はパキスタンに強力なロビーを育成した。

 公表された書類が示す通り、冷戦中、アメリカは政権転覆に70回以上関係していた。だ冷戦後の一極世界で、この頻度は何倍にも増えているに違いない。イラク、アフガニスタン、リビア、イエメン、チュニジア、エジプトの政権転覆、シリア、アラブの春などは、他の国々に知られている少数の例に過ぎない。だが同様な活動の実数は上回っているかもしれない。

 だが中国の勃興とロシアの復活が対抗勢力をもたらし、世界は、またもや多極世界へと変化した。シリア政権転覆で、アメリカが失敗した主要な理由はロシアだった。この事象はアメリカを抑制し、アメリカが唯一の超大国でないことを明らかにした。

 アメリカの友情の最近の被害者は、スリランカとパキスタンだ。両国ともアメリカの友好同盟国で、彼らの友情ゆえに罰せられている。スリランカは順調に発展しており、非常に安定した国だった。ところが、アメリカ介入がそれを不安定にし、民主的な経済体制に打撃を与えた。ほとんど内戦のような状態を過ごしつつあり経済はほぼ破壊された。

 パキスタンも似たような状況に直面している。前元外務大臣シャー・マフムード・クレイシーは、アメリカがパキスタンに、モスクワ訪問を中止するよう要求していたと公開で述べている。イムラン・カーン首相のプーチン大統領との会談は許されず、罰せられた。会談がずっと前に決定され、ウクライナ問題に何も関係ないが、アメリカは非論理的にそれを結びつけている。パキスタンは中国パキスタン経済回廊(CPEC)を撤回し、中国から距離を維持するよう要求されている。冷戦時代、パキスタンは常に中国とアメリカ同様親密な関係を維持したのに。アメリカも中国・パキスタンの密接な関係の受益者だった。

 ウクライナに対するパキスタンの姿勢は、自立していて、調停の意欲満々だった。だが、国連で棄権することに対し、アメリカはいら立っていた。アメリカが支持する国連決議に関し、他の多くの国々も、反対したり、棄権したりしたのだが。特に、インドも、これには棄権した。しかも制裁に違反している。インドはロシアから、より安い石油やS-400を購入しているが、アメリカ政権が沈黙を守っている。

 皮肉なことに、アメリカは、パキスタンの友人になりたいと望んでおらず、他のいかなる国もパキスタンに好意的になるのを許さない。アメリカの心理を理解するには、最初に引用したヘンリー・キッシンジャーの言葉が完ぺきな例だ。アメリカはイムラン・カーン首相を罰するのに成功するかもしれないが、彼がこの国の青年に残した言葉は生き続けるだろう。パキスタンは外国の影響力に屈服せず、どんな圧力や強要にも抵抗するだろう。アメリカは暴露され、誠実な友人としての信頼を失っている。アメリカは、いかなる国や国民に対する友人でも幸いを祈る国でもない。全ての国々がパキスタンの経験から学ぶべきだ。いかなる主権国家の内政に対する干渉を止めるべく国連介入が要請されている。

 著者:ザミール・アーメド・アワン教授 Engr.は中国研究家(元外交官)、編集者、アナリスト、CCG(中国・グローバリゼーション・センター)非常駐研究員。(電子メール:awanzamir@yahoo.com)。

記事原文のurl:https://thesaker.is/roller-coaster-of-pakistan-us-relations/

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 正論を拝読しながら「米英特殊部隊、そもそも始めからロシア軍と戦闘状態にある」と思う。ウクライナ・ナチだけで戦えるはずがない。陸海空、宇宙あらゆる手段を駆使した全面戦争。舞台がウクライナというだけ。原発だらけの日本で、これが展開されると思うと生きた心地がしない。宗主国は、もちろんそれを狙っている。自分は決して傷つかず、兵器が大量消費されるのは、夢の世界。

 櫻井ジャーナル

米英の特殊部隊はすでにロシア軍と戦闘状態にある

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