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2022年3月28日 (月)

ウクライナの「民主主義」を守る:言説のマトリックスの端からのメモ

2022年3月22日
ケイトリン・ジョンストン

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 我々は11の野党活動を禁止したばかりの政権の「民主主義」を守るため、非常に急速に、非常に核の可能性が高い第三次世界大戦の危険をおかしている。

 不都合になると野党を排除しても、なぜ問題ないのか説明するリベラル派は、連中が本当は何者かを全員に語るリベラル派に過ぎない。

 常にレオポルド2世国王ではなく、アドルフ・ヒトラーによる大量殺戮の悪行について皆様が聞く一つの理由は、ヒトラーが白人に帝国主義を実践したためだ。皆様がウクライナ報道や、他の最近の軍事侵略報道との相違を見る際、それを念頭に置かれたい。

 これはデスクトップTwitterユーザーが、本記事執筆時点で、画面一番上右で受信するメッセージだ。

 アメリカ政府検閲を推進する上でのシリコンバレーの役割について、我々は大いに話をするが、同様にアメリカ政府プロパガンダを推進する上での連中の役割についても我々はおそらく遙かに多く話すべきだ。検閲とプロパガンダという二つの単語があるが、実際それらは同じ一つの「言説支配」の異なる側面に過ぎない。プロパガンダは帝国の言説支配の積極的側面(情報を加える)で、検閲は否定的側面だ(情報を取り除く)。

 世界の最有力言説を支配する人は、誰であれ世界そのものを支配する。シリコンバレーやハリウッドや寡頭政治「ニュース」メディアなどの言説支配機構は、アメリカに中央集権化した帝国を維持する上で、米軍より遙かに大きな役割を演じている。

 アメリカと全ての帝国メンバー諸国は、プーチンがアメリカ一極世界支配を脅かすのと、「単一世界政府を作る隠された陰謀があると私は確信している。」とささやく右翼がいるので、自分達が引き起こした戦争に対し、ロシア経済を絞めつけている。

 そう、単一の権力構造下で世界を統合する狙いはあるが、それは左翼的反帝国主義者たちが長年警告してきたものだ。しかもそれは全く隠されていない。それはウォルフォウィッツ・ドクトリンのような公開情報で、軍装備品や資源の動きを肉眼で観察するだけで証明できる。

 我々の世界の問題は組織的だ。我々の問題がクラウス・シュワブのような個人のせいのふりをするのは、そうした少数の腐った連中だけ排除すれば済むので、資本主義やアメリカ支配のような既存体制をイデオロギー的に支持する人々にとって魅力的だ。だが現実には、権力に奉仕する体制が必然的に権力自身を統合し、強化するのを可能にし、次第に全人類をその意志に従わせる方向に向かっている。そもそも我々が自身に核攻撃を加えて忘却のふちに沈まない限り、我々がそれら体制を変えるまで、これは起き続けるだろう。

 これは全て特定権力構造が世界支配者として自ら任じた役割によって促進されている。アメリカに中央集権化した帝国の外国政策行動は、本質的に、国々をその塊の中に吸収し、拒否する国々を破壊するため継続的に動いている不従順に対する休みなしの戦争だ。

 起きていることについて、「一体なぜか」という言説を頭の中で消して、客観的に起きていることだけ見れば、見えるのは、単一の最有力の権力構造が、世界の大多数の資質や富や情報を支配し、服従しないどんな国でも罰する姿だ。これが物語るのは、益々世界の多くを支配するために、何であれ、しなければならないことをしている権力構造があり、次に、なぜそれが起きる必要があったかについての言説を我々が与えられるということだ(何たらかんたらの理由で、サダムは去らねばならず、何たらかんたらの理由で、NATOは拡張する必要がある等々)。

 実際は、言説歪曲の下で、巨大な専制君主が暴君的行動をしているのだ。ハインラインは「人間は合理的な動物ではない。人間は合理化する動物だ。」と言った。これは個人と同様、帝国や連中の言説支配機構にも当てはまる。

 「全てをアメリカのせいにして」一極主義世界覇権国が、巨大な戦略地政学的結果をもたらす主要な紛争で、おそらく何らかの役割を演じていると言うのは、何か突飛で妄想的な見方であるかのように人々は話す。彼らは文明史上最強力な帝国が世界支配の狙いに影響を与えるあらゆる大きな紛争の操作に直接関与し得るとは冗談抜きになかなか信じられないのだ。

 彼らはこう言っているようなものだ。「冗談じゃない。アメリカ帝国は全ての主要国際紛争で悪役を演じることはできない。」もしそれが本当なら、アメリカ帝国は存在していないはずだ。優しくしていては、世界の一極覇権国にはなれない。あらゆる世界的な出来事を、力ずくで、自分に有利なようにすることで一極覇権国でいられるのだ。

 全てを支配しながら一切責任負わないわけにはゆかない。慰め会をして、誰かが彼に気分を害された時の家族に君臨する横暴なナルシストのようなものだ。「おお、その通り、常にパパの欠陥だ。私は常に悪人だ。」つまり、ああそんなものだ。そんなの当たり前。

 ラッセル・ブランド@rustyrocketsが私の記事を読み上げた。「アメリカの敵にだけに適用されるなら、国際法は無意味な概念だ」。https://t.co/Ma5AmF8Edr
- ケイトリン・ジョンストン - (@caitoz) 2022年3月21日

 「westsplaining欧米のせいにする」にそれほど皆様が憤慨しておられるなら、欧米帝国に「westspreading欧米による流布」を止めるよう言って頂きたい。

 リベラル派は戦争中、野党の活動を禁止するのは合法的だと本当に信じてさえいない。そういう考えは今日以前、連中は決して思い浮かばなかった。彼らは神聖なウクライナの魅力的な男がそれをしたので、すべき正しいことに違いないと考えているのだ。

 リベラル派は、権力者連中が隠し立てし、ウソをつく権利を擁護して五年過ごした。今の戦争で、権力者連中が隠し立てし、ウソをついていると言うと、彼らは腹を立てる。皆様は、検閲や、CIA賛美や、アサンジ迫害などは一体何が狙いだったと思われるだろう?

 リベラル派は自身を、平和や民主主義や報道の自由を信じる懐疑的な洗練された進歩派とみなすように育てられ、結局彼らは、どういうわけか、どんな批判的な考えもなしに、この三つ全てに反対する主張をすることになったのだ。何と法外な光景だろう。

 もし友人が私のためになるよう、彼らは私に隠し立てし、時々ウソをつくつもりだと私にいえば、彼らは私の長い友人にはならないはずだ。私は確かに懐疑のかけらもなしに彼らが言う全てを鵜呑みにしない。そして、それにも拘わらずこれが今日欧米リベラル派の状態なのだ。

 支離滅裂な狂気に直面して「反対意見を持つ人間」でいるのは実際良いことだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/03/22/defending-ukrainian-democracy-notes-from-the-edge-of-the-narrative-matrix/

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 植草一秀の『知られざる真実』の記事とも、つながっている。最悪の自由と民主主義の破壊者が、よく言う。

自己抑制機能低下のバイデン大統領

 耕助のブログの新しい翻訳記事

No. 1418 欧米メディアは “妄想か、または真っ赤な嘘をついている”

 Glogal Research よく拝読しているの二人のインタビュー 軍事に関するスコット・リッター氏の意見、大相撲の合間に 流れた属国大本営部ニュースや、新聞記事と大違い。経済に関するマイケル・ハドソン氏インタビューは文字に起こされている。マイケル・ハドソン氏インタビューはThe Saker interviews Michael Hudsonにもある。

NATO-Russia Proxy War: Revealing Signs of a Fading America: Scott Ritter, Michael Hudson

 大本営広報部以外の記事しか興味を持てない。

 百々峰だより

ウクライナ問題の正体――アメリカとの情報戦に打ち克つために、その6

 寺島メソッド翻訳NEWS

マリウポリの劇場爆破は、ウクライナのアゾフ過激派がNATOの介入誘導のために仕組んだのか?

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名 「死の商人」国家の露頭?

しばしば、戦争と軍産複合体の関係が指摘される。今回のウクライナ問題でもそれが見られている。大活躍が携行可能の地対空ミサイル・ジャベロン。現在取り扱いはロッキード・マーティンとレイセオン・テクノロジーズ。両社共露軍侵攻開始後、株価は大きく上昇。

 日刊IWJガイド 一部をコピーさせていただこう。

ツイッター「IWJ_Sokuho」3月27日、バイデン大統領がワルシャワで演説「ウラジミール・プーチンは権力の座にとどまることはできない」と、ロシア政権転覆発言! 演説原稿にもない発言に米当局者は「政権交代や体制転換を要求したのではない」と慌てて火消し!ロシア大統領府は「それはバイデンが決めることではない。ロシアの大統領はロシア人が選出するものだ」と至極まともなコメント!バイデン大統領はウクライナ難民との面会でプーチン氏を「虐殺者(Butcher)」と罵倒! 演説前夜にロシア国防省が公開した「ハンター・バイデン(息子)がウクライナの生物学研究所への関与した疑惑」で逆上したのか!?

【詳細は号外で】スクープ! バイデン一家と米国の「アブない」生物学研究がつながった! バイデン大統領の次男、ハンター・バイデン氏がウクライナのバイオ研究所への資金提供に関与していると、ウクライナのバイオ研究所から押収した資料をもとにロシアのペスコフ大統領報道官が暴露!英国タブロイド紙『デイリーメール』は、ハンター・バイデン氏のノートパソコンから漏洩したメールから、ハンター・バイデン氏の関与を指摘! 日本のマスメディアはバイデンとバイオの関連疑惑について全く報じず!! 世界336ヶ所に存在する米国の生物学研究所はいったい何をやっているのか?全容解明が求められる!

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