中国を分裂させて破壊しようとしているアメリカ
2022年2月27日
ワレリー・クリコフ
New Eastern Outlook
2月22日に行われた電話会話で、中国-アメリカ関係悪化に関する中国の懸念で、これはワシントンによる行動の直接の結果だと思うとアメリカのアンソニー・ブリンケン国務長官に中国の王毅外務大臣が言った。中国外務大臣によれば、北京は「3つの原則:相互尊重、平和共存と相互に有益な協力に基づいて」アメリカとの関係を構築する用意がある。だが、ご覧のとおり、ワシントンの覇権願望から、アメリカが全く違った手法をとり、特に、アメリカの新しいインド・太平洋戦略で、中国は主要競争相手だと指名し、中華人民共和国の国家としてのアイデンティティーの破壊をもたらすほどの中国封じ込めのためのあらゆる行動をとる結果になった。
この点、北京に対するワシントンの「台湾カード」利用は非常に印象的な例だが、その一つに過ぎない。現在、台湾の状況は二国間関係における重要な問題だ。中華人民共和国は、この島を領土と考えていることが知られているが、数カ国が台湾を独立国家と認めている。アメリカ自身は公式に台湾の独立を認めていないが、防衛圏とし、台湾に売る武器の量を増やし、台湾の蔡英文大統領に北京による攻撃が起きた際の支援約束を含め、親密な絆を維持している。最近、駐ワシントン中国大使秦剛は、アメリカ・ラジオ局NPRでのインタビューで、アメリカによる台湾の独立願望支持は、アメリカ・中国間の武力衝突を招く危険があると警告した。この中国外交官は、平和的な再統一に対する北京の希望に触れながら、アメリカ・中国間関係で、台湾は「最大の火薬樽」だと呼び、抑止力として、武力を放棄しないことを強調した。
「ワシントンは、中国とロシアに同時に極端な圧力をかけるという歴史的過ちをしている」と中国の新聞環球時報が指摘している。「アメリカは自己中心主義の拡大に過度にふけり、中国とロシアが「国際規則を破り」「国際秩序に挑戦した」というウソをでっちあげた。欧米で、これらのウソに対する強い信頼を引き起こし、自身に中国とロシアとの危険な同時対立を強いている。中国とロシアを同時に封じ込めるのは横柄な考えだ。アメリカは、武力の点で優位ではあるが、中国あるいはロシアを押しつぶすことはできない。二国のいずれとも戦略的衝突をすれば、アメリカに耐えがたい代償をもたらすだろう。中国とロシアが協力するのはワシントンにとっての悪夢だ」とこの中国の新聞がワシントンに警告した。
だが中国を完全に打倒するために、中華人民共和国をより小さい国々に分解しようとしているワシントンの現在の政策で、台湾を中国からの分離は唯一の狙いではない。そうする上で、北部と南部中国のライバル関係で最も顕著な、中国の各地域間の大きな相違をアメリカは利用しようとしている。同じ国に属しているにもかかわらず、中国の各地域は重要な言語的、文化的、歴史的、経済的、さらに地政学的相違がある。それぞれの地域が自身の開発パラダイムを持っている。特別な言語と気質の南部中国は別として、上海地域、北西中国あるいは「絹のベルト」、北中国、中央中国と四川地域は際立っている。だから、北京と広州の人々は会話でお互いに理解できないが、漢字が同じだから、彼らは書面の通信なら難なくできる。書き言葉は中国の多言語住民を一つの共同体に結び付け、彼らがお互いとやりとりし、共通の文明社会に所属していると感じられるようにしている。中国の他地域と異なり、53の言語と多くの異なる宗教が共存する新疆維吾爾自治区は、その好例だ。
これらや中華人民共和国のいくつかの他の特性に基づいて、アメリカと、北京との戦いで主要補佐イギリスの破壊戦略は、様々な中国地域の自己認識と孤立化を促進し、社会経済学的多様化を最大化して、最大の連邦化も含め、同盟体制に移行することだ。これは常に典型的なアングロサクソンの分割して征服する戦術だ。だがこれを成功裏に実施するためには、主に欧米の「リベラルな価値観」に中国社会を開く上で欧米に譲歩する用意がある中国指導者が必要だ。
だから、ワシントンによる現在の「改革運動」が、アメリカ人億万長者で金融の冒険家ジョージ・ソロスがTwitterで「開かれた社会が今日直面する最大の脅威」と呼んだ習近平を傷つけることに焦点をあてているのは驚くべきことではない。彼の反中国言説で、ジョージ・ソロスは中国指導者をヒットラーに例えることさえしている。ソロスによれば、習近平は2022年オリンピックを、1936年に第三帝国総統、アドルフ・ヒットラーがしたのと同じ方法で、すなわち「厳しい彼の支配体制のプロパガンダ勝利を獲得するため」利用しているのだ。スタンフォード大学と、2022年1月31日、フーバー研究所での講演で、ソロスは現在の中国指導者が、党内ライバルにより権力から解任され「国内ではそれほど抑圧的ではなく、外国では、より穏やかな人物」に交替させられる希望を表明した。この評価は確実にソロス自身と、非常に本格的な国家を超えた支持を持っていると考えられるがロシアでは好ましくないとみなされている彼のオープン・ソサエティー財団のみならず、現在のアメリカ政治支配層の政治計画を示している。
しかしながら、世界既に変更できないほど変化しており、アメリカの恫喝も陰険な計画も、もはや誰も怖がらせることができないことをアメリカは理解しているように思われない。特に中国とロシア間の強い和解や、この二国の指導者の政治姿勢を考慮に入れると、これはワシントン自身にとっての本当の「悪夢」に変わるかもしれない。
ワレリー・クリコフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/02/27/us-tries-to-fragment-and-destroy-china/
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ゼレンスキー、中国に仲介を求めているという。
cui bono
植草一秀の『知られざる真実』
元ウクライナ大使の馬渕氏のサイトに、オデッサの虐殺に関する記事がある。
馬渕睦夫が語る虐殺とウクライナ問題の真実
ウクライナ人が火炎瓶でロシア人を焼き殺し、ウクライナ政府が虐殺を称賛した「オデッサの虐殺」
キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!) の事件だ。
地図を見れば、ロシアのミサイルに対する懸念は当然。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米ソ(露)双方は莫大な核兵器保持しながら、核戦争を避けてきた。米ソ(露)双方が相互確証破壊戦略に合意してきたから。ウクライナ問題はNATOの東方拡大でこの均衡を破り、ウクライナに中距離・短距離弾道ミサイル配備で米の優位を築こうとする動きへの露の反発
昨日の孫崎享氏インタビュー、いつもながら勉強させていただいた。ご覧になっていない方も下記をお読みいただける。
日刊IWJガイド
「ウクライナ全土にロシア軍侵攻で世界に衝撃! 核戦争までエスカレートさせるな! 岩上安身による元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー報告」2022.3.4号~No.3459号
<インタビュー報告>「ウクライナ東部独立は悪? 東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(第4回)まさかのウクライナ全土にロシア軍侵攻で世界に衝撃! 世界は制裁へ! 核兵器の配備や使用の声が東西から! 核戦争までエスカレートさせる
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