インドは今クァッドを脱退すべき!
M. K. Bhadrakumar
Asia-Pacific Research 2022年3月21日
Indian Punchline 2022年3月14日
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今日、軍事エスカレーションの危険は言い表せないほどだ。
今ウクライナで起きていることは、重大な地政学上の帰結的意味がある。それは我々を第三次世界大戦のシナリオに導きかねない。
エスカレーションの防止を考慮した和平策定プロセスが始められることが重要だ。
Global Researchはロシアのウクライナの侵略を支持しない。
この戦争の歴史が理解されなければならない。
8年前にウクライナ軍が率いて始めたドンバスの人々に向けた爆撃と砲撃で、住宅地域の破壊と10,000人以上の民間人犠牲者をもたらした。
二国間の平和協定が必要だ。
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アメリカとロシアと中国という超大国間の隔離は、決してすべき賢明なことではなかった。インドは、この矛盾が決して解決できないことを知っているべきだった。
今や、ロシアを出血させ、手足をばらばらにするためアメリカが剣を抜き、中国に、口出しするなと最後通牒をした決定的瞬間だ。
とうとう、事態の重大さは十分に理解されつつある。それが、日曜、モディ首相が召集し、そこで彼が「領海、領空と同様、国境地帯におけるインド安全保障準備の最近の進展と、異なる側面について」ブリーフィングを受けた「インドの安全保障上の準備と、ウクライナで進行中の紛争という環境で、支配的なグローバル・シナリオを再検討するための」安全保障閣議の結果、出されたメッセージだ。
今日ローマでアメリカのジェイク・サリバン国家安全保障担当補佐官と中国のトップ外交官で中央政治局委員楊潔篪との会談は、世界政治の決定的な瞬間になるはずだ。
昨日、CNNインタビューで、サリバンは中国をはっきり脅迫した。彼は、こう述べた。
「我々は直接、非公開で、北京に、大規模な制裁回避の取り組みや、ロシアの補給支援には、必ずや重大な結果があると伝えている。我々はそれを進めることや、どんな国からも、世界中のどこからでも、これら経済封鎖に対して、ロシアへのライフラインを可能にすることを許さない。」
中国への警告は、ロシアに対するアメリカ制裁に従い、どんな形式であれ、ロシアに支援(「ライフライン」)を提供するのをやめるべきだということだ。
サリバンの声明の刃先はインドにも向かっている。帰結的意味は、何とも非常に重大だ。要するに、ワシントンの要求は、インドもロシアと関係を放棄すべきだというのだ。
それは、主にインドが防衛関係を凍結すべきことを意味する。我が軍の兵器の60-70%ほどが、ロシア製であることを考えると、これはインド防衛準備にとって大打撃だ。
本質的に、これはインド指導部にとって始めての厳しい試練となるだろう。アメリカが既に、要求の趣旨を政府に伝えているので、午後せきたてるように安全保障閣議を召集する動きが続いたのは当然だ。
先週、ロシアのエネルギー大臣は、インドのエネルギー大臣に電話し、譲許的価格で石油を提供したのみならず、インド企業に優先的にロシアの石油とガス田に対する投資を増すよう呼びかけた。石油価格が1バレル130ドルを越え、ガスのスポット市場価格が千立方メートルにつき4000ドルに接近している時、ロシアの申し出は神からの贈り物だった。
だが、政府がそれを軽視した事実は疑心暗鬼状態を示している。イランとの結びつきの元にもどした統一進歩同盟の考え方を特徴づけたのと同じ臆病の徴候を示している。
アメリカは我々のエリートが主に弱くて当てにならない連中なのを経験している。腐敗の度合いを考えると、我が国には、あらゆる既得権益団体がある。しかも我々のエリート内の買弁資本家連中はアメリカの思惑の利害関係者だ。それが悲劇的な人生の現実だ。
だが現在の相違は迫るアメリカの恫喝はインドの防衛力と国家安全保障に極めて重要な影響があることだ。民族主義の信条を宣言する政府にとって選択は明確であるべきだ。
モディ政府は、アメリカのロシアに関する措置に従うのを拒否すべきだ。以上終わり。おそらくアメリカは虚勢を張っているのだ。あるいは、もし支払うべき代償があるとすれば、指導部は国民に胸襟を開き、いかに費用がかかろうとも、根本的に重要な国の権益を守る長期的必要性を説明すべきなのだ。インド人は愛国的な民族だ。
私の理解では、今日の世界で、アメリカ覇権は持続不可能だ。アメリカは、個別あるいは集合的に、いじめやすい人々をいじめ、恐喝しやすい支配層を恐喝するのだ。願わくは、我々を支配するエリートが、このような哀れな範疇に分類されぬよう。
自由への戦いは実に困難だった。現在の苦境も、この国の独立に関するものだ。国民は鼓舞するリーダーの下に結集するだろう。
主に過去20年、アメリカ・ロビイストがアメリカとの同盟こそインド権益が最もうまく維持できると説明し始め、まずい外交政策のおかげで今の情けない状況に至ったのだ。
「非同盟」と「戦略的の自立」は古めかしい概念となった。そこで、2000年頃、インドは当時の悪名が高い本の書名を借りれば、我々の「自然な同盟国」と組むべく「ルビコンを渡った」のだ。それが、21年後の今日、この国を一体どういう状態にしただろう?
メディアの自称外交政策権威者や戦略的な免除は国際政治判断でひどく間違っていたことが判明した。ルビコンを越えて我々が見て経験したのは、詐欺師連中に未来を約束されたエルドラドとは大違いの干上がった大地と猛禽類の荒涼とした風景だった。
インド外交政策は戦略的な路線訂正が必要だ。その狙いが世界覇権の維持である全く自己中心的なアメリカから、インドは完全に距離をおくべきだ。その方向で最初の措置はクァッド離脱だ。
確かに、進行中のアメリカ-中国対決は我々が予想したより早いかもしれないが、インドが巻き込まれるのは悲惨だ。週末日本の岸田首相のインド訪問は懸念を引き起こす。
我々の肌の色、宗教、文化、地理、政治経済からして、我々は欧米に決して「仲間」として受け入れられるまい。対等な協力関係の約束に魅了されてはならない。自らの権益追求で、利己的で、身勝手で、冷酷なアメリカの実績をご覧願いたい。
歴史は冷戦終焉では終わらなかった。基本的に、欧米列強の計画は、人類の88パーセントが暮らす世界の国々、特にアジアからの富の大規模移転を通して、連中の経済的衰退を阻止する切実な必要性に裏付けられた新植民地主義形式なのだ。それを目指して、欧米は、「グローバリゼーション」をぞんざいに葬り、多国主義に背を向けた。
状況の展開は、19世紀の植民地時代と本質的に変わらない。それゆえ、インドは、主権の維持、苦労して勝ち取った独立、そして最も重要なこととして、内政干渉や「政権転覆」試みから切り離された成長への道を選択する大切な自由の受益者として志を同じくする国々と協力すべきなのだ。
穏やかな外部環境が喫緊に必要であり、外交政策はその目的を優先するべきだ。それは中国やパキスタンに対するインド政策の見直しを意味する。我々は、主として何十年も前に、プロパガンダ目的の虫の良い物語にはまり込んで立ち往生しているのだ。幸い最近、再考の初期兆候がある。中国やパキスタンとのインドの重要な関係をワシントンにぶち壊させてはならない。
内省ができなければ、その国に未来はない。過ちをおかして、償いをしないのは愚かな自負心と思い上がりだ。インド人は寛容な民族だ。そして少なくとも現在の政府は、偽りの言説を受け継いだだけなのだ。
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本記事の初出は、Indian Punchline
著作権cM・K・Bhadrakumar、Indian Punchline、2022
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記事原文のurl:https://www.asia-pacificresearch.com/india-should-quit-quad-now/5631017
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