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2022年3月21日 (月)

欧米はなぜ傭兵戦争をするのか?

2022年3月17日
ワレリー・クリコフ
New Eastern Outlook

 先住民の道徳低下の時代でさえ、自国民にとって兵役が「名誉」から「煩わしい」ものに変わっると、ローマ帝国の支配者たちは傭兵に頼った。イラン人も同じく、ダリウス3世とアレクサンダー大王との戦争で、帝国の危機に際して、最も戦闘準備の整った部隊であるギリシャ傭兵に頼った。フランスは第一次世界大戦中、積極的にセネガル人を使い、イギリスはグルカ人を使い、グルカ兵は、セルビアでも、イギリス占領軍の一部だった。世界史には、多くのよく似た傭兵活動の例がある。

 類似の状況が今日欧米で起きており、旧世界と新世界における支配体制の侵略政策は、自国民の「感情的支援の高まり」を得られず、ワシントンとNATO属国は、以前から「支援部隊」に変化している欧米民間軍事企業PMCに頼れざるを得ない事実をもたらしている。北大西洋条約機構の誰も、ワシントンの地政学的権益を推進するため、自国兵士をバルカン諸国の人肉挽き肉機に進んで投げ込みくなかったため、ユーゴスラビア戦争で、欧米がこの戦術を使った。だから、ユーゴスラビアの出来事でヨーロッパのご主人たちの貴重な血を流すのではなく、ブリュッセルによってPMCとトルコが「主要攻撃部隊」(あるいはむしろ「主要砲弾のえじき」)として選ばれたのは驚くべきことでではない!

 だから、今日のアングロサクソンの軍事、政治戦略は、敵との直接の戦闘接触と自身の損失を最小にしながら、安全な距離で、彼らが敵を破滅させるのを可能にする先進的兵器と民間軍事企業を積極的に使い始めた。ユーゴスラビア、リビア、イラク、シリア、アフガニスタンやイエメンがそうだった。民間軍事企業は、通常、特殊部隊を含め元兵士を雇用するので、驚くべきことは何もない。戦闘経験を持ち、彼らは最も複雑で危険な作戦に参加する。したがって、アメリカや他の西欧諸国で、世論は、彼らの犠牲者には、さほど敏感ではない。しかも、彼らの保険と社会保障費はかなり安価だ。

 さらに、アメリカあるいは他の西欧諸国に暮らす元戦闘員は、彼らのPSTDや他の精神的な傷で、それら国々の社会福祉のみならず、かなりの負担になっていることを忘れてはならない。彼らは、戦争に彼らを送った当局によってもたらされた彼らの悲しみや、困難や、道徳的、身体的打撃を頻繁に、メディアに語って、欧米のプロパガンダ機関にかなりの打撃を与えている。従って、欧米諸国当局は、まさにワシントンがしかけ、支援している武力衝突のある特定地域の傭兵勢力に参加するよう、公然と呼びかけて、自国領から、こうした人々を一掃することに興味を持っている。

 これが今ウクライナで起きていることだ。以前、クロアチアのゾラン・ミラノヴィッチ大統領が、クロアチア兵士は、ウクライナ状況のエスカレーションに参加しないと述べていたが、アメリカに浴びせられたロシア嫌悪プロパガンダ攻勢の明白な影響下で、3月初旬、最初の200人のクロアチア傭兵が、ウクライナに到着した。だが、何千人もの人々が、彼らのイデオロギー上の友人、バンデラ主義者の呼びかけに答えたウスタシャを、依然、彼らの英雄だと考えているのがクロアチアであることは忘れてはならない。

 様々なメディアで、シリアの親トルコ戦士や、テロ組織の元メンバーがウクライナに送られたという複数の報道が現れた。報道によれば、アメリカは意図的に、シリアのクルディスタンで囚人を解放し、彼らを戦域へ移動させている。

 ワシントンは、多くの国で、ウクライナ大使館に志願兵採用の「仕事を課した」。既に3月初旬、ドミトロ・クレーバは「20,000人の外国戦士が前線に行く準備ができている」と発表していた。職業傭兵の経費は1日2,000ドルにものぼる。ウクライナが長年、破綻国家であることを考えれば、傭兵の「給料」がアメリカとNATO同盟諸国に支払われるだろうことは良く分かる。実際の軍事経験を持った職業傭兵は、外国の民間軍事企業、主にAcademi、CubicやDenCorpなどのアメリカ企業を通して採用されている。

 傭兵の大半は、NATO軍専門家とCIA職員に運営される特にルブリンとヴロツワフ・シュトラハヴィッツ大規模兵站センターがあるポーランド経由で、ウクライナに入る。彼らは戦闘地域に向かう軍用車列を組織する。「軍事援助物資」を積載した最高17機のNATO軍用輸送機が毎日ポーランドに到着する。

 一般に、アメリカは二度の北コーカサスでのチェチェン戦争時代に、世界のほとんど全ての地域から多数の外国、傭兵を雇用した、実証済みで、何度も試された「方法」を使っている。当時、カナダ、ジョージア、ドイツ、イギリス、デンマーク、フランス、イタリア、スウェーデン、スイス、ラトビア、リトアニア、エストニアや他のパスポートを持った傭兵がチェチェン共和国に血の足跡を残した。メディア報道によれば、100以上の外国企業(銀行グループを含め)が、北コーカサスでテロリストに物質、金融や他の援助提供に関与し、大部分はアメリカとヨーロッパに事務所を持っていた。

 ウクライナのクレバ外務大臣によれば、16カ国の国民が既にウクライナに到着している。ロシア軍代表が指摘しているように、現在、民間軍事企業社員のみならずNATO加盟諸国の特殊作戦部隊兵士も「志願兵」を装って、対ロシア軍戦闘活動に送ることができる。彼らはテロに携わり、それのために完全な甘やかしを葬って、持つことを望む人々だ。

 先週クロアチアから傭兵200人がポーランド経由でウクライナに到着し、南東ウクライナで全国大隊に編入したとロシア国防省報道官イーゴリ・コナシェンコフ少将が述べた。いずれにせよ、ウクライナに入る全ての欧米傭兵は、捕虜となる権利がないと、コナシェンコフが述べており、彼らの運命はうらやましいものからは程遠い。「外部スポンサー」からウクライナに送りこまれる軍装備品や兵器と同様、全て即座に破壊されるだろう。

 これは3月13日、スタリチとヤボリウのウクライナ軍事教練場センターへのロシア軍ミサイル攻撃により、欧米からの最大180人の傭兵戦士と大量兵器の一掃で確認された。この傭兵部隊は近い将来2,500-3,000人となり前線に投入する計画だった。彼らの大半がロシア攻撃の何時間も前にウクライナに到着していた。特にアメリカ・メディア報道が証明しているように、そこにはアメリカ人戦士もいた。だが数時間後に、少数の生存者が、楽な仕事ではないので、もうウクライナには戦いに来ないと、親類にソーシャルメディアで言って、ポーランドに緊急脱出した。

 ワレリー・クリコフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/03/17/why-is-the-west-launching-a-mercenary-war/

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 19日の記事末尾に書いたものを少々もじって繰り返させていただこう。英会話を習う心理、昔から全く理解できないが、こうした「硬派報道番組を聞き取る力をつける講座」なら受けてみたいもの。念のためお断りしておくが、英文科卒業でも留学も駐在経験もないインチキ英語力で翻訳している。下手な翻訳、ご寛恕ねがいたい。

 Jimmy Dore showを見ていると、時にCailtin JohnstonさんやAaron Mate氏の発言が引用される。ウクライナでの志願兵(傭兵問題)を論じている回がある。「砲弾の餌食」『特攻作戦』「とんでもない目にあった」というアメリカ人映像もある。涙声に聞こえるのは気のせいだろうか。

American Volunteer Soldiers Used As “Cannon Fodder” In Ukraine

 youtube番組、ウクライナ紛争以来、劣化が激しいので、英語youtubeを見ている。
 Ukraine and Biowarfare Conspiracy TheoriesというUnz Reviewの記事の中にあるRon Unzご自身の動画、実に興味深い。コロナ生物兵器説。「陰謀論」と片付ける方も多いだろう。1時間15分と長い。ハイテク巨大企業による隠蔽工作の影響も語られている。

 Ron Unz: Covid-19 was an anti-economy bioweapon by the U.S. against China

 各国でのゼレンスキー演説比較から始まるものもある。1時間6分。

 Ukraine: the New 9/11 (With E. Michael Jones) 

 ミアシャイマー教授最新インタビュー?

John Mearsheimer: The Crisis in Ukraina 1時間21分 画面隅にカラー革命の象徴である「握りこぶし」イラストがあるのは気に食わないが、彼の発言は一貫している。ヨーロッパ国防予算増の話題を問われて、日本の国防費増加を説明したのには驚いた。

 Skynews.com ドナルド・トランプ排除が狙いだったハンタ-・バイデンemail隠蔽 11分

Suppression of Hunter Biden emails ‘all about getting rid of Donald Trump’

 これだけ視聴していると、今まで見ていたYoutubeを見る時間がなくなる。インチキ弁護士暴言以来、昼のバラエティー番組全く見なくなった。おかげで、パソコンにスピーカーを接続し終日音楽を聞いている。彼に感謝すべきとは思わないが、頭の汚れ方が減った。今回の紛争のおかげで、英語番組を見ざるをえなくなったのも、同様、怪我の功名か?

 下記記事アクセス実に少ない。宗主国ネオコンが書いたプロパガンダ原稿を読み上げる前に、お読みいただきたい。

ウクライナを売った男

 日刊IWJガイド

ウクライナのゼレンスキー大統領が11の野党の活動停止を発表! 政府に批判的、親ロシア的勢力をすべて排除し異論を封殺!? 期間は戦争が終わるまで!

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コメント

初めまして いつも拝読(無料で)差せて頂いております。心から感謝申し上げます。
貴重なリンクも貼って頂き、初めて触れるサイトばかりで大部目を開かせて貰っております。
翻訳作業も大変だとは思いますが、お腹を減らした「おども」が多くいるとおもわれますので宜しくお願い致します。本当に、YouTubeの劣化は甚だしく、時間があったので観ていた「一月万冊」佐藤章さんの回など信じられないくらいのデタラメぶりでどうしちゃったのかなぁ。。。って思ったりもしてます。もちろん、あのような番組はご覧になってないとは思いますが、 youtube番組、ウクライナ紛争以来、劣化が激しいので、とあり、我が意を得たりと思い敢えてメールさせて頂いた次第です。ありがとうございました。

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