アメリカとウクライナには戦争についてウソをつくあらゆる理由がある
2022年3月12日
ケイトリン・ジョンストン
❖
ワシントン・ポストが「諜報情報が、ウクライナでのロシアによる化学兵器攻撃のリスクが高まっていると当局者」という見出しの新記事を掲載したが、私は、二つの冒頭段落より恥知らずにプロパガンダ的で、ジャーナリズム倫理が欠如したものを、ロシア国営メディアで見つけていただくよう、皆様にお願いする。
「アメリカと同盟諸国は、ロシアはウクライナに対し化学兵器を使用する準備をしているかもしれないという諜報情報を持っており、金曜、不調な軍事攻撃に活力を与えようとして、モスクワが複数のウクライナ都市で、益々残忍な攻撃をしようとしているとアメリカとヨーロッパ当局者が述べた。
「安全保障当局者と外交官が、詳述を拒否した諜報情報で、ロシアが化学兵器を使用配する準備をしている可能性があると述べ、クレムリンが、ウクライナか、おそらく欧米政府に罪を負わせる「偽旗」攻撃を実行するかもしれないと警告した。この記事で、引用された他の人々同様、当局者は問題の微妙な性質のため匿名条件で話した。」
だから、ロシアは化学兵器攻撃をする準備をしており、ロシアの化学兵器攻撃はウクライナか欧米政府が化学兵器攻撃をしているように見えるかもしれず、証拠も秘密で、詳細も秘密で、この主張をしている当局者も秘密で、ロシアの軍事攻撃は不調だ。了解。
Intelligence points to heightened risk of Russian chemical attack in Ukraine, officials say https://t.co/eGPSCFvcRV
— The Washington Post (@washingtonpost) March 12, 2022
諜報情報がウクライナにおけるロシア化学的兵器攻撃の危険の高まりを示していると当局者が言う https://t.co/eGPSCFvcRV
- ワシントン・ポスト (@washingtonpost) 2022年3月12日
3番目のパラグラフは、もっと良い。
「アメリカとウクライナが東欧で秘密生物兵器研究所を運営しているというロシアが繰り返す主張を、バイデン政権が「全くのたわごと」「全くのウソ」と切り捨てて、この非難が表面化した」
この段落は、二つの意味で驚嘆に値する。第一に、ワシントン・ポストが、どんな批判や綿密な調査も無しに、匿名当局者による文字通り全く証拠のない主張を報じておいて、ロシアの主張は「全くのたわごと」で「全くのウソ」と切り捨てて、わざわざ報じたのは驚嘆に値する。第二に「ロシア勢力の手に落ちる」かもしれないとアメリカが「非常に懸念する」「生物学研究施設」をウクライナが持っていることを、上院外交委員会で、ビクトリア・ヌーランドが刺激的に認めたことに、記事の残り部分で全く言及していないのは驚嘆に値する。
この記事中で、ワシントン・ポストは、モスクワによる「証明可能な証拠なしの」「証明されていない非難」「ばかばかしくて、滑稽」「法外な主張」「まったくのたわごと」「下劣の極み」「事実無根」という主張とともに、繰り返し何度も、生物兵器に関するロシアの主張は信頼できないと読者に伝えている。
またしても、当局による全く証拠がない主張を無批判で報じ、彼らに匿名を認めて、どんな説明責任からも保護している。ロシア政府による証明されない主張は、証拠なしで提出された滑稽なたわごとだ。アメリカ政府による証明されない主張は「ニュース」だ。
ワシントン・ポストは、過去、シリアでの化学兵器攻撃とされているものを、ロシアがダマスカスをはめるために使われた偽旗だと切って捨てたのに言及しながら、もちろんこれが本当に起きたという証拠の山には触れない。国連人権高等弁務官事務所が「戦争犯罪にあたる」「ロシアによるクラスター爆弾使用についての「信用できる報告」を受けた」と言いながら、同じ弾薬をアメリカも大量に使用し販売しているのには触れない。
民主主義は闇の中で死ぬ。
1/ Our Community Guidelines prohibit content denying, minimizing or trivializing well-documented violent events. We are now removing content about Russia’s invasion in Ukraine that violates this policy. https://t.co/TrTnOXtOTU
— YouTubeInsider (@YouTubeInsider) March 11, 2022
1/我々のコミュニティーガイドラインは、しっかり文書化された暴力的事件を否定したり、最小化したり、矮小化したりするコンテンツを禁じている。我々はこの方針に違反するロシアのウクライナ侵略に関する内容を削除している。https://t.co/TrTnOXtOTU
- YouTubeInsider (@YouTubeInsider) 2022年3月11日
ワシントン・ポストのみならず、当局者やCIAメディア評論家に、このロシア偽旗言説が大変なプロパガンダ情熱で推進されている事実は、YouTubeなどが、ロシアのウクライナ侵略に関する「十分裏付けられた暴力的出来事」の否定を禁じるのを見ていると一層懸念がつのる。まもなく、ウクライナで化学兵器事件が起き、その後、シリコンバレー・プラットホームが、起きたことに関する公式欧米言説への懐疑を表明する、あらゆる記述を禁止するのを我々は見ることになりかねない。
アメリカに中央集権化した帝国は、現在ロシアとの熱い戦争をしているかのように、検閲し、プロパガンダ活動している。公式には、アメリカと同盟諸国は戦争をしていないのに、帝国の言説管理機構は我々が戦争しているかのように振る舞っている。核武装政権二つが支配のために戦っており、直接軍事対決は双方を殺せるのを知っているので、プロパガンダ攻勢や心理戦を含め他の形の戦争が、代わりに使われるのは辻褄が合っている。
ロシアは、ウクライナ現地で起きていることに関し、ウソを言うことに、あらゆる利益があり、この戦争中の事象について、言葉どおりに受け取れないという広範囲な欧米の了解がある。ウクライナもアメリカも、この戦争についてウソをつくことに、あらゆる利益があり、同様に信頼できないという事実の、ずっと狭い範囲での理解がある。
ワシントン・ポスト自身の報道は、欧米諸国政府は、舞台裏で、この戦争でのロシアの勝利を必然的結果と見ていると言う。唯一ウクライナがロシアを早く止める機会は、ゼレンスキー大統領が執拗に嘆願しているように、NATOを戦闘で、飛行禁止区域を設立するなど、より直接的役割を演じるよう説得できた場合だろう。核保有超大国の軍隊を直接攻撃することへのNATOの合理的抵抗を回避する一つの方法と、残虐行為プロパガンダで感情に訴えることだろう。それに伴うリスクにもかかわらず、ロシアが極悪なことをしたという言説を流布して、復讐のため空に向かって叫ぶのだ。
ロシアに関する残虐行為プロパガンダを流布することで、経済的にロシアを締め殺す狙いへの国際支援を強化し、一極世界覇権のための帝国の取り組みを促進する上で、アメリカは利益を得るはずだ。侵略前でさえ、アメリカは、ロシアが反体制派分子や、ジャーナリストや、「宗教的、少数派民族やLGBTQI+人々のような弱者住民」を駆り集め、拷問にかける計画のリストを持っているという言説を既に推進していた。
The CIA Post is going full Babies on Bayonets already. Putin is going to round up and torture all the gays! https://t.co/OJspZdz37P pic.twitter.com/qPyhpHD1gp
— Scott Horton (@scotthortonshow) February 21, 2022
CIAポストは既に完全に串刺しされた赤ん坊モードになっている。プーチンは全ての同性愛者を駆り集め、拷問にかけようとしている!https://t.co/OJspZdz37P pic.twitter.com/qPyhpHD1gp
- スコット・ホートン (@scotthortonshow) 2022年2月21日
誤解のないよう言うが、アメリカと代理人が残虐行為プロパガンダを利用するというのは憶測ではない。例えば、指導を受けたサクラだったことが判明した15歳の少女が、アメリカ連邦議会人権基金集会で、クウェートで、イラク兵士が保育器から赤ん坊を取り出し、床に放り出して死なせてしまうのを目撃したと偽った悪名高いナイラ証言は、湾岸戦争支持をでっちあげるのに貢献した。
残虐行為プロパガンダは、戦争とメディアが共存している限り、利用されるが、それがそうあり続けないと信じるのは、信じがたいほどウブだ。とりわけ、そうする実績が知られている権力構造によって。
この理由で、何であれウクライナで起きていることについては、それがロシア、ウクライナ、あるいはアメリカと同盟諸国によるものであれ、眉にたっぷり唾を付けて聴く必要がある。そういうことがなければ、軍事火力を導入させるはずがない化学兵器攻撃の話や、他のいかなる話を聞いた場合、大いに懐疑的であって頂きたい。世界中のこの紛争のあらゆる関係者には、このようなことに関してウソをつくあらゆる理由があるのだから。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/03/12/the-us-and-ukraine-have-every-reason-to-lie-about-the-war/
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先日の地震は恐ろしかった。原発は大丈夫かと思った。それで下記記事。
LITERA
たまたま見かけて下記を拝聴した。理不尽な計画の明快な解説。リニア新幹線は原発再稼働、新設の口実だろう。
上記講演の内容の一部は「リニア中央新幹線は必要か(橋山禮治郎 氏 / 千葉商科大学大学院客員教授、アラバマ大学名誉教授)」にまとめられている。
デモクラシータイムス
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」は明確に戦況に影響を与えロシア軍は簡単に進めない。さらにSwitchblade ドローンが加わる。ロシア軍がウクライナを制圧することはなく長期戦に引き込まれる。ロシアはこれからの脱却が国益になる。
マイダン・クーデター自体、新たなアフガニスタンにすることを狙って企画したはず。アメリカとNATOは戦争を終わらせるつもり皆無。
■はじめに~「過去50年の間に起こったほとんどすべての戦争は、メディアの嘘の結果によるものだ」「人々が戦争をするには騙される必要がある」ウィキリークス創設者・ジュリアン・アサンジ氏の過去のインタビュー映像が、ウクライナ情勢を受け、今ネットで拡散中! 仏のTVでは、ウクライナから脱出の女性が「紛争の元は2014年から始まった。あのパペット(ゼレンスキー大統領)のせいだ」と批判し混乱に! 岩上安身は「日本の大手メディアはなぜ、ドンバスからウクライナ軍と、#アゾフ大隊のような極右ネオナチ部隊に攻撃され、ロシアに避難してきた人の話を聞かないのか」とツイート!
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コメント
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日本は、恐ろしい国。
インチキなマスコミの大群は嘘しか伝えず、唯一、真実を語るのが、このサイトみたいな、個人的に作成するブログだけだとは。
まともな知性を持った人間なら、このたびの「地域住民救出作戦」よりも、アメリカやイギリス帝国が、イラク、シリア、リビア、イエメン等々を侵略してきた戦争の方が、はるかに残虐で酷いことがわかるはず。
大騒ぎしている連中は、「オデッサの虐殺事件」とか、「キエフの政権は極右でネオナチ」とか、「キエフ政権による地域住民の殺害」とか、そんな簡単な事実すら知らないのだ。
現代日本の俗衆のレベルは、「後進国の土人」状態。
投稿: なし なし | 2022年3月19日 (土) 00時07分