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2022年3月19日 (土)

NATO軍用機をウクライナに送る策略を巡るアメリカ-ポーランドのいさかい

Finian Cunningham
2022年3月11日
Strategic Culture Foundation

 これまで、ワシントンはウクライナへの軍事援助は防御的兵器だと主張できた。だが米空軍基地から軍用機を送るのは、エスカレーションのリスク覚悟で、関与をより高いレベルに上げることだ。

 ウクライナに戦闘機を送る悪ふざけに関し、ポーランドは国防総省から辛らつに非難された。それから口論の気まずい予期しない結果を強調するかのように、カマラ・ハリス副大統領は、NATO団結を取り繕う損害限定任務で、ワルシャワに急遽飛んだ

 ロシア軍と領空を争うため戦闘機をウクライナに送る策略にアメリカ、ポーランド両国は、おじけづいたように見える。ロシア部隊が2月24日に侵略して以来、ウクライナ軍の空軍基地の90パーセントを破壊したと主張する状態で、NATO加盟国からのそのような軍用機供給は、カミカゼ特攻隊に等しいだろう。

 さらに、この動きは、ロシアとの戦争におけるNATO関与の危険なエスカレーションとなり双方の直接対立をもたらしかねない。第三次世界大戦を招きかねないのだ。注目すべきことに、3月1日に、より広範な戦争に巻き込まれるこの危険はNATO事務総長イェンス・ストルテンベルグとポーランドのアンドレ・ドゥダ大統領の共同記者会見で強調された

 だが、その慎重な計算で何かが変化した。報道によれば、先週末、アメリカとポーランドが、ポーランドのワルシャワ条約在庫のミグ29戦闘機をウクライナに送る計画に関し深い議論をした。ソ連時代のミグは、ウクライナのパイロットがそれを操縦するよう訓練されているのだ。それが二国間レベルで、ウクライナを支援するポーランドによる「主権的決定」として提示されるので、ワシントンは乗り気だった。それはアメリカとNATOが軍用機の供給から距離をおけることを意味する。

 ワシントンにとっての第二の誘因は、ポーランドのミグ航空隊がアメリカのF-16で「埋め合わせられる」ことだった。身勝手な見地から、この取り引きは戦術的だけでなく、儲かるように見えた。ウクライナ人が操縦するポーランドのミグはロシアにとって短期的に多少の戦闘問題を起こすかもしれないが、たとえ彼らがロシア軍に破壊されたとしても、新F-16で置き換えるポーランド航空隊は長期的にアメリカ軍産複合体にとって恩恵のはずだ。

 だが、どういうわけか、ポーランドは突然、おそらく「主権的二国間関係」上、彼らの関与が、NATO第5条の集団防衛の保障なしでは、ロシア反撃に脆弱になりかねないと悟り、おじけづいたのだ。信頼性は確かにアメリカ政府の強みではない。

 それからワシントンが不意を突かれた、当惑する変化がおきた。アメリカに相談せずに、ポーランドは最初にドイツのラムシュタイン米空軍基地に、更にそこからウクライナにミグ29を送ると申し出たのだ。

 ワルシャワへの国防総省の平手打ちは、素早く強烈だった。ロイド・オースティン国防長官は、ポーランド国防大臣に、このような考えは「擁護できない」と言い、彼は「我々は現時点で、ウクライナ空軍への追加戦闘機送付を支持せず、従って、それを我々が保管する願望もないと強調した」。

 明らかに、ワシントンはロシアとの交戦地帯に、米軍基地の一つから軍用機を送る可能性に慎重だ。今まで、アメリカは何十億ドルもの価値の武器をキエフ政権に送り込み、キエフはウクライナ南東のドンバス地域(2月21日時点でモスクワに認められ今は独立共和国)でモスクワに支援されるロシア人分離主義者に対して配備されていた。にもかかわらず、ワシントンは軍事援助が、これまでは防御的兵器だと主張できた。だが米空軍基地から軍用機を送ることは、エスカレーション覚悟で、より高いレベルで関与することだ。

 だがアメリカを更にいらだたせように思われるのは、それを準備するためのポーランドの画策だ。明らかに、ポーランドはワシントンが彼らにするよう割り当てたことを信頼しておらず、次に、アメリカを危険にさらしかねないウクライナへの軍用機配備という代案をポーランドが生み出し、アメリカはカンカンに怒ったのだ。

 国防総省による非難の後、3月9日、駐米ポーランド大使マレク・マギエロフスキはCNNのインタビューで、この悪ふざけにそれとなく言及した。彼はポーランドは、その結果、つまりロシアとのあり得る武力衝突を「痛感していた」と述べた。

 ポーランド大使は辛辣に、こう述べた。「我々は我々の同盟諸国からも、アメリカ世論の巨大な圧力も受けていた。我々はもちろん、このような危険な動きの、あらゆる専門的、法律的、外交的な結果を重々承知していた。それは我々が[ドイツの米軍基地経由で送る]論理的で入念な解決策を考え出した理由だ。我々のアメリカ・パートナーはそれが[原文のまま]余りに規模拡大的だという結論に達し、この提案を拒絶した。我々はこれを理解でき、我々はウクライナが可能な限り効果的に自身を防衛するのを支援するため、アメリカのパートナーや他のNATO加盟諸国との共同作業を調整し続けられると信じている」。

 これが意味するのは、当初ワシントンがウクライナへのミグ提供を勧めていた時、ポーランドは「主権的な二国間」関与の考えを巡って、アメリカを信頼していなかった。ポーランドが軍用機のルートとして、アメリカを巻き込んで、アメリカの援護を得ようと努めた際、バイデン政権は大いに尻込みし、アメリカ政府に生意気を言おうとしたワルシャワを大いに侮辱した。

 いかなる不信感も取り繕うべく、アメリカのカマラ・ハリス副大統領が即座にワルシャワに派遣された。バイデン政権はロシアに対するNATOの団結を見せるのに必死だ。彼女の愚かさを考えれば、ハリスがことを取り繕うのに成功すると期待するのは軽率だろう。

 ベルリンも、その領土から対ロシア軍用機を送るアメリカ-ポーランド策略に満足していなかったことも合理的に推測できる。ドイツは、自分達がNATO同盟諸国の妬みの対象になる不当な扱いを感じている。

 だが、これは終わりではない。アメリカとNATOパートナーは公然のNATOの関与なしで対ロシア戦闘のための軍用機をウクライナに送る、より独創的な方法を見いだすため振り出しに戻ってやり直さなければならなくなったと報じられている。これは飛行機部品を送り、ウクライナで組み立てる、あるいはNATO加盟国から、ウクライナ人パイロットが戦闘機を操縦することが必然的に必要となるかもしれない。イギリスも今週対空武器の新商品を送っている。ロシアとの公然の紛争に、NATOはゆっくり向かっている。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2022/03/11/us-poland-dogfight-over-ploy-for-sending-nato-warplanes-to-ukraine/

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 相撲を見ていると、合間に大本営呆導が入る。それ以外の時間、大本営洗脳呆導は見ない。

 翻訳記事『ウクライナを売った男』を読まれる方が驚くほど少ない。確認してみると、Yahooだけでなく、DuckDuckGoも、この記事を隠蔽している。小生の記事だけでなく、別のブログの翻訳記事も同様。帝国の言説支配は、実に見事。
 「戦争最初の犠牲者は真実だ」という言葉を痛感。

 「アメリカ議会のゼレンスキー大統領演説」写真を見て昔を思い出した。1984年。コマーシャルの歴史に残る名作。

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American Volunteer Soldiers Used As “Cannon Fodder” In Ukraine

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<新記事紹介>「『義勇兵』はすでにいた」! 国際政治学者の六辻彰二氏がウクライナ民兵組織アゾフ連隊に欧米各国からネオナチや極右参加を指摘! 捕虜虐殺しながら国防軍に編入、現在、民間人訓練で「総力戦推し進める主体」!六辻彰二氏には3月25日に岩上安身がZOOMインタビューの予定!!

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