ウクライナと細菌戦陰謀論
ロン・ウンズ
2022年3月10日
Unzレビュー
数日前、アメリカ国防総省に資金供給された炭疽病や伝染病の分野で活動していたウクライナ細菌戦研究室ネットワークの存在を発見したとロシア人が主張していると言うメモを、ある一流政策アナリストが私に送ってくれた。これまで二年、私の焦点の多くがアメリカの細菌戦プログラムと使用の可能性にあったので、私がこの問題をどう考えるかと彼は思ったのだ。
似たようなロシアの非難がインターネットで渦巻いているのを私は見ていたが、さほど注意を払っていなかった。一方で、数十年にわたり、アメリカは細菌戦研究の婉曲表現である「生物防衛」に1000億ドル以上使っており、アメリカは今まで実戦で使用されたことがある世界最古、最大のこのようなプログラムの数少ない一つを持っていた。だからウクライナ研究室に数百万あるいは何千万ドルも割り当てるのは決して信じ難いことではない。
しかし他方、たとえ我々が持っていなかったとしても、侵入軍が、世界にその攻撃を弁明するために使う「偽情報」の典型例で、ロシア人は確実に、我々は持っていたと言うかもしれない。私はウクライナ語が読めないから、ロシア人が発見したと主張する文書は、私にとっても、熱狂的支持者以外にも何の意味もないが、何らかの形で、他の誰か信じているのか私は疑問に思っていた。
ところが、火曜日、アメリカのウクライナ政策立案当事者ビクトリア・ヌーランド国務次官の議会証言のおかげで、状況は劇的に変化した。彼女はそれらウクライナの生物学研究所の存在を認めるだけではなく、研究所の危険な試料が敵の手に落ちるかもしれないことを懸念しており、ロシアの衝撃的な非難を完全に裏付けるように思われた。私は一度もネオコンを特に頭が良いと思ったことなどないが、最大の国際的重要性を持つ問題で、試合終了となる彼女のオウンゴールは全くの無能の新記録を達成したかもしれない。
私は、ヌーランドの明白な開示の深刻な帰結的意味に気付いた唯一の人物ではなかった。グレン・グリーンワールドは、世界で最も注目を集めるジャーナリストの一人だが、彼は素早く昨日朝長いコラムを発表して、事実を説明し、我々の公式メディアのファクト・チェッカー連中が、今や本当と判明したと思われる主張を非難、ちょう笑して2週間を過ごしたことを指摘した。
- ビクトリア・ヌーランド:ウクライナには「生物学研究施設」があり、ロシアがそれを捕獲するのを懸念している。
このネオコン告白は、ウクライナにおけるアメリカの役割に批判的な光をあて、これらの研究室についての答えに値する重大な疑問を引き起こすかも知れない。
グレン・グリーンワールド-Substack・2022年3月9日・2,100語
タッカー・カールソンは、ケーブルで一番評価されている番組で同じ話題を扱い、アメリカ政府当局者がウソをついていたために、この問題に関して公式のロシアや中国政府のプロパガンダ屋を引用しなければならない恥ずかしさを強調した。
全ての事実は、まだ明らかになっていないが、この段階で、おそらくロシア人が提示した捕獲文書が正しく、我々の防衛予算がロシア国境近くのウクライナ研究室で炭疽病や伝染病を含め命を脅かす生物兵器開発に資金供給していたと想定すべきだと私は考える。
ウクライナがヨーロッパで最も腐敗した国の一つに位置付けられていることからして、これらのプロジェクトの言葉が確かに漏洩し、ロシア人がそれを極めて不快に思い、なぜ侵入決定に寄与したのか理解するのは容易だ。中国に支援される過激に敵対的なメキシコ政府が、アメリカ国境近くで、生命を脅かす生物兵器を開発していたら、アメリカはどう対応するだろう?
当然、ヌーランドの不注意な開示に基づく、この壮大な物語は、アメリカ主流メディアに完全に無視されているが、昨夜からカールソンのYouTubeクリップは、既に百万ビューに接近しており、事実は広がり続けるだろう。
ケビン・バレットは即座に私とのインタビューを手配し、この話題を概説し、より広い文脈から見る短いビデオを公開した。特に、2017年に、確かにアメリカ政府が着手するには極めて怪しいプロジェクトであるロシア人の生体物質収集に関し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が重大な細菌戦の懸念を表明していたことを彼は指摘した。
とにかく、途方もなく核武装した隣国ロシアと対立しているウクライナに、アメリカ政府が細菌戦施設創設に資金供給したのは極めて無謀な、ばかなことだったと私は思う。
そして、そうした極めて無謀な、ばかなことをする政府は、もしかすると既に、これまで二年にわたり、アメリカ人が100万人も死亡するような大規模な悪影響をもたらしたものを含め、他にも極めて無謀な、ばかなことをしていた可能性は益々真高い。
同じ二年間、私は世界的Covid流行が、中国(とイラン)に対するアメリカ細菌戦攻撃の結果だったという、強力というか圧倒的な証拠の長い記事のシリーズを発表したが、合計400,000回以上読まれており、無料でダウンロード可能な電子ブックにまとめてある。
EPub Format ・Mobi Kindle |
Covid/細菌戦シリーズ
Ron Unz ? The Unz Review ?2020年4月-2021年12月- 80,000語
私が集めた証拠はどちらかと言うと大量で、誰であれ、今まで反対意見で、効果的に提起した唯一の主張は、トランプ政権内の、ならずもの連中さえ、それほど無謀な、ばかげたことは到底できるまいということだ。現在、この主張は、一週間前にそうだったより遙かに弱くなっているように私には思われる。
更に先月末、ニューヨークタイムズが、武漢での大本のCovid発生に関する我々のトップ研究者による複数の新たな科学論文について報じた。それら調査結果は最初の感染が、以前考えられていたより遅く、おそらく11月下旬あるいは12月初旬に発生したことを示している。一方、2020年4月、ABCニュースが報じ、イスラエルのテレビが、アメリカ国防情報局DIAが「大惨事となる可能性がある」疫病発生が武漢で起きたと述べる「11月第二週の」秘密報告書を作成していたことを確認した。このDIA報告書は、最初の中国人が感染さえする前に書かれたように思われる。
我々の諜報関係幹部による、この以前の不注意な公表は、ビクトリア・ヌーランドの大失敗と同じ範疇に分類されると私は思う。
これら全てを先月三つのビデオ・インタビューで論じ、それは今総計170,000ビューを越えた。人々がウクライナにおけるアメリカの対ロシア細菌戦活動の新たな公表に鑑みて、皆様に、この資料を再訪頂くよう提案したい。
COVID-19 Bio-attack Smokin Gun!
Ron Unz: Covid-19 was an anti-economy Bioweapon by the U.S. against China
Interviews
記事原文のurl:https://www.unz.com/runz/ukraine-and-biowarfare-conspiracy-theories/
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大本営広報部洗脳機関は、真逆の報道をしている。
Gonzalo Lira氏が「ニセ旗作戦は近い」と現地(マウリポリ)から報じている。もちろん、ロシアではなく、ウクライナ側がしかけて、ロシアに罪をなすり付けるものだ。
ウクライナの民族主義者が化学物質による挑発行為を準備 ロシアを非難するため=ロシア国防省、というSputnik記事がある。最初この記事を訳した時点では、何故かアクセスできなかった。と言うより、そもそもSputnik自体にアクセスできなかった不思議。
芝居は宗主国の傀儡部隊が化学物質で挑発行為を実行しロシアになすりつける準備のはずだ。議会で、マルコ・ルビオ上院議員に質問されて、ヌーランド国務次官が生物学研究所の存在を認めたのも、もはや隠蔽不能なので、自分が仕掛ける化学・生物兵器攻撃をロシアになすりつけるための、二人を使った宗主国茶番漫才。
宗主国製でない検索エンジン、宗主国製でないネットを、ずっと夢見ている。属国に暮らしていてはかなわない夢想と知りながら。
宗主国プロパガンダの威力は、ケイトリン・ジョンストンさんご指摘の通り絶大。
ロシアに対して西の傀儡を捨て駒として駆使して、中国に対して東の傀儡国家を参院選で完全掌握するアメリカ戦略の見事さ。ウクライナの背後にいるのはNATOという建前だが、NATOを仕切っているのはアメリカ。事実上、アメリカとロシアの戦争なのに。今日の西のアメリカ傀儡による東の傀儡国家での洗脳演説で参院選での与党圧勝確保。歴史に残るだろう。最悪の意味で。
今夕彼が宗主国ネオコンが書いたプロパガンダ原稿を属国議会で読み上げる前に、下記記事をお読みいただきたい。
The Jimmy Dore Show
アメリカ大本営広報が、ウクライナ・ナチスについて真っ赤なウソを言っていると説明。ネオナチと読んでいたものを、極右に言い換えたりしている。米軍内のナチの方が、ウクライナより多いという噴飯ものを言う専門ウソつきまでいる。
自由と民主主義を守るという建前なのに、野党全てを禁止した。
毎日必ず拝読している「孫崎享氏メルマガ」と「日刊IWJガイド」。大本営広報部洗脳機関と違う意見が読める。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ウクライナ問題とリベラルの危機:「謝罪しろ」「制裁しろ」を効果的にやるのは米国、米国と協力するのがいいとなる。それを一番効率的にやれるのはどの政党か、リベラル政党ではない。自民党だ。「謝罪しろ」「制裁しろ」を超え、「和平の道」を模索・提言するのが道だ。
日刊IWJガイド 一部を複写させていただく。
<新記事紹介>ゼレンスキーの「正体」! 彼が人気を得たドラマのテレビ局オーナーは富豪のコロモイスキー氏。氏はユダヤ人でオレンジ革命から「親欧米派」活動、今米国滞在。各国は軍事支援で戦闘長引かせず、停戦交渉の場を!
■ウクライナの親ロシア野党の活動停止処分を英『ガーディアン』が詳報! メドヴェージェフ前大統領(現国家安全保障トップ)が「最も民主的な大統領は西側の民主主義の理想に向かってまた一歩を踏み出した。彼らは必要ない! よくやった! その調子だ」とゼレンスキー大統領を絶賛!?
■現在のウクライナ戦争はその前史であるドンバス戦争を理解しないと、国際法違反のただの「ロシア悪党論」で思考停止する! 2015年からドンバス地方を見つめて来たフランスのドキュメンタリー映画監督でジャーナリストのアンヌ-ロール・ボネル氏による2015年の大変貴重なドキュメンタリー『ドンバス、忘れられた戦争』をご紹介します。さらに、IWJはボネル監督に直撃取材!
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