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2022年3月12日 (土)

公式に認められない考えを共有することに対し人々を制裁するオーストラリア政府

2022年3月8日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 ウクライナ侵略を巡るロシアに対する検閲と危険な冷戦エスカレーションを推進する欧米世界の突進で、オーストラリア政府はそれが常にしていることをして、部屋にいる全員に対し、独裁主義の水準を一つ上げた。

 「オーストラリア政府は、ウクライナに対する敵意を奨励し、ロシア侵略を合法化するため、クレムリン寄りのプロパガンダを推進する上で、彼らの役割がロシアにとって戦略的利益である10人を制裁する」とオーストラリアのマリス・ペイン外務大臣の新たな声明に書いてある。「これは、ウクライナ「非ナチ化」に関する偽りの言説を推進し、配布すること、東ウクライナのロシア人に対する大量虐殺の誤った主張し、いわゆるドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を独立承認の促進も含む。」

 オーストラリアのAP通信とデイリー・メールによる報道が、これら新制裁で狙いを定められた人々は「ジャーナリスト、著者あるいはプーチンの広報担当者」だと言う。この動きはウクライナでルガンスクとドネツク地域への経済封鎖と同様、ロシア政府、軍と金融機関に向けられた以前の制裁に続くものだ。

 今日オーストラリアは主要な軍人、ロシア軍隊&ドライブして、ロシア・プロパガンダ流布に責任ある人々に新たな制裁を課した。これはプーチンの正当と認められない戦争への資金を防ぐための、先週の重要な銀行リストへの追加だ。
https://t.co/pB2E9kqGOv
- マリス・ペイン (@MarisePayne) 2022年3月8日

 明らかに「自由」とされる国の政府が、地球のどこであれ、それがどれほど愚か、あるいは作り事であろうと、どんな考えでも共有することで誰であれ制裁するのは法外だ。もし誰かがそうしたいと望むなら、オーストラリア政府に制裁されずに、ウクライナは、は虫類の宇宙の魔法使いに支配されていて、地球のイベルメクチンを盗む世界的陰謀を計画していると言うのも自由であるべきだ。

 しかし、外務省が引き合いにした考え方、非ナチ化、事実-、ロシア人の大量虐殺や、DPRとLPRの独立という事実は、事実や証拠を使って論じることができ、この動きを一層不安にしかねない、かなり一般的な意見だ。

 私は個人的に、ウクライナ侵略が「否ナチ化」に関係があると主張するのが事実に即しているとは思わない。それは血まみれの侵略を高尚であるかのように言っているだけで、もしキエフがワシントンではなく、モスクワと提携すれば、ウクライナのネオ・ナチ問題は、プーチンにとって、確実に取るに足りない問題だろうというように聞こえる。だがNBCニュースでさえ「ウクライナには本物のナチ問題があり」看過できないと報じており、Grayzoneによる最近の報道は、ウクライナの権力構造に、ネオ・ナチ民兵がどれほど緊密により合わさっているか詳述している。だから、これはちょっとした陰謀論ではない。それは周知の事実から生じており、人々は話す必要があるのだ。

 ドンバスにおける大量虐殺の主張は、公式路線として、しっかり確立した合意の現実ではないかもしれないが、北京オリンピック開始まで、その主張が全ての欧米政治/メディア支配層により絶対の事実として喧伝されるのを我々が見た中国の新彊州における大量虐殺の主張とは違う。2014年にアメリカが支援したクーデターがウクライナ政府を打倒した時以来、ドンバス分離主義者に対する戦いで14,000人の人々が亡くなりそれら死者の大部分がロシア人分離主義者だったのは単純な事実に過ぎない。これが厳密に言って大量虐殺にあたるかどうかは確立していないが、正当で価値あるの議論だ。

 国連の数値によれば、2018年から2021まで、ドンバス戦争で民間人犠牲者の81.4%が反政府派が占領する領域だ。16.3%がウクライナ政府が管轄する領域だった。

 これはアメリカ・メディアが報じない戦争の一つの重要な現実だ。余りに不都合な https://t.co/Pjf7fg30af pic.twitter.com/KSMHwdaR6K
- アーロン・マテ (@aaronjmate) 2022年2月23日

 ペインのリストで最も言語道断な言及は「いわゆるドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立承認の促進」だ。東ウクライナの反政府派が占領する地域は独立共和国として認められるべきだという考えは、純粋な政治的な意見だ。オーストラリア政府は人工妊娠中絶の倫理性に関する世論で、彼らがそうするだろうより多く、それに「プロパガンダ」というレッテルを貼る正当性はない。ところが、それが標的を定めた制裁の正当化として引用されているのだ。

 オーストラリアのテレビ局SBSとFoxtelが、欧米世界中の狂乱状態の突進でRTを排除し、ペインがオーストラリア政府は、公式に認められていない内容を検閲するためオンラインプラットホームと協力していると、承認で前述の文書で明示的に称賛した動きで検閲を拡張した後、これが起きている。

 「オーストラリア政府はオーストラリア内でロシア国営メディアに生成されたコンテンツの流布を押さえるべく、FacebookやTwitterやGoogleなどのデジタルプラットホームと協力し続ける。SBSとFoxtelは既にロシア・トゥデイとNTV停止を発表した」と文書は言う。

 これは実に急速に実に醜悪になっている。先日も若いロシア系オーストラリア人男性が、プーチンの戦争を支持し、我々がこの国が数年の間、自身が巻き込まれるている正気でないアメリカ軍事侵略について論争のいずれでも一度も起きるのを見たことがないことを表現したことに対し、人気テレビ番組Q+聴衆聴衆から追い出された

 このメディアのウクライナ寄り/反ロシア姿勢を疑問視したことでスタン・グラントがロシア系オーストラリア人男性を#QandAから追い出した。pic.twitter.com/tKylsWVeCK
- Caldron Pool (@CaldronPool) 2022年3月3日

 皆様がこれらの意見に同意するか否かにかかわらず、政府と政府が加盟している地球規模帝国の公式意見に一致しないと踏み潰される言論の危険な状態を見ずにいるには皆様は盲目でなければなるまい。反対意見に「ロシア侵略を合法化するプロパガンダ」というレッテルを貼ってそれを閉め出すのは正当ではない。自由社会では、我々は考えを討論し、他の人々にそれが正しいと説得するため我々の立場を説明することになっている。

 表向き自由で民主的な国で、基本的な政治的意見や地政学的論争で「クレムリン寄りプロパガンダ」というレッテルを貼り、対応として懲罰制裁を実行するのには、考えるのもうっとうしい帰結的意味がある。モスクワを含め非同盟の外国政府に関して、キャンベラとしばしば意見が違うオーストラリア人として、率直に言って私自身「ロシアにとって戦略的利益」の人物に指名され、「偽りの言説流布」のかどで何らかの形で罰せられるかもしれないのがいささか心配だと私は感じている。

 人々がお互い共有する考え方や情報に関し、益々多くの支配を確保するのは、アメリカを巡り、ゆるやかに中央集権化された寡頭政治帝国にとって比類なく重要な目的だ。それは本質的に重要な目標だ。どこであれ言説支配を拡大できることは、それを正当化する言い訳とは独立に、それ自体拡大にとって戦略上有用だ。望むらくは、彼らが全体支配を確保できる前に、我々全員集団的に、帝国の言説のマトリックスからお互い解放する方法を見つけたいものだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/03/08/australian-government-sanctions-people-for-sharing-unauthorized-thoughts/

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 国営大本営放送局、佐渡金山「歴史戦」には驚くが俳優が見事。幸い呆導ほとんど見ていない。本物の戦争にまつわる下記呆導も。今の放送内容、かつての大東亜戦争時の機能が完全復活しているよう。

 植草一秀の『知られざる真実』

戦争を賛美するNHK報道の危うさ

 対照的なNote記事がある。

 ウクライナ戦争の今後 キエフ包囲戦はあるのか?2022年3月4日時点での私見メモ Twitterへの投稿まとめ 烏賀陽弘道氏

 追記:この私見メモを読まれた方から、怒りのコメントを頂いた。同じ筆者による下記動画を見てどう思われるだろう。

2022.2.25 ウガ金 ウクライナにロシアはなぜ侵攻したのか 3時間33分

2022.3.4  ウガ金 ウクライナ戦争の今後 キエフ包囲戦はあるのか 3時間9分

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名 ネオコン・ネオリベ小池面目躍如。百年の古木も、数日で伐採される。

神宮外苑、100年の古木約千本が切られようとしてしている。抗議の声が上がる中、大京が新聞折込広告。2DK 専有面積 66.28㎡。販売価格19,300万円。大京穴吹不動産。伝統ある古木を倒しマンション建設の必要があるか。小池知事承認の発言。

 日刊IWJガイド

「『ウクライナ侵攻危機』で、IWJが警告し続けてきた『原発×戦争リスク』が明らかに! 日本は無防備な原発を抱えたまま戦争するのか!?」2022.3.12号~No.3467号

日本は無防備な原発を抱えたまま戦争するのか!? シリーズ特集 1・IWJ_Youtube Live】本日午後7時から、2011年12月26日収録「バンダジェフスキー論文の翻訳者が語る、『原発×戦争×健康被害』リスク~岩上安身によるインタビュー 第177回 ゲスト 茨城大学名誉教授・久保田護氏 」を、公共性に鑑み、全編フルオープンで再配信します!

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