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2022年3月 6日 (日)

アメリカの敵は全員ヒトラー:言説のマトリックスの端からのメモ

2022年3月1日
ケイトリン・ジョンストン

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 あらゆる時間の後、あらゆる戦争の後、あらゆるウソの後、ウクライナで戦争を始めることに、アメリカがもしかすると関係があったかも知れないのかどうか調べることが、大半の欧米人の心に浮かびさえしないのは全く信じ難い。

 部屋の中に、常に戦争を始めるろくでなしが一人いる。どの戦争が始まったどんな時でも彼は常に関係していた。しかも、ほとんど誰も「あの戦争を始める男が、これに関係あるのではないか」と思って彼を見さえしない。

 第二次世界大戦に主流文化が魅了されてしまったがゆえに、我々全員がより愚かになったのだと私は確信している。今や皆、アメリカの敵全員がヒトラーで、彼らはヒトラーと戦う勇敢な英雄だという、ばかな子供漫画の中で生きている。

 どれだけ武器が送られようと、ウクライナ単独でこの戦争に勝てる可能性はない。武器ができることと言えば、ロシアにとって戦争を一層高価にすることで、そうすることはアメリカ帝国にとっての利益だ。より多くの武器というあなたの呼びかけが、それ以上の高尚なものであるふりをするのはやめなさい。

 あなたは命を救おうとしてはいない。停戦交渉だけが、そうできる。ウクライナを武装させようという、あなたの呼びかけの結果は、今までに存在した中で最強力な帝国が、この戦争をモスクワにとって一層高価にし、国内国外でプーチンの人気を傷つけるのを支援することだ。

 これは最初の冷戦中、アフガニスタンでムジャヒディンを武装させるアメリカの戦略だった。ソ連に彼らのベトナムを与えるために。犠牲の大きい泥沼は何年もの間、ソ連の富と軍事力を消費し、彼らの破滅に貢献した。彼らは既にシリアでもこの戦略を再度使い、モスクワにとっての「沼地」を作るため働いたことをアメリカ当局者が公然と認めた。

 ここに私が参照した2020年5月の元アメリカ公使ジェームズ・ジェフリーの発言があるが、彼は以下の通り、シリアでの彼の仕事を説明した。「私の仕事は、それをロシア人にとっての泥沼にすることだ。」pic.twitter.com/m50XwG7fCF
- アーロン・マテ (@aaronjmate) 2020年11月14日

 今彼らは、可能な限り、再び同じトリックをうまくやり通そうと望んでいる。それが、このすべてだ。それは命を救ったり、戦争を止めたりすることとは無関係で、アメリカの世界支配を維持するための(ブレジンスキーの言葉で)グランド・チェス盤策略だ。

 ウクライナはプーチンのアフガニスタンになる。
- マイケル・マクフォール (@McFaul) 2022年2月28日

 これは命を救うまい。実際それが成功すれば、終わり得るはずの時期よりずっと後まで勝てない戦争が長引くにつれ、更に非常に多くの損失を保証するだろう。これはウクライナ人のためにならない。それはアメリカ人のためにならない。それはヨーロッパ人のためにならない。権力を持ったごくわずかな精神病者の一極主義の狙いに役立つだけだ。

 「ロシアは1980年にアフガニスタンに侵略したのを思い出そう」とヒラリー・クリントンが言う。「それはロシアにとってうまく終わらなかった。意欲満々で、資金を供給された武装勢力が基本的にロシア人をアフガニスタンから追い出したのが事実だ。」pic.twitter.com/iirtXI4vz4
- MSNBC (@MSNBC) 2022年3月1日

 もしあなたが、帝国の継続的支配が良いことだと信じるがゆえに、地球規模帝国の一極覇権のためになるから、ウクライナを武装させるのを支持したいとお望みなら、どうぞご自由に。だが繰り返すが、あなたが声援していることがそれ以上の高尚なものであるふりをしてはいけない。

 9/11事件後、けたたましいヒステリー環境を作りだす、邪悪な外国の指導者連中に関するメッセージで、我々は集中的に攻めたてられ、異を唱えるのは極めて困難だった。これはアメリカ戦略地政学的支配の既存の狙いに対する支持を強化するために使われた。

 聞き覚えがおありだろうか?

 9/11事件と、その後続いた攻撃的言説支配キャンペーンなしで、連続する二つの全面的地上侵攻に人々が同意しただろうか?ウクライナ侵略とそれに伴う攻撃的な言説支配キャンペーンなしで、我々全員が傷つきかねない経済戦争や、我々全員が殺されかねない核を使った瀬戸際外交に人々が同意しただろうか?

 今のような時期には、我々の支配者の狙いに、激しく積極的に懐疑的でいることが最も重要だ、不幸にも、今のような時期には、皆様が、そうすることに対し、強く大声で怒鳴りつけられる。だが今や我々は、怒鳴られて黙るほど愚かではない。

 ウクライナのナチ民兵支持より気がかりなの、遙か広範に広がり、遙かに致命的なのは、白人の国を侵略するのは恐ろしいが、肌が褐色の人々の国を侵略するのは当たり前だという欧米世界中で我々が目にしている白人至上主義の信念だ。

 ロシア国境に敵対的な属国維持を実現するのは、たいへんな瀬戸際外交の価値があると考える連中がいて、核戦争が一体何でか理解する人々がいる。

 もしアメリカとロシア間のこの正気でないエスカレーションが死ぬほど怖いと思われないのであれば、あなたが、それを理解してないからか、心理的に、あなたが理解しないようから隔離されているかだ。この二つのいずれかだ。

 そこから戻ることができない、考えられない一連の出来事の瀬戸際に、我々は余りにも近い。しかも最もうるさい声のいずれも、規模縮小を主張していない。彼らはそれを更にエスカレートするよう要求している。時には、遙かに。

 誰もロシアとの戦争を要求していなかったと人々は言うが、それでもバイデンがアメリカの近接航空支援の可能性を約束しないのを非難している。https://t.co/9JEMZWLgZY
- ジョン・アレン・ゲイ (@JohnAllenGay) 2022年2月28日

 多くの影響力がある評論家や政治家が、今ロシア空軍とロシア航空防衛の直接攻撃が必要になるウクライナでのNATO飛行禁止区域を要求している。

 スクープ:ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、バイデン大統領とNATOに国の「かなりの地域」上に「飛行禁止区域」を設定するよう促し、ニュースウェブサイトAXIOSに、欧米同盟諸国が「自己の役割を果たせば」ウクライナは「侵略者を破ることができる」と言っている。https://t.co/o9VscRjFwp
- ジョナサン・スワン (@jonathanvswan) 2022年2月28日

 我々はがけに向かって走っており、責任者の誰も足をブレーキの近くに置いていない。それどころか、政治/メディア支配層は、アクセルを床まで踏み込めと要求している。

 最も奇妙なのは、世界中が大きなロシア装甲車両編隊がキエフに近づくのを見ながら、我々はウクライナを応援するのに、自身を抑えていることだ。NATO空軍が48時間でこれを終わらせることができるはずだ。プーチンが何をするかについての苦悩はわかるが、我々は何が起きるかは分かっている。
- クリント・ウォッツ (@selectedwisdom) 2022年2月28

 アメリカと同盟諸国がウクライナで達成しようとしているものは、核アルマゲドンの危険を冒す価値があるのだろうか。今これは世界で唯一最重要な問題なのに、ほとんど誰もそれを問うているように思われない。

 人々が飛行禁止区域に反対したいなら、結構。だが、それは1938年のヒットラーに対する宥和と同じ宥和行為であることを理解しろ。我々は、道徳的には正しいと知っていることをするのを恐怖ゆえに拒否している。我々は自身を守るために、自由な国を死なせる用意を調えている。
- (((ダン・ホッジズ))) (@DPJHodges) 2022年3月1日

 我々の支配者は、地球のあらゆる生物の命に対して、さいころを転がし、民主党あるいは共和党、どちらがロシアにより厳しいかについて、人々はまだおしゃべりし、政治的な点数を稼ごうとしている。ほとんど誰も頭を上げて、来るかもしれないものをじっと見詰めていない。

 多分これまでのところ戦争の最大のリスク計算/道徳上のジレンマ。大規模なロシア部隊はキエフから約48キロだ。アメリカ/NATOは多分それを破壊できる。だがそれはロシアに対する直接交戦で、あらゆる危険がある。事態の展開を欧米はじっと見守るのか?
- リチャード・エンゲル (@RichardEngel) 202年2月28日

 もしあなたが何か耳にし、外を見て、遠くでキノコ雲が湧き上がるのを見たら、NATOのウクライナに対する門戸開放政策の重要性について、ご自分がどれだけ考えを持っていたと想像されるだろう?

 欧米マスメディアが左翼や反戦派の意見を許せば、それを潰せるのに、全員RTについて騒いでいる。あなたは彼らの聴衆を丸ごと盗めるはずなのだ。だが決して実際にロシア国営メディアが狙いではなかったから、そういうことが起きないのを我々は知っている。帝国の公式言説への反対者を沈黙させるのが狙いなのだ。

 親愛なるアホリベラルの皆様

 史上最強力な帝国が先導するタカ派エスカレーションがウクライナで望ましくない結果をもたらしたと言うのは、実際は「あんたが私にこうさせた」と言っている虐待者と同じものではなく「彼女は何を着ていたかのエネルギー」もない。

愛を込めて  ケイトリン

 ウクライナ侵略への道筋をつけるアメリカ帝国の役割について私が話すたびに、文字通り、この批判がオンライン通知に現れる。誤解のないように言うが、彼らが例える、虐待された配偶者とレイプ被害者は、ウクライナではなく、アメリカ帝国だ。小便を漏らすあわれなアメリカ帝国。彼らはインターネット上で、この地球上最強力で破壊的な政府の最も危険な動きを誰も批判しないよう要求しているのだ。完全に。彼らが、これがすべき当然の許容できることだと思っているのは、ただただ信じ難い。

 この紛争で世界最大の権力構造が演じた役割について話をすることが禁止されているだけなのだ。プーチンが悪で自由を憎むから、それが起きていると言うことだけ、人々は許されるのだ。

 「ケイトリン、あなたはアメリカ帝国とロシアを批判できる。」

 彼らの一方は既に、欧米中で文字通り、あらゆる政府や主流メディアに最大に批判されており、もう一方はどんな有意義な形でも、ほぼ決してそれら体制に批判されない。

 核戦争に関する投稿で、もし核戦争が起きたら「それはプーチンのせいだ」と誰かが言うのを私は見た。核爆弾が爆発する時、地球上の誰にとって慰めになるだろう。人々は依然これを政治的得点稼ぎと見ているが、我々がどれほどめちゃくちゃかの証だ。

 物質的状態を悪化させると、人々を自身の政府に反抗させることが可能だ。帝国主義者はこれを理解しており、それが帝国が標的にした国を飢餓制裁で不穏状態を煽動し、国内では蜂起を防ぐのに十分なだけ人々を食べられるようにしておくよう動く理由だ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/03/01/every-us-enemy-is-hitler-notes-from-the-edge-of-the-narrative-matrix/

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 昨日掲載した記事をお知らせ下さったかたから、またお知らせいただいた。長周新聞で紹介されているオリバー・ストーンの映画。

 『キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)』の事件も映像で語られている。

ドキュメンタリー『ウクライナ・オン・ファイヤー』 監督 オリバー・ストーン
https://www.chosyu-journal.jp/review/22893

 アメリカが据え付けたウクライナ・ナチ政権の実態を描いている。ご丁寧に日本語字幕をつけた方がおられる。政治家固有名詞表記に首をかしげるものはあるが貴重な作業。YouTubeはログインしないと見られないので下記rumbleを見た。
(YouTubeで視聴できない方はこちら→rumble動画)

 3/7時点で、上記動画は削除されている。下記で見られる。

ウクライナ・オン・ファイヤー 日本語字幕(字幕改正版)最新

 この映画紹介記事の下にあるコラム記事題名に驚いた。

ウクライナとそっくりな日本列島

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

キッシンジャー等ソ連・ロシア専門家はNATO拡大に警告。何故耳を傾けなかったか。ケナンは、NATOの中欧への拡張は「冷戦後の米政策の最も致命的な誤り」。キッシンジャーはロシアを協力的な国際システムに引き込む見通しを何十年も頓挫させる"

 日刊IWJガイド 冒頭と一部を複写させていただこう。

「欧州の大転換、ウクライナ人とロシア人が血を流す横で『より統一された西洋』を宣言するバイデン大統領だが米国の有権者の6割が甘すぎると批判」2022.3.6号~No.3471号

 3月3日、岩上安身がインタビューした元外務省国際情報局長の孫崎享氏は、以下のように述べています。

 「グレアム・アリソン教授は、米中覇権争いで世界が多極化していく中で、アメリカは自分が果たすべき役割を見つけられないでいると言っていましたが、バイデン政権はこんなブループリントを持っていたわけですね」

 「しかし、バイデンが本当にやらなきゃいけないのは、ロシアじゃなくて中国ですよ。そこをやらないで、ロシアを叩いていても本質的な問題は遠ざかっていくだけです」

 3時間以上に及んだインタビューでは、ウクライナ侵攻の背景を、米国・ロシア・欧州・中国の関係、核兵器が実際に使われる可能性が出てきている状況、ゼレンスキー大統領の正体などについて、切り込んでいます。ほとんどのメディアが報じないロシアの侵攻とウクライナ危機の正体が見えてきます。

 以下には冒頭の公開部分があります。ぜひ、近日中に公開される動画全編もあわせて御覧ください。

※冒頭オープン【18時頃~ live中継】岩上安身による元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=Ls2bOY5Ztzg

※ロシア軍侵攻で世界に衝撃!東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(第4回)~岩上安身によるインタビュー 第1069回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏 2022.3.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503032

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