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2022年2月 3日 (木)

ロシアと欧米:ヒステリーの霧を見抜く

ペペ・エスコバール
2022年1月26日
Strategic Culture Foundation

 2014年に、ブリュッセルがした致命的な過ちは、キエフにヨーロッパかロシアかの不可能な選択を強制したことだ。

 西洋共同体には幽霊が取りついている。「ロシア侵略」の必然性を刷り込む1日24時間・週7日の心理作戦おかげの完全なゾンビ化だ。

 ウクライナのレズニコフ防衛大臣に何が起きているか質問して、ヒステリーの霧を見通そう。

 「絶対に、今まで、ロシア軍はウクライナを武力侵攻できる攻撃集団を構築していないと私は言える。」

 まあ、レズニコフは、ホワイトハウスが多分特権的な機密情報を利用して、ロシアが「いつ何時」も侵略しかねないと確信しているのを明らかに知らないのだ。

 国防総省は、これを強化している。「ロシアが今緩和する意図を持っていないのは非常に明確だ」。「必要なら攻勢を打破するため、始動する」40,000人の多国籍NATO対応部隊(NRF)を用意する必要性をジョン・カービー報道官が述べた。

 だから「侵略」は既定の事実だ。ホワイトハウスは、あらゆる種類の「侵略」に対して、最近の計算では、18種もの軍事計画を「精緻化」している。結局、安全保障の保証に対するロシア提案への書面回答は、複雑なのだ。

 それをいつモスクワに送るか「確定期日」はない。しかも有名な「当局者」は、ロシアの相手に公表しないよう懇願している。結局、手紙は格好いいものではない。それでも「侵略」は売れるのだ。特に、それが「いつ何時」起きるかもしれない場合には。

 「評論家」物書き連中は、プーチンが「今後十日内」に「限定的攻撃」を行い、キエフ攻撃で終わるのは「今ほぼ確実だ」と叫んでいる。それは「ほとんど避けられない戦争」シナリオを構成する。

 ロシア上院国際問題委員会の第1副委員長ウラジーミル・ジャバロフは、現実に近づくことを好んでいる。ドンバスで、ロシアに対しキエフを「無謀な行動」に押しやるための挑発をアメリカは準備している。それは「イギリス人教官に訓練された破壊集団」がリシチャンスク地域に到着したというルガンスク人民共和国の歩兵が報告と結び付くのか??

 欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン、NATOのイェンス・ストルテンベルグやイギリス、フランス、ドイツ、イタリアとポーランドの指導者などの有名人が、テレビ会議後、ロシアが「侵略」すれば「未曾有の制裁パッケージ」がほとんど用意できていると発表した。

 彼らはそれを「増大するロシア敵意に直面しての国際的団結」と宣伝している。翻訳:NATOスタンは、ロシアに、どうかできるだけ早急に侵略するように懇願している。

 EUの27カ国中、21カ国がNATO加盟国だ。アメリカが、この全体を支配している。それでEUが「ウクライナに対する、いかなる更なる軍事攻撃も、ロシアにとって非常に重大な結果をもたらす」と発表するのは、アメリカがNATOに、EUに「我々が言うことが通るのだ」と言えと命じているのだ。この緊張環境での戦略ので、「我々が言うこと」はヨーロッパが完全に服従するようにしておくためのむき出しの帝国による分割と支配を意味する。

 欧米の致命的な過ち

 2014年のマイダンがオバマ/バイデンに監督された作戦だったことを決して忘れるべきではない。ロシアを窮地に落とし入れるという点では、まだ多くのやり残した仕事がある。それで生来的にロシア嫌いのD.C.戦争党は、今熱い戦争を始めるため、NATOスタンに、キエフ応援団になるよう全力を尽くして命じなければならない。そしてロシアをわなにはめるのだ。喜劇役者ゼレンスキーは「攻勢に出る」とまで公式発言さえしている。

 そこでニセ旗を起動する頃合いだ。

 信頼が置けるアラステア・クルックは「「包囲」と「封じ込め」がどのように実質的にバイデンの事実上の外交政策になった」か概説している。実際は「バイデン」ではなく、私が一年以上、衝突実験用ダミー人形呼んでいるイヤホーン/テレプロンプターにコントロールされている操り人形の背後にいる非晶質的一団だ。

 「現在、このメタ教義を強固にする試みは、ロシア経由で(第一歩として)実行されているはクルックは付け加えている。ヨーロッパによる、この不可欠な同意は、ロシアの物理的封じ込めと包囲のための「最も得意な出し物」だ。」

 「包囲」と「封じ込め」は何十年間も、様々な見せかけの下で、例外主義者の必需品だった。ロシア、中国とイランという三つの戦線全てで、この両方を実行することが可能だという戦争党が信奉する、この概念は、どんな分析も無駄なほど子供じみている。それはへそで茶を沸かす水準だ。

 想像上の「ロシア侵略」に対する追加制裁は、少数の慈悲深い連中が、トニー・ブリンケンや他の「バイデン」コンボ参加者に、ヨーロッパの方が、ロシアよりずっと致命的影響を受けることを想起させなければならなかった。これら制裁が西洋共同体の経済危機を超加速するのは明らかだ。

 我々がいかに今のヒステリーの泥沼にはまりこんだか検討するには要約が不可欠だ。

 西洋共同体は、1945年の後にドイツにしたことと同様に、ロシアと建設的協力を構築する可能性を吹き飛ばしたのだ。

 西洋共同体は、ロシアを劣った従順な国におとしめ、地球にはたった一つしか勢力圏が、もちろんNATOスタンしか、ないことを押しつけて、それを吹き飛ばしたのだ。

 そして、それが伝えられるところではそれが(すでに)ソビエト社会主義共和国連邦に「勝った」後さえ、ロシアに標的を定めたとき、帝国はそれを吹き飛ばした。

 1990年代と、2000年代「共通のヨーロッパの家」の建設に参加するよう招く代わりに、そのあらゆる酷い欠点から、ソ連後のロシアは、この「家」がどのように改良され、飾り付けられるか、外から眺めているよう強いられたのだ。

 様々な欧米指導者がゴルバチョフにした全ての約束に反し、伝統的ロシア影響圏、更には旧ソビエト社会主義共和国連邦地域さえもが「ソビエト遺産」略奪論争の標的になった。NATO軍事構造に植民地化されるだけの地域だ。

 素朴に西洋が「平和の配当」の利益を彼と共有すると信じていたゴルバチョフの希望に反して、ロシア経済に、強烈な英米新自由主義モデルが押しつけられた。この移行の悲惨な結果に、屈辱を受け、冷戦、あるいは第三次世界大戦で征服された国のように扱われた国民のいらだちの感情が加わった。

 それは「例外スタン」の致命的過ちだった。ソビエト社会主義共和国連邦が消滅したことで、歴史的、経済的、戦略的現実としてのロシアが国際関係からも姿を消すはずだと信じたのだ。

 新しい鋼鉄の協定

 そしてそれが皆様がどのように呼ばれようとも、戦争株式会社、戦争党、闇の国家が、今派手幻覚症状を起こしている理由だ。

 2007年にミュンヘンで彼が新しいパラダイムを定式化したとき、あるい2012年には彼がクレムリンに戻ったとき、彼らはプーチンを無視した。

 プーチンはロシアの正当な戦略的権益が再び尊重されなければならないことを明言したのだ。世界情勢を管理する上で、ロシアが事実上の「拒否権」を取り戻そうとしていたのだ。プーチン・ドクトリンは既に2008年ジョージア(当時はグルジア)事件以来実行されていた。

 ウクライナはロシアや、ポーランドやルーマニアなどいくつかの国々のように、最近まで異なる帝国、オーストリア/ハンガリーとロシアに属していた断片のパッチワークなのだ。それはカトリックと正教信仰を再編成したものであり、ロシアとの深い歴史的、文化的、そして経済的絆ながあり、何百万人ものロシア人とロシア語話者がいるのだ。

 だからウクライナは、事実上、新ユーゴスラビアだった。

 2014年にブリュッセルが犯した致命的間違いは、キエフとウクライナ国民全員に、ヨーロッパか、ロシアかという不可能な選択を強いたことだった。

 必然的な結果は、EUがどのように正直な調停者の立場から、アメリカのボチという下劣な役割に変わったか、ロシアがはっきり目にしながら、完全にアメリカ諜報機関に操られたマイダンでなければならなかった。

 ロシア嫌いのアメリカ・タカ派は、彼らの歴史上の敵が、ソ連後の地域で緩慢に燃える兄弟殺し戦争で動きが取れなくなる光景を決して放棄するまい。混乱したヨーロッパに押し付けた、分割して支配も、彼らは決して放棄するまい。同様に、彼らは決して他の地政学的当事者に「影響圏」を認めるまい。

 彼らの有害な刷り込みがなければ、2014年は、かなり違う形で展開できたはずだ。

 クリミア半島を本来の場所、ロシアに復帰させるプーチンを思いとどまらせるには、二つのことが必要だった。1992年以降、ウクライナが、しっかり運営されること、欧米陣営を選択するよう強いず、フィンランドやオーストリア風の架け橋にすること。

 マイダン後、ミンスク合意は、限りなく実行可能な解決に近かった。ドンバスで対立を終わらせる。双方の武装解除。そして、東ウクライナに実際の自治を与えながらの、ウクライナ国境支配の再確立。

 その全てが起きるためには、ウクライナは、中立的立場と、ロシアとNATOによる二重の安全保障を必要としたはずだ。そして、ウクライナとEU間の提携協定を、東ウクライナとロシア経済の間の密接な結び付きと両立できるようにすること。

 その全ては、おそらくロシアとヨーロッパの適切な将来関係構想を形成したはずだ。

 だが、ロシア嫌い闇の国家は決してそれを許すまい。そして同じことがホワイトハウスに当てはまる。身勝手な日和見主義者バラク・オバマは、シカゴの怪しいポーランド文脈に包囲されていて、深い敵意の例外主義強迫観念から自由ではなく、ロシアとの建設的な関係を築くことができなかった。

 それから高位のアメリカ人機密情報情報提供者が明らかにした決め手がある。

 2013年、故ズビグニェフ「グランド・チェス盤」ブレジンスキーはロシアの先進的ミサイル機密報告を受けた。彼は幻覚症状を起こした。そして彼が1980年代、アフガニスタンでしたように、ロシアをゲリラ戦に引き込むため2014年マイダンを概念化して対応した。

 そして今ここにいる。それは全てやり残した仕事の問題だ。

 驚異的な過酷な運命への最後の言葉だ。13世紀、モンゴル帝国はキエフ・ルーシ、すなわち現在の北ウクライナ、ベラルーシと現代ロシアの一部に対応する正教会公国に対する宗主権を確立した。

 1240年から、イワン雷帝がカザンを征服した1552年までのロシアに対するタタールのくびきは、ロシア史の意識や国民性に関する議論に深く刻まれている。

 モンゴルは中国、ロシアとイランという広大な地域をそれぞれ征服した。パックス・モンゴリカから何世紀も後に、これらユーラシア三大国の新たな鋼鉄の協定が、一群の太大西洋主義の歴史的新参者による全ての入念な計画を破壊し、今や克服できない地政学的障害となったのは何という運命の皮肉だろう。

 ペペ・エスコバールは独立地政学アナリスト、著者、ジャーナリスト

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2022/01/26/russia-and-west-piercing-fog-of-hysteria/

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 今朝の孫崎氏メルマガ、ウクライナ問題の端的な説明。彼らには緊張が利益。台湾も。

ウクライナ問題は、「経済制裁」等に頼らず、簡単に解決できる。西側が「ウクライナのNATO拡大問題は、緊迫する中、今進めるのは適切でない。しばらく凍結」と言えばそれで終結。何故それをしないか。ウクライナの緊迫は米国の金融界、軍産複合体に利益。

 デモクラシータイムス横田氏の下記報告を聞かないと、小池都知事の姑息な「質問」封じの実態は分からない。

 面と向かっての会見を廃止し、リモートでパソコンでしか質問できないよう改悪したのだ。絶望の党を立ち上げる際に、「排除する」失言を引き出した横田記者、彼女の天敵ゆえ、そもそも実際の会見でも一度も質問指名をしていない。

 それで横田氏は、会見が終わり、彼女の去り際に、決して答えないだろう「まともな」内容の「声かけ質問」をする以外手がなかった。今回のバソコン化で、声かけ質問さえ完封されたことになる。これを報じることなく居並ぶ連中全員、大本営広報部の一流速記者なのは確実。

【横田一の現場直撃 No.148】始動!小池ファースト塾!横田封じ?遂に会見オンライン化/コロナの影で… 横浜・新潟・長崎

 ネト・ウヨ連中、佐渡金山で、軍艦島の二番煎じを繰り返そうとしている。死ななきゃ直らない。

 日刊ゲンダイDIGITAL

安倍氏&高市氏に屈し「佐渡金山」世界遺産推薦 日本が払わされる“代償”を元外交官が危惧

 軍艦島については、アンドレ・ヴルチェク氏の報告を2018年夏に翻訳した。

端島 - 残虐な歴史と、世界で最も霊にとりつかれた島

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