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2022年2月26日 (土)

アメリカの圧力で決断の時に直面するドイツ

2022年2月21日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook

 来週ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官が未公表のヨーロッパの場所で会談する予定だ。二人の男性が何について話をするのか考えるのは困難だ。最近ラブロフは、イギリスのエリザベス・トラス外務大臣とモスクワで会談した。あの会談はラブロフの時間の完全な無駄と呼んでも誇張ではあるまい。彼女の無知は、どうやら黒海とバルト海を区別できず、ロシアの二都市をウクライナの一部だと言う恐ろしいレベルだった。

 ブリンケンの地理理解がトラスより良いことを願おう。ウクライナがブリンケンの議題と思われる。おそらく彼はロシアのウクライナ侵略が、差し迫っているという上司、アメリカ大統領ジョー・バイデンの奇異な信念を共有しているのだ。何より「ロシア侵略」をロシアからドイツまで、更に西の他の地点に至るノルドストリーム2パイプラインをキャンセルする口実として使用するつもりなので、アメリカは、その国で起きることを何であれロシアのせいにするのに必死なのだ。

 アメリカはヨーロッパ市場を自身のガス供給の選択肢と見ているのが、ノルドストリーム2パイプラインを終了させる利己的動機だ。これが非現実的な考えだということをアメリカが意識しているように思われない。アメリカはロシアに供給されるヨーロッパの電気の40%に取って代わる能力はない。商品はヨーロッパが買うには一層費用がかかる。

 これもアメリカが意識しているように思われない。彼らはロシアのヨーロッパ市場を破壊する願望が動機だ。この目標は、ヨーロッパの考え方と無関係で、彼らの頭の中で最重要だ。最近のドイツのオラフ・ショルツ首相のアメリカ訪問の際、ロシアがウクライナを侵略したら、ノルドストリーム2を中止するというバイデンの露骨な発言で酷く恥をかいたことほど、明らかなことはなかった。

 アメリカの横柄さは実に酷いもので、ロシア・ガスを輸入するという決定はヨーロッパの決定で、アメリカとは無関係だという考えは、どうやらバイデンは全く思い浮かばなかった。だから、バイデンの発言は実に多くを物語っている。ヨーロッパ全体、特にドイツは、アメリカがやりたいゲームの駒に過ぎないものだと描きだしたのだ。

 ドイツ市場の喪失がロシアに財政上の損失をもたらすのは確実だ。だがロシアの経済的負担は多くの人々、特に、それがロシアに経済的苦難をもたらすだろうと考えるアメリカ人が想像するほど大きくはない。実際、ロシアは既に代替市場の準備も意思も能力もある。それは中国だ。元来ヨーロッパ市場向けに予定されたガスを中国に送るパイプライン構築の作業が既に始まっている。それは2年から3年で完成すると予想される。

 ロシア・ガス喪失によるヨーロッパ全般、特にドイツの損害は遙かに大きいはずだ。それはアメリカの計算に入っているように思われず、計算に入れているとすれば、彼らがロシア・ガス喪失がドイツ市場に与える可能性がある破壊的影響を懸念している兆しはない。ロシア・ガスによる暖房で救われない寒い冬に耐えるよう強いられる住民の身体的快適さは言うまでもなく、文字通り、ドイツ産業の終焉を告げることになりかねないと真面目な評論家たちは示唆している。

 アメリカが画策したノルドストリーム2放棄で実際に苦しむのはドイツだということに気がついたことが、アメリカの露骨な反ロシア姿勢を支持するのをドイツ首相が非常に嫌がっている理由だ。ノルドストリーム2中止を見たいというアメリカの明らかな願望にドイツが一体どこまで反抗する覚悟をしているのかはまだわからない。

 この点、歴史は決して明るくない。77年前に第二次世界大戦は終わったが、ドイツは、40,000人以上のアメリカ軍隊が占領している、依然被占領国なのだ。ドイツは第二次世界大戦の瓦礫から立ち上がり、ヨーロッパ最強の経済になった。しかしながら、彼らの政治的独立が、彼らの経済力と一致していないのは実に明白だ。

 経済的にヘビー級でありながら、政治的にピグミーだという不一致こそ、まさに現在ドイツがこの立場にある理由だ。明らかに、ロシアからエネルギー供給を受けることが彼らにとって利益だ。この願望が、アメリカの考えと一致しないのは一目瞭然だ。多くの点で、ノルドストリーム2に関するドイツの決定は、ドイツが政治的に本当に独立しているのか、あるいはそうありたいと望んでいるのかという本当の試験になるだろう。

 ドイツが独立を主張しようと努めている小さな兆候がいくつかある。この一つが、中国と進んでビジネスをする姿勢だ。またしても、これはドイツだけではなく、ヨーロッパ諸国の常に増大しつつある、中国との相互に有益な経済関係を確立する自発的意志に強く反対するアメリカにとって忌まわしい傾向だ。

 このヨーロッパ独立の一つの明確な徴候が、中国の一帯一路構想に参加しようと、常に増加する欧州諸国の意欲だ。最新では、欧州連合の18の国が参加しており、それは加盟諸国の3分の2だ。それは更に増えると予想される。それらの国々にはフランス、ドイツやイタリアという欧州連合の有力諸国を含んでいる。

 ヨーロッパの国がアメリカの奴隷の身分から自身を解放し、自身の国益に等しい決定をするのは、未来の兆候だ。益々多くの国が一帯一路構想に加盟するにつれ、世界中で起きているより広範な連続的徴候を示している。総参加国は今や140カ国以上だ。自分達の世界的影響力が着実に低下するのを見ているアメリカが推進する強烈な反BRI計画にもかかわらず。

 この傾向は明白だ。ドイツもその傾向の一部だ。その理由から、ドイツはアメリカの圧力に抵抗し、ノルドストリーム2プロジェクトに調印すると私は信じている。ドイツ人は知的な、教養を身につけた民族だ。彼らは世界が進む方向を読むことができる。その読みは、彼らにユーラシアにこそ世界の未来があると言うだろう。彼らはその世界の一部になるのを望むだろう。最終的にアメリカによる保護を放棄するのはその一部で、これこそ彼らが自国の重大な利益のためにすべきことだ。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする元法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/02/21/under-united-states-pressure-on-germany-faces-a-moment-of-choice/

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 宗主国クーデタで作られた西の鉄砲玉属国、ロシアを挑発し続けた結果占領された。
 参議院選挙で完成する東の属国鉄砲玉、壊憲し中国を挑発し続けて、一体どうなる。

 今朝の孫崎氏メルマガ題名

ロシア軍ウクライナ侵攻。ウクライナの全土掌握は時間の問題。ウクライナ軍に力なく、西側に軍事的対抗の意思全くなし。冷戦後米国の一極支配を世界が容認してきたが、この一極支配の終焉を意味する。米国と一体なら安全だという時代が終わった。日本への重大な教訓。

 ガイド、今日もウクライナ状況について詳しく書かれている。

 日刊IWJガイド

「ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアと『話し合う』ことも表明! 早期の和平実現か!? 他方、ロシア軍がチェルノブイリ原発を制圧!」2022.2.26号~No.3453号

<本日の撮りおろし初配信>本日午後7時から2月23日収録「『憲法9条どうなる? 維新・自民の動き何を狙っているのか』 ―講師:清水雅彦氏(日本体育大学教授)」を撮りおろし初配信します!

視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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