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2022年2月 7日 (月)

背信のエルドアンは大トゥーラーンのためロシアを破壊しているのか?

2022年1月21日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、NATOであれ、EUであれ、同盟国と思われる国々との狡猾な取り引きで悪名が高い。だが彼最大の背信は今、プーチンのロシアとトルコの関係に向けられているように思われる。過去二年、あるいはそれ以上にわたり、ウクライナ、アルメニア、シリア、リビアとの取り引き、最近では、カザフスタンで失敗した革命で、エネルギーや高度な防衛装置でロシアに依存しているにもかかわらず、ロシアとの取り引きで、エルドアンは単なる日和見主義だけでなく、実際の背信、信頼への裏切り、寝返りの明白なパターンを見せた。そこで、それは何故かという疑問だ。

 エルドアンとカザフスタン革命未遂

 ISIS風ジハード戦士による少なくとも警官二人のぞっとする斬首を含め、最近のカザフスタンのアルマトイ空港やメディアや庁舎への血まみれの暴動や武装過激派闘士による攻撃から現れた証拠から、二つの平行する不安定化工作があったのは明らかだ。一つはワシントンとEUが「対話」を呼びかけるのを可能にした、エネルギー豊富な国の政府による燃料価格値上げに反対する穏やかな抗議という最初のうわべだ。これはCIAにつながる全米民主主義基金からの何百万ドルもの資金で訓練された「人権」活動家に率いられていたが、おそらくソロス財団-カザフスタンや、CIAやMI-6に操られている他の様々なNGOの可能性がある。これらは、遙かに悪質な政権転覆クーデターの企ての背後にあった一種の「擬似カラー革命」の隠れ蓑だったのは明らかだ。

 より深刻な攻撃は、外国ジハード戦士や、カザフ組織犯罪の親玉アルマン・ジュマガリエフ率いる組織犯罪凶悪犯を含め推定20,000人の訓練されたテロリストによるものだった。この二番目の強暴な集団は綿密な調査が必要だ。CIAとMI-6と共に、エルドアンの諜報機関MITと軍がクーデター参加者の訓練と武装に深く関与していたように思われる。高位の中央アジア機密情報情報提供者によれば、アジア・タイムズ編集者ペペ・エスコバールが、アルマトイ南部の事業拠点に本拠地を置く「「秘密」アメリカ-トルコ-イスラエルの軍-機密情報作戦室があったと言っている。この「センター」には、トルコによって西アジアで訓練され、次にアルマトイに密かに送り込まれた破壊工作暴漢を調整する22人のアメリカ人、16人のトルコ人と6人のイスラエル人がいた。」

 エルドアンとムスリム同胞団

 何年もの間エルドアンは(いずれもロシアで活動禁止されたテロ組織)アルカイダとISISジハード戦士を密かにトルコで訓練し、彼らを密かに国境を越えさせ、イドリブや他の拠点に送り込んで、バッシャール・アル・アサドに対し(事実上、現地のロシア軍に対しても)戦争すべくISISやアルカイダのシリア部門ヌスラ戦線に合流させている。加えて、何年もの間エルドアンは、アラブの春の間も、何十年も前からCIAやMI-6協力している秘密政治イスラム組織(ロシアで禁止されている)ムスリム同胞団と極めて近い。

 2013年、エジプトでムスリム同胞団を打倒したアル・シーシーの軍事クーデター後、推定2万人の幹部がエルドアンのAKPに歓迎されトルコ亡命を認められた。カタールがムスリム同胞団の積極的な秘密支援を減らすよう強いられたため、エルドアンが、この組織の主要な支援者・保護者になった。2020年、ロシア・テレビのインタビューで、シリアのアル・アサド大統領は、トルコの国益ではなく、エルドアンのムスリム同胞団イデオロギーこそが「イドリブでアルカイダのために戦うべく部隊をシリアに違法派兵する大義だ」と述べた。

 エルドアンが、現在ペンシルベニアに亡命中で、エルドアンに対する2016年のクーデタ未遂を企てたかどで非難されているフェトフッラー・ギュレンの巨大組織を信用しなくなり始めるにつれ、エルドアンは新オスマントルコの野心を拡大するため、ムスリム同胞団国際ネットワークに近づいたのは明確だ。フランス人ジャーナリスト、ティエリー・メイサンによれば、エルドアンの諜報機関、国家情報機構MITのハカン・フィダン長官は、ずっと昔の2003年から、中央アジアの旧ソビエト共和諸国中で、トルコ・ジハードの影響を広めるのに積極的だった。今日イスタンブールは事実上ムスリム同胞団の首都だ。

 これは最近カザフスタンでのクーデターの企てに直接関連する。カシムジョマルト・トカエフ大統領政権に対するアルマトイや他の重要な都市での攻撃の重要な現地組織者はナザルバーエフ前大統領の今や追い出された甥、周知のムスリム同胞団メンバー、サマト・アビシだった。アビシはナザルバーエフから2015年に彼を指名して以来の重要な地位国家安全保障会議の第一副委員長の職務を解雇された。ムスリム同胞団はエジプト、バーレーン、サウジアラビア、ロシア、UAEとシリアのような国でテロ組織に指定されている。

 エルドアンが、現在、世界中の他のジハード集団の中でも、事実上のアルカイダとISISの「母親」で、テロリストを支援するムスリム同胞団の主要な後援者である事実と、エルドアンのMITが、MI-6、CIAやイスラエル諜報機関モサドとともに、カザフスタン内で密かにテロリストを攻撃訓練した事実、1月のカザフ武装反乱の主要組織者サマト・アビシが周知のムスリム同胞団メンバーであることの全てが、トカエフを支持するというエルドアンの報道機関への発言にもかかわらず、カザフの出来事におけるエルドアンの役割が報告されているより遙かに中心的だったことを示唆している。

 注目すべきことに、2020年6月、イギリスの外国諜報機関MI-6長官に任命されたのはリチャード・ムーアだ。ムーアは、1990年代初期に、MI-6職員としてトルコで3年過ごし、2014年-2017年、トルコ大使を務めたトルコ専門家だ。ロシアに対するMI-6の役割は多くの人々が想像するより明らかに遙かに深い。トルコ専門家がMI-6長官に任命された事実は大いに重要で、英米の諜報機関がエルドアンのトルコを、旧ソ連のイスラム教諸国全てを不安定するため利用していることは大いにありそうだ。日和見主義者のエルドアンは英米の友人たちを喜んで手助けするのは明らかだ。

 ウクライナ向けのトルコ無人飛行機

 そして、ロシアの安全保障管と経済のため重要な「旧ソ連邦諸国」カザフスタンの不安定化は、エルドアンがプーチンのロシアに圧力をかける唯一の地域から、ほど遠い。ウクライナで、エルドアンは、ロシアに対して大いに挑発的で、モスクワのにとって越えてはならない安全保障の一線である、NATO加入へのウクライナの試みを公然と支持している。彼はドンバスのロシア人に使用するため、無人戦闘航空機バイラクタル TB2をキエフに売った。2014年、ウクライナのマイダンCIAクーデター後、エルドアンはキエフに近づき始めた。2021年4月、コメディアンから転じたウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキーは、アルメニアのナゴルノ-カラバフ戦争でのアゼルバイジャン大成功の後、ウクライナによるトルコ軍無人飛行機購入を話し合うためトルコでエルドアンに会った。ゼレンスキーはロシアとの紛争にトルコの支持を求めた。エルドアンは、住民の12%はテュルク・タタール人であるクリミア半島のロシアの併合を違法だと言って応えた。

 エルドアンは、明らかにトルコ海軍が2014年以前は優位だった黒海のロシア優位を封じ込めようとしている。2021年6月のNATO会議で、NATO事務局長にエルドアンは、黒海であなた方は見えない、黒海で、あなた方が見えないことが、そこをロシアの湖に変える。」と言った。トルコがロシアのガス輸入に対する依存を低減できるよう願っているトルコ最大の天然ガス発見は、黒海沖にある。2020年、約410億ドルのガス輸入の大半がトルコ・ストリーム・パイプラインを経由するロシア・ガスプロムのものだった。トルコから約100海里の黒海新ガス発見が、経済的かどうか明らかではなく、開発には何年もかかりかねないが、エルドアンのロシア挑発を一層危険にしている。発見された推定ガス量はトルコ・ストリームの約13年分の輸入に匹敵する。だが、この発見はロシアに対する動きでエルドアンを明らかに大胆にした

 アルメニアに対抗するトルコの動き

 2020年9月トルコが訓練したアゼルバイジャン軍がアルメニア人が多いナゴルノ-カラバフ飛び領土の脆い停戦を軍事力で破った。トルコ無人飛行機輸出が準備不十分なアルメニア軍に衝撃的打撃を与えただけでなく、トルコのMITが、そこでアルメニア人に対し戦争犯罪を行った経験豊富なジハード戦士をシリアから戦争に補充していたことが後に確認された。

 形勢を一変させたのは、アゼルバイジャンが、アルメニア標的に対して致命的なトルコ軍無人飛行機を配備したことだ。ドローンはウクライナ・エンジンを使いトルコで製造されている。アルメニアはロシアのユーラシア経済連合のメンバーなので、アルメニア領の損失はアルメニアにとってのみならず、プーチンにとっても屈辱的敗北だった。それは中央アジア全体で、トルコの信頼性を大きく押し上げた。

 ランドと、大トゥーラーンの範囲

 2019年にワシントンのランド社は、モスクワの安定性を深刻に弱めるため、国境警備に対する脅威に介入を強いることに的を絞った報告書をアメリカ軍司令部に送った。更なる経済制裁は別として、この報告は「軍事的、あるいは経済的にロシアに手を広げ過ぎさせるか、政権の国内、および/あるいは国際的威信と影響を失わせる」よう主張した。このランド報告書はとりわけ、以下を主張した。ドンバスのロシアに対してウクライナを武装させること、ベラルーシでの政権転覆推進。シリアでのロシア駐留に反対するシリアのジハード戦士に対する支援強化。ナゴルノ-カラバフを含め南コーカサスでの緊張の利用、カザフスタンを含め中央アジアでロシアの影響力を削減。これまでの三年間ワシントンに支援されるロシアに対する行動の多くが、このランド戦略の概要に習っている。

 2009年、エルドアンはイスタンブールに事務局を置くテュルク語諸国協力評議会(テュルク評議会)と呼ばれるものを設立した。メンバーにはアゼルバイジャン、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタンとトルコが含まれる。名目上の目標は、彼らのウェブサイトを引用すれば、彼らの「共通の歴史、共通の言語、共通のアイデンティティーと共通の文化」の強調だ。それはトルコでは、エルドアンの大トゥーラーン、究極的に中央アジアの大半と、イスラム系ロシアの広大な地域、中国の新彊州、モンゴルやイランを含む一種の新オスマン帝国と呼ばれている。彼は極右の民族主義者行動党(MHP)党首デヴレト・バフチェリから11月に貰ったフレーム入りの大トゥーラーン地図を最近見せた

 ワシントンとロンドンの戦略家が、このようなエルドアン野心にわくわくする理由は理解できる。彼らにとって、イスタンブールが中心となる巨大な大なトゥーラーン・テュルク勢力圏を作りたいというエルドアンの願望は、NATOにとって非常に有用だ。機能する国と勢力としてのロシアの破壊に。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/01/21/is-perfidious-erdogan-destroying-russia-for-the-great-turan/

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 当然の結論と思うが嬉しい話題。素晴らしい映画が上映禁止されてはたまらない。LITERA記事。

右派論客のトンデモ発言を収録した映画『主戦場』の裁判で、ケント・ギルバート、テキサス親父らの上映禁止請求が棄却!

 いつからか記憶はないが、彼が画面に出た瞬間テレビを消すかチャンネルを変える習慣で、彼の発言、ほとんど聞いたことがない。

 Change.orgで時宜を得た新規キャンペーンが始まった。

弁護士の橋下徹氏が連日テレビのワイドショーなどに出捲っていますが、どうみても特定の政党の関係者であり不適当だと思うので出演自粛を望みます。

 デモクラシータイムス

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