おそらくアメリカは他国の主権を尊重すると言うのをやめるべきだ
2022年2月22日
ケイトリン・ジョンストン
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プーチンは、とうとう行動して、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国として知られる東ウクライナの分離主義者が支配するドンバス地域の主権を正式に認める命令を発した。ロシア兵が停戦協定の劇的違反のなかプーチンが「平和維持」と呼ぶ任務で、この地域に派遣される。
「ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の承認は、東ウクライナで停戦を確立するため2014年と2015年に署名されたミンスク協定からのロシア離脱を意味する」とAntiwarのデイブ・デキャンプが書いている。「ミンスク合意の下、ウクライナはドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国に多少の自治を譲ることに同意した。ロシアはキエフ側が合意を履行しない事実に関して益々失望している。」
Putin Deploys Troops to Donbas Republics as Peacekeepers
— Antiwar.com (@Antiwarcom) February 21, 2022
The deployment comes after the Russian leader formally recognized the breakaway republics of Donetsk and Luhansk
by Dave DeCamp@DecampDave #Ukraine #Donbass #Russia #Putin #Donetsk #Luhansk https://t.co/2uj8Wd5YCU pic.twitter.com/KykZvebkHw
プーチンはドンバス共和国に平和維持軍として軍隊を派遣する
ロシア大統領が公式に分離したドネツクとルガンスク共和国を認めた後配備される。
デイブ・デキャンプ@DecampDave #ウクライナ #ドンバス #ロシア #プーチン #ドネツク #ルガンスク https://t.co/2uj8Wd5YCU pic.twitter.com/KykZvebkHw
- Antiwar.com (@Antiwarcom) 2022年2月21日
言うまでもなく、アメリカ帝国は、この動きには不満だ。バイデン大統領は既に、モスクワによる彼らの独立承認は「平和、ウクライナの安定性、主権と領土保全を脅かし、それゆえアメリカの国家安全保障と外交政策に対する異常な途方もない脅威だ」と言って、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国に厳しい制裁を課した。
「明日我々は彼らの国際法違反とウクライナの主権と領土保全に対する攻撃に対し、ロシアに新たな制裁を発表する」とホワイトハウス報道官ジェン・サキが付け加えた。
「この決定はミンスク協定下、ロシア誓約の完全な拒絶であり、外交に専念するというロシアの誓約を真っ向から否定し、ウクライナの主権と領土保全に対する明確な攻撃だ」とトニー・ブリンケン国務長官が付け加えた。
帝国の他のメンバーもウクライナ主権に対するこの許しがたい侵害に憤慨している。
「ウクライナで強くいわゆる「独立国家」のロシアの認識をカナダは非難する」とジャスティン・トルドーがTwitterで書いた。「これはウクライナの主権と国際法のあからさまな侵害だ。カナダはウクライナに対する支援で強い状態にある-我々はこれらの行動のために経済封鎖をするつもりだ。」
「明日我々は彼らの国際法違反とウクライナ主権と領土保全に対する攻撃に応じてロシアへの新たな制裁を発表する」とイギリスのリズ・トラス外務大臣がTwitterで書いた。
「これは更にウクライナ主権と領土保全を傷つけ、紛争解決に向かう努力を損ない、ロシアも当事者であるミンスク協定に違反する」とイェンス・ストルテンベルグNATO事務局長が言った。
Had Biden admin been willing to give up on making Ukraine a proxy on Russia’s border, it could’ve had a demilitarized Donbas in a neutral Ukraine. It instead shunned Minsk & targeted Nordstream 2. Rather than a Russian invasion, it got Russia’s recognition of breakaway republics.
— Aaron Maté (@aaronjmate) February 21, 2022
バイデン政権がロシア国境でウクライナを代理人にするのを進んであきらめていれば、中立ウクライナ内の非武装化されたドンバスがありえただろう。アメリカは逆にミンスク合意を嫌がり、ノルドストリーム2に標的を定めた。それがロシア侵略ではなく、独立共和国のロシア承認をもたらしたのだ。
- アーロン・マテ(@aaronjmate) 2022年2月21日
モスクワによるこの動きに対し、あらゆる種類の批判がなされているが、欧米の政治/メディア支配層全員が異口同音にこれら批判を金切り声で言っているが十分広がっていないように人々は感じているのだ。アメリカに中央集権化した帝国は、この惑星で他国の「主権」についておしゃべりする資格は最下位だと私は指摘したい。完全にビリだ。
プーチンが好きだとか、彼の決定を支持して言っているのではなく、本当に圧倒的に世界絶対最悪の国家主権侵害者が国家主権侵害を訴えるのは、とんでもなく狂っているからだ。
外国政府の行動に金切り声を上げながらアメリカ帝国がしているのを指摘すると「水掛け論」だと非難されるが、これは「水掛け論」ではない。目下の問題に関して発言するには、アメリカは地球上絶対に最も資格に欠ける政府だと指摘して、それで話は終わるはずだ。もしアメリカが非同盟政府の違反に関して正当に不平を言いたいと思うなら、最悪の違反者であることをやめなければならない。
「他人が悪い事をしているからといって自分もそうしてよいことにはならない 」と言うむきもあるかもしれない。結構。だが過ちを一万もしている国が、一つの過ちをしている誰であれやめろと言えるわけはないのだ。
結局、何百もの軍事基地で世界を包囲している帝国が戦争をして、今世紀の変わり目以来だけで何百万人も殺し、何千万人も強制退去させているのだ。制裁と封鎖は毎日多数の人々を飢えで死なせている。複数の領域で核を使った瀬戸際外交で人類全体を脅しながら、世界中でCIAクーデターや、代理軍や、部分的・全面的侵略や、途方もない数の選挙妨害で政府を打倒して、命令に服従しないどんな国でも破壊すべく動いている。
How the hell does anyone pretend America has the moral high ground when Joe Biden is intentionally starving millions of #Afghan children?????????????https://t.co/NQ8Ho0m5fC
— Peter Daou (@peterdaou) February 21, 2022
ジョー・バイデンが何百万人もの#アフガンの子どもを意図的に飢えさせているのに、一体誰がアメリカが道義的に優位な立場にあるふりをできるだろう?????????????https://t.co/NQ8Ho0m5fC
- ピーター・ダオウ (@peterdaou) 2022年2月21日
イエメンだけでも、アメリカと代理人がしていることは、ロシアがウクライナでしていることより何倍も酷い。アメリカがアフガニスタンでしていることも。ベネズエラでも。あるいはシリアでも。なんのことはない、バイデン政権は既にイスラエルによる露骨なゴラン高原併合を認めて、プーチンがしたことより遙かに酷いことをしているのだ。
2014年、本物のネオ・ナチ民兵の支援を得てクーデターを起こすのが苦でなかったほどアメリカがウクライナ主権を殆ど考えなかった事実は言うまでもなく、ドナルド・トランプの極右との親密さを叫んだ何年も後、今日に至るまでリベラル・メディアが未だPR部門を担当している。アメリカはウクライナ主権を守るため核保有超大国との冷戦瀬戸際外交を大いに高めるのをいとわないが、その政府を打倒するナチを支持するのを思いとどまるほど十分な想像力がないのだ。
ロシアが他国の主権を侵害していると非難しているアメリカ帝国は、連続猟奇殺人鬼ジェフリー・ダーマー同様、他人の食習慣を非難しているのにすぎない。
欧米大国連合が、ウクライナ危機を、狂った異様で悪質な形で進むのを見た後、物事をわきまえた人々にとって文字通り我々の世界を終わらせかねない権力闘争交渉をして欲しいと願う最後の機会なのは明らかだ。連中が我々全員を殺すのに成功する前に帝国が崩壊するよう願うばかりだ。
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