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2022年2月 8日 (火)

アメリカがウクライナ侵略を阻止したという主張の背後にある見かけ倒しの論拠

2022年2月5日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 11月、ミリタリー・タイムズは、ロシアが一月末までにウクライナを侵略しようとしているというウクライナ諜報機関の主張を発表し、多数の他の主流メディア取り上げ繰り返した

 そして「ロシアは一月下旬までにウクライナを攻撃する準備をしている」というミリタリー・タイムズの扇動的見出しに、暦が疑問を提示した一月下旬、同じメディアが、それほど流行らない「ロシアはまだ全面的攻撃の準備ができていないとウクライナ」という見出しの記事を載せた。

 今や二月初旬、マードック報道機関は、アメリカと同盟諸国が皆に侵略が行われると言って、モスクワ計画を「台無しにした」から、ロシアが侵入しなかったと主張する、我々が今後数日中更に多く見る可能性が高い歪曲記事を発表した。「ウクライナ-ロシア緊張:アメリカとイギリスがあり得る侵略を示唆した後「台無しにされた」モスクワ計画」という題の記事では、ウクライナのハンナ・マリアル国防次官が、彼の殺人策謀が、真実を語るのを阻止されない帝国の諸国の大胆な一団に阻止されたので、プーチンが侵略しなかったとスカイ・ニュースで述べた。

 新規:新しいロシアによるウクライナ侵略の脅威に関するイギリスとアメリカによる暴露がモスクワの計画を「台無しにした」と🇺🇦 国防次官が@SkyNewsに語る。
  エセ・ビデオ攻撃策謀で🇺🇦 軍をはめて、侵略の口実としようとしていると 🇷🇺 を🇺🇸が非難した後だ。https://t.co/0jWQJRVbJF
- デボラ・ヘインズ (@haynesdeborah) 2022年2月4日

 「我々あるいは我々の欧米パートナーがあり得る侵略の日付をあげて、我々が彼らの計画を台無しにしているのを理解するのは重要だ」とマリアルがスカイ・ニュースで述べた。「公式に告げられた日付は計画を台無しにし、これらの日々には何も起きないだろう。だか危険は依然存在している。」

 同じ記事でウクライナのオレクサンドル・トカチェンコ情報大臣は、差し迫る攻撃という、あらゆる欧米の話がなかったら、ロシアが既に侵略しただろうと思うかどうか尋ねられ「典型的な強盗として、もし防衛を見なかったり、少なくとも話を見なかったりすれば、彼は行動するだろう。」と答えた。

 記事は、ロシア侵略がなかったことの遙かに単純な説明の可能性は決して配慮しない。ロシアは決して侵入するつもりがなかったのだ。可能性がずっと低く思える、ロシア政府が誰も、それについて何も言わず、大規模侵略を計画できると考え、途方もない賭けが成果をあげ損ねると分かり、失望で計画を断念するよう強いられたというシナリオを優先して、その可能性は即座にはじきとばされる。

 そして今我々は既に、本当の侵略は2月20日に起きるという別のウクライナ軍の主張を欧米メディアが掲載するのを見ている。

 「2月20日が侵略が始まり得る日とされている。すなわち北京冬季オリンピックが終わり、69歳のプーチン大統領は中国を説得するのを熱心に望んでいて、大会を損なうことを望んでいないかもしれない」とタイムズは一月下旬に書いた

 2月20日が来て去り、侵略や、偽旗作戦なしで、クレムリンが支援するクーデターが起き損ねれば、我々は、おそらく、アメリカと同盟諸国がとった、それを阻止する措置のおかげで、それらのことが起きなかったと主張する欧米メディアのより多くの歪曲記事を読まされるはずだ。それは、ウクライナに兵器を注ぎこみ、部隊を東ヨーロッパに送ることにより、プーチンに立ち向かうという彼の意欲で、バイデンがウクライナ侵略を「防いだ」と主張し、政治的得点をするため使われるかもしれない。

 これらの主張は完全に見かけ倒しの根拠を基盤に築き上げられている。

 彼らの冷戦攻撃で欧米大国がクレムリンの邪悪な策謀を阻止しているという言説の虚偽的本質は、新発明された「熊パトロール」のおかげで、熊が、ほとんどこの界隈から遠ざけられていると信じるホーマーの漫画シンプソン家の人々の場面でうまく説明出来る。

 「ああ、熊は一匹も見えない!熊パトロールは魔法のように効いているに違いない」とホーマーが言う。

 「それは見掛け倒しの根拠だよ、パパ」とリサが、地面から石を拾って答える。「パパの論理で、私はこの石がトラを遠ざけると主張できるよ。」

 「オー、それはどのように効くのかい?」と父親が尋ねる。

 「効かないよ」とリサが言う。「ただの石ころだよ。でも、このあたりでトラは見ないよね?」

 そこで実に愚かなホーマーは、リサの石を買いたいと申し出る。

 ホーマー・シンプソンと、アメリカ軍事同盟がロシアのウクライナ侵略を阻止していると主張する人々両方を悩ませている間違った論理は、cum hoc ergo propter hoc前後即因果の誤謬として知られており(「こういう状態だ、だから、それはこのおかげだ」)相関関係が因果関係だとする誤りだ。二つのことが同時に起きたから(あるいは我々がここで見る例のように起き損ねたから)一方が、もう一方を起こしたに違いないと誰かが主張する場合だ。ホーマーの熊パトロールは熊を遠ざけた。リサの反トラ石はトラを遠ざけた。差し迫るロシア侵略を欧米が金切り声を上げることでロシア侵略者を遠ざけたのだ。

 代案として、スプリングフィールドの街路を脅かす熊やトラはおらず、ウクライナを脅かすロシア侵略がない可能性がある。これは、冷戦エスカレーションを強化し、高価な軍事資産を動かし、プーチンは全ての国々が常時抑止すべきヒットラーのような厄介ものだという世界的合意をでっち上げ、あるいは可能性として、そんなことがあってはならないが、アメリカ/ウクライナ/NATO軍による攻勢の下準備をするための言説だったのだ。

 事態がどのように展開するにせよ、この論理が近いうちに論理的に健全なものになるはずがないのは確実だ。だから、シンプソンのこの場面を手元に置いて頂きたい。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/02/05/the-specious-reasoning-behind-claims-that-the-us-thwarted-an-invasion-of-ukraine/

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