「戦争ではなく平和を欲する」と言いながらウクライナを完全武装させるアメリカ
Finian Cunningham
2022年1月21日
Strategic Culture Foundation
ワシントンはウクライナを代理として利用し、ロシアの攻勢と侵略に関する歪曲した言説を使って対ロシア戦争推進を強化すると決めたのだ。
今週アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、ワシントンはロシアと「戦争ではなく平和を切に望んでいる」と誓って、ヨーロッパじゅうを往復している。NATOが支援するキエフ政権に対し、アメリカ、イギリスの追加武器供給に関する報告のさなか、この感傷的雰囲気だ。
2014年、CIAが支援するキエフのクーデターで、ロシアと敵対するのに夢中なネオ・ナチ政権が権力の座について以来、ウクライナはアメリカによって既に大規模に軍隊化されている。バイデン政権は、対戦車ミサイルや他の致命的兵器で武器備蓄を強化したが更なる増加計画がある。今アメリカとイギリス両方から追加供給が途上にあることが表面化している。イギリスはウクライナに「軍事顧問」と対戦車火器を送る予定だ。
今週モスクワは、既に切迫している緊張を無謀にかき立てると、ウクライナへの武器供給強化を非難した。地域安全保障に関するロシアとNATO当局者間の高位協議が先週行われて、わずか数日後、アメリカとイギリスから対戦車ミサイルの新たな供給が報じられたが、これは外交的解決を主張する欧米列強の言説にもかかわらず、密かにロシアとの戦争を望んでいる、もう一つの証明であるように思われる。
戦争挑発の狂乱が、いかなる筋の通った対話も、外交や国際法への義務も超越したように思われる。ワシントンとヨーロッパ諸国は、ロシアのウクライナ侵略計画とされることへのヒステリーを強めている。水曜日、ブリンケンは「今にも」ロシアがウクライナを侵略する準備ができていると主張してキエフに飛んだ。このアメリカ外務大臣は「侵略」とされるものに関しロシアに対する経済的苦痛を更に強化することを論議すべく、ドイツ、イギリス、フランス外務大臣と会うためベルリンに飛んだ。今週ドイツ政府は「ロシアがウクライナを侵略すれば」ノルド・ストリーム2を止める用意ができていると発表した。
ニューヨーク・タイムズは、ロシアがキエフの大使館を閉鎖しつつあるという説を報じ、この動きはモスクワが戦争を予期している前兆だと推測した。ロシアは、この報道を根拠がないと切り捨て、領事館員がウクライナで正常に働いていると述べた。ウクライナ外務省もロシアの主張を裏付けているよう思われた。
ロシアは繰り返し侵略計画とされるものを否定している。ロシアは国境内の軍隊の動きは説明を必要としない内政だと言う。侵略言説を推進するニューヨーク・タイムズさえ、今週ウクライナ国境でのロシア軍増強というアメリカ諜報主張は実現しなかったと認めた。
モスクワは、軍事力増強は、実際はアメリカやイギリス、カナダや他のNATO軍顧問に支援されたウクライナ軍によるものだと言う。ロシア侵略という主張は、NATOに支援されたキエフ政権が、CIAがクーデターを醸成した2014年以来、キエフ軍と内戦をしている南東ウクライナのロシア系住民に攻撃を開始するための隠れ蓑だとロシアは主張している。
金曜日、ブリンケンはジュネーブでロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフと会う予定になっている。クレムリンはモスクワがアメリカとNATO当局に先週提出した安全保障提案に関し、アメリカから法律上の書面回答を期待していると述べた。提案は更なる東方向の拡大を思い留まることと、東ヨーロッパから現在の攻撃兵器を撤去するアメリカとNATOの約束を含んでいる。
アメリカとヨーロッパNATO同盟国は既に口頭で、ロシアの安全保障提案を「見込みなし」と切って捨てた。彼らはロシアにはNATO配備への拒否権がないと述べた。これは国境への攻撃的軍隊の脅迫的侵攻に対するロシアの懸念に対する高圧的、挑発的拒絶だ。
アメリカとパートナーはロシアの実存的懸念を意図的に先延ばししているように思われる。モスクワが先週明示的に概要を述べた安全保障提案に即座に答えないのは、ロシアの決意を弱めるためアメリカ主導NATOブロックが威嚇的に時間稼ぎをしていることを示す。
アントニー・ブリンケンは、アメリカは、まず他のNATO同盟諸国やパートナーと相談する必要があると言って、ロシアの戦略上の安全保障提案に答えないことに、つじつまが合わない弁解をした。ワシントンは合意と協議を求める義務で制限されると言い張っている。モスクワは、アメリカがヨーロッパの相手と相談する間、安全保障上の懸念を保留しなければならないと言われている。その不明瞭な過程がいつ終わるか誰が知ろう?
奇妙なことに、昨年アフガニスタンから劇的に撤退すると決めた際には、このようなワシントンによる、いかなる「協議」の必要もなかった。20年にわたる過酷な徒労の戦争の後、バイデン政権は、突然の軍撤退について他のNATO加盟諸国に、わざわざ知らせようとはしなかった。実際、ヨーロッパは、もっと緩慢な撤退を要請したのに、アフガニスタンでの作戦を閉鎖すると決めたワシントンに一方的に無視されたのだ。
NATO加盟諸国間の合意と協議にアメリカが、ふけっているという考えは、ばかばかしい妄想だ。覇権国として、ワシントンは単独で、何時戦争をするか、しないかを決め、NATO属国は、その実態である良き従僕として、歩調を合わせるだけだ。
ウクライナの軍国化は、信頼できるイギリス・ブルドッグと、アメリカに率いられている。ウクライナを代理として利用し、ロシアの攻勢と侵略に関する歪曲言説を使って対ロシア戦争推進を強化するとワシントンが決めているというのが結論だ。モスクワとの歴史的な安全保障緊張緩和に対する拒絶は、同盟諸国との合意とされるものを見いだすための騎士道的な礼儀正しさというワシントンの偽装で正体を隠している。
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新大使、聞き覚えがある名前なので過去記事を確認してみた。たとえば下記記事に名前が出ている。
トンガ、自衛隊員にコロナ。
『追跡 謎の日米合同委員会 別の形で継続された占領政策』を読了。属国には領空も領土もない。航空の安全もコロナ(医療)の安全もない。沖縄二市長選敗北。植民地状態は延々と続く。
植草一秀の『知られざる真実』
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