中国とロシアをいら立たせる日米「列島」
M.K.BHADRAKUMAR
Indian Punchline
2021年12月25日
2021年10月18日北日本の津軽海峡を航行する中国とロシアの軍艦艦隊(ファイル写真)
金曜日、台湾有事の際、日本の南西にある南西諸島沿いに攻撃用軍事拠点設置を可能にする共同作戦計画案を東京とワシントンが作成したという日本政府筋情報を共同通信が報じた。
報道によれば、アメリカと日本の外務、国防担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で正式な計画策定に向けた作業開始に合意する見通しだ。
この記事は、この計画では、南西の台湾方向に広がる(琉球列島としても知られる)無人のものを含め、およそ200の南西諸島で、約40の「候補地」に「アメリカ海兵隊が一時的な攻撃用軍事拠点を設置する」と述べている。
この報道は、日本のタカ派前首相安倍晋三による、どんな台湾有事でも、日本にとって日米安全保障同盟にとっても緊急事態だという最近の発言に続くものだ。
この報道は、金曜日、第二次世界大戦以来、日本の防衛費のこれまでで最大の増加を日本の議会が承認して、わずか一日後のことだ。
日本政府が今日本が戦争を行うことを可能にする憲法修正を推進するかどうかはまだ不明だ。第二次世界大戦の遺産である既存の平和憲法は、厳密な自己防衛以外、日本軍が戦争を行うことを禁じている。
70年前、アメリカは連合軍最高司令官マッカーサー将軍率いるアメリカ人の小チームが、わずか一週間で立案した平和憲法を日本に押しつけた。皮肉にも、今アメリカは、この制約を投げ捨てて、アジア太平洋での戦争で、同盟体制の本格的参与者として徴募可能な「普通の」国になるよう積極的に東京を奨励している。
日本軍国主義は近代史の事実だ。大恐慌は日本に大きな影響を与え、軍国主義の勃興をもたらした。簡潔に言えば、日本は、より多くの天然資源を得て、自身の経済帝国を作るため太平洋に拡張したいと望んだのだ。その起源は、急速に近代化し、西洋に遅れずついていくための急激な軍国化の時期までたどることができる。
当時と現在の状況には類似と相違がある。20世紀早々における主な相違は、世界で多数の国々の植民地建設をもたらし、その波及効果が特にアジアで感じられた欧米列強による近代的グローバリゼーションの大波に日本が不満だったことだ。要するに、日本は植民地建設をする欧米諸大国から自身を守ったのだ。
欧米列強との戦争の可能性と考えたことから自身を守るため、軍隊と結びついた経済力で、政治支配体制が軍国主義的決定をする、大いに軍隊化した政府の国防国家として発展した。
もちろん、イデオロギー的再生は、好戦的で極端に国家主義の国に仕えることを神聖な義務として日本国民が信じるようになったことと密接に関係していた。こうして日本は急速な産業発展と、中国、韓国と満州への侵略でアジアの帝国主義勢力に変わったのだ。
現在、北京とモスクワは日本の動きについて過度に心配しているように思われない。だが彼らは、今中国とロシアに対するアメリカのインド・太平洋戦略としっかりつながっているという地政学的現実から、日本軍国主義のどんな復活も、しっかり見守っている。彼らは、日本が実際、その平和憲法を初めて改訂して、これまでで最大の動きをするかどうか見守っているのかもしれない。
ウクライナを巡るアメリカとのロシアの緊張も、極東に関係する。第二に、ロシアと日本は、第二次世界大戦戦争を正式に終わらせる講和条約にまだ署名していない。ロシアは益々中国と権益が一致するようになりつつある。
11月23日、ロシア国防大臣セルゲイ・ショイグが、中国国防大臣魏鳳和、ウェイ・フォンホーに、ロシア東国境近くのオホーツク海上でのアメリカによる空中偵察が、2020年には前年の三回から合計22便の戦略的飛行に増加し、ロシア・中国両方に対する脅威となったと言った。「この背景に対し、ロシア・中国の協調が世界情勢における安定化要因になっている」とショイグが言った。
この会話は、二人の国防大臣による軍事協力「ロードマップ」署名のかたわら行われた。それより3日間前、中国とロシア空軍が日本海と東シナ海で戦略的共同空中偵察を行った。二機のロシアのTu-95MCとの共同編成のため、中国は二機のH6Kを送った。
中国の声明によれば、これは「戦略的協調と共同作戦能力、世界の戦略的安定を共同で維持する水準」向上を目指す中国とロシアの軍による三度目の戦略的共同空中偵察だった。
一カ月前に日本海での合同海上軍事演習を終えた後、10月17日に10隻の強力な中国、ロシア軍艦が、津軽海峡を通過して太平洋に出る前例がない日本を巡る最初の共同海上哨戒任務を行った。
ロシア国防省は「この哨戒業務は、アジア太平洋地域の平和と安定維持と、二国の海上経済活動対象の監督責任でロシアと中国の意義を示すものだ。」と述べた。
ここ数ヶ月、日本との千島列島問題を巡るモスクワの主張は極めて明らかに硬化している。9月に、プーチン大統領はロシア法の下、問題の島々に経済特区を設立するという新提案を明らかにした。明らかに、ロシアは千島列島を集中的に、急速に発展させ、統合を強化する計画だ。東京は抗議した。
もしそれらが日本に返還されたら、島にアメリカ・ミサイルシステムが配備される可能性があり、ロシアへの直接軍事的脅威となるのをモスクワは恐れている。12月2日にロシア国防省は千島列島のマトゥア島(松輪島)への先進的な移動可能沿岸防衛ミサイル・システム、バスチオン配備を発表した。
ロシア国防省は同じく12月21日、ボストークとグロムという名の二つの戦略司令部とスタッフの演習を来年開催する計画を発表した。ロシア極東でのボストーク(東)演習は全ロシア軍にとっての重要な戦闘演習として計画されている。
南西列島沿いに攻撃拠点を準備するアメリカ-日本共同作戦計画の共同通信による公表がモスクワの反発を誘うのは確実だ。「共同通信」報道はアメリカ軍配備は「可動性の高い大砲ロケットシステム」を含むと言う。ロシアは日本への中距離ミサイル配備に対しアメリカに繰り返し警告している。(ここと、ここ)中国も同様姿勢で、アメリカがアジアに陸上発射ミサイルを配備すれば「座視しているつもりはない」と警告した。
記事原文のurl:https://www.indianpunchline.com/japan-us-island-chain-will-roil-china-russia/
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不思議なことに、同じ通信社でも、日本語の記事はえらく簡単。もちろん大本営広報部洗脳バラエティーは決して報じない。
日刊ゲンダイDIGITAL 斎藤貴男氏記事
東京新聞朝刊一面全面 在日米軍の感染 首都圏「基地の町」不安
特報面、辺野古・高江リポート 米軍PFAS汚水 指針値の1740倍
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