ディストピア小説のアイデア
2022年1月17日
ケイトリン・ジョンストン
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最近私はディストピア小説のアイデアをいくつか検討していて、読者の皆様からご意見を頂けたらと考えている。
全員奴隷だが、それには気づいていない世界の物語を構想している。人々は自分で考えていると思い込み、自身のものだと考える判断やライフスタイルを選択し、心から自分が欲していると信じるものを買い、自分が本当に楽しいと感じる娯楽を消費し、自分が本当に支持していると思う候補者に投票するが、実際は彼ら全員、大衆を自分の好きなように操る大規模心理操作に熟達したエリート支配階級に完全服従して行進しているのだ。
私の小説では、人々は幼少期から金権政治家とソーシャル・エンジニアによって、能率的で従順な歯車を作り出すよう設計された教育制度で教え込まれ、成長すると、彼らのプログラミングはマスメディア洗脳のかたちで続く。もし彼らが政治的に気付けば、彼らはもっともらしく魅力的に見えるよう意図されているが、既存権力構造に意味のある形で異論を唱えない人工的に作られたイデオロギー的観点を注ぎ込まれているのだ。
同様に、この暗い代替現実世界の政治制度は、自由で、民主的に見えるよう意図されているが、人々の投票の仕方と、彼らの文明社会が実際に機能する方法の間に、本当の繋がりはない。金権政治家と政府工作員の公式に認められていない非公式連合が、金や産業や政府や軍隊を日々どのように動かすか実際の決定をし、それら問題を監督する責任があると大衆が信じている公式政治制度をこの秘密連合が支配しているのだ。人々が「選挙」と呼ぶものは、実際は、この支配同盟の二人の従僕を大衆が選ぶのに過ぎず、彼らの唯一意味ある意見の相違は、それら支配者の意思をいかに推進するのが最善かというだけだ。
私のディストピア社会は果てしない暴力、圧迫と搾取の上に築かれているが、この世界では大規模心理操作科学が非常に進歩しているので、人々はそれが起きていることさえ知らない。海外での休みなしの軍事行動で大量殺人が連続的に犯されるが、大衆は、それが自由と民主主義を促進し、彼らをテロの恐れがないようにしておくのだとをまんまと説得されている。人々は食卓に食物を載せるため、世界で最も裕福な国で、複数の仕事をしなければならず、もっと良い生活選択をしないのは自分のせいだと信じるよう洗脳されている。億万長者が指数関数的に更に多くの富をかき集める中、路上で人々は低体温症で死に、大衆は億万長者がホームレスより一生懸命働くからだと信じるよう洗脳されている。更なる支配を可能にするため、警察と刑務所システムが拡張し続け、人々はそれは自分達が犯罪を心配しないで良くするためだと信じるよう教え込まれている。真実を語るかどでジャーナリストは投獄されるが、人々は、それは国家安全保障を守るためだと言われる。インターネット上の情報は積極的に制御され、人々は、それは彼らを危険な言論から守るためだと受け入れるよう洗脳されている。
私のディストピア小説では、権力者連中は好き放題にし、それら行動がなぜ正当だったか説明する言説を推進する。もしより小さい、より弱い政府が、世界最強力の権力構造に十分従順でなければ、なぜ彼らを打倒しなければならないかを説明する理由がでっちあげられる。国内あるいは海外で、より強く支配することが必要なら、なぜ、あれこれの地政学的に重要な地域で軍事拡張主義が必要か、あるいは、人々を安全にしておくために、なぜ国内監視の強化が必要かの理由が出現する。武装用心棒と戦争機構は、どこであれ必要とされる場所に動かされ、大衆は、そうした動向について何も知らないようにしておかれるか、それらがなぜ起きざるを得ないかを説明するでっち上げ物語を聞かされる。
それがなければ世界中の政府は自身の利益を推進するため、あらゆる振る舞いをするから、このディストピアで、果てしない大量軍事大虐殺は支配権力構造の存在に不可欠だ。政府は徹底的非に腐敗していて、軍事兵器製造企業は外交政策支配層の意志決定機関と分離できないほど一体化し、もっと多くの高価な兵器が使われるよう、更に多くの戦争のため積極的にロビー活動するのを許される。他のいかなる理由でもなく、人々を放っておくより利益があるので、彼らに武器を発射することで、人の死体の山が積み上がる。それらを更に多く作ることが利益があるというだけの理由で、核兵器が備蓄され、世界中に配備される。
それは環境、経済政策でも同じだ。グローバル体制は、大規模な人間の行動が利益のための利益の追求によって動かされ、銃口を突きつけられ、軍事政策と全く同様、環境、経済政策も、何が最善かではなく、それら政策を具体化する金権政治家に最も利益があるように形成される。産業は、それがどれほどひどく人類を危うくするか、誰を傷つけるかにかかわらず、最も多くの金をかき集めるあらゆる方法で動く。
そして、彼らの現実状況が直接見るには余りにも憂慮すべきなので、彼らが暮らしているディストピアを当たり前と思うように作られた映画やテレビ番組の精巧な洗脳システムによって、厳しく制限された情報取得の機会によって、彼ら自身の心理的解離によって、この大惨事を受け入れるように操られるから、全員がそれに習って行進し続ける。彼らは自分達の暗い世界のギアを回し、表面のすぐ下に潜んでいる恐怖から気をそらすための、心がこもらないお笑い番組に熱中して夜更かしする。
明らかにこのようなディストピアは完全に持続不可能なはずで、最も明白な結末は、核戦争あるいはエコロジー大惨事か何かによる全世界絶滅だろうが、民衆は、この操作に目覚め、意思を取り戻し、夏の日に暖かいコートを脱ぎ捨てるように、エリート支配から抜け出せるかも知れない。理由が何かはわからないが、今の読者は、身についた無力感と条件反射的な悲観主義に余りに慣れていて、そのようなシナリオを想像することさえできず、まして、それを真実味のある展開とは受け入れられない状態のように私は思う。
とにかく、それが私の売り口上だ。皆様はどう思われるだろう?これに信ぴょう性はあるだろうか?それとも人々が共感するには余りに今日の世界と違っているだろうか?
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画像はレイ・デュマ。Attribution-ShareAlike 2.0 Generic (CC BY-SA 2.0)
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/01/17/ideas-for-a-dystopian-novel/
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森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記
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視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured「たんぽぽ舎」主催の講演会を中継します。
<インタビュー告知>本日夜7時より、「東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る! 中露VS米欧日への発展や第3次世界大戦勃発の恐れはあるのか!?」岩上安身による元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビューをお送りします! そもそも、ロシアのウクライナ侵攻はあるのか!? ウクライナ首脳は全力否定! ドイツは「ノルドストリーム2」で自らの頭で外交を立案し実行に移す条件を整えた! 「一体誰のための危機」? 日本外交は相変わらずの対米従属のまま!
視聴URL: https://www.youtube.com/watch?v=JlB7ALVacpQ岩上安身による孫崎享氏インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた孫崎享氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/magosakiukeru
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コメント
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ケイトリン・ジョンストン氏の論考はいつも鋭いと感心しますが、今回のはいつにも増して秀逸。大手新聞の社会評論蘭などに載せることができればと夢想します。翻訳、紹介ありがとうございます。
投稿: rakitarou | 2022年1月28日 (金) 07時40分