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2021年12月 6日 (月)

更なるインターネット検閲不安に拍車をかけるドーシーのTwitter辞任

2021年11月30日
ケイトリン・ジョンストン

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 twitter共同創設者ジャック・ドーシーは同社のCEOを辞任し、シリコンバレー・インターネット検閲の台頭に綿密な注意を払っていた人々全員が、他の主要ソーシャル・メディア・サービスと比較して、このプラットホームの言論に対する比較的寛大な態度が終わりに近づいているかもしれないという懸念を声に出している。

 ドーシーの発表に応えて「これを悪いニュースと思わないのは困難だ」とグレン・グリーンワールドがTwitterで書いた。「分散化や透明性や言論の自由を含む主要なシリコンバレー問題で、これまで十分感謝されていると思わない。@ジャックは大部分の連中より遙かにましで、批判に対して敏感だった。我々はこれからどうなるか見るだろうが、素晴らしいこととは思えない。」

 「ソーシャル・メディアが既に反体制意見に余りに不寛容になり、リベラル正統教義と異なる見方を沈黙させがちがちだという懸念を抱く人は誰でもドーシー辞任を懸念するべきだ」とReasonで、Robby Soaveが書いている。「長く勤めるCEOが、言論の自由の原則へのイデオロギー的誓約を時折はっきり表現したためだ。ばかばかしい質問に答えるため議会の前に引きずり出された全てのハイテク業界開拓者の中で、政府がインターネットの言論警察役を勤めるべきだ」という考えに彼は最も対立していた。

誰か聞いているかどうか分からないが
私はtwitterを辞めた。pic.twitter.com/G5tUkSSxkl
-ジャック⚡️(@jack) 2021 年11月29日

 悪意に満ちたネオコン億万長者ポール・シンガーが彼の排除を狙っているという報道から一年後、シンガーのElliott Management Corpが同社のかなりの株を購入し、彼は辞任した。

 Twitterは、そのプラットホームでの表現の自由に干渉するのを抑制する話になると、完ぺきからほど遠かった。今月早々、エチオピアでの検閲傾向に習って、わずか数時間後、正当な理由がないように思われる理由で、アメリカが支援する過激派戦士に反対する、エチオピアとエリトリアの政府を支持する複数アカウントを禁止したし、帝国が標的にする住民の発言を検閲する長年のパターンもある。

 それでもTwitterは、FacebookあるいはYouTubeのような主要プラットホームと比較して、主にそれらと異なり、大規模アルゴリズムによる公式に認められていない見解の抑制や、公認言説の人為的優先をする傾向がないため、自由な言論の天国だった。

 そして我々はそれが我々が今後、このプラットホームで見るだろう変化の1つであるかもしれないいくつかの兆候を見ている。Twitterユーザーは、ドーシーの後任パラグ・アグラワル(強調は筆者による)の2020年の言葉を共有している。

 「我々の役割は憲法修正第1条に拘束されないことになっているが、我々の役割は健全な公共的会話に奉仕することで、我々の動きは、我々がより健全な公共会話をもたらすと信じることの反映だ。これについて我々がすることは、言論の自由に関して、より少なく考え、時代がどのように変化しているかについて考えることへの注力だ。我々が見る今日の変化の一つは、インターネット上では話すのが容易なことだ。大半の人々が話すことができる。我々の役割は、特に誰の意見が聞かれるようにするか強調することだ。現代に欠乏している商品は「注目」だ。多くのコンテンツが存在している。多数のTweetがあるが、全てが注目を得るわけではなく、一部だけが注目される。だから我々の役職は、益々我々が、どのようにコンテンツを推薦するか、言わば、我々が構築する推奨システムが、参加形の健全な公共会話に導くことを保障するかに関して我々が働いている戦いだ。」

 この段落に対する論評で我々が目にするものの多くが、言論の自由への誓約がないという始めの部分に焦点を合わせる傾向があり、後半にはほとんど十分注目していない。Twitterの立場は「内容を推奨し」「奨励システム」を導入することだというアグラワルの考え方は、YouTubeは政治的に重要な問題に関する主流マスコミ記事をトップに上げ、「際どい」内容を隠すことを今年早々、世界経済フォーラムサミットで認めた、YouTube CEOスーザン・ウォシッキーの発言に余りに良く似ている。

 「我々が情報を取り扱う際は、推薦する情報源が権威あるニュースや医学などであるのを確認したいと考えている」とウォシッキーは言った。「我々は同様に、時々人々がより品質が低い、際どい内容を見る、より際どい内容のカテゴリーも作った。それで我々はそれを過度に勧め過ぎないよう配慮している。だから、それはプラットホームにはあるが、我々が推奨しようとしているコンテンツではない。それで、これらすべての異なるコンテンツのタイプを処理する上で、我々のアルゴリズムは確実に進化している。」

 @YouTubeのCEOが公然と認めているのは、こういうことだ。
1) YouTubeのアルゴリズムで企業ニュースを、より高くランク付けする
2) 独立ニュース/政治チャンネルを抑制する
3) (YouTube本来の目的)「地下室で」コンテンツを作り出す人々抑制する
これは恥ずべきことだ。https://t.co/B8G2AYvBul
-Jordan(@JordanChariton) 2021年4月22日

 これはTwitterが比較的自由だった種類の検閲で、遙かに最悪だ。共産主義や反戦活動など周辺的政治見解の人々のTwitter投稿が一気に広まるのを人々は頻繁に眼にするが、FacebookやYouTubeなどのメディアでは、アルゴリズムが、ニューヨーク・タイムズやCNNなど「権威筋」に好都合なよう調整されていて、このような見地の人々には発言させないので、ほぼ決して、そういうことが起きるのを眼にしい。

 だから我々は間もなく、Twitterでは、共産主義者や、無政府主義者、陰謀論者、Covid懐疑論者、反戦活動家、帝国が標的にした政府の支持者や、シリコンバレーの言説管理者が「際どい」と見なす他の見解は、人々にほとんど見えず、主流メディアの烙印がある記者や御用評論家が大いに拡声されるようになるのかも知れない。

 これは恒常的禁止令と違って、眼には見えず、感じられないので、最も有害なインターネット検閲の形式で、もし読者が自分のアカウントが、それまでのような注目を得られないと指摘すると、ただの被害妄想だと切り捨てられ、読者のコンテンツは、おそらく最近余り良くないだけだと言われるのだ。Twitterのような注目を集める情報発信者が考え方や情報を共有するために集まる傾向がある場所は、正式に認可されない思想は、それまで以上に軽んじられ、一層周辺化されるような動態になりかねない。

 もし世界中の公開言論が、現状維持に既得権益があり、政府機構との協調を強化している独占的オリガルヒに規制されれば、人類が暗い道に向かうのは誰にとっても明白なはずだ。もし人々が多数集まる全てのプラットホームが支配体制の残虐非道な言説支配を受けるようになれば、世界との真実に基づく関係を持った意識ある種になる人類の努力を大いに妨げるだろう。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2021/11/30/dorseys-twitter-resignation-sparks-fears-of-more-internet-censorship/

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 ソーシャル・メディア、全く使っていないので、深刻な状況を知らなかった。

 昨日掲載した記事にある、アメリカが介入している紛争地域の話題がある偶然には驚いた。

 下記youtubeの哲学入門チャンネルでも拝聴した冨田宏治教授の支持層説明が読める。対談されたお二人の著書『今よみがえる丸山眞男』の紙版は今日発売。

 日刊ゲンダイDIGITAL

冨田宏治氏が喝破「大阪で維新を支持しているのは貧困層を憎悪する中堅サラリーマン層」

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