ウクライナ現地にアメリカ軍はいないが、大量の兵器がある
Finian Cunningham
2021年12月11日
Strategic Culture Foundation
極端にロシア嫌いの政権に大量の攻撃用兵器を送ることで、ワシントンは意図的な過失責任を示している。
今週、彼の仕掛けであるウラジーミル・プーチンとのテレビ電話の後、アメリカのジョー・バイデン大統領は、ロシアの侵略とされていることから守るためにウクライナに送られるアメリカ軍はないと述べた。
ホワイトハウスでメディアの質問に答えて、バイデンは、ウクライナに派遣されるアメリカ兵の、いかなる可能性も断固否定した。ウクライナはNATO軍事同盟加盟国ではなく、そのため、その国を守る法的義務がないことを、大統領は、わざわざ指摘した。
「ウクライナを侵略するロシアと対決するために、アメリカが一方的に武力を行使するという考えは、現在はありえない」とバイデンが述べた。「我々は[集団防衛条項]第5条の下で、NATO同盟国への我々の道義的責任と法律上の義務を持っている。それは神聖な義務だ。その義務はウクライナには及ばない」と彼は付け加えた。
バイデンが表現した抑制は、どちらかと言えば奇妙な逸脱だ。数週間、バイデン政権とアメリカ諜報機関は、ウクライナへの差し迫った侵略をロシアが計画している重大な懸念を放送していた。アメリカ諜報機関と忠実なメディアによれば、最大175,000人の部隊、装甲師団と航空機での侵略が来月起きるかもしれないというのだ。
ウクライナ軍当局も、この差し迫った警告に共鳴していた。オレクシイ・レズニコフ国防相はウクライナは「ロシア侵略からヨーロッパを守ると決意している」と宣言した。
結局、沸き立ちそうな緊張が、火曜日のバイデン・プーチン間の慌ただしく準備されたビデオ会議の理由だった。両リーダーは紛争の危険を減らすために参加した。バイデンは、ホワイトハウスによれば、ウクライナに対する軍事的脅威を徐々に緩和させるようロシア大統領に警告した。
ロシアは、隣国を侵略する計画を持っているこという全ての欧米メディア報道を否定した。モスクワは、そのような話は全て根拠がないヒステリーで、実際は、地域におけるウクライナとNATO軍増強による侵略の本当の危険から身勝手に目を逸らすものだと言う。
プーチン大統領は増大する緊張の責任を、NATOからロシアになすり付けるなとバイデンに言った。クレムリンのリーダーは、ウクライナのNATO加入、あるいはアメリカ・ミサイル配備は、ロシアの実存的安全を保護するためロシア軍の対応が必要になる越えてはならない一線だと断固繰り返した。
翌日バイデンはウクライナにおけるアメリカ部隊は「あり得る選択肢」ではないと記者団に語った。それはバイデンがプーチンの厳しいメッセージを受けとったことを示唆する。
ウクライナが現在NATOメンバーではなく、従って軍事支援の対象資格がないというバイデンの法律尊重主義の議論は、この大統領がうわべを飾っているように聞こえる。建前として、アメリカ部隊を送らないことに対する説得力があるようには聞こえない。
2008年以来、ウクライナは、まだ正式加盟国ではないが、NATOの公式「パートナー」だ。ウクライナ部隊はアフガニスタンやイラクでのNATOの戦闘任務に参加している。バイデンが、同盟第5条、集団的防衛義務と、それはウクライナに適用できないと大げさに言い立てるのは過度に学者ぶって、こうるさく聞こえる。
ロシア侵略という緊急の予想を背景に、不快に聞こえる。お考え願いたい。一方で、バイデン政権は、わずか数日前まで、ロシア戦車がウクライナ中を走り回ると警告してヨーロッパ同盟国を呼び集めていた。そして、他方バイデンは、突然、アメリカは同盟国ウクライナが助けを必死に必要とする時に軍隊を送らないと言う。それは意味をなさない。
換言すれば、我々が結論できるのは「ロシア侵略」警告は全て、モスクワが言ってきた誇大宣伝なのだ。もしそれに何らかの実体があれば、ウクライナを守ることを、それほど容易、軽率にバイデンが考慮から排除するだろうか?
だが、それについて、しばらく、じっくり考えよう。アメリカ当局と彼らの商業ニュース・メディアは、数週間、この話題を売っていたのだ。ニュース報道という見せかけの心理作戦で、もし計算違いを導いていれば、戦争を燃え上がらせかねないはずのロシアとの爆発的な緊張を高めたのだ。それ自体、戦争犯罪と見なせる一種の攻撃だ。
いずれにせよ、バイデンは今ウクライナ現地にはアメリカ軍がいないと言っているが、何トンもの大量の兵器と、更に輸送途上のものがあるのだ。
今週、米議会は、ウクライナ軍への兵器3億ドルや他の支援を含む新しい年間軍事予算を通過させた。2014年、CIAが支援するクーデターでキエフ政権が据え付けられて以来、ワシントンは既に25億ドルの軍事援助をしている。8年未満で総計30億ドルに近い。
新たな兵器にはヘリコプター、軍用機、軍艦、大砲やジャベリン対戦車ミサイルがある。
ロシアの最高指揮官ワレリー・ゲラシモフ大将が今週述べたように、アメリカや他のNATO同盟国がウクライナに軍需物資をつぎ込んでいることが、キエフ政権による2015年のミンスク和平協定拒否の背後にある原動力なのだ。ワシントンは、ウクライナ当局に、ドンバス地域に対する内戦を武力で解決できると信じるよう鼓舞しているのだ。もしキエフ政権がロシア系ドンバス住民に対し新たな攻撃を開始すれば、ロシアは介入する圧力を受けるだろう。前のコラムでコメントしたように、ロシアを紛争の泥沼に誘い込むため、アメリカはできる限りのこと試みているように思われる。
だから、バイデンはウクライナを守るため軍隊を送っていないのだ。彼は知っているか、最新ブリーフィングをしたCIA担当者が、ロシアのいかなる脅威もないと彼に言ったのだ。プーチンの電話から、ウクライナの越えてはならない一線についてロシアが極めて真剣であることもバイデンは知っている。それが、NATOの法律上の限界についてアメリカ大統領が突然まったく、まともになった理由だ。好都合な責任逃れなのだ。
にもかかわらず、同時にアメリカ兵器のウクライナへの流れは強化されつつある。NATOは既に、アメリカ、イギリスやカナダのトレーナーや特殊部隊が現地におり、空中には、トルコからの空爆用と監視ドローンがあるのだ。
バイデンはNATOの東部への拡大から生じるプーチンのロシアの安全保障上の懸念を受け入れたように思われる。アメリカ大統領は、ロシアの懸念をどのように静めるべきか、他のNATO同盟諸国と相談すると言った。だが、もし彼がロシアに本気で報いるつもりなら、バイデンは、ウクライナで、吠えて、うなっている戦争の犬を呼び戻しているはずだ。キエフ政権は、立場を逆転して采配を振るう、ことわざのしっぽではない。ワシントンがロシアに対する代理戦争で、ウクライナを口笛で呼んでいるのだ。
極端にロシア嫌いの政権に大量の攻撃用兵器を送ることで、ワシントンは意図的な過失責任を示している。
Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/12/11/no-us-boots-but-plenty-arms-ground-ukraine/
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夜の報道?番組のウクライナ状況を巡る回をyoutubeで見た。駐日ウクライナ大使が英語でプーチン論文を非難していた。アメリカが画策して、クーデターを起こした経緯や、クリミアの歴史に触れず、ロシアを悪魔化するのは宗主国メディアのコピー。
UIチャンネル 第420回 (約1時間16分)
いよいよ絶望の党再現?
デモクラシータイムス (約1時間)
【横田一の現場直撃 No.142】いよいよ希望の党再現?/赤木、辺野古どうする! 小川/名護版モリカケ?コロナも大変 20211220
コロナ流行を利用したショック・ドクトリンで緊急事態条項を憲法にもりこむ売国与党。
<インタビュー報告>コロナ対策は「できなかった」のではなく、「しなかった」だけ!「コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要!政府による人災に苦しめられたコロナ禍を検証!岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー」の前編をお送りしました。23日に第2弾決定!
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