アサンジ裁判の簡潔な説明
2021年12月16日
ケイトリン・ジョンストン
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アサンジ議論に加わるのは気乗りがしないという人々から最も良く聞く共通の理由の一つは、それを理解できないからだというものだ。それは彼らには複雑な問題のように見え、それで彼らは、専門家に任せるのだ。
実際は、この裁判の複雑さは完全な錯覚だ。それは非常に非常に単純だ。何年ものメディアのわい曲がそう見えさせるがゆえに、複雑に見えるだけだ。
アメリカ政府がジャーナリストを引き渡させて、この慣行を当然のものにする長期目標で、その戦争犯罪をあばいたかどで、防諜法の下で彼を起訴しようとしているのだ。
それだけのことだ。それがこの件の全てだ。実に簡単なので、一つの文で要約できる。一息で。地球上最も強力な政府が、その不正を暴露することに対し、世界のどこででも、どんなジャーナリストでも引き渡させるのを可能にする前例を作ることは、まさに報道機関の綿密な調査が最も必要とされている地域で、確実にジャーナリズムに大規模な萎縮効果を与えるはずだ。それ以上複雑でもなく、微妙なニュアンスもない。
アサンジ問題は単純だ。それを複雑に思わせているのは、アメリカ権力連合とその戦争機構の思惑に同意するよう大衆を操るのが仕事であるメディア支配層に吹き込まれるウソだ。
この大規模中傷工作のおかげで、アサンジは「ジャーナリスト」ではないと言われ、従って弁護すべきでないと思わされるのだ。これは、そもそも客観的に誤っている。人々が世界をより良く理解するのを助けるべく、権力者連中に関する事実情報を大衆に提供するのがジャーナリズムの仕事で、それがアサンジがジャーナリズム活動のため数々の賞を受賞した理由だ。更に言えば、アメリカ政府に関する本物の文書を発表したかどでの起訴で深刻に脅かされているアサンジは、世界の報道の自由のために、ジャーナリストである必要はないはずだ。
2016年のヒラリー・クリントン選挙運動を傷つけたウィキリークスの情報公開で、アサンジは「トランプが勝つのを助けた」ので、支援すべきではないと言われる。だがアサンジ身柄引き渡し裁判は、2016年のウィキリークス発表とは何も関係がない。裁判全体はイラクとアフガニスタンでの米軍の恥ずべき虐待に関する何年も前のチェルシー・マニング漏えいをめぐるものだ。もっとはっきり言えば、最も子供のようなナルシストしか、自分が好きな候補者の選挙運動を傷つけることに対し、人を投獄するの合法的だと信じるまい。
アメリカの起訴は、アサンジは、機密文書を入手する際、マニングがパスワードを割り出すのを手伝おうとしたと主張しているので、アサンジがジャーナリズムではなく、「コンピューターへの違法侵入」に対して起訴されていると言われている。だが、アサンジがマニングがそれら書類へのアクセスを得るのを手伝う試みをしたと主張してはいない。起訴はマニングがすでに「諜報アナリストとしての彼女の任務に関連してコンピュータへのアクセスはできており」、アサンジの試みは単に「調査者が違法な公表の関係者を決定するのを一層困難にしただけだ」と言う。2019年、ジャーナリストのグレン・グリーンワールドとミカ・リー(後者は、たまたまアサンジを嫌悪している)が説明したように、これはアサンジが情報源保護という標準的ジャーナリズムの慣行に従っていたことを意味する。アサンジがアメリカ政府サーバーに不法アクセスしようとしたと言う人は、何らかのウソをついているか、あるいは誤った情報を与えられているのだ。
クレムリンが2016年の情報公開の黒幕だったというアメリカ政府によるまだ証明されていない主張のために、アサンジはロシアの手先だと言われているが、この主張は全く根拠がなく、再び、アサンジが実際に起訴されている2010年のマニングの公表と全く無関係だ。まともなメディア出版物は、今まで、アサンジ身柄引き渡し裁判が2016年のウィキリークス公表に何か関係しているとは報じていないが、既に論破されているマスメディアのトランプ-ロシア共謀物語の中で、非常に多くの人々がアサンジの名前が言及されるのを聞いたがゆえに、人は常に一方が他と関係あると想定するのを目にしているのだ。
あらゆるアサンジ中傷を論破する
ここに、ジュリアンに・アサンジに対する27の最もよくある中傷への包括的な反論がある。これは進行中のプロジェクトなので、欠けているものや、不正確なものがあれば、私にお知らせ願いたい。 #FreeAssange #ProtectJulian https://t.co/ZKGwFkh5p0
- ケイトリン・ジョンストン⏳(@caitoz) 2019年4月20日
それがどのように機能するか、お分かりだろうか?あなたはアサンジの裁判で実際に起きていることが、どれほど極端に単純で、理解するのが、どれほど容易で、彼の迫害を正当化するすべての言説が、一群の複雑な反論を必要とするかお分かりだろうか?この不明瞭化は偶然起きたわけではなく、アサンジ投獄後に書いた、この長い記事で、できる限り多くの、そうした歪曲に私が反論した理由だ。
自分たちついて真実を話したかどで、外国人ジャーナリストを閉じ込めようとしている世界で最も強力な政府は、人が思いつける限り非常識な暴君的虐待だ。それは実に明白だ。アサンジ裁判は非常に単純で、非常に常識的で、人種差別は悪く、児童性的虐待者は止めるべきだ思うのと同じように、誰でも持ち得る最主流の、ごく普通の立場であるはずだ。これがそうなっていないのは、帝国のスピン・ドクターが嘘とわい曲で事態を混乱させているおかげだ。
アメリカ帝国を困らせるジャーナリストを投獄するのを当然のことにしようとする狙いには全員が反対すべきだ。これはブログ作成者、ポッドキャスト配信者とユーチューバーを縁どるために残っているジョブであるべきではない、それはあらゆる政治党派にわたり、社会のすべての部門で起きるべきだ。人口の非常に大きい部門がこれが優先課題がただあなたにどのようにか示すよう.に帝国の宣伝エンジンを洗脳したのを見損ねるという事実は我々を作った。
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ぼけるにはまだ早いはず。森友文書改ざん問題の訴訟に対し『認諾』という卑劣な手段で真相解明を阻止したのは他ならぬ岸田。どこが柔軟?小選挙区制によるゆがんだ議席数こそ異常。比例代表制にすれば自民党はのさばれない。
日刊ゲンダイDIGITAL
<岩上安身によるインタビュー>本日午後7時から「コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要! 政府による人災に苦しめられた コロナ禍を検証!岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー」を公共性に鑑み、全編フルオープンで生配信します!
インタビューは公共性に鑑み、どなたでもご視聴いただけるフルオープンで配信します。ぜひ、知人、ご友人をお誘いの上、御覧ください。
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured
これまでの岩上安身による永井幸寿弁護士インタビューは、以下を御覧ください。
※(再掲載)いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21 岩上安身によるインタビュー 第872回 ゲスト 永井幸寿弁護士 2018.5.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421982※今回の総選挙でついに全国民に差し迫った危機が!! 「国家を守り、人権を制限するのが国家緊急権。多くの国で権力に濫用されてきた過去がある」~岩上安身によるインタビュー 第599回 ゲスト 永井幸寿弁護士 2015.12.19
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/279662上記2本のインタビューは、全編文字起こしし、詳細な注釈をつけて「岩上安身のIWJ特報!」としても発行しています。ぜひあわせて御覧ください!
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