アサンジ問題は複雑ではない。言説のマトリックスの端からのメモ
2021年12月15日
ケイトリン・ジョンストン
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ジャーナリズム活動のかどでジャーナリストを監禁している世界最強力な政権は、想像できる限り厚かましく明白な専制行為なのに、人々がそれに反対するよう期待することに対して、エセ左翼評論家は依然、そういう人々が奇妙な怪物であるかのように振る舞っている。
アサンジ問題は実際は複雑ではない。世界最強の政府が、その戦争犯罪をあばいたかどで、ジャーナリストを引き渡させ、防諜法の下で裁判にかけようとしているのだ。実に単純だ。専門家の意見に従う必要がある超複雑な話題ではない。
それがこの裁判に関して、実いらだたしいことの一つだ。それは実に露骨な政府権力の乱用だから、事実上、全員が普通ならイデオロギー的に反対すべきものなのに、実に長い間、それに対するメディアによる歪曲のおかげで、人々はそれが見えないのだ。
真実を暴露したかどで、ジャーナリストを投獄してはいけない。何を今さら。これは実際、極めて大問題のはずで、私のような非主流派がそれに焦点を当てる必要などないはずなのだが、メディア環境がそれほど卑劣に操作されていなければ、そうなるはずだ。
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中国は、アメリカより遙かにましだ。それは中国が驚嘆に値するということは意味せず、専制的権力行使や破壊に関しては、他のどの国より、アメリカが遙かに酷いことを意味する。世界のどこであれ、自分に服従しないどんな国民も破滅させようとすることで他の誰より酷いのだ。
欧米では誰もこれに気づいているように思われない唯一の理由は、驚異的に巧妙なアメリカによる世界の言説支配のおかげだ。もしそれがなければ、中東での虐殺者が新彊のイスラム教徒を気にかけるふりをし始めた時、世界中が笑ったはずだ。
人々は以下のようなことを言って、これに反応している。「中国は、国内で、より圧制的で、アメリカは、外国で、より圧制的だ」。だが現在、中国が国内でしていることは、アメリカが外国でしている酷さからは、ほど遠い。現在中国がしていることは、どれも、今世紀の変わり目以来いまだ継続中の軍事行動で、何百万人も殺害し、何千万人も強制退去させているアメリカの水準には及ばない。
これが断固正しい立場だ。これに反対する強固な主張は存在し得ない。私がこれを言うと、人々が大変な認知的不協和を経験する唯一の理由は、人々がほんの数歩下がって、現在存在している我々の今の本当の現実の大局を見ないためだ。
アメリカが地球上最も破壊的な政府だという明白な事実認識を維持していれば、アメリカが悪者にしようとするどの政府より、アメリカこそ常に遙かに悪いのが分かるので、現在のメディア環境でさえ、遙かに明確な展望が得られる。
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私が関わり合う実に多くの人々が、自国政府の増大する独裁主義を中国のせいにしているのは実に驚くべきことだ。欧米政府が欧米の手段を駆使して、中国に関する何であれ欧米人に悪と思わせるには実に多くのプロパガンダが必要だ。
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「「右対左」は我々をお互いに分裂させておくよう意図されている。」
そうではなく、資本主義なのだ。資本主義こそ、そうするようにしているのだ。人はこの右翼の、対立を引き起こす、競合が基本のモデルに反対するのか、反対しないかだ。
「共和党対民主党」や「保守党対労働党」などは偽りの対立を引き起こすたわごとで、彼らは皆右翼資本主義政党だ。彼らのイデオロギーを支持するか、反対するかだ。これは本当の違いで、そうでないふりをしても誰の役にもたたない。
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資本主義は欠乏に依存している。共産主義国に行って、皆に色々無料で与えれば、皆生活が楽になる。資本主義国に行って、皆に色々無料で与えれば、経済が崩壊する。
資本主義には欠乏が必要だ。欠乏は資本主義のナンバー1の商品だ。
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民主党指導部と、同盟しているメディアは、医療や経済的公正に焦点あてる必要から目をそらす、何らかの理由を常に見いだすのだ。申し訳ないが、医療や富の不平等については話せない、ロシアについて金切り声を上げなければならない。申し訳ないが、医療や富の不平等については話せない、ワクチン反対論者について金切り声を上げなければならない。申し訳ないが、医療や富の不平等については話せない、トランプの2024年の選挙運動について金切り声を上げなければならない。申し訳ないが、アメリカ医療や富の不均等については話せない、何か他のことについて金切り声を上げなければならない。
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死や突然変異や自然淘汰の恐ろしく激しいプロセスを経て人類が出現したので、脅威が去ったずっと後でさえ、我々の新たに進化した大きな脳は多数のトラウマが刻みつけられたままなのだ。我々は依然それを整理しているのだ。
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売国与党、コロナ流行にかこつけて憲法破壊をたくらんでいるが、日米安保条約に基づく日米地位協定が憲法より上にあるのが属国。国会でなく「日米合同委員会」が支配。陽性かどうか分からない兵士に外出しないよう、陽性時には解析するよう要請しかできないみじめさ。
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