中国が世界唯一の帝国主義大国だという、ばかげたガーディアン記事
2021年12月13日
ケイトリン・ジョンストン
またしても漫画的に愚かな反中国プロパガンダ記事が、欧米マスメディア、今回は現時点で、おそらく欧米世界の帝国プロパガンダ上、最も破壊的な伝道者とレッテルを貼れるガーディアンに掲載された。記事は、ガーディアンでも、確実に帝国プロパガンダ宣伝上、最も破壊的広報者とレッテルを貼ることが可能なサイモン・ティスダルが書いている。
記事は「中国の帝国主義新時代に、習近平は民主主義に反対する」という題で「北京は世界支配を目指しているが、指導者の世界支配構想は、中央集権的で、圧制的で、全体主義だ」という副題だ。これら主張のいずれも、それ以降の文章で実証されていない。
ガーディアンで(引用符号なしで)「帝国主義」という単語が使用されるのを目にする唯一の場合は、実際の世界の帝国主義支配者アメリカが、ある国を批判したい時だけだというのは、なかなか、しゃれている。外交政策上、一つの帝国として機能するアメリカと連携する国々のクラスターの行動や、何百もの軍事基地で地球を包囲し、あなたは決してその言葉が機能するによっての行動に関して、あるいは、命令され、支配され、搾取され、略奪されるのを拒否するどんな住民であれ、殺し、飢えさせ、服従させようとする政府を言うのに、この単語が使われるのは決して目にしない。
実際、どんな欧米大国も、帝国主義的な意思を持てる日々は去って久しいという滑稽な考えさえティスダルは提示している。
サイモン ティスダル @Guardian……完全な、まったくのゴミ
「帝国主義は、どんな酷い形であれ、依然脅威だ。」とティスダルは書いている。「だがそれは、もはや正当に忌み嫌われ、自ら非難している欧米帝国主義ではない。今日の脅威は東から生じている。」https://t.co/At8opweTEb
-アダム・フィッツジェラルド(@_AdamFitzgerald) 2021年12月12日
「帝国主義は、どんな酷い形であれ、依然脅威だ。」とティスダルは書いている。「だがそれは、もはや正当に忌み嫌われ、自ら非難している欧米帝国主義ではない。現在の脅威は東から生じている。」
今日の脅威は東から生じる。同様に不愉快で、潜在的に、より危険だが、それは全体主義の21世紀中国グローバル帝国の可能性だ。」
なんとクールな。欧米世界は、どうやら、歴史のある時点で帝国主義を放棄し、今や脅威が放射しているのは、もっぱら東からなのだ。それがいつ起きたのかはさだかではないが、アメリカ政府を含めて、新彊の西のどこからであれ、帝国主義は足を踏みならして去ったのだとティスダルは強く確信しているようだ。
「発生期の帝国は自分の活動を正当化するため、(しばしば幻想的)物語、あるいは「綱領」を確立する」とティスダルは書いている。「イギリスの帝国主義者は、法律とキリスト教を無知な人々にもたらし、文明化する勢力だと主張していた。第二次大戦後のアメリカ帝国は、あめゆる民主主義を擁護することになっていた。」
「いた」と過去形だ。それが存在した日々当時、戦後のアメリカ帝国は民主主義の擁護するのが目的だとされて「いた」。当時、アメリカは、諸国が十分に民主的ではないことを理由に、諸国に武力を行使していたことを読者はご存じだ。再び、ティスダルは、これが一体いつ正確に終わったかは言わず、あるいは、歴史上、との時点で、アメリカ帝国丸ごとが存在をやめたかも言わない。
これは、現在中国を脅迫するという明示的目的のため、中国海岸近くの列島に長距離ミサイル・システムを建設している同じアメリカなのだ。もし中国が、アメリカ海岸線沖に長距離ミサイル・システムを構築し始めたら、一体何が起きるか想像するだけで、この二つの国の、どちらが本当の帝国主義侵略者か理解できる。
中国政府が帝国主義者かどうか、もしそうなら、一体どの程度かについては、あらゆる種類の議論が可能だ。絶対的にあり得ないのは、中国がアメリカと同盟諸国の緊密な集団より帝国主義か、あるいは、それには及ばないかという議論だ。自分の戦略地政学的な権益に従うよう世界をいじめ、操るため、絶えずその軍事的、経済的力を使う政府は、議論の余地なく、遙かに、圧倒的大差で、より帝国主義だ。
中国が世界で、帝国https://bylinetimes.com/2021/09/15/up-to-six-million-people-the-unrecorded-fatalities-of-the-war-on-terror/ 主義勢力として全ての欧米大国に完全になり代わり、地球を支配する帝国になろうとしているという彼の「途方もなく」訳の分からない常軌を逸したたわごとの証拠として、ティスダルは三つの点を引き合いに出す。(1)中国は貿易をしている、(2)中国はジブチに一つ軍事基地を持っている、そして(3)中国は赤道ギニアに二番目の基地建設を計画しており、おそらく更に多くが続くとアメリカ諜報カルテルが断言した。
「中国新帝国時代の第一段階は既に始まっている。習の意欲的な一帯一路投資・インフラ構想(BRI)は60カ国にわたっている」とティスダルは書いている。「2019年、中国は、2兆4,984億ドルに相当する輸出で、世界最大の通商国で最大輸出国だ。」
そう貿易だ。それは貿易だ。投資とインフラ計画が、今世紀の変わり目から、何百万人も殺し、何千万人も強制退去させたアメリカ戦争の水準近く上昇したという考えはお笑いぐさだ。
「中国共産党の焦点は、帝国の第二段階に移行しつつある。軍事基地だとティスダルは言う。「先週、アメリカ・メディアが、赤道ギニアの港湾都市バタが、アメリカ東海岸が、潜在的に軍艦と潜水艦の攻撃可能距離に入る中国最初の大西洋海岸地帯の海軍基地になったと報じた。」
北京が赤道ギニア「アメリカ大陸から約6000海里離れたところ」に軍事基地を設立しようとしているという全く裏付けがないアメリカ諜報機関の主張が、どうしてアメリカに対する脅威になるかについて、Antiwarのダニエル・ラリソンは、頭がからでヒステリーの金切り声を上げるのをからかって論破する素晴らしい記事を書いている。
「アメリカは極めて少数の他国からの重大な脅威にしか直面しておらず、アメリカは物理的攻撃からは非常に安全だ」とラリソンは書いている。「アメリカの安全保障にとって、他の国を、いささかでも脅威だ思われさせるため、政府や従順なメディアは、他国の力を誇張し、アメリカを脅迫する外国の能力を誇張しなければならない。プロパガンダの主張と、さほど憂うべきでない現実間の大きなズレは、しばしば愚劣な結果をもたらす。」
本当に愚劣な結果だ。
脅威インフレの愚劣さ
ダニエル・ラリソン @DanielLarison https://t.co/AEOFjViSCK pic.twitter.com/tDjbzHxIiF
-Antiwar.com(@Antiwarcom) 2021年12月9日
「中国は既にジブチ、アフリカの角に海軍基地を持っている」とティスダルは書いている。「理論上、ハワイを恫喝できるキリバスの島に空軍基地を検討していると言われる。一方、南シナ海で、環礁を武装化し続けている。先月、国防総省報告は、中国が北極圏を含め世界を包囲する一連の軍事基地を築くと予測した。中国共産党「標的」国はパキスタン、スリランカ、ミャンマー、アラブ首長国連邦、ケニアとアンゴラだと言う。」
だから、全世界に一つの外国軍事基地と、軍と諜報機関工作員による一群の想像と推測なのだ。これを、アメリカが世界中で実際物理的に保有する750の軍事基地と比較願いたい。ある種の「帝国」をお持ちですね、習さん。
アメリカは、もはや帝国主義ではないと主張するのがばからしいだけでなく、中国が、世界の一極覇権国として置き換わろうと努めている証拠さえないのだ。欧米のスピン・ドクターは、中国が世界を支配しようとしていると主張して何年間も解説記事を懸命にひねり出しているが、実際、そうした主張の根拠を調べれば、見つけることができる全ては、世界がアメリカや他のいかなる国によってであれ支配される一極のものとは反対に、中国は複数の大国による多極世界を望んでいる証拠だけだ。
我々が以前論じた通り、四苦八苦するアメリカ帝国が世界支配ビジネスを格好良く見せていたわけではない。すべての国がアメリカがそうするように世界支配を望むんでいるという考えは、一極征服ゲームが当たり前で、望ましいと信じるようプログラムされたプロパガンダで心が攪乱された欧米人の愚かな考えに過ぎない。
多くの人々に徹底的に論破され、新彊観光が急増するにつれ、欧米メディアさえ撤回を強いられたのに、中国政府が論議の対象になる時は常にあらゆる欧米宣伝屋がメーメー言うよう要求される通りの「大量虐殺」の必須の非難をティスダルは挿入している。
「台湾を巡りアメリカは中国との戦争準備をしなければならない」(@TheHillOpinion)https://t.co/oOvTwqle05 pic.twitter.com/EM0iAuDQMf
- The Hill (@thehill) 2021年11月25日
ティスダルは、中国をいじめたり、圧迫したり、屈服させたりしようとする人々から自身を守ると言う習近平の言葉を、この指導者が「闘争的な考え」を持っていて「帝国の権力は正義なり」と信じている証拠として引用している。
「我々は他のいかなる国の人々も、決していじめたり、弾圧したり、服従させたりしていないし、我々は決してそうしない。同様に、我々は決して誰にも[中国]をいじめたり、弾圧したり、服従させることを許さない」と彼は言った。「それを試みる人は誰であれ14億人の人々が作り出した鋼鉄の壁に衝突する進路にあることに気づくだろう。」
中国は侵略者から自身を守るという警告を、実に多くの帝国宣伝者が、威嚇的、攻撃的行為として解釈し続けていることが多くを物語っている。反対や抵抗なしで、全ての国をいじめ、弾圧し、服従させるのは彼らの権利だとほとんど信じているかのようだ。
どんな外交政策問題に関してであれ、サイモン・ティスダルと意見が一致する場合は、その読者はメディア視聴・購読習慣を改めるようにと言う自然の呼びかけだ。
いかに狂気で危険であろうと、どんな思惑にも人々が同意するほど中国を恐れるよう世界を操ろうとする努力で、マスメディアは驚くほど強力になっている。人々を操る上で、連中が一層強力になれば、それだけ連中のウソに対抗することが一層重要になる。
我々は益々熱狂的な勢いで非常に良くない方向に押しやられつつある。これは理由があって行われている。油断されないよう。
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最近の記事には、やっと手頃な新居がみつかったとある。来月は転居作業のため投稿頻度が減りそうだと。
デモクラシータイムス
韓国でもソウル近くにウルサン基地があるという。
今日の孫崎氏メルマガ
米国におけるコロナ急増。22日168,409名。パターンを見ると最大数を出した時に類似。 東北部は比較的ワクチン接種、マスク着用。ここで拡大中。在日米軍、出発前のPCR検査をしてこなかったが、在日米軍司令官は、出国前の検査を実施する方針を示した。
哲学入門チャンネル カジノの重大な問題的を指摘されている。
「永井幸寿弁護士インタビュー報告」ご用途お急ぎのかたも必読。
<インタビュー報告>コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要!「緊急事態条項」と対中戦争!? 預金封鎖と財産税で国債の償還!? 岩上安身による永井幸寿弁護士インタビューをお送りしました。27日(月)に続々編中継決定!
日本政府は米軍を入国停止の例外とするばかりか、日本の検疫の例外とし、さらに日本政府の知らない間に米軍が規制緩和をしていた。国民の命運を左右する点で国家主権を米国に握られているわけです。政権党は植民地根性の政治家ばかり。 https://t.co/TllSf10flB #新型コロナウイルス #オミクロン株
— 宮本徹 (@miyamototooru) December 23, 2021
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