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2021年11月12日 (金)

南シナ海でのアメリカ原子力潜水艦衝突のもみ消し 東アジアそして世界のための警鐘

ジョン・ウォルシュ
2021年11月1日
LA Progressive Newsletter

 「象が戦うと、芝生が踏み潰される。」

 2020年9月22日、国連総会での演説で、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はそう警告した。彼はアメリカと中国間の紛争の東アジアに対する影響を言っていたのだ。

 約一年後、2021年10月2日に早送りすると、本国から遙か彼方南シナ海を人目を忍んで、とぼとぼ歩くアメリカ象に最初の芝生の束が踏みつけられた。その日、米海軍攻撃型原子力潜水艦コネチカットは海中物体への衝突に帰する海中の事件で重大な損害をこうむった。

 損害を受けた後、どうやら潜水艦は、中国海南省の玉林潜水艦基地から、わずか150海里のパーセル諸島近くに浮上した。コネチカットはスパイ活動任務にあると考えられるわずか三隻のシーウルフ級潜水艦の一隻だ。だが、彼らは中距離(1250-2500キロ)核弾頭トマホーク巡航ミサイルを搭載可能だ。タカ派の国際問題研究所CSISの研究では、海軍の「政策決定」で核の役割が「停止されたため」、現在のところ搭載していない。

 このような能力を持ったアメリカ原子力潜水艦が、アメリカ水兵を死亡させ、南シナ海に放射性物質を漏洩しかねない衝突をした際、アメリカ全マスコミの一面ニュースになるべきだが、今回そうはならず、それからほど遠かった。例えば、今日に至るまで(10月30日)、衝突からほぼ一ヶ月後、アメリカの外国政策エリートの代弁人に最も近いニューヨークタイムズは、事件に関し、本格的な記事を掲載しておらず、私と数人の毎日の読者が見い出すことができる限り、実際全く記事を載せていない。このニュースは、どうやらニューヨークタイムズが報じるのに適していないのだ。(この忖度の例外で、一読の価値がある顕著な例外は、フォーブスのクレイグ・フーパーだ。)

 この種類の報道管制が驚きとしてジュリアン・アサンジの苦境や、少数の例を挙げれば、シリアや様々な政権転覆作戦で、アメリカの見え見えの侵略を見てきた人々には驚くべきことではあるまい。

 アメリカ・メディアは、10月7日まで待って、次の異常にそっけない報道発表(私は、意味を明確にするために編集し、取り消し線を加え、イタリック体で補足した)で、事件を認めた米海軍の説明に習った。

 シーウルフ級の高速攻撃潜水艦コネチカット(SSN22)は、中国領海近く、あるいは南シナ海インド・太平洋地域の公海で活動する中、10月2日午後、潜水中、物体に衝突した。乗組員の安全は海軍の最優先事項だ、乗組員は外部との連絡を絶たれ無期限拘留されている命にかかわる負傷はないこれは乗組員の負傷の程度を秘密にしておくのを可能にする

 潜水艦は損害とその原因を隠すため、世間の目から隠された安全な安定した状態にある。コネチカット号の原子力推進機構と空間は影響を受けておらず、完全に稼動可能だ損害を隠すため表面的修繕ができるまで、世間の目から隠されている。潜水艦の他の損傷程度は査定中だ隠されている米海軍は援助を要請していない独立した検証や調査は不可能だろう事件は調査されるもみ消しが続くだろう

 中国国防部報道官譚克非は、それほど素っ気なくはないが、私が編集した上記のものと同様の発言で、中国の環球時報の報道では、こう述べている。

 「事故が起きた後、短い、不明確な声明を出すのに、米海軍は5日要した。このような無責任なやり方、もみ消しや透明度の欠如は、容易に誤解と誤った判断に導きかねない。中国や南シナ海の近隣諸国は事件の真実とその背後の意図を問わなければならない。

 だが譚の更なる発言は、ドゥテルテ大統領の感情に似ていた。

 「この事件は、最近の原子力潜水艦協力を実行する、アメリカ、イギリスとオーストラリア(AUKUS)間の三国間安全保障パートナーシップの確立が、核拡散の莫大なリスクをもたらし、不拡散条約の精神への重大な違反で、東南アジアの非核地域の確立を傷つけ、地域平和と保全に厳しい課題をもたらしたことを示している。

 「我々はアメリカの行動は南シナ海での航行の安全性に影響を与え、地域諸国の間で重大な懸念と不安を喚起し、地域平和と安定に重大な脅迫と大きい危険になると考える。」

 コネチカット号の衝突は、南シナ海への有害な放射能漏れを越える問題で、経済的に重要な漁場を含め、周辺諸国への損害の可能性がある。アメリカが本国から遠い南シナ海での対決を強化し続ければ、紛争地域が、東アジア全域に広まりかねない。これはどんな面で地域に役立つだろう?この地域は、中東や北アフリカが、何十年もの爆弾、制裁や政権転覆作戦による現地の「民主主義と自由」というアメリカの十字軍活動の後と同じ残骸に変えられることを望んでいるだろうか?それは経済的に世界で最もダイナミックな地域にとって悲劇的転換だ。地域の人々はこれを理解していないのだろうか?もしそうでなければ、コネチカットは警鐘となるべきだ。

 だが、アメリカの人々も、同様に何が起きているか慎重に考えるべきだ。多分アメリカの外国政策エリートは、ユーラシアに与える破壊が、アメリカを残骸上に立つ唯一の工業大国として残る状態で、第二次世界大戦での米国戦略を再現できると考えているのだ。それは島国の利益の考え方だだ。だが大陸間兵器の時代に、第二次世界大戦でしたような紛争から、アメリカ本国が無傷で逃げられると期待できるだろうか?キューバミサイル危機の時点で、フルシチョフケネディに手紙を書いた時、結び目は縛られていたが、もし余り強く縛れば、誰も解くことができないだろう。アメリカは今回、本国から世界の半分ほど離れた場所で、しっかり縛っている。あまりきつく結び目を縛るべきではない。

 ジョン・V・ウォルシュはアジアタイムズ、Antiwar.com、Dissident Voice、カウンターパンチ、EastBay Times/Mercury News、コンソーシアムニュースや他のものに平和と医療保険制度問題について書いている。彼はマサチューセッツ医科大学の生理学教授を務めた後、現在ベイエリアに住んでいる。

記事原文のurl:https://www.laprogressive.com/nuclear-sub-collision/

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 『グリーン・ニューディール』を読んでいたら、99ページから、突然英国核兵器や原子力潜水艦の話が出てきて驚いた。核保有国のイギリス、核兵器産業維持のために画策しているという。オーストラリアへの原潜売り込みも、その一環と納得。

 そのうち日本も買わされるかも知れない。日本にノウハウを渡すわけには行かないので、乗組員全員アメリカ兵士、要するに宗主国海軍潜水艦の作戦に属国がお金を払って終わることになるのだろうか。

 植草一秀の『知られざる真実』

 接種証明推進は「反知性の証明」

 日刊IWJガイド

はじめに〜維新と国民民主が幹事長・国対委員長会談で憲法審の定例開催で一致! 維新は来年参院選での改憲国民投票に意欲! 「完全な私人」を自称する橋下徹氏はテレビ番組で枝野代表に「維新と立憲で予備選を」と呼びかけたり、吉村大阪府知事に維新代表選に出ろと口出し! 改憲でも都構想と同様の「勝つまでジャンケン」が繰り返されるのか!?

 かなり古い本を再読した。まるで予言の書。現状をあまりに的確に記述したような内容に愕然。

 『小選挙区制が日本をもっと悪くする』
 腐敗政治、金権選挙・独裁政治―日本を危険な国にする小選挙区制のワナ
 阪上順夫著 ごま書房 1994年7月30日刊

 49ページから52ページの一部をコピーさせていただこう。憲法改悪論議をマスコミが決して本気でとりあげない理由、この小選挙区制導入時の事情と同じではあるまいか。

なぜマスコミは、小選挙区制導入に賛成したのか

 政治改革法案の成立がこれほど難航した原因は、言うまでもなく選挙制度改革にある。
並立制である点が社会党左派の反発を買い、また小選挙区二五〇、比例代表区二五〇であった点が、自民党の反発を買ったわけだ。
 結局、細川首相は河野自民党総裁とトップ会談を行い、小選挙区三〇〇、比例代表区二〇〇に修正することで妥協し、衆議院で自民党の賛成票を得て、ようやく成立にこぎつけたのである。
 このように政治改革法案がなかなか可決できないでいるとき、ある高名な政治評論家がテレビでつぎのような発言をしていた。
「小選挙区比例代表並立制にはたしかに問題はあるけれど、とにかくいまはこれを可決しないと前に進まないのです」
 なんて無責任なことを言うのだろうと私は思ったものである。問題はあるが可決しなくてはいけないとはどういうことか。問題があるものを無理やり通してしまったら、どのようなことになってしまうのか。
 しかし当時のマスコミは、おおむねこのような論調に満ちていた。とにかく法案は通さなくてはいけない。細かいことはあとで考えればいいという調子だったのである。小選挙区制についても、辞書的な説明はするものの、その長所、欠点などは解説されず、せいぜいいま小選挙区制で選挙をやればどのような結果になるかを予想するにとどまっていた。小選挙区制導入によって日本の政治がどのように変わっていくかなどという視点は、まるでなかったのである。
 マスコミをとおして政局を見るかぎり、政治改革法案に賛成する議員は善、反対する議員は悪という印象を抱かざるを得ない。たまに自民党や社会党、共産党などの反対派議員がテレビで意見を述べても、賛成派議員や評論家などから「そんなことを言っているからダメなんだ。あんたはもう時代遅れなんだ」とやっつけられてしまう。
 一見、政治の腐敗を嘆くマスコミ各社が、政治改革の一大キャンペーンを張っているように見えるが、よく考えれば、報道という名の暴力によって反対意見が封じ込まれたようなものだ。政治改革法案は多大な問題を抱えたまま成立してしまったのである。
 私は本書において、小選挙区制が生み出すであろうさまざまな弊害について述べている。
 それらは専門家ならずとも、小選挙区制のシステムをよく理解すれば誰でも予測がつく事柄なのだ。まして政治評論家ならば、その危険性は知っているはずだし、並立制に問題あることもわかっていたはずである。
 なのになぜ誰一人としてそれを指摘する人がいなかったのだろう。私にはそこに、何か大きな意思が働いているように感じられるのだ。
 そこで思い浮かぶのが、海部内閣時に設けられた第八次選挙制度審議会である。海部内閣が提出した政治改革法案は、この審議会の答申を受けたという形でつくられたのだが、その審議会には大新聞の政治部長クラスがことごとく名を連ねているのだ。
 細川内閣の政治改革法案は海部案と大差はないわけで、マスコミがそれを批判するのは自らが手を染めた改革案を批判することになる。つまり、この法案は支持しなくてはいけないという図式がはじめからできあがっており、政治評論家たちもそれに同調することを強いられたのではないか。
 だとすればまことに恐ろしいことである。こんな調子で小選挙区制が支持され続け、誰も問題点や危険性を指摘しないようでは、政治の暴走すら招くのではないだろうか。
 たしかに、これは少々うがった見方かもしれない。天下の大新聞やテレビ局が、政治の権力者によって懐柔されているなどということはまさかないだろう。ただ情報の受け手である私たち国民とすれば、評論家や解説者の意見をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分で考え判断する必要はあるのではないだろうか。

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