益々狂い続けるオーストラリアの戦争プロパガンダ
2021年11月16日
ケイトリン・ジョンストン
❖
60 Minutes Australiaは、またしても中国に対する恐怖を煽る戦争プロパガンダ番組をひねり出したが、これがまた実にへまな軍事支出増強の呼びかけで、実際オーストラリア兵器製造企業の恥知らずな広告さえ、ニュース報道と偽って流したほどだ。
今回の心理的同調でっちあげ番組は、オーストラリア元少将ジム「ファルージャの虐殺者」モランが、3年から10年で、台湾を巡り対中国戦争が行われ、オーストラリアは、この地球の裏側の国に対する中国による未来の侵略を防ぐため、その戦争に参戦しなければならいと言うのが目玉だ。アメリカがオーストラリアを中国侵略から守るの確実ではあり得ないのだから、これを実現するためには、オーストラリアは大いに軍事出費を増やす必要があると彼は主張している。
「現在オーストラリアは法外に脆弱だ。我々は軍事大国アメリカは無限だという単純な信念を持っているが、そうではない」と政府/軍需産業が資金供給するシンクタンクのレービ研究所とオーストラリア戦略政策研究所の貢献者であるモランは言う。
オーストラリア・メディアでは至極当たり前の日 pic.twitter.com/XSXpCRF0Co
- カール・ザー (@CarlZha) 2021年11月15日「次の戦争は10年あるいは20年先ではない。今後3年から10年で起きるだろう。」
元少将@JimMolanは、オーストラリアがAUKUS協定を通して獲得する原子力潜水艦は、我々を守るには余りにも遅いと恐れている。#60Mins pic.twitter.com/B490dpIKiW
— 60 Minutes Australia (@60Mins) 2021年11月14日
彼が「パンダ・ハガー=パンダを抱く人」(つまり対中国タカ派でない人々)と呼ぶ人々を非難して、モランは「中国共産党の狙いは、この地域で優勢になることで、おそらく世界でも優勢になることだ」と主張する。戦争はいつ起きるかと尋ねられて「彼らの軍事力を考えれば、彼らは今から、いつでも行動可能で、それが何より私が恐れていることだ。」と彼は主張した。
「次の戦争は10年あるいは20年先ではないだろう、今後3年から10年におきるだろう」とモランは断言する。「私の推計では、本格的戦争で、オーストラリア国防軍は、わずか数日間分のミサイルしかない。これは数日では解決できない。もちろん我々は十分大きくはない。我々は防衛力を大規模に拡大すべきで、我々による国家安全保障戦略の評価に基づいて、我々が勝ちたいと望む戦争に対し、今国防に資金を割り当てるべきだ。」
「要するに、あなたは明日の戦争のためにオーストラリアが準備する必要があると思われるのですか?」とインタビュアーがモランに尋ねた。
「絶対に」と彼は答えた。
数十年来の中国内戦に対する解決と、何千マイルも離れた白人で一杯の大陸を、中国が行き当たりばったり侵略すると決めることの間に、何か境界線があるかのように、オーストラリアが、台湾を本土から守ると誓約しなければ、中国のオーストラリア侵略も、そう先のことではないという、ばかばかしい主張をモランはしている。
「我々が「結構、台湾は自力でやってくれ」と言うと、中国が台湾を手に入れ、世界を見回して、オーストラリアのような別の自由民主主義国に飛びつくかもしれない」とモランは主張する。「そして我々は、それからアメリカに頼って、アメリカに、我々にちょっと手を差し伸べてくれまいか?というかも知れない。アメリカは、我々が台湾に言ったことを言うかもしれない。あなた方はどこに一線を引きます?今進展しているこの状況は、自由民主主義国としてのオーストラリアに対する実存的脅威だ。」
まだどうなるか分からないが、安い自律ドローンが近代戦争の鍵と見なされつつある。特にオーストラリアのような国にとって。#60Mins pic.twitter.com/bX72zEbvTn
— 60 Minutes Australia (@60Mins) 2021年11月14日
信じられないことに、60 Minutesは、そこでクラスターで使うよう設計した兵器ドローンを製造するオーストラリア防衛技術企業Defendtexが、このようなシステムは巧みに軍事的に費用効果が高い方法で中国を破るのに使えると言う数分の露骨な広告を流した。
この部分では、反中国プロパガンダでおなじみの中国戦闘機が「台湾領空を侵害した」というウソの主張を繰り返し、実際にそうだったより一層攻撃的に聞こえる、前の反中国部分で使った習近平発言の誤訳を繰り返し流した。
この部分に続いて、9月に同じ番組が流した、オーストラリア戦略政策研究所の悪鬼が、オーストラリアは、台湾防衛で戦い、死ぬ用意を調えていなければならない、中国によるオーストラリア侵略は、まさに現実の脅威だと強く主張するのを呼び物にした、中国に対する漫画的ヒステリー恐怖話が流される。一つの小さな外交政策問題に関し、アメリカの命令に完全に同調するのを拒否したことに対し、60 Minutesが、ニュージーランドに「ニュー習ランド」と烙印を押した同様にばかげた5月のものが先に流された。
ブライアン・バーレティックとカール・ザーと私は昨夜遅く、電話のために集まり、我々は、中国が特別であるという状態で、60のMinuitesオーストラリアの新しい戦争の上に上映/反応ビデオをした。ここに抜粋がある。
ビデオ全編: https://t.co/qb9lDWZmun pic.twitter.com/A97CLWYfoZ
- ダニエル・ダンブリル (@DanielDumbrill) 2021年9月25日
決して誤解のないように言っておくが、中国がいつかオーストラリアにいわれのない攻撃や、まして侵略に、何らかの興味があるというどんな証拠もなく、そのナンセンスな想像上の脅威を中華民国と呼ぶ沖の島に対する北京の権益に結び付ける試みは、ばかばかしい。
我々が前に論じた通り、台湾を巡って対中国戦争を始めるのを支持する人は誰であれ頭がおかしいばか者だ。不幸にして、北京と台北間の緊張が、将来、平和裏に解決できない場合、アメリカとその同盟諸国が、誰が台湾を支配するか決定するため核保有国間世界大戦に入ることは何の正当化もできない。特に、中国領域と見なしていない国を攻撃することに北京が何らかの興味を持っているという実際の証拠がないのだから、容易に何千万人もが死に、もし核戦争になれば何十億人もが死にかねない戦争の費用便益比は、そのような戦争を、非常に、非常に、非常に行う価値がないものにする。
欧米人、特にオーストラリア人には中国ヒステリーを生み出すため実に多くのプロパガンダが行われており、しかも、その狙いは憂うつになるほど成功している。これら大規模心理作戦が人々の心を支配するのを見るのは、リアルタイムで次々ゾンビが発生するのを見ているようだ。人々の批判的思考能力は失われ、彼らは突然軍事出費を強化し、ある島におけるアメリカの権益を守って死ぬため他の人々の子供を送ることしか考えなくなるのだ。
どうかゾンビにならないで欲しい。明晰さを保って欲しい。自覚を失わないで。
____________________
私の記事は完全に読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら共有し、Facebook、Twitter、Soundcloudあるいは、YouTubeをフォローするか、Ko-fiやPatreonやPaypalのチップ入れにいくらか投げ銭していただきたい。更に多く読みたいとご希望なら、私の本を購入可能だ。私が発表する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトか、Substackでメーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて電子メールで通知が行く。人種差別サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事でも)再配布、使用、翻訳されるのを私は無条件に許可している。私が一体誰で、私がどういう立場で、この場で何をしようとしているのかなどについて、より詳細をお知りになりたい場合には、ここをクリック願いたい。
ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!!
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2021/11/16/australian-war-propaganda-keeps-getting-crazier/
----------
ひとごとと思えない。鏡をのぞく気分。
属国傀儡政治家や大本営広報部洗脳機関や御用評論家がオーストラリアとそっくりな状況を作りつつある中、UIチャネルでの柳澤氏は正論。
デモクラシータイムス
LITERA
維新は「パソナ丸投げ」病! 21億円の時短協力金業務で大幅遅れとデタラメ発覚したのに新しい仕事発注 橋下時代から竹中崇拝が
« 現在の黒海における海軍の軍事行動に関するメモ | トップページ | 「国防」でなく攻撃省と呼ぼう。言説の端からのメモ »
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- いや、そんなプロパガンダ妄想では戦争に勝てない(2023.06.08)
- 誤った名の「キーウ」における大物会談が不快な人種差別中傷を生みだした(2023.06.06)
- バイデンのF-16の動きは絶望を意味する空想飛行(2023.06.04)
- モスクワでのドローン攻撃-ウクライナでのミサイル攻撃(2023.06.02)
「中国」カテゴリの記事
- アジア太平洋地域にしっかり照準を合わせているNATO軍産複合体(2023.05.29)
- 日本と韓国を中国と戦争させたいと望んでいるアメリカ(2023.05.26)
- 広島原爆の記憶を冒涜するG7戦争挑発サミット(2023.05.21)
- 欧米の極めて複雑な中国分析の世界を理解する(2023.05.19)
- 我々に信じるよう帝国が要求する一つの最も愚かなこと(2023.05.06)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- バイデン、F-16とクリミアを攻撃するアメリカ兵器のウクライナ供与を承認(2023.05.25)
- プロパガンダを管理するため存在している欧米ニュース・メディア(2023.05.23)
- 欧米の極めて複雑な中国分析の世界を理解する(2023.05.19)
- 世界報道自由デーにアメリカの対アサンジ偽善で問い詰められた複数のアメリカ当局者(2023.05.11)
「オセアニア・クアッド」カテゴリの記事
- アジア太平洋地域にしっかり照準を合わせているNATO軍産複合体(2023.05.29)
- 戦争への助言のためワシントンの沼地怪物に謝礼を払うオーストラリア(2023.04.30)
- アメリカの戦争目的のためにオーストラリアを一層奴隷化する新国防計画見直し(2023.04.28)
- 存在自体によってもたらされるリスクを管理するために存在するAUKUS(2023.04.04)
- オーストラリアは国ではない。カンガルーがいる米軍基地だ(2023.04.05)
« 現在の黒海における海軍の軍事行動に関するメモ | トップページ | 「国防」でなく攻撃省と呼ぼう。言説の端からのメモ »
コメント