現在の黒海における海軍の軍事行動に関するメモ
2021年11月14日
Saker
現在の黒海地域におけるアメリカ/NATO作戦に関して多くの推測がある。今起きていると私が考えていることを下記に個条書きする。
- 作戦に参加しているアメリカ+NATO軍の全てを合計しても、対ロシア攻撃に必要なものからはほど遠い。だから純粋に軍事用語で、これはロシアに対する本物の脅威ではなく、歌舞伎芝居に過ぎない。
- ロシア・米国両国の指揮官は、それを知っている。
- 下記「メッセージ」を送られる対象聴衆は、ウクライナ国民だ。「我々はここにいる、我々は無敵だ、我々がついている、もしあなたがたがロシアと公然の論争/戦争に入ったら、我々はあなたを守る」。もちろん公式に、このような約束はされず、暗示だけだ。これはまさに08.08.08で起きたことの繰り返しだ。
- 同時に、ウクライナ・メディアによる狂乱の戦争挑発は完全に最高潮で、この連中は今や本気で、単にドンバスを「解放する」だけでなく、ロシア軍をたたきのめし、ロシア領域の一部を「解放」したいとさえ考えている。このばか者連中は実際対ロシア戦争を大いに待ち望んでいるのだ!
詳細にご興味があれば、この話題に関する私の前の記事をここで読める。http://thesaker.is/why-i-see-a-war-in-the-donbass-as-almost-inevitable/
次に、我々は次の重要な事実を常に念頭におかなければならない。アメリカはロシアを攻撃するのに必要なものを持っていない。純粋に従来型(非核)で、アメリカ+NATOはヨーロッパでロシアに対し、準成功攻撃を行うのに必要な数を持っていない。例えば、もしアメリカ駆逐艦が、ロシアあるいはロシア軍に向かってその(古く遅い)トマホークを発射すれば、発射は直ちに検出され、トマホークが意図した目標近くのどこかに達する前にさえ、極超音速ミサイル(あるいは代わりに水中魚雷)がアメリカ軍艦に命中するだろう。これは特にロシアが、アメリカ軍艦が発射できるより遙かに多くのミサイルを発射できる非常に近代的な統合航空防衛システムを配備したクリミアに当てはまる。もしアメリカが本当にロシアを攻撃したいと望むなら、そのような巨大な事業を準備するのに彼らは何カ月もかかるはずだ。
アメリカ人は愚かではなく、彼らはそれを知っており、このような状況を彼らは全く必要としていない。
理論上、「小規模」前方展開戦力は「陽動部隊」としても機能するが、この場合、そうではない。ロシアは、なぜ軍事的脅威ではない、数分で常に破壊できる船を沈める必要を感じるだろう?
同様に、国防総省の連中も、たとえ彼らがロシアへの大規模攻撃、特に核戦争を開始したとしても、アメリカは、わずか数時間で存在しなくなることを知っている。
再び、ロシアとアメリカ人両方が、それを知っている。
そして、再び対象の聴衆は、今「ロシアに対する圧倒的勝利」のために準備している愚かなウクライナ人だ。
(過ちや速いエスカレーションが常に可能だが)アメリカが意図的にロシアを攻撃するような状況を私は考えられず、ウクライナによる攻撃/挑発は不可避だと考える理由だ(ウクライナ・ナチに、本当に失うべきものはキエフに何もない)。
ちなみに、EUも、このような状況に準備しており、過去数十年間より更にロシアを悪者にしている。バルト三国プラス、ポーランド・ウクライナは、完全に戦争の過剰反応モードで、特にポーランドは、ロシアを巻き込む戦争を引き起こすことが、ヨーロッパで多少重要であり続けるための最後の機会だと悟っている。そしてアメリカがヨーロッパに共同歩調をとるように圧力をかけているから、本当にロシア(そしてベラルーシ)に対する現在の言葉のエスカレーションに、あえて反対するヨーロッパ政治家は極少数しかいない。
最終的に、ベラルーシを巡る状況は、本当に、どんな局地的紛争でも速く、(少数のNATO陽動部隊とともに)ベラルーシ、ポーランド両国の軍隊を巻き込みかねないから非常に危険だ。そのような場合、居合わせた大人(ロシアとアメリカ)は状態を抑制するため非常に速く介入し、エスカレートするのを避ける必要がある。アメリカがロシアとの戦争を望んでいると私は思わないので、これこそ双方がすることだろうと思う。
すると我々は一体どこに向かっているのだろう?私の意見では、ウクライナがロシアに何を投げつけようとも、ロシアの圧倒的軍事勝利、それに続く、EUとロシアに対する圧倒的なアメリカの政治的勝利だ。ウクライナ人は砲弾の餌食として利用され、彼らは再び領土を失う(それによって彼らを憎み、決してウクライナ・ナチに賛成投票しない住民を一掃できるのだ)。EUはアメリカに習って共同歩調をとらねばならず、帝国支配階級は、最終的に、始めから欲していたものを手に入れるだろう。彼らは、ヨーロッパ人を素直で、従属的にしておくため、ロシアとの非常に緊張した対決を利用するだろう。それは帝国がノルドストリーム2を停止させるために使える最後の選択肢だ。
プーチンは黒海で(アメリカ国防省が示唆した)どんな特別ロシア軍事演習も命令しないと発表した。彼は一つは公式のもの、もう一つはさほどそうではない二つの非常に良い理由でそうした。
- 公式理由:我々は善人だから、できる限り緊張を緩和させる
- 本当の理由:どんな演習も全く不要だ、全てのアメリカ/NATO艦船/航空機は既に監視されており、ロシアは現在位置で警戒態勢の彼らを沈没させられ(あるいは撃ち落とせ)る。
フリゲート艦・エッセンのディスプレイに表示されるアメリカ海軍タスク・フォース
そのうえ、アメリカ艦船は、既に数隻の先進的ディーゼル-電気駆動多目的潜水艦と、ミサイル巡洋艦モスクワとフリゲート艦アドミラル・エッセンに追尾されている。
クレムリンはこの全てを緩和させようと懸命に努力しているが、一人でできるものではない。この全てから最も多く失う当事者はEUなのに、事態を理解できず、先見の明も気骨もない、従順で無能な政治家連中に率いられている。彼らは変化をもたらせない。
本当に他の誰よりも多くを失うウクライナの人々は、権力の座にあるナチと戦う能力をほとんど見せていない。どちらかと言うと、戦争状態は、ナチが、全ての、あらゆる野党に対処するのを一層容易にするだろう。
事態がどれほど深刻でも、好転する確信を持ち続けたい。あるいは、アメリカとロシア間の若干の舞台裏交渉が現在の紛争を沈静させるかも知れないが、私はさほど期待していない。少なくとも我々はアメリカとロシアが最高レベルで互いに話をしているのを知っており、それは定義上銃撃戦より望ましい。
我々は過去瀬戸際にあったが、今回我々は越えてしまうのだろうか?
率直に言って私にはわからない。
アンドレイ
記事原文のurl:https://thesaker.is/note-about-the-current-naval-operations-in-the-black-sea/
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弁護士暴言以来、昼の白痴化洗脳番組を一切見なくなった。正確には聞かなくなった。大相撲は見ているが基本的にテレビからオーディオに転向。バソコンにパワード・スビーカーを接続し、大昔に購入したCDを探しだして音楽を聴いている。
ところで一年以上使っていないプリンタを廃棄し、新しいプリンタを購入しようと、注文したところ納品は数週間先。コロナによるサプライ・チェーン問題を直接感じることに。
たまたま大本営広報部の「眉毛を整えるお店の75時間?」番組を見て思い出したのが中央アジアの美容文化。
昔、観光した際、眉毛がつながっている女性に、息子の就職先を紹介して欲しいと言われたことがある。
白痴製造洗脳箱ではなくyoutubeを見ている。
デモクラシータイムス 半田氏のものは昨日拝聴。
日刊IWJガイド 候補者四人について詳細な記事。ともあれ再配信拝見予定。
【タイムリー再配信 1023・IWJ_YouTube Live】19:30~
「逢坂誠二議員が『衆参ダブルの芽は消えていない』と警戒!与党は予算委員会開催を拒否し続けて選挙の争点を隠し、ダブル選となだれ込むのか!?~岩上安身によるインタビュー 第946回 ゲスト 立憲民主党・衆院予算委員会野党筆頭理事・逢坂誠二衆院議員」
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured
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