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2021年11月18日 (木)

今度はグローバル肥料供給の組織的解体?

2021年11月12日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 ここ数ヶ月、世界的なエネルギー不足で、石炭、石油と天然ガスの価格を爆発的最高価格になったのは、愚かな政府が、頼りにならない、益々多くの太陽光や、風力発電に助成金を支給する、狂った「炭素排出無し」経済政策推進の予測可能な結果だ。一つの結果が、世界中での天然ガス、つまりメタン価格の5倍上昇だ。それは、中国からEU、アメリカや他の国々にまで拡張している。天然ガス欠乏と価格爆発の続く結果が、世界農業肥料生産で増大する危機だ。これは全て決して偶然ではないかもしれない。それは国連2030のWEFグレート・リセット・アジェンダにぴったりはまるのだ。

 (空気の大半であり、決して欠乏にはならない)窒素から作られたアンモニアを基盤とする肥料と天然ガス、つまりメタン(CH4)が、小麦や、トウモロコシ、米やコーヒーのような主要農業収穫を助けるために使われる全肥料のほぼ70%を占めている。天然ガス価格が、ここ数ヶ月にわたり、300%から500%まで急騰するにつれ、アンモニア肥料を作る費用の約80%が天然ガスである世界肥料生産に衝撃的影響を与えている。

 8月25日に、ハリケーン・アイダが、ルイジアナを襲った時、CFインダストリーズが所有する世界最大のアンモニア工場コンプレックスは安全の理由で閉鎖され、10日後に再開された。奇妙にも、その時点で、9月22日、ルイジアナ工場が10日間休業していたにもかかわらず、イギリスの同じCFインダストリーズの更に二つの工場が、高い天然ガス価格が原因だと主張し、更に二つの肥料工場を閉鎖すると発表した。この二つの工場は、イギリス国内肥料需要の約3分の2を供給している。圧力を緩和するため、政府は一時的に2つの工場の一つを再開すべく、CFインダストリーズへの緊急助成に同意することを強いられた。同じグループによる3つの工場閉鎖の総合的影響が世界肥料供給危機に上積みされた。CFインダストリーズの2つの最大株所有者がヴァンガードとブラックロックなのは偶然の一致に過ぎないかもしれない。

 この危機は雪だるま式にふくれる。10月初旬時点で、巨大ドイツ化学企業BASFが、ベルギーとドイツでのアンモニア肥料の無期限生産停止を発表した。それはアンモニアを基盤とするディーゼル燃料添加物アドブルー生産にも影響する。

 さらなる閉鎖は、リトアニアのAchema、オランダのOCIでも進行中だ。ヤラ・インターナショナルナはEUアンモニア肥料生産を40%減らしている。スペインのフェルティベリアはウクライナのOPZと共に主要肥料生産企業を閉鎖している。オーストリアのボレアリスAGは生産を終え、ドイツ最大のアンモニア生産企業SKW Piesteritzは生産を20%削減した

 グローバルな肥料危機を悪化させて、8月バイデン政権は、「ベラルーシ国民を犠牲にして、ベラルーシ政権を維持する」かどで、世界で4番目に大きな肥料生産者ベラルーシカリ OAOを指名してベラルーシ政府に制裁を課した。ベラルーシカリは炭酸カリウムを基盤にした肥料市場の世界の約5分の1を支配している。

グローバル食品安保の中心

 窒素ベースの肥料は、世界の農業で、全ての業務用肥料の約4分の3で最も広く使われている。第一次世界大戦直前、ドイツにおけるハーバー・ボッシュ法の開発以来、人工窒素肥料生産が農業生産性の巨大な拡大を後押しした。窒素肥料はハーバー・ボッシュ法で生産されたアンモニア(NH3)から作られる。それは水素供給のため、天然ガス、メタン(CH4)を使うエネルギー集約的なものだ。このNH3、つまりアンモニアは、無水硝酸アンモニウム(NH4NO3)や尿素(CO(NH2)2)のような他の窒素肥料の工業原料として使用される。農産物収穫高は第二次世界大戦以来、窒素ベースの肥料に大きく依存している。アメリカでは、窒素肥料なしでは、トウモロコシの平均収穫が40パーセント下落すると推定されている。

 現在、おそらく世界人口の半分が、窒素肥料に依存すると推計されている。科学雑誌ネーチャーで発表された研究によれば、2008年、世界人口の48パーセントが毎日の食物入手で窒素肥料に依存している。「これは2015年、そうでなければ餓死したはずの350億人の人々に、窒素肥料が食品安全保障を提供したことを意味する。」

中国ショック

 発電用石炭や天然ガスの欠乏や、国内インフレを制御しようという、うろたえた試みを含め、様々な理由で、ひどく肥料輸出を削減したり、凍結したりするという、ここ数週間の北京による決定が、増大するグローバル肥料欠乏に強い衝撃を加えている。河南省の記録的な夏洪水が中国穀物の中心地域を襲い、食品廃棄物削減のため、政府は国民に、重大な収穫失敗を隠す方法だと一部の人々が信じている「光盤行動(きれいに食べ尽くす) 2.0″をさせ始めた。

 中国、インドとアメリカは、一エーカーあたりトンで窒素肥料の世界最大ユーザーだ。中国は最大の肥料輸出国の一つでもあり、9月に政府は、2022年6月まで、窒素とリン酸塩肥料の輸出禁止を発表した。中国が輸入する石炭同様、世界的な天然ガス価格急騰のため、赤字で電力を売るより操業停止する電力会社のおかげで、中国では大規模停電が起きている。複雑な危機の一つの結果が、肥料輸出禁止令だ。中国は、尿素窒素肥料のグローバル供給のほぼ3分の1を占める最大輸出国で、リン酸塩の主要製造国でもある。

 南ドイツ、ババリアでは、農民は少なくとも来夏まで肥料を買えないと報じられている。広がるグローバル肥料危機は、2022年、飼料トウモロコシ、小麦、米、コーヒーや他の農作物の急減を意味するだろう。これが、covid対策と世界海運の崩壊によって更に悪化させられ、数十年で最も急激な食品価格インフレーションの中で起きている。

COP26メタン攻撃

 増大する世界的肥料欠乏の背後にある危機は、メタン、あるいは通常天然ガスと呼ばれるものの価格5倍という爆発だ。これは、メタンや天然ガスを含め、2030年までにCO2排出を55%削減する「Fit for 55」プログラムという、バイデン政権や欧州連合の意図的な「反炭素」の環境保護政策が起源だ。バイデン政権はアメリカ・シェールガス処分を強制し、風力や、太陽光などを大いに助成するグリーン電力の強制的拡大は、当てにならない電力網を作った。風が吹かない、あるいは太陽が照らない時には、代替電力は見つからない。蓄電は大問題だ。太陽光や風力が電力の、ごく小さな部分であるときには、それほど深刻ではなかった。けれども今日エネルギー不足のドイツのような国では代替源が総電力消費の42%を占めている。ゼロ炭素狂気のために、原子力発電や石炭発電が絶滅の運命を課されているから、石油と天然ガス価格が爆発している。その結果、炭化水素の利用に対する新規投資が崩壊し、皆にそれが必要な時に、供給が制限されているのだ。

 増大する世界肥料生産危機は、国連アジェンダ2030や、クラウス・シュワブの世界経済フォーラムや、管理する資金が9兆ドルに上るとされるウォール街の世界最大民間投資企業ブラックロックのようなグローバリストが、肉生産高を劇的に減少させ、タンパク源を、研究室で増やした培養肉や虫にさえ置き換える(原文のまま)「持続可能」農業にぴったり合うのだ。

 農業と、特に、地球温暖化現象の主要原因だと主張される肉生産の悪魔化が拡大している。今メタンは、アメリカとEUにおける環境重視の取り組みの主要標的だ。注目すべきことに、最近の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、約100の国が2030年までに30%メタンガスの排気ガスを削減するEU-アメリカ共同提案に参加した。急騰する肥料価格につけこんだ、政府と非政府組織NGOによるフードシステムに対する攻撃が、肉反対運動や「持続可能な」農業への要求が、今急騰している食物の費用を更に引き上げると予想できる。この攻撃の鍵は、今日の世界経済、第二次世界大戦以来、貧困からの脱出の中心である低コスト・エネルギー・システムでしある石油、ガスと石炭に対するグリーンニューディール戦争だ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/11/12/now-the-organized-takedown-of-global-fertilizer-supply/

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 朝の番組、日本の選挙には金がかかるという話題を延々。『さよなら! 一強政治――徹底ルポ 小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー』を読んだ直後なので、びっくり。著者の三井マリ子氏が出演していたらと無理な夢想をしてしまう。カネがかからない選挙が可能なのに、そういう情報を全く知らされず、目の前の腐敗した選挙制度の中で無力感だけ深まるよう仕組まれている属国。だから、植草一秀氏新記事に同意。

 植草一秀の『知られざる真実』

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