誰も望まないクアッドを作ろうと努めるアメリカ
2021年9月27日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook
冷戦中、自身を「自由」世界の擁護者として描くため、アメリカが、西の-資本主義の「自由な」世界と、東の-共産主義の「閉じられた」世界とに分けていたとすれば、中国が、「自由な」インド・太平洋を確立するために、アメリカが率いるクアッド諸国が打破しなくてはならない「閉じられた」世界の典型例だと指定するため「冷戦2.0」も同じ公理を使っている。最近彼の国連総会演説で、アメリカは冷戦を求めてはいないとバイデンは強調したが、最近AUKUSのような協定で明らかになったように、アメリカが構築し、軍隊を配備しようとしている反中国同盟は、冷戦を特徴づける一種のグローバルパワー競合に裏打ちされたグローバル姿勢の表れだ。中国に対する語調を強めることで、バイデンに率いられるアメリカは、アメリカ同盟国者として反中国の支持を得られるようにすべく、ASEAN/東南アジア諸国とのやりとりに使える言葉を考案しているように思われる。
クアッドが発表した共同声明は、加盟諸国は「我々共通の安全保障と繁栄の基礎-自由で、開かれたインド・太平洋地域、包括的で回復力がある地域」に献身すると述べ、我々は共に、インド・太平洋、そしてそれを超える世界で、国際法に基づき、強制に屈しない、自由で開かれたルールに基づく秩序、安全と繁栄の推進を再び約束する」と述べている。
特にASEANに触れて、声明は「我々は、ASEANの団結と重要性、インド・太平洋におけるASEANの将来のため、我々の強い支持を再確認し、インド・太平洋地域の確信であるASEANと、その加盟諸国と、実際的な、全てを含む形で協力する我々の献身を強調する」と述べている。
声明は直接中国に言及するのは避けているが、東南アジアに対するクアッドの根本的核心は、この集団が、これまでそうだった以上に、より直接に中国に対抗しようと努めているかを示している。
行動より口先
だが、クアッドをじっくり調べると、いわゆるクアッド指導者の最初の「歴史的」会談が、極めて一般的な主張や約束以上の何も生み出し損ねているのは明らかだ。具体的措置の欠如は、集団としてのクアッドが、内部的に、戦略的統一性がかけたままであるのみならず、加盟諸国は中国には各自懸念を持っているが、中国との彼らの問題を解決するためにアメリカに加わるのを避け続けていることを示している。
声明が示すクアッドが行った唯一の実際的措置は「クアッド・フェローシップ」で「クアッド四国の優秀な、科学、エンジニアリング技術、数学大学院生に、100の大学院の研究奨学金を提供する」教育プログラムだ。
このフェローシップ以上は、この声明をざっと見ても、これらの国々は、将来何らかの措置をとることには口先の約束しかない。今のところ、クアッドは発生したが、早々に冬眠に置き換えられたのだ。大半のクアッド加盟諸国は、アフガニスタンでの屈辱的敗北後、世界中で自身の主力的役割を果たすための対外政策を生み出すアメリカの緊急性を共有していない。それで、アメリカから、必要のない同盟に強制加入させられるのを喜ぶ国は少ないのだ。
例えば、最近発表されたAUKUSへの反応は典型的に多くを物語っている。オーストラリアが最も重要な安全保障パートナーだというインドネシアは、「地域で継続する軍備競争や戦力投射を深く懸念している」と言って、協定への深い懸念を表明した。金曜日、マレーシアのイスマイール・サブリ・ヤアコブ首相は、オーストラリアのスコット・モリソン首相に「AUKUSが、潜在的に、他の国々の、力を特に南シナ海地域で、一層積極的な行動を引き起こしかねない」と言った。フィリピンのデルフィン・ロレンザーナ国防大臣は、マニラは、地域の全ての国と良い二国間防衛関係を維持したいと思うと言って、AUKUSに対する彼の国の中立姿勢を強調した。
同様に、我々が見続けている、クアッドを特徴づける熱意の欠如は、大半の国が「冷戦2.0」でアメリカのパートナーになるのを望まないだけでなく、展望の欠如が、それぞれの国益に関し、この集団が提供できる、潜在的あるいは実際の恩恵を加盟国が想像することを許さないためだ。
その大半は、世界が既に多極化している時に、アメリカが二極政策を想像し、実行しようとしている事実に帰する。欧州連合は益々アメリカと合致しない政策を作っている。欧州連合は自身のインド太平洋での協力のための戦略を持っており、地域の国々が橋を架けるため選ぶべき多数の選択肢を持っていることを意味する。彼らにとって、アメリカは唯一の選択肢ではない。EUは別として、中国との強力な二国間関係と同様、相互利益あるいは紛争のどんな問題でも解決する地域メカニズムをASEANは持っている。
加盟諸国によるクアッド対する興味の欠如の、もう一つの主な理由は、この集団が、インド・太平洋と、信用できる誓約は言うまでもなく、経済的に関与するどんな計画にも欠けていることだ。それは「自由な」インド-太平洋を強調し、軍国主義的手法を強調し、中国の一帯一路構想(BRI)や、史上締結されたもので最大の貿易協定、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)と大きな違いだ。AUKUSからも明白なアメリカの軍事的手法は、その権益を確保するために、ASEANが喜んで受け入れる協定からはほど遠く、中国との関係の性質が何であれ、彼らは中国の軍事攻撃の脅威に直面していない。ASEANは、インドのような他の国々と同様、紛争の軍事化する方法だけを追求する集団と公式に同盟して、この地域温度を高める支配的な理由はないのだ。
Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/09/27/us-is-seeking-to-build-a-quad-no-one-wants/
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「痴呆の声」を聞いた恐るべき組閣。妖怪勢揃いで思い出した。それも当然。岸だ!
驚くニュースを見た。ジョージアでサーカシビリが逮捕されたという。
Radio Dialogue
週刊金曜日の最新号に、映画「MINAMATA」を50倍深く知る 特集がある。
有毒物質は水に流せない。日本における鉱害の端緒は古河鉱業足尾鉱毒事件。大本営広報部は、同じ藍玉商人でも、日本資本主義の父親のドラマしか作らない。鉱害とたたかった田中正造ではなく。沖縄では米軍によるPFOS。そしてオリンピックのどさくさに紛れての原発汚染水の大洋放出。
アンドレ・ヴルチェク、あなたが亡くなって一年 の中で触れられているラ・リンコナダ-世界最高地の金山で、金鉱夫たちが鉱石から金を分離するためには水銀が使われる。その水は鉱山から下の世界へと流れ出ている。
Choose Life Projectでも、映画「MINAMATA」をテーマに。
この映画についてはwswsの記事を翻訳したが、検索エンジンでしっかり隠蔽されている。
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