サアカシュヴィリは今なぜジョージアにいるのか?
2021年10月6日
ウラジーミル・プラートフ
New Eastern Outlook
様々な犯罪のかどで2度有罪を宣告されたジョージアから逃亡し、8年亡命生活をした後のミヘイル・サアカシュヴィリの劇的帰国は、このカフカスの国だけでなく、多くの注目を引き付けた。40以上の政党が参加する現地の選挙直前、彼がジョージアに現れた瞬間-この政治家の逮捕と、ジョージアの首都近くにあるルスタヴィ拘置所への移送が、この事件に趣を添えた。
ジョージア検察当局によれば、違法に国境を越えたかどで、法執行機関は、サアカシュヴィリを捜査している。サアカシュヴィリは銀行家サンドロ・ギルグヴリアニ殺人事件とヴァレリー・ゲラシビリ議員殴打のかどで、不在のまま有罪宜告されたことが知られている。彼は前者の事件で三年、後者の事件で六年の禁固刑を宣告された。サアカシュヴィリは反政府集会を追い散らし、Imedi TVを潰し、国家予算財源を横領した事件でも被告だ。ミヘイル・(ミへコ)サアカシュヴィリは、これら有罪判決のため合計9年の禁固刑に直面している。だが他の刑事事件はまだ未決で、提訴されておらず、彼は更に多くの判決を受けるかもしれない。
サアカシュヴィリは旧ソ連での「カラー革命」における積極的関与で良く知られている。この国がワシントンの要請でロシア国境で武力挑発を実行するミへコの試みに続いて、不名誉な「ロシアとの戦争」をした際、2004年から2013年までジョージアを率いていた。退職後、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチが2014年に打倒された後、ウクライナで政治に関与する前、サアカシュヴィリは、しばらくの間ブルックリンに住んでおり、彼は決して徹底的なアメリカ支援で、キエフで要職についた唯一のジョージア政治家ではなかった。
10月1日、ジョージアのサロメ・ズラビシュヴィリ大統領は、ミヘイル・サアカシュヴィリの拘留に関し声明を発表し、彼を恩赦する可能性を排除した。彼女は、決してサアカシュヴィリ支配下で苦しみ「公正に裁かれる日を待ちながら、それを見るまで生きられなかった」人々の目を忘れないことを認めた。彼女は自身が「人権や自由な事業や法律を踏みにじり、権力を維持するため人の健康と生活を犠牲にした」サアカシュヴィリ政権と戦っていたことを想起した。
ジョージアのへのサアカシュヴィリの帰国は、彼の在職当時同様、「政治的演劇」のように見えたとニューヨーク・タイムズさえ指摘した。特に、前大統領は、今彼の政敵に支配されているジョージア政府を公然と馬鹿にして数日を過ごした。
サアカシュヴィリが差し迫った逮捕に気付いていたことには疑いがない。だから、ジョージアへの彼の公然の芝居がかった帰国の背後にある理由と現在のジョージア当局に対する軽蔑的な、ばかにしたような態度は、昔ジョージア大統領への彼の指名と同様、彼の全ての行動の背後にワシントンとアメリカ諜報機関がいると考えれば推測は困難ではない。彼らは「ミへコ・カード」を使って、選挙期間に、この国の内政に直接影響を与えると決めたのだ。
これはジョージア当局が前日、欧米諸国から受けた「民主政治から外れ、外国政策路線を変えた」という非難で確認できる。ワシントンとブリュッセルの声明は、トビリシの態度の変化は「価値観を変えている」とほのめかしている。ジョージアとアメリカや同盟諸国間関係のこの突然の悪化は、主として、国内の政治的危機を終わらせるため与党「ジョージアの夢」(GD)が、チャールズ・ミシェル・アコードから脱退した結果だ。
ワシントンは「民主政治の原則の道から外れた「ジョージアの夢」に非常に腹を立てている」とジョージアのアメリカ大使館は述べた。いつものように、二大政党の下院議員と上院議員の集団が、ジョージアが民主政治に戻るのを助ける願望と準備があるという文句を散りばめてGDを非難した。最終的に、トビリシを特命で訪問した欧州会議議員ヴィオラ・フォン・クラモンは「GDの決定は、クレムリンのためにしかならない」と発表した。政権についているGD党に対する明確な圧力と、欧米に有利な政策を追求するよう彼らに強いる試みとして、欧州連合は10月13日、ジョージア国民のビザなし旅行をしばらく見合わせることを計画している。
その間も、欧米によってサアカシュヴィリ・ショーは公式に演じ続けられている。「我々はジョージア法とジョージアの国際的人権約束と義務に従ってサアカシュヴィリ氏が公正な取り扱いを与えられることを保証するようジョージア当局に促す」とアメリカ国務省は述べた。
ミヘイル・サアカシュヴィリに関するワシントンの芝居じみた言動に対するキエフの積極的参加可能性を明らかにほのめかし「元オデッサ知事の運命に天に任せはしない」とウクライナのドミトロ・クレーバ外務大臣は誓った。ミへコは既に、慌ただしく、自身は故国で普通の犯罪者ではなく、政治犯だと宣言し、更に芝居がからせるべく、ハンガーストライキ開始を発表した。そうする上で、彼は明らかに、1991年-1992年からジョージアにしっかり腰を据え、トビリシに巨大大使館を建て、そこで非常にくつろいだ気持ちになっているアメリカの支持に期待している。多くのジョージア政治家同様、元大統領ミヘイル・サアカシュヴィリを育てたのはアメリカだった。加えて、ヨーロッパと共に、ワシントンは非政府組織をジョージアにもたらし、それは、このコーカサスの国を長年支配しようとしている。一方、アメリカ大使のケリー・コリーン・デグナンは、ジョージアに、アメリカの外部管理を課し、「彼女の鉄の手」の中に、この国の内部勢力を支配し、ワシントンが望ましくないと評価する政治運動の活動への厳重な監督を確立しようとしている。
ウラジーミル・プラートフは中東専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/10/06/why-is-saakashvili-in-georgia-now/
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ネット書き込みの大半が信じられないほど下劣な理由がわかった気がする。もちろん基本的に全く読んでいない。youtube番組を見る際、チャット表示を止めている。
LITERA
落ちぶれると、ひがむのだろうか?
今日の孫崎享氏メルマガ題名
転載 日本の「没落」を国民は気付いているか…平均賃金、個人当たりGDPともに韓国を下回る 孫崎享日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ)
日本に来る外国人に対しては、ウィシュマさん事件。外国に取材に出ようとする日本人ジャーナリストに対してはパスポート取り上げ。見たくないものは、こばむ鎖国社会。そうそうたるメンバーのシンポジウムを拝聴した。次回は十一月。
Choose Life Project
日刊IWJガイド なんとも強引な政治家がいるものだ。
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