CIAが一体なぜまだあるのだろう?
2021年9月27日
ケイトリン・ジョンストン
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「30人以上の元アメリカ当局者との会話」を引用するYahooニュースによる新しい報告が、アメリカ中央情報局が、ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジと彼のパートナーを秘密に調査しただけでなく、彼を誘拐し、他国へ身柄引き渡しをし、暗殺する計画を立てていたという、これまでの主張を確認した。
2017年のウィキリークスによる機密文書“Vault 7”公表で、ハッキング・ツールの巨大デジタル兵器庫をCIAが制御できなくなっていることが明らかになったことに当時のCIA長官マイク・ポンペオと当時のCIA副長官ジナ・ハスペルが怒ってトランプ・ホワイトハウスと協力して、これら計画が立てられたとされている。こうしたツールの中には、スマートフォンやスマート・テレビやWebブラウザの監視、コンピュータ化された自動車制御システムのハッキングや、捜査担当者が発見に使うハッキングのデジタル「指紋」を挿入して、外国政府にサイバー攻撃の濡れ衣を着せる能力が含まれていた。それはCIA史上最大のデータ漏えいの一つだった。
通常、CIAが何か極悪非道なことをしたのを確認するには、我々は何十年も待たなければならず、人々は、それが大昔のことだし、自分の世界観を変えるのは気まずいので、そのようなことはもう起こらないと考えたがる。だが、今回我々は、諜報機関が、公益のために、本物の文書を公表したことに対し、事件から四年も後に、ジャーナリストを誘拐し、他国への身柄引き渡しをし、暗殺する構想を練ったという広範囲な情報源のある報告を持っているのだ。
ウィキリークスとその創設者ジュリアン・アサンジに対するマイク・ポンペオとCIAの戦争を巡る話をYahoo!ニュースのジャーナリストが、とうとう確認し、それを2019年10月に私が概説した。それは重要な報告だ。
Thread. https://t.co/MLrNvv3bnV
- Kevin Gosztola (@kgosztola) 2021年9月26日
それは欧米社会が奉じていると主張する、ほとんどあらゆる価値観の目を見張るほどの侵害の話だ。特に暗殺は、ひどくこたえる。
記事の著者は(念のために、ロシアとウィキリークス間の繫がりをほのめかす、彼ら自身のせこい歪曲を挿入し)、ラングレーの暗殺計画がどれほど本気だったか知らなかったと言っている。だが彼らは、このような計画が立てられたことを極めて明白にしている。
「CIA幹部が、機密文書“Vault 7”の資料にアクセス可能だったアサンジとヨーロッパを本拠とする他のウィキリークス・メンバーを殺す計画の「スケッチ」を要求し、受け取ったと元前諜報関係高官が言った。「アサンジを殺すことが可能かどうか、それが合法的かどうかについて」議論があったと元当局者が言った。」
それだけで、アメリカ中央情報局を完全に廃止するのに十分な理由のはずだ。時折、それらに対し行動していなければ、そのような会話をせず、立案しなかったという明白なほのめかしは言うまでもなく、このような会話が行われ、計画が立案される組織なのだ。
この主張が公然と主流ジャーナリズム調査で確認されたことや、世間の反応が「結構。それならCIAは必要ない。」ではなく「おお何と憂慮すべきニュースだ」のに私は納得できない、
つまり、ジャーナリズム的活動ゆえにジャーナリストを暗殺する計画を作ったことに最近気付いた奇想天外な事件ではなく、それでも、我々全員一致して、CIAを完全に解体し、永久に捨て去ることを要求ないのだ。
https://twitter.com/SocialistMMA/status/1442301370258767873
これは結局、同じウソ、麻薬密売、戦争挑発、洗脳、心理的テロで、何世代にもわたり、世界をその思惑に従わせているアメリカ中央情報局だ。それは確実に全くの精神病質で史上最悪の最悪の、これまで存在した中で最も下劣な組織の一つだ。
すると、それはなぜ存在しているのだろう? 「強姦、輪姦、うなぎや、ヘビや堅い物体を使うレイプ、強姦後の殺人、生殖器や舌など体の他の敏感部分に電線を付けて行う電気ショック(別名「Bell Telephone Hour」)、「水責め」や、両腕をロープで捕虜の背中に結び、そのロープを天井のフックにかけて、打擲する「飛行機」、ゴムホースやむちを使う殴打、囚人を噛ませるための警察犬使用」などを含むと報じられている広範な拷問を利用している組織がなぜ依然存在するのだろう?
私はもちろん修辞的に言っている。我々全員CIAがなぜまだ存在するか知っている。益々増大する厚かましさでニュース・メディアに支配を及ぼす諜報機関は、恐ろしい乱用の途切れない実績について大衆が熟知するのを助け始めようとしておらず、もし権力を持った人物の誰かが彼らに逆らうこと考えると、彼らには「日曜日から、お前に仕返しする6つの方法」があるのだ。
我々がそうでなければ良いのにと思う、まさしくその理由で、CIAは依然存在しているのだ。近くにいる他の誰より残忍で無節操だから。なぜなら、支配し、やりたいことをやり続けるために必要なことは、何であれ、するのをいとわないから。なぜなら、彼らを好きではない人々にひどいことが起こるから。
CIAが、何であれ悪事をする絶対最後の時間は先送りされ続けている。それが彼らがしたいと望むことだと決定した場合に備えて、CIAは気軽にジュリアン・アサンジ暗殺計画を立てたが、もし今も彼らが、他の良くないことをしているかもしれないと思うなら、あなたは頭がおかしな陰謀論者だ。
この最近のアサンジ関係記事に、もっと弾みがついて、CIAに関し、より多くの人々を批判的に考えさせない理由は、真実を語ったかどで、アメリカ政府が、ジャーナリストを誘拐し、身柄引き渡しをさせ、暗殺するのを計画するという真実は余りに不可解なほど邪悪で、人々が受け入れるには余りに大きな認知的不協和を起こすためだ。我々の心は我々の世界観を混乱させる情報を拒否するようにできており、自分たちは自由な民主社会で暮らしているという信念に浸かって人生を過ごした人々は我々が実際は我々の票を笑っている秘密の権力構造に支配されているのを示す情報に抵抗する世界観を持っているだろう。
要約すれば、CIAはジュリアン・アサンジと彼のパートナーを誘拐し、身柄引き渡しをさせ、暗殺する計画を立てたのだ。CIAはアサンジと彼の弁護団も秘密に捜査し、悪名高く信用できない重要参考人が起訴のため、事件で証拠を偽造したのを認めた。それにも拘わらずCIAは灰燼に帰し、灰がラングレーの風に散ることなく、イギリスは依然何らかの方法で、アメリカの要請に合わせ、アサンジを引き渡す手続きを進めている。
私は前にも言ったが再び言おう。長年にわたり、権力者連中の暗い内部機構に、ウィキリークスなどの多くの光が当たったが、まさに同じ権力構造によるジュリアン・アサンジ迫害は、更に遙かに多くを照らし出したのだ。連中が彼を更に迫害しようと努めると、それだけ、その光は、彼らが誰か、彼らが何をするか、彼らがどのようにそれをするか、我々が見るのをより容易にして、より明るく、彼らの上に輝くのだ。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2021/09/27/how-is-the-cia-still-a-thing/
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属国は周回遅れで宗主国に習う。諜報機関トップが官邸官僚入り。
遅ればせながら下記会見youtubeを拝聴した。下記はIWJ記事。
ウィシュマさんの妹ポールニマさん「このビデオには最終報告書に書かれていない内容がある」~10.5 名古屋入管施設で死亡したスリランカ人留学生ウィシュマさんの入管施設内での映像を視聴した遺族及び弁護士による記者会見 2021.10.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/497144
冒頭の指宿弁護士の冒頭挨拶は辛辣な真実。
「10月1日に、裁判所の『証拠保全』という手続きで、ビデオの一部を、ポールニマさんと、それから代理人弁護士とで一緒に見ることができました。一部分ですけど、3月6日まで、ところどころ、少しずつですけど、見ることができました。
データは開示されていません。これは、新内閣が成立して、入管がとてもいい組織になって、悔い改めて、心を入れ替えて、開示したものではありません。そうではありません。
一転して開示されたというのは、入管の態度が変わったからではなくて、裁判所の手続きで、いわば半強制的に、出さざるを得ないから出したという事情です」
今話題のUR=都市再生機構に口利きする見返りについても、IWJ記事、映像を拝見した。
甘利明・前経済再生相が雲隠れ!?「甘利問題」を風化させるな!自民党が提出した睡眠障害の診断書は循環器内科医が書いていた!~岩上安身によるインタビュー 第626回 ゲスト「甘利前大臣疑惑追及チーム」座長・大西健介衆議院議員 2016.3.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/292244
甘利明部分の抜き出し動画 15分で、概要を再確認させていただいた。
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