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2021年9月 2日 (木)

アフガニスタンの大失敗:彼らはいつになったら学ぶのだろう?

Brian Cloughley
2021年8月24日
Strategic Culture Foundation

 バイデン大統領はマーシャル風にリセットして、人類の本当の敵と戦いながら、親睦と協力を作り出すことに集中するべきだ。

 第二次世界大戦後、ヨーロッパは、決して回復しないように思われた何年もの残虐さの破壊で動揺していた。犠牲者の数は驚くほどで、ソ連で、約2500万人、ドイツとポーランドで約700万人、フランスで、800,000人、ユーゴスラビアで170万人、オーストリア、イタリアとギリシャのそれぞれで50万人が殺された。これらの人々大多数が民間人で、これら全ての国の生き残った市民は、実際の飢餓だけでなく、この大惨事で苦しんでいた。

 アメリカ合州国の民間人犠牲者は、ほんのひと握りで、戦争特需で大いに繁栄した。その結果、アメリカは経済的、軍事的に測り知れないほど優位な立場となり、幸い、概して同情的で、ヨーロッパの未来に、果てしない困難以外何もないように思われた無数の何百万人もの苦難を軽減するため支援する用意を整えていた政権に支配されていた。

 トルーマン大統領と国務省は、彼らのかなりの才能を呼び起こし、荒廃したヨーロッパを最もうまく支援できる案を計画した。History websiteあるように、1948年のヨーロッパ回復計画は「(その人にちなんで)ジョージ・C・マーシャル国務長官の発案物」と名付けられた。それは「戦争中、酷く破壊された都市や産業やインフラを再構築し、ヨーロッパ近隣諸国間の貿易障壁を取り去り、それらの国々とアメリカ間の貿易を育成する四年計画として作りあげられた」。その最終的本質は、アメリカ側に非常に多くの実際の犠牲を必要とせず、農業分野と、実際戦争で勝利するのに大いに効果があった経済部門に恩恵をもたらした。

 にもかかわらず、それは善意や、思いやりや、人類に対する気遣いに基づいていた、1947年6月、ハーバード大学で行なった演説でマーシャル自身が宣言したように「アメリカが、世界中の正常な経済状態への復帰を支援するために、出来る限り、あらゆることをするのは論理的であり、それなしには、政治的安定や確実な平和はあり得ない。我々の政策は、どのような国や、教義に対してではなく、飢え、貧困、絶望や混乱に向けられる。その目的は、自由な組織が存在できる、政治的、社会的状態の出現を可能にする、世界中での、機能する経済の復活であるべきだ。」

 もし後年、もっと多くのマーシャルがいたら、世界はもっと良い場所だったはずだ。確実に、アメリカ合州国は、国際経済で支配的立場にあったはずだ。だが、アメリカはアフガニスタンとイラクを侵略し、ほとんど破壊し、リビアを電撃攻撃し、更に東でアメリカが作り出したより更に酷い修羅場にしていなかったはずなのだ。

 アメリカ-NATO軍事同盟が、敗北しながら、卑屈にも反抗的に、アフガニスタンから、よろめき出る中、連中は、この文化の遅れた国で起きたことに考えを巡らせ、学んだことを基に、将来のための計画を立てるべきだ。問題は、NATOが、そのばかばかしい試みから何も学んだように思われず、その存在を正当化するため、規模拡大に懸命なことだ。NATOのアフガニスタンの大失敗(そして、リビアの経済インフラを破壊し、以前足を踏み入れようとしなかったテロ集団に居つくよう促した8カ月爆撃の愚行)最良の教訓は、NATOが解散すれば、世界規模で有益だということだが、我々は現実的になって、その点、常識が追いついていないことを認めなければならない。

 同じような話で、ワシントンが客観的に世界中の膨大な数の米軍事基地を評価し、公然と、アメリカに、無条件に、補足説明無しに、これら基地の存在が、アメリカと世界の他の国々に正確に一体どんな利益があるかについて知らせることは賢明なだろう。だが再び兆しは明るくなく、8月16日、匿名ホワイトハウス当局者が、カマラ・ハリス副大統領によるシンガポールとベトナム訪問について語り、同時並行するアフガニスタンでのタリバンによる権力奪取にもかかわらず、彼女が歴訪を続ける理由は「我々の世界的指導者の役割という条件のもとで、ある地域で、他の問題に関し、我々の戦略上の権益を推進しながら、同時に、別の地域における進展を管理することができるし、管理しなくてはならない。アメリカは世界中に多くの権益を持っており、我々は、それら全てを同時追求する準備ができている。」とワシントン・ポストに語っているのだ。

 彼らは一体いつになったら学ぶのだろうか?

 バイデン大統領は、彼の政権がアフガニスタンでの「進展を管理して」いると本気で信じているのだろうか? 地球中に益々多くの兵士や艦船や飛行機やミサイルを配備し、中国とロシアと対決し、彼らを挑発して「世界的指導者」に反発させるため、アメリカの戦略的権益とされるものを追求する彼の決意は、なぜ固いのだろう?

 ワシントンの支配体制は、最近の、アフガニスタンの大失敗のより広範な影響に関する欧州連合の宣言を聞いたり読んだりしたかもしれないが、不幸にして、それが客観的分析を促すことはありそうにない。8月19日、欧州連合外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長ジョセップ・ボレルは、欧州会議と世界全体に「これは大惨事だ。はっきり単刀直入に言わせていただきたい。これはアフガニスタン国民にとって、欧米の価値観と信頼性にとって、国際関係の発展にとって大惨事だ。」と認めた

 世界の他の国々が待っているのは、ワシントン政権による単語「リセット」の違う使い方だ。バイデン大統領は軍事支配と中国とロシアとの対立を激化する「リセット」の代わりに、マーシャル風にリセットし、人類の本当の敵と戦いながら、親睦と協力を作り出すことに集中するべきだ。2021年早々のEconomist/YouGov世論調査が「大半のアメリカ人が、中国とロシアを我国の最大の敵とみなすことを示した。二国のうち、中国は最も頻繁に言及される脅威で、ロシアが、それに続く」が、アメリカ大統領が、国際緊張を減らす努力を全くしていないように思われるのは穏かではない。

 バイデン大統領は「我々の政策は、どのような国や教義に対してではなく、飢え、貧困、絶望や混乱に向けられる」というジョージ・マーシャル大将の文明的な宣言を熟考し、世界中の人々を悩ましている実に多くの深刻な問題によって引き起こされている難題に対し、彼がアメリカ合州国の力を集中すれば、どれほど、より良い世界を作り出すのを手伝えるかを考えるべきなのだ。

 マーシャル・プランが今日何を実現できるか想像願いたい。

 だがアメリカ政権が、そのようなことを考慮するのはありそうもなく思われ、示唆に富む言葉「When will they ever learn? 一体いつになったら学ぶのだろう?」がある1960年代のフォークソング「花はどこに行った」を悲しいほど思い起こさせる。本当に、いつになったら?

 Brian Cloughleyは、イギリス軍とオーストラリア軍の退役軍人、元カシミール国連軍事使節副団長、元在パキスタンのオーストラリア国防担当大使館員

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/08/24/the-afghanistan-debacle-when-will-they-ever-learn/

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 念のため、「Where have all the flowers gone 花はどこに行った」の日本語歌詞を確認すると、肝心な「When will they ever learn? いつになったら彼らは学ぶのだろう?」は訳されていない。無関係な創作だ。
 1967年1月、ジョーン・バエズ来日公演時、通訳の高崎一郎が当局のお達し?で不都合部分をとばした事件が有名だが「花はどこに行った」創作訳も同じ?。この部分、日本語版は創作。内容よりゴロ合わせ優先か? この歌の英語版を作ったピート・シーガーについては、wswsの評論家David Walsh氏による追悼記事を2014年2月に翻訳している。(長い記事だが、彼の音楽に関する評論家二人の意見は、音楽理論が翻訳できず訳していない。)この歌の大本がショーロホフ『静かなドン』だという逸話も驚き。

アメリカのフォーク歌手、ピート・シーガー、94歳で逝く

 昔録画したNHK BS「時代に翻弄された歌 イムジン河」を見直した。

 朝鮮学校に、親善のためサッカー試合申し込みに行った松山猛が、偶然生徒が歌っているのを聞いて惹きつけられた歌に作詩し、フォーク・クルセーダーズで発売しようとした。当時、無名の民謡ではなく、作詞者も作曲者もいる歌であるのを無視しているとして朝鮮総連から差し止められた。今は、それも氷解し、韓国でさえ、キム・ヨンジャだけでなく若手韓国歌手まで歌っている。差し止めをした本人が松山に和解を申し出るビデオを松山が見る場面で番組は終わる。

 大本営広報部、どうでもよい人事を延々報じる。電気の無駄。本質は金子勝氏が語っておられる。

 日刊ゲンダイDIGITAL 金子勝の「天下の逆襲」

東日本大震災に迫る死者数…コロナ禍は紛れもない人災だ

【金子勝】天下の逆襲 番外編〈5〉コロナ対策はどうした!自民党総裁選

 日刊IWJガイド

【IWJ_YouTube Live】13:00~「野党合同国会『アフガン退避状況ヒアリング』―内容:アフガニスタンからの退避状況について、外務省、防衛省より」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「野党合同国会『アフガン退避状況ヒアリング』」を中継します。これまでIWJが報じてきた野党合同ヒアリング関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%87%8e%e5%85%9a%e5%90%88%e5%90%8c%e3%83%92%e3%82%a2%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%b0
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【タイムリー再配信 986・IWJ_Youtube Live】20:00~「『もう一人のマララ』米軍ドローンの誤爆被害にあったナビラさん父子が語る、戦争被害の実態『米国は戦争ではなく教育にお金を』」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2015年11月に収録した、「現代イスラム研究センター(Center for Contemporary Islamic Studies in Japan: CCISJ)」主催のシンポジウム「米国のドローン攻撃とパキスタンの部族地域の教育改善を考える」を再配信します。これまでIWJが報じてきたイスラム教関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/islam

 ナビラさんの記事を翻訳してあるが、検索エンジンは隠蔽している。

マララとナビラ: 天地の差

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