アフガニスタンに対するアメリカの次の手? 中国をだめにする
Finian Cunningham
2021年9月10日
Strategic Culture Foundation
アメリカの帝国主義戦略家連中にとっては、アフガニスタンという悪名高い帝国の墓場は徹底的敗北ではない。今週、バイデン大統領は、愉快そうに、謎めかして言った。“中国は難題を抱えている。今後どうなるか見るのは興味深い。”
アメリカ合州国はアフガニスタンで屈辱的、歴史的敗北をなめさせられたかもしれないがワシントンの帝国主義計画者連中には、この悪い状況の中に明るい兆しが見えるのだ。
破壊、政治的混乱や、20年戦争の遂行に費やされた何兆ドルもの金で、アメリカ合州国は残念賞をもらえるかもしれないのだ。つまり、アフガニスタンを中国やロシアやイランや中央アジア地域にとって、不安定化が煮えたぎる大釜にして。
今週、ジョー・バイデン大統領が記者団に、アフガニスタンのタリバン支配者と中国の将来の関係について問われた際、彼は実に楽しそうに答えた。
“中国はタリバンで大いに苦労する”とバイデンが言ったのだ。中国だけでなく、ロシアやイランやパキスタンもだと彼は言い足した。“連中全員、今していることが一体何か理解しようとしている。だから、今後どうなるか見るのは興味深いぞ。”
このアメリカの満足そうな様子は吐き気を覚えるほどだ。ワシントンは二十年間にわたる軍事占領で何百万人もの犠牲者や避難民をもたらしアフガニスタンを破壊した。 (タリバンの先駆者ムジャーヒディーンやアルカイダ)とのCIA秘密陰謀も数えれば四十年だ。
だから、より適切なのは、アメリカの政治、軍事指導者連中を捜査し起訴するための国際戦争犯罪法廷開設だ。最低でも、このアメリカ指導部が、“国作り”のためだと約束しながら、実際は荒らし回った中央アジアの国の戦後再建のために, ワシントンに何兆ドルもつけを回すべきだ。
このおぞましい明白な悪行にもかかわらず、バイデンは、アメリカ人が残したアフガニスタンのくすぶり続ける残骸が、地政学上のライバルと見なす国々、特に中国に、将来惨禍をもたらす可能性を喜んでいるのだ。
8月15日、アメリカが支援するカーブル政権が崩壊した後、アフガニスタンの支配権を取り戻して以来、タリバンに対し、北京やモスクワやテヘランは慎重に手を差し伸べている。実際、たとえばモスクワは、依然公式には、タリバンをテロ組織に指定しているとは言え、数年前に、様々な当事者たちが連絡網を確立している。
今週タリバンが公表した暫定政権は、カーブル新政権は、2001年のアメリカ侵略以前に支配していた戦士集団の守旧派に支配されており、懸念を引き起こした。これは更に、当然、アフガニスタンが、地域の近隣諸国にとって深刻な問題となるテロと麻薬の拠点になるのを阻止すると誓約したタリバン指導部に対する疑問も生じさせる。
アルカイダや東トルキスタンイスラム運動に所属するテロ・ネットワークと手を切るよう中国はタリバンに促している。後者は、アフガニスタンと国境を接する中国西部の新疆自治区で長年テロ行動をしているウイグル族聖戦士の保護組織だ。ウイグル族分離主義者は、タリバンの同意を得て、アフガニスタンに隠れ場所を得ている。だから可能性として、アフガニスタンは、北京にとって更なる治安上の頭痛の種になりかねない。
この目的で、中国はタリバンと外交的に関与しており、戦後再建のために、アフガニスタンへの膨大な資本投資を約束している。北京の観点からは、これは単なる安全保障策ではない。アフガニスタンは、ユーラシア経済開発を結びつける中国の一帯一路構想の重要な要の位置にある。
タリバンにとっても、中国や他の地域の国々と提携するのは道理にかなっている。彼らは統治を強化するのに必要な国際的承認を得ることができる。再建のため酷く必要な資金が得られるのだ。ワシントンや西欧同盟諸国はアフガニスタン新支配者に関与するのを嫌がるため、これは益々喫緊の課題となる。タリバンが権力の座について以来、アメリカは、この国の海外資産を凍結している。
だから、国を安定させ、テロの温床に陥るのを防ぐという中国や地域の他の国々の願望に応えることは、タリバンにとっても、大いにためになるように思われる。
しかも、北京は、アフガニスタン内で、中国の意欲的経済計画を脅かす他のテロリストの脅威にも直面している。
パキスタン南西部のバルチスタン州での中国外交官や労働者に対する破壊的攻撃が増加している。攻撃は、バルチスタン解放軍やパキスタン・タリバン運動と呼ばれる他の組織によって実行されていると報じられている。これら集団は、石油豊富なペルシャ湾やアラビア海やインド洋と結ぶ南部パキスタンのグワダル港まで広がる中国-パキスタン経済回廊を破壊するのが動機だ。この回廊は、中国の大陸横断経済拡大のためのもう一つの重要なリンクだ。
バルチ族戦士は、タリバンの拠点であるカンダハール市を本拠としており、少なくとも過去にはタリバンに支持されていた。中国要員や企業権益に対する最近の攻撃にはタリバンが行った形跡はない。だが、タリバンは彼らの領土から活動する戦士を抑えられるはずだと、北京にとって、大きな懸念なのは確実だ。
だから、中国とタリバン支配者にとって、今後は不安定な綱渡りが待ち受けている。中国やロシアやイランや他の地域の利害関係者には経済的大望を実現するため安定した政治環境が必要だ。彼らの国を、アメリカ“最長戦争”の灰燼から立ち上がらせるためにはタリバンにも、そうした安定が必要だ。しかも彼らは、戦士集団と戦う内部抗争で、反感を買うつもりもない。
だが、もしワシントンとヨーロッパの従順な同盟諸国が敵対的国際関係や障害を生じさせて、タリバン統治を困難なものにすると決めれば、結果的に、アフガニスタンは、中国やロシアやイランや他の国々にとって深刻な安全保障上の崩壊をもたらしかねない。たとえ彼らがそう望んでも、タリバンは安全を保障できないかもしれない。
二十年前ワシントンがアフガニスタンに侵攻した動機は、いかがわしい9/11テロ事件に対する報復というより、ほぼ確実に、中国とロシアの裏庭で地政学的支配を確立するのが狙いだったのだ。軍事的に、アメリカのアフガニスタン占領は悲惨な失敗となり、将来何世代ものアメリカ人に目玉が飛び出るほどの代償をもたらした。
アメリカの帝国主義戦略家連中にとっては、アフガニスタンという悪名高い帝国の墓場は徹底的敗北ではない。今週、バイデン大統領は、愉快そうに、謎めかして言った。“中国は難題を抱えている。今後どうなるか見るのは興味深い。”
従来案Plan Aは、ワシントンにとって、うまく機能しなかった。代案Plan Bの頃合いだ。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/09/10/us-plan-b-for-afghanistan-screw-up-china/
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官房長官も弁護士に同調して、野党攻撃。マスコミは、宗主国のお仲間を見習って、与党応援団。引退する首相、呼びつけられて中国包囲網の旗持ちを約束しにゆく。中国ミサイルを、それほど食らいたいのか。
日刊ゲンダイDIGITAL 上昌広氏の記事
三百代言が出演し続けている洗脳バラエティー、見ていないが、スポンサーのキュービーCMを控えたという。自宅にあるマヨネーズ、見たらキューピー。良い判断を期待しよう。Niftyニュース・コメントに、キューピーが共産党支持なら買わないという意見。キューピーが野党連合反対なら、小生は買わない。
警察トップが著名な女性虐待者ではタリバンを笑えない。犯罪人がトップ!看板に偽りなし。
豚の喧嘩以下のものを毎日見せられ頭がおかしくなる。喜んで与党に投票するだろう。
デモクラシータイムス
植草一秀の『知られざる真実』
飛んで火に入る夏の虫
尾身茂分科会会長がインスタデビューも「132億の説明を」などコメント欄は炎上中! ハッシュタグの「#ねえねえ尾身さん」は、インスタグラムばかりか、ツイッターやnoteにも拡大中! IWJのアーカイブには、尾身会長や分科会、政府のコロナ対策への疑問点が盛りだくさん! SNSでの尾身会長との対話にどうぞご活用を!
<本日の再配信告知>本日2021年8月20日に収録した「ここまでくると国民をわざとほったらかしにしているとしか思えない」菅政権のコロナ棄民政策を止めるには、秋の選挙で政権交代を! ~8.20 岩上安身によるインタビュー第1048回 ゲスト 日本女医会理事・青木正美医師 日本女医会前会長・前田佳子医師 前編・後編」を再配信します!
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