タリバン支配はどれだけ長く続くだろう?
2021年9月16日
ワレリー・クリコフ
New Eastern Outlook
(ロシア連邦で禁止されている運動)タリバンの政治的ステップの第一歩は、今後の接触の仕方と新アフガン当局との関係を決定するための国際社会による格別の注目だ。
これまでのタリバンに対する、いくつかの主張が、タリバンに対する将来の国際見解判断を支配している、この運動に対する、良くない評判を生み出した。2003年以来、国連やロシアを含め、いくつかの国々は、この運動が、少なくとも14件のテロ行為を実行したことから、タリバンをテロ組織として認めている。タリバンがアフガニスタン政府を率いていた1996年から2001年までの間に、国民に対する厳しい差別的政策が世界によく知られるようになった。政策的に、中世イスラムの源への復帰を宣言し、奴隷売買の奨励や、特に女性の人身売買を通して、彼らは全くの差別を実証した。特に「異」民族に対し。タジク人、ウズベク人とハザラ人。キリスト教徒、シーク教徒、シーア派イスラム教徒やヒンズー教信徒が、アフガニスタンで最も迫害される宗教団体となり、宗教的少数派へのあからさまな弾圧があった。タリバンは、非イスラム教徒が新しい宗教施設を作ったり、イスラム教徒を批判したりするのを禁止し、黄色の布で彼らの家に印を付けるよう強い、彼らがイスラム教徒と共に暮らすのを禁止し、つまり公然と人種差別、ファシスト政策を実施したのだ。
あからさまな文化的破壊行為を行い、「コーランにないものは禁止されるべきだ」という主な信条の一つに従って、1998年、タリバンは、55,000冊の本や古代の写本を収納するプル・イ・フムリ公共図書館を破壊した。2001年、彼らはアフガニスタン国立博物館で、約3,000の美術品と古代の遺物と、バーミヤン渓谷の巨大な古代遺跡仏像を破壊した。タリバン支配の間、スポーツゲーム、音楽、映画館、テレビ・ショーなど、あらゆる種類の娯楽や文化的活動が禁止された。
不幸にも、上記の様々な事実が、現在、既に出現し始めた。例えば、全国レジスタンス戦線報道官アリ・ナザリは、タリバンが何千という人々をパンジシール州から追い出し、民族浄化を行っているとツイッターで書いた。
9月8日、新アフガニスタン政府の全員男子の構成に抗議するため、多数の女性がカーブルと北東のファイザーバード市で街頭に出たが、その後、過激派戦士が彼女らを鞭で打ちすえた。数日前、ゴール州で殺された妊娠している警官の画像を活動家が発表した。更に、抗議行動を報道したエティラアトロズ(Etilaatroz)新聞のジャーナリスト五人の逮捕も知られている。彼らは、新政府発表の何時間も前に拘留され、Zaki Daryabiは彼のスタッフが、ひどく打ちすえられたと述べている。
この不確実な状況下、共感的な国々さえ、タリバン支配承認を、まだ急いでない。何らかの決定するため、外部の当事者は、新政権がどんなものなのか、新政府の誰と交渉しなければならないか想像する必要がある。現在の政治不安は、アフガニスタンに、社会・経済状態のひどい悪化をもたらした。アメリカの銀行預金口座にあるアフガニスタンの準備金、約95億ドルが凍結されており、IMFはタリバンへの支援を停止し、世界銀行は資金供与を見合わせ、欧州連合とドイツは、アフガニスタンへの経済援助を止める意図を発表した。この点、生活必需品、食品や燃料価格上昇のさなか、カーブルや他の大都市では、タリバン政策を巡る不満がある。
このような状況下、外部投資家を引き付けるため、タリバンはシャリア法の下で、賄賂と戦い、税金を減らすと宣言し、カーブル新市長は、地元商人に、その商売を認めることに対し、誰にも、みかじめ料を払わないよう命じた。これと並行して、タリバンは個別の国々と、共同金融プロジェクトに関する交渉を強化している。例えば、カタールのタリバン政治事務所長代理アブドゥル・サラム・ハナフィーは、ドーハで中国外務次官補と協議した。タリバンは北京に「アフガニスタンと中国間の友好関係を発展させることに尽力し続ける用意があり、どの勢力にも、アフガン領域を、中国の権益を脅かすために使うことは決して許さない」という保証を表明した。タリバンは中国の一帯一路プロジェクトにも協力する準備ができていると宣言した。
更に、インドは開発プロジェクトに約30億ドル投資し、両国間貿易は14億ドルと推計され、アフガニスタンにとって最も主要な寄贈者で貿易相手だったことから、タリバンは支援を求め、ニューデリーに目を向けた。この目的で、インドとタリバン間の最初の公式会談は、9月初旬、タリバンの発案で、カタールで開催された。だが危険が余りにも大きいので、タリバンがインドの経済援助を当てにするのは尚早だと専門家は考えている。
アフガニスタンと国境を接している国々、パキスタン、イラン、中国、トルクメニスタン、ウズベキスタンとタジキスタンでは、タリバンに対する将来政策の活発な議論があった。だがタジキスタンは、まだタリバンと連絡をとることに同意していない。パンジシール州でのタジク人レジスタンスを支持するエモマリ・ラフモン大統領は、他の人々より強引だ。彼は、タリバンは協定を尊重せず、タジク人には政府で適切な代表権があると公然と主張している。
タリバンが権力の座について以来の、高位外国当局者、パキスタン軍統合情報局(ISI)長官ファイズ・ハミード中将による最初のアフガニスタン訪問は注意を引きつけた。ISIはしばしばタリバンのハンドラーと言われているが、タリバンのほぼ実際の代表ファイズ・ハミードと、カーブルで、タリバンによる新政府構成発表と、パンジシール・レジスタンスの崩壊の直前、タリバンと新政府構成について集中協議を行った。
タリバンは外国軍隊を追い出すのに多忙で、他の国々への内政不干渉を宣言し、自身を、アフガニスタンに専心する、この地域の、宗教的、全国解放運動と位置づけ、世界カリフ制のような世界構想は提案していなかった。だが、9月初旬、タリバンのザビフラー・ムジャヒド広報担当は、イラン・テレビ局インタビューで、イスラエルを占領者と呼び、「破壊しなくてはならない腫瘍」にたとえた。一方、タリバンのスハイル・シャヒーン報道官は、BBCインタビューで、タリバンは、彼らが思い描く方法で、世界中で、特にインドのカシミールや、他のいかなる国でもイスラム教の権利を擁護すると述べた。
だが、タリバンが設立された4分の1世紀前と同様に、この運動の現在の政治指導部が文盲の狂信者と過激論者で構成されていると考えてはならない。現在、タリバンはイスラムの大学を卒業した、彼らの目標を明瞭に表現し、目標を達成する効果的方法を示唆できる非常に教養を身につけた人々に率いられている。その文脈で、(ロシア連邦で活動を禁止されているテロ組織)アルカイダからの、タリバンの勝利に対する祝電は注意を引きつけた。それは、アラブ北アフリカから中東まで、イスラム支配を確立するため、聖戦の「次段階のため準備する」ようイスラム教徒に呼びかけている。以前、ビン・ラディンの治安部隊を率いて、アルカイダへの主な武器供給者だった、元アルカイダ司令官オサマ・ビン・ラディン側近のアミン-ウルハクが、アフガニスタンに帰国したことも注目に値する。
これらの事実や、新しいものの出現は、アフガニスタン内や周辺の、既に大いに複雑な状況を悪化させているのは確実で、反タリバン・レジスタンスの増大を招き、タリバン派閥間の内部抗争を激化させる。この背景で、全ての外国勢力は、これまでのところ全てのタリバン活動を油断なく監視し続けている。
ワレリー・クリコフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/09/16/how-long-will-the-taliban-rule-last/
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毎日、興味深い展開に眼が離せない。もちろん相撲の話。大本営広報部の茶番ゴミ箱論議、全くみていない。誰であれ悪くなっても良くなるわけがないのだから。
植草一秀の『知られざる真実』
中野教授、仕事柄、いやでも見なくてはならないとおっしゃる。お気の毒。
デモクラシータイムス
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