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2021年9月22日 (水)

アフガン戦士は「包摂的政権」を構築しない

2021年9月11日
ウラジミール・ダニーロフ
New Eastern Outlook

 アフガニスタンで、アメリカ軍が(ロシア連邦で禁止された運動)タリバンを権力から追放した20年後、この過激派戦士集団が臨時政府編成を発表した。タリバン広報担当ザビフラー・ムジャヒドは彼が発表した、全ての臨時閣僚と政府の立場は、事実上、暫定的なものだと強調した。他の役職は後日発表されると予想される。

 専門家の期待や、反対勢力や国際社会双方からの圧力に反して、タリバンの古株連中が、この国の新指導部における重要役職を勝ち取った。非宗教的な有力者や民兵や女性を含め他の政治勢力は入っていない。そうすることで、実際、タリバーンは、それに基づいて、アメリカがアフガニスタンから撤退した、連立政権を設立するという彼らの以前のアメリカとの協定に違反したのだ。

 9月4日、特に、パキスタン諜報機関、統合情報局のファイズ・ハミード長官がカブールを訪問し、タリバーン指導者の一人、アブドゥル・ガニ・バラダルと会った際、アフガン新政府の構成が、パキスタンから多少の影響を受けた可能性は排除できない。 イスラマバードとタリバーン間には、パシュトゥ二スタン問題の解決に対するタリバンの関心を含め、多くの他の重要な議論の話題があるが、彼らの民族的、宗教的背景にかかわらず、アフガニスタンにとっては重要な問題であるデュランライン承認に対する拒絶の可能がある。この背景で、タリバーン指導者や彼らの家族が依然暮らしているパキスタンは、近い将来の次期アフガン政府の構成と政策に、実に多くが依存することを知っている。イスラマバードが、最近、カーブルの独占的パートナーから「パートナーの一人」という立場に変わったことを考えれば、これは特にパキスタン自身の権益にもあてはまる。アメリカに勝利した後、タリバーンに対する影響力が明らかに衰えつつあるパキスタンが決して承認しないような姿勢をとれることを、カーブルは既に示そうとしているのだ。

 アフガン新政府発表式典はAjArabicが、ツイッターで報じられた。タリバーン共同創設者モハンマド・ハサン・アフンド師がアフガニスタン新政府首相代行に任命された。1996年から2001年まで、タリバーンの前回支配中、彼は外務大臣と副首相を勤め、世界に衝撃を与えた2001年のバーミヤン石仏破壊を直接監督した。国連は彼をテロリストとしている。彼はタリバーン最高指導者ハイバトゥラー・アクンザダ師に臨時政府を率いるよう推薦された。

 副首相は、10年以上前、アメリカ-パキスタン共同作戦で逮捕されたことで有名で、後に2018年に解放されたタリバーン創設者の一人、アブドゥル・ガニ・バラダルだ。その後、彼はアメリカとの平和交渉で責任者の役職を果たし、つい最近ウィリアム・バーンズCIA長官と秘密会談をした。

 内務省は、タリバーン中でも最も残虐な自爆攻撃を実行した集団の代表シラジュディン・ハッカニに率いられている。この党派は(ロシア連邦で活動禁止されたテロ集団)ハッカニ・ネットワークとして知られている。シラジュディン・ハッカニは指名手配されており、FBIは彼の逮捕に導く、どんな情報にも最高500万ドルの報酬を提供している。アメリカで、彼の派閥は、いくつかの他のタリバーン組織と比較して、最もテロ的集団と見なされている。この新内務大臣は、国連でも、テロリストとされている。

 シラジュディン・ハッカニのほかに、新アフガン政権には、ハッカニ・ネットワークに関係する三人の他の大臣がいる。 ハリール・アルラフマン・ハッカニは移民大臣を引き継いだ。アブドゥル・バーキー・ハッカニは高等教育代理大臣になった。マウラウイ・ナジブラ・ハッカニは通信大臣に任命された。

 これまで二年間タリバン過激派戦士活動の責任を負っていた別の名家の一員、タリバーン創設者ムハンマド・オマルの息子モハメド・ヤクーブが防衛大臣に任命された。

 外務省は、国連制裁リストにあり、2001年まで、前文部大臣、前情報・文化大臣だったアミール・カーン・ムタキに率いられている。1990年代後期、タリバン政権中、ムタキはタリバーンの交渉代表者だった。

 タリバーンが発表したリストには、更に20人の名前があり、全員何らかの形でタリバーンやタリバーンに友好的な集団に所属している。

 多くの新アフガン大臣が、国連や、いくつかの国々でテロリストとして要注意人物リストに載っている。だから、国際社会が、この政府に次に何をするか予測するのはまだ困難だ。注意を引くのは、新大臣たちの平和時における統治経験の欠如で、この国と人々が直面する問題に対処し、対策を実施するを困難にするのは確実だ。

 新政府の構成に長時間の交渉が必要だったことを考えると、各自意見を持ち、新たな不満もあるかもしれない軍閥指揮官連中の様々な大きな集団を満足させる可能性はありそうもない。そしてこれは、更に、非常に近い将来、内部矛盾を強化するかもしれない。多くのレジスタンス戦士が山に入った事実はその証拠だ。先日民族レジスタンス戦線報道官アリ・ナザリは、戦線は、タリバーンに対するゲリラ戦に向かうと述べた。パンジシール州のレジスタンス代表アフマド・マスードは、9月6日、アフガン国民に演説し、同国人にタリバーンに反抗するよう求めた。だが、タリバーンは、アフガン・メディアにパンジシール州のレジスタンス代表による、この文書配布を禁止した。

 発表された新アフガン政府構成に対する国際社会の対応は、タリバーンと対決したり、メンバーをテロリストのリストから削除したりせず、様子見だ。例えば、アメリカは新政府と公式接触をするのを急いでいない。アメリカは、がタリバーンを認めるのかどうか質問されて、ジョー・バイデン大統領は「それはまだずっと先のことだ」と答えた。

 この控えめな姿勢は極めて妥当だ。これまでのところ、タリバーンが前の約束をひどく破っているのは外見上明白になっている。そのため、国際社会は新アフガン当局の全ての行動をしっかり監視し、間接的に運動に影響を与え続ける必要がある。

 ウラジーミル・ダニーロフは政治評論家、オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/09/11/afghan-fighters-are-not-going-to-build-an-inclusive-regime/

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 東西三百代言土俵入り。彼らの言説を平気で聞いていられる方々の感覚、理解できない。

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