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2021年9月21日 (火)

中国とロシアは一体なぜタリバン政権を支援しようとしているのか?

2021年9月9日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 一体なぜ、ロシアと中国がアフガニスタンでタリバン政権との関係を発展させると決めたのか中心的理由があるとすれば、それは現在アフガニスタンに存在するテロ・ネットワークを打ち破り、解体するアメリカの能力だ。20年もの戦闘後、(ロシアでは禁じられている過激組織)タリバンも、アルカイダも、イスラム国ホラサン州も打倒することなく、アメリカは、アフガニスタンから撤退した。実際、アメリカがアフガニスタンに恐るべき軍隊と諜報機関を駐留させている間に、イスラム国ホラサン州 (IS-K) は発展したのだ。アメリカ/NATO軍や、アメリカが訓練したアフガニスタン治安部隊や、CIAが資金供給する民兵などの総合的な軍事力にもかかわらず、この集団はアフガニスタンで栄え、非常に巧妙な攻撃をしかけたのだ。窮地に追い込まれたアメリカがアフガニスタンを撤退した事実で、とりわけアフガニスタンの隣国ロシアと中国は、タリバンと付き合わなければ、過激派連中の聖戦がアフガニスタンから近隣の中央、東、東南アジアに広げかねないので、タリバンと直接、正常な関係を発展させることが必要だと状況を評価したのだ。それで、中国は迫りくる災難、中国の一帯一路構想 (BRI)を不安定化させかねないシナリオを避けるためタリバン政権を“積極的に指導しよう”と世界に呼び掛けているのだ。

 IS-Kは、百人余りのアフガニスタン人や十数人のアメリカ兵士を殺害したカーブル空港攻撃を画策し、それに続くアメリカ空爆は、アフガニスタンは、お互い競合するジハード集団の温床だというロシアと中国の恐れを裏付けただけだった。そこで対応が必要な脅威を残したアフガニスタン大失敗に対処すべく、ロシア-中国が率いるブロックが登場したのだ。そういうわけで、中国の習主席は、北京は「アフガニスタン問題に関し、ロシアを含む広範な国際社会と、連絡を強化し、協力したい」と述べたが、地域の安定性を守るため“テロを取り締まり、麻薬密輸を断ち切り、安全保障上のリスクがアフガニスタンから溢れ出るのを阻止すべく”、ロシアは中国と“緊密に会話したい”とプーチンが語り、ロシアから前向きの対応を得た。

 中国大使が、こう述べた際、中国が国際社会/国連安全保障理事会が言いたかったのは同じことだ

“あらゆる当事者にとって、タリバンと連絡し、彼らを積極的に導く必要があり”、“新たな政府当局が、政府機関の正常な活動を維持し、社会秩序と安定性を維持し、通貨下落と物価上昇を抑え、できるだけ早急に平和な再建への道に乗り出すのを支援するため、国際社会は、アフガニスタンに、経済、暮らしや、人道上の必要性に対して、緊急に必要な支援をするべきだ”と補足した。

 それゆえ、アメリカやEUとは違って、ロシアと中国は、アフガニスタンに関与す続けるつもりなのだ。その理由を理解するのは、さほど困難ではなく、アフガニタン内の国際ジハード・ネットワークの存在は、アメリカやEUとは違い、ロシアや中国にとっては直接の物理的脅威なのだ。五月に発表された国連安全保障理事会報告書は、アルカイダ、東トルキスタンイスラム運動 (ETIM) やIS-Kなどのジハード・ネットワークは強力な存在を維持し続けているが、アメリカやEUで直接攻撃を実行する連中の能力はほとんど考えられないことを示している。一方, アフガニスタンにおける彼らの存在は、ロシア/中央アジアや中国にとって、直接の不安定化となるだけでなく、不安定化画策で連中が成功すれば、連中が近隣諸国で作戦を実行する能力を獲得するシナリオになりかねないのだ。

 現在アメリカが持っているアフガニスタン中央銀行準備金を凍結するというアメリカの決定にロシアと中国が反対しているのは、これが理由だ。この決定は、現状で、あらゆる、あり得る経済危機に対処するため、タリバンが産を保持し、活用できないようにすることを狙っているのだ。タリバンに対するアメリカや、ロシアや中国の立場を考えれば、アフガニスタン資産を凍結するアメリカの決定は、アフガニスタン経済を意図的に崩壊させて、タリバン政権が、たとえば、給与を支払い、国際貿易を行ったり、インフレの激化を制御したりできなくするのに等しい。衰える経済は、崩壊した政府機構と相まって、戦士に、通常かなりの給与を払う国際ジハード・ネットワークに必要な、失業者や不満を抱いている若者から新兵を採用する、うってつけの条件を生み出しかねないのだ。

 アフガニスタン資産凍結に対する中国とロシアの反対は、少なくとも、タリバンが、彼ら自身が定めたルールに従って活動する限り、つまり、アフガニスタン領が、近隣諸国でテロを実行するための国際テロ・ネットワーク基地として利用されないようにする限り、アフガニスタンに対し、両国が威圧的手法をとる可能背が極めて低いこと示している。

 それゆえ、アフガニスタンにおける中国とロシアのいわゆる‘共同戦線’には明らかな目的がある。欧米主要メデイア報道は、中国-ロシア戦線を、本質的にアメリカ撤退に“つけ込む”反米として描きがちだが、この関与の、より大きな構図は、中央アジア諸国を含め、中国とロシアに対する現在のアフガニスタンにおけるテロリストの脅威https://www.youtube.com/watch?v=csvLvJ6HSTM だ。

 従って、いわゆる中国-ロシア計画は欧米メディアのいくつかの報道が示しているように、アメリカが残した何らかの「穴」を埋めることを狙ったものではない。そうではなく「穴」が、アメリカ軍が20年の関与でも打倒し損ねたテロ集団によって埋められるのを阻止するためなのだ。

 それに加え、ロシアと中国の関与の性質は無批判からほど遠い。両国当局は、実際にタリバンと関与する度合いは、政権樹立後、タリバン自身がどのように動くかに決定的に依存していると強調している。ロシアは依然タリバンを認めておらず、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、こう補足した。“これは現在の優先事項だ。まずタリバンの事実上の優位が、実際、どうなるかを我々は見極めなければならない。

 同時に, ロシアも中国も、欧米風の完全撤退に習えば、暴力とテロの悪循環をもたらすことを承知している。そこで、地域全体で、次のテロの波を阻止するためにタリバンを支援する必要性があるのだ。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/09/09/why-china-and-russia-may-choose-to-help-the-taliban-government/

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 最後の迷惑な置き土産に、クアッド用原子力潜水艦を買わされに行くのだろうか。

 十日以上前の記事翻訳。

 コロナの話題に続けて敵基地攻撃論をあおる呆導番組。大本営広報部洗脳機関御用タレントのではなく、まともなご意見を聞くべき。

 UIチャンネル

時事放談(2021年9月) 孫崎享 × 鳩山友紀夫

 日刊IWJガイド

~自民党総裁選4候補の安全保障論議、「敵基地無力化」を主張し「米中距離ミサイル配備」を「積極的にお願いしたい」という高市氏に河野氏が「アメリカだけが引き金に指をかけているミサイルを日本に置いたからといって、日本の抑止力が高まるわけでない」と痛烈批判!「『敵基地ナントカ能力』みたいなものはかえって(日中関係を)不安定化させる」「勇ましい『やれやれ』というような人が喜ぶだけ」とも!

 タイムリー再配信

【タイムリー再配信 995・IWJ_YouTube Live】19:00~「NAJAT代表・杉原浩司氏『米国の敵地攻撃能力が数々の戦争犯罪を犯してきた。今、日本がアメリカと共同して東アジアや中東でそれをやろうとしている!』――1.16止めよう!敵地先制攻撃大軍拡~2021年度防衛予算分析会」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

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