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2021年8月 9日 (月)

ベトナムとフィリピンを訪問するアメリカ国防長官

2021年8月7日
ウラジーミル・テレホフ
New Eastern Outlook

 20年前には、彼が7月下旬ベトナムを訪問した時のように、ハノイでアメリカ国防長官歓迎式典が行われることなど、全く不可能に思われた。

 冷戦終結以来、世界情勢で起きた根本的な変化を、またしても例証するものだ。特に、ベトナムにとって、これら変化の主要要素の一つは、インドシナ半島での長い戦争で、主要同盟国の一つだった中国との(1970年代後期に出現した)政治的関係の複雑化だった。もう一つの要素は、近年の不倶戴天の敵アメリカとの関係が緩やかに確立したことだ。

 現在の中国・ベトナム関係問題の決定的動機は南シナ海の領土問題で、中国-アメリカ関係では、中国がワシントンの世界覇権の主な敵対者になった事実だ。中国を問題の潜在的な原因として認識することは、ワシントンとハノイをより密接にするのに役立つ。

 世界のこの主要大国のいずれも、ベトナムの最大貿易相手国でもある。2019年、中華人民共和国とアメリカ合衆国との貿易は、それぞれ1310億ドルと780億ドルだった。2020年「COVID」年の終わりに、ベトナム-中国貿易量は「驚くべき」19%(2019年と比べて)増加した

 だが、いつもの通り、あらゆる種類の政治問題を、相互に有益な協力を形成するのは難題だ。ロイド・オースティン現国防長官は、アメリカの地球規模政治で益々重要になっている東南アジア地域歴訪中に、このような問題を解決することを目指している。当然、彼は、自国の権益に、方向付けられている。

 ハノイで、ロイド・オースティンは、大統領と首相に迎えられた。彼は上に指摘した理由でこの形に非常に満足していた。ファン・ヴァン・ザン国防大臣との会談で、アメリカの賓客は(1995年に)両国外交関係の正常化以来、ワシントンはベトナムの政策について文句をつけておらず、ベトナムに世界の主要大国間の、どちらかを選択をするよう依頼していないという注目に値する発言をした。

 それは、アメリカの主要な地政学的な敵との関係で問題を持っている国を、自国側に引き込む戦略が狙いの場合には正しい。このような目標を達成するためには、同盟国になる可能性がある地域で、例えば「人権侵害」について非常に(あるいは全く)道義的信念を貫くわけにはゆかない。だがワシントンの主敵に対する前線に常に置かれるのは一体だれだろう?

 ハノイでは、アメリカ国防長官のような交渉は、外見上、公的な外観と隠された本当の狙いの両方を持つ傾向がある。第一は、Covid-19と、ベトナム戦争中に亡くなったアメリカ兵と、当時行方不明になったベトナム人の遺骸の捜索だった。ロイド・オースティンは、特に「誇らしげに」アメリカ政府が、ベトナムに、モデルナ・ワクチン500万回分を提供し、彼がコロナウイルス世界的流行に対する戦いに協力するさらなる処置を論じる準備ができていると述べた事実を想起した。

 会談後に発表された公式報告から、本記事筆者の意見では、わずかな破壊的可能性ではない、ベトナム領域における「ダイオキシン除去」の話題も簡単に触れられたことがわかる。両国とも、あらゆる手段で規模を混乱させて、大衆やメディアが、この話題に関連する問題を「ほじくり出す」のを避けようとしている。

 この話題については、あらゆる種類のもの書かれている。全くの憶測記事であることも多い。だが、アメリカ航空機によるエージェント・オレンジ散布によって、何百万人ものとベトナム人が何らかの形で苦しんだことには、ほとんど疑いがない。この化学物質の影響が、今生まれる子供たちにも影響を与えていると主張されている。かつて筆者は、エージェント・オレンジ容器を運ぶ飛行機ために整備していたアメリカ人機械工の、損なわれた健康の補償を得る無駄な試みに関する報告書を見つけたことがある。国防総省の貪欲のせいではなく、問題自身を隠蔽する必要だった可能性が最も高い。

 国防総省は、上に言及したように、長官の歴訪に関して「インド・太平洋地域の自由と開放性」という確立したミームを複製し、「アメリカとベトナムをもっと近くにもたらす」ものに固執している。両国の防衛大臣は、「自由」と「開放性」の両方に対するあり得る脅威の源の正体のを公的に明らかにはしなかった。

 だが国防総省報道官ジョン・F・カービーは、それほど政治的に正しくなく、ぶっきらぼうに長官が訪問した地域は「世界でも、中国が極めて攻勢的だ地域だ。皆知っている通り、極めて重要な地域」だと述べた。もちろん我々は知ってい。

 ベトナムから、ロイド・オースティンは、もう一つの同様に「極めて重要な地域」すなわち等しく重要な国フィリピンに行った。だが、それがなぜアメリカにとって重要かの質問に答えるには、多少の説明が必要だろう。これは主に2016年に起きた一連の注目すべき出来事のためだ。その年5月、総選挙の結果、ロドリゴ・ドゥテルテが大統領の座につき(フィリピンの戦後史でほとんど初めて)アメリカについて非常に厳しい発言をし、中国との関係を改善する彼の意図を宣言したのだ。

 だが、2カ月後、ハーグ常設仲裁裁判所によるドゥテルテ前任者の完全に親米で、反中国の政治家、ベニグノ・アキノ3世による、南シナ海の80-90%を主張する中華人民共和国に異議を申し立てた主張に好ましい判決が出たのだ。ロドリゴ・ドゥテルテは(明らかに、フィリピンにとって好ましい)この判決について発言するのを抑制し、判決認可手順は彼の外相の責任となった。

 新大統領が、フィリピンの大惨事である麻薬売買と(控え目な言い方をすれば)「司法管轄外で」戦う方法が、最近の海外「保護者」の目から見たフィリピン・イメージの急激な悪化に貢献した。極端なフィリピン大統領は、こうした批判に反論し、国連事務総長やアメリカ大統領(当時はバラク・オバマ)などの重要な人々を含め、様々な活動領域に関し彼が「瀬戸際外交」と呼ぶ反応をもたらした。

 だが、まもなく、ロドリゴ・ドゥテルテは当初の「反アメリカ主義」を大幅調整し、バラク・オバマに対して謝罪に似たような対応さえした。それは、どうやら、二つの奇妙な事件の結果だった。最初のものは、彼の当選直後に起きたミンダナオ州での小さな武力紛争が、現在に至るまで不明なテロ集団が関与する全面戦争に変わったものだ。「国際テロリスト」が、常に緊張が増大する場所に、びったりの頃合いに出現する様は、実に驚くべきもの。彼らを無力化する作戦は3カ月も長引き、彼らは、それを完了する上で、まさにアメリカを当てにしなければならなかったのだ。

 加えて、フィリピンと中華人民共和国間の領土紛争の主題である島の一つに到着する中国の砂運搬船の「宇宙写真」が報道機関で発表されたのだ。

 急激に中華人民共和国の方向に振れたフィリピン対外政策の振り子は、今日に至るまで続いている一種の均衡位置(弱々しく揺れる)に戻さなければならなかったのだ。それは、ちなみに多かれ少なかれ、東南アジア全ての国々に、あてはまる。主要な世界大国により、地域に「放射される」緊張の場で、バランスをとる行為は、彼らの「振り子」の方向を変える特定の機会を各国に与えるのだ。

 それはアメリカ国防長官がマニラで(と先にハノイで)していたことだ。アメリカ大使館(奇妙なイラスト入りの)報告から判断すれば、特定の成功がなかったわけではない。特に、両国は、1951年の相互防衛条約を強化する彼らの意図を表明した。つまり、近年両国関係のあらゆる紆余曲折にもかかわらず、それは消えなかったのだ。

 更に、ロドリゴ・ドゥテルテは、訪問米軍の地位に関する米比協定VFAの終了に関する彼の声明撤回を発表した。彼がその声明をした際、彼は過度に興奮していたように思われるが、それは時たま誰にでも起きるのだ

 最終的に、東南アジア三国への国防長官歴訪の終わりに、この地域の「極めて大きな重要性」に関する報道官の主張が繰り返された。アントニー・ジョン・ブリンケン国務長官は、8月2-6日の間にいくつかのASEAN国諸国の外務大臣とビデオ会議を行う予定だ。カマラ・ハリス副大統領は、8月下旬、シンガポールとベトナム訪問が予定されている。

 中国の環球時報が報じる通り、アメリカ当局幹部による、この地域への「異常に頻繁な」訪問の始まりだ。

 ウラジーミル・テレホフは、アジア太平洋地域問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/08/07/u-s-secretary-of-defense-visits-vietnam-and-the-philippines/

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 スガーリンの読みとばし事件、原爆を落した宗主国への忖度が本音だろう。「言葉にしなければ忘却される」と固く信じて。長崎は行くのだろうか。「言葉にしなければ忘却される」典型例が東京大空襲、あるいは熊谷空襲。

 長崎への原爆投下に関する記事も複数翻訳している。例えば、下記。

広島と長崎: 第二次世界大戦時の原爆攻撃の罪でのアメリカ裁判を示唆するロシア下院議長

原爆の隠蔽:米国によるヒロシマとナガサキへの原爆投下の隠されたストーリー

1945年8月9日長崎爆撃: 無検閲版

 その中で、

長崎原爆投下70周年 : 教会と国家にとって歓迎されざる真実

 では後記で『ナガサキ消えたもう一つの「原爆ドーム」』(文庫版はこちら)についても触れている。福岡に出張した機会に足を伸ばし、長崎を訪問した。原爆投下地点に、ほとんど何もないのに驚いた。広島には有名な原爆ドームがあるのに。実は、浦上天主堂の廃墟が、宗主国の画策で、全て撤去され、新築されていたのだ。

 厚労破壊省殺人官僚のウソをうのみにするスガーリンの無策により大爆発状態のたコロナ流行で、政府も都も棄民政策まっしぐら。「自宅療養」というのはとんでもない婉曲話法。「自宅棄民」。

 オリンピック前は、コロナ対策を言っていたテレビ番組、五輪が始まると、掌返し。五輪狂乱。政府も、手先の大本営広報部も信頼できない。

 信頼できるまともな方々の状況、決して大本営広報部は報じない。下記倉持医師、伊藤看護士の現状報告は必見。

8/7 コロナ禍の五輪開催を考えるVol.7 入院制限で何が起きるのか? #Tokyo2020

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