アメリカ敗北の影響で、アフガニスタン混乱の写真増加
2021年8月16日
Moon of Alabama
ウォール・ストリート・ジャーナルはカブール空港の現状を「「サイゴン陥落強化版」と報じている。
それは実際、衛星写真や多くのビデオがTwitterに投稿されている。何千人もの人々が空港に急行した。入り口の一つが、パニックになり、三人が殺到で亡くなったようだ。何百人もが滑走路に向かった。飛行機に乗ろうと、タラップをよじ登る人々もいた。
空港の軍側では、人々が押し寄せるのを阻止するため、米軍が発砲した。彼らは後に有刺鉄線を張った。
去り行く巨大軍用機C-17に並走して人々が走った。何人かが飛行機の着陸装置ドアに登った。
飛行機が滑走を開始し、着陸装置が格納され、ドアが閉じた。少なくとも三人が落下して死んだ。他に何人かが飛行機に轢かれて亡くなったとされている。
それら悲しい小さい物語は拡大する構図の挿話だが、それはアメリカが空港をいかに僅かしか支配していないかを反映している。なぜ、このための計画がなかったのだろう?
これらの写真はニュースの中心となり、今後の避難計画を駄目にするだろう。
Ruffini @EenaRuffini 2021年8月16日 13:30 UTC
新規:空港の状況は「脆弱で」、全てのアメリカ人を撤退させ、アフガニスタン人は残すことが考えられている。その決断はされなかったが、検討中で、もしアメリカが空港を支配できなければ、採用する必要があろう。(Martin/Ruffini)
現在の混乱は全く不要なのだから、それで実際良いはずだ。国内で、タリバンによる報復行為は、ごくわずかしかない。彼らは決して報復しないよう強く命じられおり、彼らは非常に規律正しく振る舞っている。カーブルでは、外交官であれ、アフガニスタン国民であれ、誰も危険にさらされている証拠はない。
タリバン報道官が、これを確認している。
Suhail Shaheen. محمد سهیل شاهین @suhailshaheen1 - 15:15 UTC - 2021年8月16日
我々は、全ての外交官、大使館、領事館や、外国人であれ、アフガニスタン人であれ慈善関係者には、アフガニスタン・イスラム首長国IEAによる問題が起きないだけでなく、安全な環境が提供されると保証する。インシャ・アッラー。
だが、アメリカは更に多くの兵士を送っており、まもなく7,000人の兵士がやってくる。彼らは到底空港には収まるまい。
カーブル市は今日は静かだった。タリバンは道路をパトロールし、重要な事務所を警備している。男性は徒歩や車ででかけ、仕事をしているが、ほとんど女性は見かけなかった。タリバーンは友好的に迎えられた。
Obaidullah Baheer @ ObaidullaBaheer 2021年8月16日 11:05 UTC
私は彼らの凶暴さと怒りを想像して外出し、#Khaled Hosseiniの世界を見ると想像していた。だが、うれしいことに、彼らの規律正さと敬意に驚かされた。彼らが我々のイメージも変えることを学んでくれるよう私は願う。[4/5]
今日、カーブルではシーア派の行列さえあったが、何の事件も起きなかった。
タリバンはカーブルに入る計画を持っていなかったように思われる。だが昨日、高官連中が盗んだ全ての金を持って逃げた後、治安が崩壊し、多少略奪が行われた。タリバンは、この都市を安全に保つため入るしかなかったのだ。
これは、もはや1990年代のタリバンではない。
アフガニスタン学者のアントニオ・ジュストッツィは希望の理由を見出している。
タリバンは、アフガニスタンに再び「首長国」という呼称を採用するだろうが、彼らには、政府に新しい特徴を取り入れる計画があるように思われる。
・・・
最近、タリバンは彼らが立案する新憲法の基礎として、1964年憲法の採択を望んでいることをほのめかした。過去、1964年憲法が、アフガニスタンの民主主義時代の始めとして歓迎されたことからして、これは一般に肯定的な兆しと見なされる。だが、それは政党に言及しておらず、君主制憲法だ。我々はタリバンが、それにどんな「更新」もたらしたいと望んでいるのか理解しなければなるまい。
・・・
タリバンは、実際彼らが既に、これまで数カ月間にわたり協議をしていた前体制分子を取り込むと決意しているように見える。最も目立つ人々には、サラフッディン・ラバニ前外務大臣や、ハミド・カルザイ前大統領や、カリム・ハリリ前副大統領がいる。一部のイスラム政党や、グルブディン・ヘクマティアル率いるヒズビ・イスラーミーなどの集団もタリバンと取り引きしており、将来の政府に入る可能性が高い。タリバンは、次期政権で働くべく、中級専門技術者や官僚に国に残るよう要請して連絡を取っていた。彼らは高度な兵器装置を操作するため軍専門家たちも吸収し始めた。
アメリカ敗北の地政学的結果は長年感じ続けられるはずだ。アンドレイ・マルチャーノフはこう書いている。
アメリカ合州国がイスラム狂信者に勝利を手渡し、彼らを大胆にしたことに世界は気がついた。アメリカ合州国が、1980年代、本質的に根本的に文明化反対の勢力である政治的イスラム主義者を煽り、組織するのを支援したのと同様に。
これは欧米全体の大きな失敗で、政治と軍事の「エリート」が何も学ばなかっただけでなく、学習不能なアメリカの後で、このいまいましく酷い状態の尻拭いをするのは、どこか他の国だ。だから他の経済的、科学的、文化的、道徳的な無数の失敗と組み合わせれば、アメリカ合州国が率いる近代欧米は、自身破産宣言したことになる。カーブルの出来事が完全に実証しており、これは近代欧米の縮図だ。
彼らの勝利が、世界の他の地域で、過激イスラム主義者の手本となることほどには、現地レジスタンスとしてアフガニスタンで勝利したタリバンを、私は懸念していない。
アフガニスタンの近隣諸国は、アフガニスタンが、決して再び外国過激派のブラックホールや巣窟にならないようにするだろう。ジュストッツィはこう言っている。
だが概して、タリバンに率いられる将来政府の主な関心事は実利的だろう。彼らは、周辺諸国、パキスタン、イラン、ロシア、ウズベキスタン、トルクメニスタンと中国との関係に対処しなければならず、大部分タリバンと既に関係を持っているが、完全にタリバンを信頼しているわけではない。彼ら全員に、タリバンが尊重するよう望む権益がある。タリバンに率いられた政府は、破綻させないよう経済を維持し、前進するにつれ、アフガニスタンの多くで停止された重要な公共サービス条項を維持しようと苦闘するだろう。
昨日イランは、ロシアから、上海協力機構(SCO)正式加盟国になると知らされた。これまでのところ、SCOには、中国、カザフスタン、キルギスタン、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタン、インドとパキスタンが入っている。イランは今参加し、アフガニスタンはオブザーバー資格を持っている。このブロックは、主に軍事と政策協調が狙いだが、イランの核開発計画を巡って、イランに対して、アメリカがエスカレートすれば、対処するはずだ。現在、パキスタンのイムラン・カーン首相は、更なる協議のためイランにいる。彼はタリバン指導体制と話をするため、ドーハに向かうだろう。
SCOも、アフガニスタンの世話をするだろう。それは今後数十年にわたり、アフガニスタンを助け、発展させるのに十分な共同的な力を持っている。
だが、アメリカはすっかり威信を失った。敗北と、まずい対処が、世界中で、特にアジアで知られてしまった。そこで、アメリカは、中国との自ら課した全く不必要な対立のために「同盟者」を募集しようとしているのだ。
だがアフガニスタンや、他の場所や、あるいは自国内での最近の実績を見た後、一体誰が、このような弱々しい「超大国」に加わることを望むだろう?
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この事態を巡る田岡俊次氏のお話し、実にごもっとも。
デモクラシータイムス
今日の孫崎氏のメルマガ題名
ワクチンでコロナ制御に疑問の声拡大。イスラエル調査「ファイザー・ワクチンは感染予防率39%」と発表、ブルムバーグは「対コロナ集団免疫は幻想か-接種率95%でも実現不可能」の記事、新型コロナの出現によりワクチンの効果減少。今後も多分新たな変異株。
ワクチンを打っていても感染する例が増大。検査拡大を怠り、五輪強行「ワクチン一本槍」の日本のガニ、
スガーリンも退陣間近?
ブログ『私の闇の奥』の最新記事「物理学者は罪を知ったか?」で、以前朝日選書で刊行されていた『ロバート・オッペンハイマー―愚者としての科学者』改訂版が、ちくま学術文庫から出版されたのを知った。雨の合間にでかけて購入、早速読み始めている。
国も都も過失致死責任があるのではという状況の中、まともな対策をとっている自治体がある。士気の問題?
デモクラシータイムス
IWJインタビュー再配信を拝見。当時も拝聴したが、納得。
フルオープン【8/17 20時~再配信】岩上安身によるインタビュー 第939回 ゲスト 京都精華大学人文学部専任講師・白井聡氏 「戦後国体」は「尊米攘夷」!?
日刊IWJガイド
報道管制の現実。
菅総理は、昨日午後9時から記者会見を行いました。
岩上安身は会見に申し込みましたが、「フリーランスジャーナリスト枠の参加希望者が定員を越えているため、前回7月30日の会見に参加したので、今回は抽選対象外」と、官邸報道室より連絡があり、会見に参加できませんでした。
岩上安身は前回、会見には参加できましたが、指名されなかったため、質問を当日の夜に官邸報道室あてにメールで送りました。
IWJガイドによれば、今夜は『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム 白井聡・金平茂紀・猿田佐世『ポスト安倍政権の対抗軸』」再配信
本日は午後8時から、2018年5月17日収録「安倍政権が2021年まで戦後最長不倒政権という記録を残す!? 民主主義国家ではありえない!~『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム 白井聡・金平茂紀・猿田佐世『ポスト安倍政権の対抗軸』」を再配信します。
『白金猿(はっきんさる)ポスト安倍政権の対抗軸』は、本書収録の鼎談を行った3名、京都精華大学専任講師・白井聡氏、TBS『報道特集』キャスター・金平茂紀氏、新外交イニシアティブ(ND)事務局長・猿田佐世氏のお三方のお名前の頭文字から命名されました。
※白金猿(かもがわ出版)
https://amzn.to/3slr7IJ『白金猿』の出版を記念して開催されたシンポジウムは、森友文書改竄、米朝会談、改憲問題などに揺れた2018年当時、著書に収録されている3回の鼎談に次ぐ「白金猿鼎談」として計画されました。
金平茂紀氏は「国会論戦から見た安倍政権の特質」を、猿田佐世氏は「米朝対談など外交から見た安倍政権」を、白井聡氏は「明治150年と近代国家形成の歴史と現在」をそれぞれ問題提起し、「国家のあり方と国民の意識改革を問う」とのテーマで鼎談を行いました。
※『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム ポスト安倍政権の対抗軸(新外交イニシアティブ)
https://www.nd-initiative.org/event/5155/
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