自由世界の代表アメリカ?外国選挙に対するアメリカの干渉を忘れる方法
フィリップ・ジラルディ
2021年7月1日
Strategic Culture Foundation
ジョー・バイデンは、世界中での、アメリカの政治、軍事介入、政権交代と選挙干渉の歴史について、しっかり読んで学ぶべきだ。
就任してわずか5カ月、ジョー・バイデン大統領は既に彼の失言や言い間違えで悪名高く、明らかに共和党支持の医者が、彼の認知能力を決定するために彼は検査を受けるよう提案するほどだ。だが、全くの不正直さで他の全てを凌ぐ、非常に単純な、彼の6月16日付けTweetがある。それはロシアのウラジーミル・プーチン大統領との首脳会談直後に現れ、どうやら少なくともバイデンが、この用語を理解する限り「反語的」なつもりだった。それは、こう言うものだ。「もしアメリカが世界の他の国々から、他の国々の選挙に直接干渉していると見なされ、皆がそれを知ってたらどうだろう?我々が彼が関与した活動に関与したら、どうだろう?それは国家の立場を損なう。」
第二世界大戦以来、アメリカが、どれだけ多くの選挙に干渉したかについては様々な推計があり、この数値は通常80から100の間のどこかだが、それはアメリカ・スペイン戦争から1946年まで、主に中南米で行われた各種の頻繁な介入を考慮していない。史上最も多く勲章を授与された海兵隊少将スメドレイ・バトラーが、1935年に「戦争はペテンだだ」と宣言したのを思い出す。「1914年にメキシコ、特にタンピコを、アメリカ石油権益にとって安全にするのを支援したと彼は告白した。私はハイチとキューバを、ナショナル・シティー銀行の連中にとって収入を得るのに適切な場所にするのを支援した。私はウォール街の利益のために、半ダースの中米共和国を強姦するのを支援した。不正行為組の実績は長い。私は1909年-1912年、ブラウン兄弟商会の国際銀行のためにニカラグアを浄化するのを支援した。私は1916年にアメリカの砂糖権益のため、ドミニカ共和国の秘密を明るみにだした。中国では、スタンダード・オイルが邪魔されずに事業を行えるよう保障するのを手伝った。」
軍事力の行使 す、金や他の誘因による現地政治家買収で引き起こされた他の政権転覆や干渉主義行動が1900年から行われ、アメリカが中南米で活動している暗殺団を訓練したことを忘れてはならない。一部は文書化された、明らかに時には、わずかな証拠に基づく、およそ50件のアメリカ中央情報局と、同じぐらい多くの特殊作戦政治暗殺もある。
8年間、副大統領として、そして今や大統領として、40年以上、連邦政府のかなり高い地位にいるジョー・バイデンが、自国政府が何をしたのか、そして、そうし続けている可能性が非常に高いのを知らないように思われるのは驚くべきことだ。結局、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領のウクライナ政権を不安定化する2013年-2014年の取り組みの黒幕の原動力としてビクトリア・ヌーランドがオバマ政権で働いていた時、バイデンは副大統領だったのだ。明らかに腐敗した独裁者ヤヌコーヴィチは、それでも、自由選挙後、首相になっていた。ヨーロッパとユーラシア問題担当国務次官補のヌーランドは、マスコミ受けする演出で、抗議行動参加者を励ますためのジョン・マケイン上院議員と一緒のクッキー配りを含め、ヤヌコーヴィチ政権に反対のマイダン広場のデモ参加者をあからさまに支援した。
ディック・チェイニーとヒラリー・クリントンの弟子で、主導的ネオコンのロバート・ケイガンと結婚したヌーランドは、ワシントンとキエフは表向き友好関係を持っていた事実にもかかわらず、反政府派をあつかましく支援し、ウクライナでの政権転覆を公然と推進した。バイデンTweetは裏返しの形で認めさえしているが、アメリカ政権が、アメリカ国内政治に干渉する外国による類似の試みを大目に見るとは、特に50億ドルの予算で支援された場合、容認するとは思われないが、自身の行動を評価する上で、ワシントンは長い間、世界的なダブルスタンダードを信じてきたのだ。バイデンは明らかに、その一部であり、自分が何をしているのか、言っているか明らかに理解していない。
彼女と全米民主主義基金が生み出すのを支援していた不穏状態に対処する上で、ヨーロッパのあり得る役割に言及した際の汚い言葉で、ヌーランドは、とりわけ悪名が高い。オバマとバイデンの政権が、キエフ政府を置き換えたのは、ウクライナ、特にクリミア半島における自身の権益を守るロシアの試みに関し、モスクワとの決別と、紛争をエスカレートさせる前兆だった。紛争の場所は今日に至るまで続いており、アメリカ軍艦が、黒海で、ウクライナ海軍と演習をしている。
彼らがリビアを不安定にして破壊すると決めた際も、バイデンはオバマ家の連中と一緒だった。ロシアそのものも忘れられてはならない。クリントン政権が、ワシントンに雇われ、管理されている親密なオリガルヒが支援する勝利を獲得できるよう、彼の選挙運動に何十億ドルも注ぎ込んで、ボリス・エリツィンは、1996年、ロシア大統領に再選された。ジョー・バイデンは当時上院議員だった。
更に、1953年、民主的に選出されたモハンマド・モサデクがCIAに排除され、シャーに取って代わられたイランがある。1979年、シャーはイスラム共和国に退位させられ、ワシントンとテヘラン間の台無しにされた関係は、以来ずっと、暗殺と破壊工作が特徴の、報復準冷戦になっている。
1973年、サルバドール・アジェンデがCIAに排除され、アウグスト・ピノチェトに取って代わられたチリを、誰が忘れることができよう?あるいはCIAがハバナで政権転覆に失敗した1961年のキューバ・ピッグズ湾侵略?ジョー・バイデンが当時国際メディアで大いに報じられた、それら「介入」のどれも思い出せないなどあり得るだろうか?
数合わせのために、ジョーは、あるいは複数の「選挙妨害」を考えることが可能だが、それこそ、まさに彼が言及したことだ。1970年代から、1990年代初期、CIA士官がヨーロッパと中東に駐在して、そのいずれも卓越した共産主義政党があり、一部は政権に入る間際だったフランスやスペインやポルトガルやイタリアなどでの選挙への、ほとんど絶え間ない干渉を知っていると私自身、彼に請け合える。金袋が保守政党に送られ、政治家は贈賄され、ジャーナリストは買収された。実際、その期間中、アメリカが何らかの形で関与しなかった選挙など、ほとんどなかったと私はあえて言いたい。
それは依然続いているのだろうか?2004年以来、アメリカはシリアで政権転覆を追求し、現在シリアの一部を占領している。もちろん、ロシアは、CIAや欧米諜報機関が資金供給する反政府派を利用して、プーチンを追い出そうと努める支配された欧米メディアを通した権威失墜工作を受ける側だ。中国には本当の野党や公開選挙がなく、政権は、もっともらしい形で変えることができないが、常に、可能な限り否定的な形で、その振る舞いを描かれ、挑戦されている。
世界中でのアメリカの政治、軍事介入、政権転覆や選挙干渉の歴史について、ジョー・バイデンは本当に学ぶべきだ。彼は何かを学ぶかもしれない。だが彼は最も重要な点は理解できないかもしれない。全ての介入と、全ての死は、アメリカにとっても、標的に定められた人々や国々にとっても酷いことになっている。今その決定の一部は覆されるかもしれないように思われるが、バイデンはアメリカ軍をアフガニスタンから撤退させる大胆な措置をとった。このプロセスを完了し、イラクやソマリアやシリアのような場所で同じことをすれば一層良かろう。そのおかげで、世界は、より良い場所になるだろう。
フィリップ・ジラルディは博士で、Council for the National Interest事務局長。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
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蝶の研究者が、米軍廃棄物を見つけて、路上においたら家宅捜査される。捜査されるべきは、廃棄物を放置している米軍や、それを放置している、警察だろう。
デモクラシータイムス
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