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2021年7月18日 (日)

差し当たり、モサドがテヘランを出し抜いている

2021年7月13日
ウラジーミル・プラートフ
New Eastern Outlook

 近年、イスラエル特殊機関がイランに対して実行した複数の秘密作戦は、イランの戦略的インフラ固有の弱さを本格的に示している。機密活動分野でのイスラエルとイランの何年もの対決を考えれば、この弱さは、テヘランにとって特別な重要性がある。最近テヘランは、モサド(イスラエル諜報機関)が、当局者が生命の危険を危惧しても当然なほどにまで、イラン国家体制に浸透しているのを認めざるを得なかった。

 最近、元イラン諜報機関長官のアリ・ユネシが、イランの特殊機関は、海外工作員を暴露して、起訴するようなことを何もしていないと述べた。イスラエル諜報機関は、イランの機関や軍事基地から秘密書類を頻繁に盗んでいるが、これは裏切り者がいる場合に限って可能だ。UAEを本拠とするニュース局アル・アラビアによれば、彼の発言は、イスラエル・スパイと戦う責任を負うイラン諜報機関高官一人が、自身イスラエル工作員だったという前イラン大統領マムード・アフマディネジャド発言と矛盾しない。アフマディネジャドによれば、核や宇宙産業と関係する機密文書の窃盗を含め、イランにおけるイスラエル情報収集活動の成功原因は、モサド工作員の政府治安組織潜入以外なにものでもない。

 最近数十年、シーア派宗教国家が(生存に関わる敵でないにせよ)主敵であるイスラエルにとって、イランの軍事核開発計画発展で成し遂げられたどんな進歩も、大きな泣き所なのは周知の事実だ。イラン指導部は(少なくとも公式には)「核の警棒」を所有すれば、即座に二つの問題を解決できると考えている。第一に、イスラエルを押しつぶすか、あるいは少なくとも全面戦争の場合、相互確証破壊の脅威で、ユダヤ人国家が核攻撃を行うのを阻止するのに役立つ。第二に、イスラム共和国が主権を維持し、(イスラエルやアラビア半島のアメリカ基地に対して)それを使うという威嚇だけで、あり得るアメリカ介入を阻止することさえ可能にするはずだ。

 だから、イランでイスラエル特殊機関による主な活動が、イランの秘密核開発計画や、イラン国内の核施設や、これら活動に従事するイラン人について適時な情報入手にまつわるものなのは驚くべきことではない。

 2007年、2007年2月、モサドが「不可解な状況の下で」エスファハン原子力発電所で働いていた主導的イラン人科学者の一人アルダシール・ホセインプールを暗殺した後、イスラエル諜報機関による特殊作戦のイラン核科学者に対する「注目を集める暴露」が現れた。様々な欧米メディア(特に、2009年2月のデイリー・テレグラフや、La Repubblica)が、ラン核開発計画で鍵となる人物に対するイスラエルの「秘密戦争」や、イランに使用できない装置や材料を渡した幽霊会社を使った妨害工作の様々な行為を整理して繰り返し報じた。2010年、イスラエル諜報機関が行った作戦の後、スタクスネット・コンピュータ・ウイルが、イランの原子力発電所で、千以上の遠心分離機を稼働不能にした。2020年1月、イスラエル諜報機関の積極的関与で、クッズ軍と呼ばれるイラン軍の最も秘密の精鋭部隊を率いたイランのガーセム・ソレイマーニー大将が殺され、2020年11月27日、イランの主導的な原子物理学者モフセン・ファフリザデが、テヘラン郊外で殺された。

 2018年5月、イスラエル指導部が、モサドが入手したイランの秘密核書類を発表したが、それには、とりわけ、テヘランの未公開核物質の秘密貯蔵施設に関する情報があった。2018年9月、ベンヤミン・ネタニヤフは、イランで2番目の秘密核貯蔵施設に関する情報を、国際社会に公式に示した。

 The Secret War with Iran: The 30-Year Clandestine Struggle Against the World’s Most Dangerous Terrorist Power(イランとの秘密戦争:世界で最も危険なテロ国家に対する30年の秘密の闘い)の著者イスラエル人ジャーナリスト、ローネン・バーグマンは、最近、イスラエル諜報局が盗み、イランからイスラエルに、こっそり持ち込む結果になった、秘密核貯蔵場所の一つに関する作戦のドキュメンタリー資料利用認められた。バーグマンが公表した情報によれば、モサドチームは、イランにおける多くのこれらの施設を発見し、れぞれを約一年監視した。イランの施設に潜入して、貴重な資料をそこから取り出す(「オーシャン-11」と暗号名を付けられた)作戦が、2017年早々に始まった。作戦には数十人が参加し、重要な施設地域に入り込むだけでなく、多くの写真を撮り、中に入りさえして、平面図やそこで見つけたデータをとることに成功した深い偵察エージェントあったその人の間でそれを実行することに関係していた。2018年1月31日早朝、イスラエル工作員派遣隊がテヘランのこの秘密施設に潜入し、必要な金庫に、まんまと押し入った。結果として、彼らは、182のデータ記憶装置と、55,000ページの文書資料や図表を含め、秘密アーカイブを盗んだのだ。イラン人は秘密施設への侵入を早々発見したにもかかわらず、何もできなかった。重要な機微な施設にとって適性がない警備従業員の平凡な怠慢の結果、破壊活動家集団を途中で捕らえるプロとは言えない行動だった。

 2012年1月でさえ、フランス新聞フィガロは、イスラエル諜報員が、イラクのクルド地域にある秘密基地でイラン人を採用し、訓練していたと書いていた。一年後、ワシントン・ポストは、トルコが、イラン諜報機関に、イランで活動しているイスラエル・スパイ・ネットワークの存在を暴露し、そのうち10人が、トルコでモサド代表と会ったクルド人だったと報じた。ボルテール・ネットワークによれば、クルド人と同盟することで、イスラエルは、イラン、イラクとシリアで目と耳を得ていたのだ。

 同時に、多くのメディア出版物で、イスラエル諜報機関はイランの戦略インフラだけで、積極的諜報活動を行っているわけではないことが明らかになった。例えば、2020年末、テヘランでイスラエル工作員が、世界でも最重要指名手配テロリストの一人をつきとめただけでなく、抹殺したのだ。(ロシア連邦で活動を禁止されている)テロ集団アルカイダ、ナンバー・ツーのアブ・ムハンマド・アル・マスリだ。ニューヨーク・タイムズが、アメリカ諜報機関の四つの情報源を引き合いにして報じた。二人のイスラエル人工作員がオートバイで彼に接近し、消音装置ピストルの5発で、このテロリストと、オサマ・ビンラディンの息子ハムザ・ビンラディンと結婚していた娘のミリアムを殺害した際、アル・マスリは居住地近くをドライブしていた。報道によれば(アブ・ムハンマド・アル・マスリという仮名の)エジプト人アブドラ・アーメド・アブドラは、スンニ派テロ集団とシーア派イランとの敵対関係にもかかわらず、2015年以来イランで潜伏していた。アフリカでの、いくつかの血まみれのアルカイダ攻撃の背後にいた犯人アル・マスリをアメリカは何年間も探していた。彼は1998年、ケニアとタンザニアのアメリカ大使館で224人を殺害し、更に何百人も負傷させた壊滅的爆破を計画していたのだ。イスラエルは、2002年、イスラエルが所有するケニア、モンパサのホテルに対するテロ攻撃に彼が関与したと考えている。

 ウラジーミル・プラートフは中東専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/07/13/for-now-the-mossad-is-outplaying-tehran/

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 緑のタヌキとの記念撮影時、バッハに向かって多くの日本人の思いを英語で叫んだのは、やはり横田一氏だった。

 デモクラシータイムス

号外!バッハ直撃!欺瞞を撃つ【横田一の現場直撃】20210716

 属国の自家製戦闘機開発を宗主国が許すはずはないだろう。本気だろうか。

令和のゼロ戦!?次期戦闘機開発に1兆4千億!【半田滋の眼 NO.37】

 イギリスでは、コロナにまつわる規制を解除するというが、保健相が感染したという。前任者は、対策指針違反で辞任したばかり。

 昨日、たまたま7daysという番組をちらり見たところ、湯山玲子という人物が、「尾身氏が、PCR検査を推進すると言ったが、信頼性の極めて低いPCR検査を、世論の圧力で実施させられてしまったようだ」という趣旨のたわごとを言ったのに驚いた。政府のウソを擁護しても罪にはならない。

 今朝、滅多に見ないNHKのテレビ討論を見たら、PCR検査抑制論の先鋒が何か語っていたので、あわてて消した。正論を言う人を大本営広報部は出さない。

 そこで、IWJ

【タイムリー映像公開 950・IWJ】17:00~「世界累計感染者1億人超! もはや検査抑制・ワクチン頼みの菅政権は対処不能!? 抗体回避し再感染力持つ恐れあるコロナ変異株が世界で続々発生! 『第2次パンデミック』到来! ~岩上安身によるインタビュー 第1029回 ゲスト 医療ガバナンス研究所理事長・上昌広医師」
視聴URL: https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 1月27日に収録した、岩上安身による上昌広医師インタビューの映像を公開します。これまでIWJが報じてきた新型コロナウイルス関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/special_new-coronavirus

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