体制は我々を犯罪者から守るためにではなく、犯罪者を我々から守るためにある
2021年7月1日
ケイトリン・ジョンストン
イラク戦争立案者ドナルド・ラムズフェルドが亡くなった。ハーグの独房ではなく、爆弾や銃弾で殺害されず、平和に、自宅で愛する家族に囲まれて、89歳の誕生日一週間半前に。
帝国メディアは、精神病質の戦争犯罪人を「抜け目のない指導者」「名誉と信念の人」あるいは単に「イラク、アフガニスタン戦争を指揮した元国防長官」という見出しで報じて、落ちた巨星に王への賛辞のようなものを送っている。
先日、亡くなった反戦の英雄マイク・グラベルの人生を、死亡記事で「芝居のセンスを持ったアラスカ選出の、うるさい上院議員」と烙印を押して馬鹿にした悪質なワシントン・ポストは、主要ニュースで、子供殺人者ラムズフェルドの死について「影響力を持っていたが論争の的だったブッシュの国防長官」と報じた。
ニューヨーク・タイムズも決してましではなかった。「マイク・グラベル、型破りな二期のアラスカ上院議員、91歳で死亡。石油パイプラインのために戦い、ペンタゴン・ペーパーを音読してニュースになった。25年の無名状態の後、夢想的な大統領選挙運動で再登場した。」という記事を例にとろう。これを「ドナルド・ラムズフェルド、イラク戦争時の国防長官、88歳で死亡。ラムズフェルド氏は4人の大統領に仕え、多くの人々が決して行われるべきではなかったと言った戦争を監督した」記事と比較願いたい。だが彼はサダム・フセイン排除は「より安定した、安全な世界を作った」と言った」
ドナルド・ラムズフェルドは、非連続で、二度任期を勤めた唯一の防衛長官という栄誉を持っていた。1975年から1977年、ジェラルド・フォード大統領下で、2001年から2006年、ジョージ・W・ブッシュ下で。彼は、最も若い43歳と、最も高齢の74歳で、この地位に就いていた。https://t.co/7PFclGfbSm pic.twitter.com/xDhhAMQu9E
- ニューヨーク・タイムズ (@nytimes) 2021年6月30日
もちろん批判もある。ラムズフェルドの死についてのオンライン感情は、ジョン・マケインのような他の汚らわしい戦争屋に対するほど敬意を示した聖人伝ではなかった。だが結局、重要なのは、彼が我々の世界に解き放った恐怖に対して、最もわずかな報いにさえ直面せずに、長い満ち足りた人生を送ったことだ。彼の評判に対するどんな意味ある損害さえ受けずに。
ラムズフェルドが、9/11攻撃から数時間のうちに、イラクへの容赦ない侵略を計画し始め、侵略を始動させるため多数のウソをついたことが何年もの間周知の事実だったにもかかわらずだ。彼は、彼とブッシュ政権の仲間が、9/11事件以前から計画していたアフガニスタン侵略を始めて、監督したが、数十年にわたる占領は、アメリカ当局者、特にラムズフェルドによって、そもそも最初から、国民は徹底的にだまされていた。(だが想起願いたい。9/11事件の公式説明を疑うのは頭がおかしい陰謀論者だけなのだ。)
我々は幼い時に、物事を支配している善人によって、悪人は刑務所に入れられる法治の国に住んでいると教えられる。我々の知的洗脳が、現状を支持する同意をでっちあげるよう意図された大規模プロパガンダのかたちで、成人以降の期間も続くので、成人期を通じて、我々の大半が、この子供っぽい世界観を、ある程度維持する傾向がある。
実際は、世界の最悪な人々の正確にゼロパーセントが刑務所にいるが、最良の人々の一部は刑務所にいる。ジュリアン・アサンジがベルマーシ刑務所でやせ衰える中、ドナルド・ラムズフェルドが自由な長い人生を送った事実は、世界が学校に我々が教えられた通りには動いていないことを証明している。最悪の悪人こそが、物事を支配している連中なので、最悪の悪人は、物事を支配している善人によって刑務所に入れられないのだ。
イラク人の5人に1人が、イラク侵略のために死んだ親族がいる。
2007年から2010年の間にファルージャで生まれた全ての赤ん坊の半数以上が先天性欠陥を持って生まれる。
イラクの平均寿命は70だ。
ラムズフェルドは88歳で、安らかに眠る中亡くなった。
- nashwa (@nashwakay) 2021年7月1日
体制は、我々を社会の悪から守るようにできておらす、社会の最悪連中を我々から守るようにできている。権力と金のことだけ気にかける富豪と安全保障国家部内者の同盟によって、我々が周囲を見回さずに、だまされ、産業の歯車を回させるようにできている。我々を余りにも忙しくしておくよう意図されており、我々が、民衆の人数の力を悪漢どもが我々から盗んだものを取り戻さないよう洗脳しており、もし我々がそう試みた場合、我々全員を殺すため彼ら側に十分な銃があるように確保しているのだ。
ドナルド・ラムズフェルドは我々の世界にとって最悪だった。彼は、人類を絶滅に向けて追いやる、腐敗した、血に飢えた、生態系破壊、核兵器による皆殺し、圧政的な、搾取する偽りの現状の完全な権化だった。アメリカに集中した帝国はドナルド・ラムズフェルドだ。彼の顔と名前そのもののようなものだ。
彼の逝去にだまされてはならない。ドナルド・ラムズフェルドは死んだが、彼は今も生きている。彼が中東で始めるのを手伝った継続的紛争を糧に生き続ける。我々の誰も要求しなかった一極世界秩序を維持する名目で、アメリカと同盟国によって雨霰のように降らされた死と破壊で。帝国の封鎖の下、イエメンとベネズエラで餓死しそうな子供たちの死に瀕したあえぎで。何千もの米軍事基地で輪縄のように地球を包囲して。我々全員を怯えさせる、長らく予想されている対決の準備で中国を狙う戦艦とミサイルで。
我々が我々の細胞からドナルド・ラムズフェルドに似た我々の中の全てを浄化することができなければ、地球上にホモ・サピエンスの未来はない。社会として、種として、個人として、我々は彼が象徴する全てを越えて進化して、お互いと我々の生態系との平和な共同関係に入らなければならない。
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翻訳しながら大本営広報「昼ゴミ」をつけている。帝国主義の権化ラムズフェルド逝去と中国共産党100周年、大本営広報部は、中国共産党失政?を鬼の首をとったようにあげつらい御用タレントが賛同する。子ども三人育てるのは無理な国とあざわらうが、自分の頭をハエを追え。人口問題で笑える立場にあるわけがない。
大本営広報部洗脳番組、戦争で生きている宗主国の悪の権化の追悼、まだ触れていないようだ。(音声を消しているので、見損ねた可能性もある。どのみち称賛だろうが。)
無観客であれ、観客ありであれ、コロナ不幸五輪となるのは必定。悲惨さの程度が問題なだけ。
日刊ゲンダイDIGITAL
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