カナダ植民地の遺産は殖民による植民地主義が世界中でお咎めなしで済んでいることの反映
ラモナ・ワディ
2021年6月5日
Strategic Culture Foundation
カナダでの最近の発見は、カナダにおける他の合同墓所の存在を示唆しているだけではない。世界的な植民地遺産や軍事帝国が、先住民土地開発を通して、どのように拡張したかに光をあてているのだ。
215人の子供の遺骸があったカナダ先住民合同墓地の最近の発見は、植民地がお咎めなしで済んでいる、もう一つの示唆だ。カムループス・インディアン寄宿学校は、先住民の子供を彼らの共同体や家族から引き離す実践で、若い世代を移住者社会本流に同化させる試みに関与した政府とカトリック教会が運営するカナダの多くの学校中最大だった。150,000人以上の先住民の子供が、これらの学校に押し込まれた。4,100人以上が亡くなったか行方不明と報告された。栄養失調、医療怠慢から性的虐待まで犯罪は隠蔽された。
和解という象徴的な言葉を越えた行動をし損ねてることに対し、カナダのジャスティン・トルドー首相は、先住民指導者から批判された。政府はカナダ真実和解委員会報告をあげているが、トルドーは長すぎる調査過程は、一部、様々な提携と協力が原因だったとほのめかした。「こうした課題解決のため、もし大臣だけが、オタワだけが調査していれば、ずっと前に済んでいたかもしれないが、失敗していたかも知れない」と彼は述べた。
カナダ政府が本気の行動と対照的な象徴表現に依存していたのと同様、繁栄する植民地の政治的優位性が、行方不明の先住民児童発見が滞った責任を問われるべきだ。合同墓所発見後に、「我々は政府として、和解のため存在しているが、同様に、真実のためにも存在しており、それは重要な一歩だ。だから、我々は彼らが知るのを必要とすること、我々全員が知る必要があることで、共同体と協力するためにある」というのは、歴史的残虐行為の過失と説明責任を確立することは言うまでもなく、カナダ先住民の共同記憶を助ける政府の決心を示していないということだ。
2007年から2015年、カナダ真実和解委員会は先住民の子供を標的した寄宿学校に関して証言と記述を集める作業を始めた。6年の期間で、委員会は6,500人以上の証人から歴史的記述を集め、カナダ政府は委員会に5百万以上の記録を提供した。2015年12月、委員会は政府が和解プロセスを開始する勧告とともに報告を提出した。勧告の中では「進行中の植民地政策の遺産に対処する建設的な動き」の重要性が卓越していた。
だがトルドーの言説は、先住民の国と先住民に対する支配を確立した植民地の文化的大量虐殺に言及していない。先住民の子供を標的にした寄宿学校の正当化は白人優越論に根ざしていた。1883年、カナダ最初の首相ジョン・A・マクドナルドが宣言したように、政策として、子供は親から引き離されるべきで「それをする唯一の方法は、彼らが白人男性の考えの習慣や様式を獲得する中央工業学校に入れること」だった。
最近のカナダでの発見は、カナダにおける他の合同墓所の存在を示唆しているだけではない。それは更に、世界的植民地の遺産と軍事帝国が、先住民の存在によって妨げられた移住者植民政策と、先住民の土地開発によって拡張した方法に光をあてている。
国際連合人権高等弁務官事務所は、カナダにおける先住民の子供の死の調査を呼びかけたが、植民地政策の波及効果に言及するのを避けた。「この暗い期間に起きたことへの徹底的解明や真実の入手や補償の欠如が、これを悪化させている」とマルタ・ウルタド国連報道官が述べた。国際レベルで人権擁護に責任があるとされる組織は、歴史的植民地遺産を守ることに凝り固まっており、全ての先住民に共通の共同記憶の取り組みが、今に至るまで植民地政権に奉仕する役割を果たしている構造を傷つけないよう、人権を政治問題化するのを拒否する上で、依然強固だ。
ラモナ・ワディは独立研究者、フリージャーナリスト、書評者、ブログ作者。彼女はパレスチナやチリや中南米に関し、広範囲の主題を報じている。
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『アメリカ・インディアン悲史』『アメリカン・ドリームという悪夢―建国神話の偽善と二つの原罪』を連想。
週刊金曜日 7.9 第1336号で下記記事を読み、遅ればせながらの記事翻訳。
過去の闇から堀り起こされる差別・暴力の数々
北米先住民族 その受難の歴史 鎌田遵
安全安心ヤラセ記者会見、想像を超える愚劣発言の連続だったようだ。挙手しない記者が指名されてさえいる。
日刊ゲンダイDIGITAL
こども以下の元首相と比較にならない知性の皆様!
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