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2021年7月28日 (水)

ノルドストリーム2を巡る戦いに勝利したロシアとドイツ

2021年7月21日
Moon of Alabama

 ノルドストリーム2パイプラインに対して、アメリカがドイツとロシアにしかけた制裁戦争は、アメリカの完全敗北で終わった。


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 パイプラインを阻止するアメリカの試みは、これまで5年にわたり行われた大規模な反ロシア・キャンペーンの一環だった。だが、それは常に誤解に基づいていた。パイプラインはロシアにとって有利なのではなく、ドイツにとって重要なのだ。私が以前の記事でノルドストリーム2を説明した通り。

 パイプラインを必要とするのはロシアではない。ロシアは、ヨーロッパに売るのと同じぐらい多くのガスを中国に売ることができる

 パイプラインとそれを通して流れるガスを必要とするのは、EUの経済大国ドイツなのだ。メルケル首相の見当違いエネルギー政策のおかげで、津波が、日本のまずい場所にあった原子炉を三基破壊した後、彼女はドイツの原子力発電を終わらせたので、ドイツは既に高い電気料金が更に上昇するのを阻止するため、緊急にガスが必要なのだ。

 新パイプラインが、ウクライナを通る古いパイプラインを迂回することも、ロシアではなく、ドイツにとっての恩恵だ。ウクライナのパイプライン・インフラは古くて、荒廃に近いのだ。ウクライナはそれを更新する金を持っていない。政治的には、アメリカの影響下にある。ウクライナは、EUを恫喝するため、エネルギーの流れの支配を利用できた。(既に一度試みた。)新パイプラインは、バルト海最深部に敷設され、ウクライナ領通過に対する支払いを必要とせず、有害な悪影響への懸念もない。

 最近のワシントンDC訪問で、メルケル首相は、とうとう、バイデン政権にそれを説明するのに成功したのかも知れない。だが彼女は、アメリカに、単に、邪魔するなといった可能性の方が高い。ともあれ、そういう結果になったのだ。ウォールストリート・ジャーナルは、今日こう報じている

 アメリカとドイツはノルドストリーム2の天然ガス・パイプラインの完成を認める合意に達したと両国当局者が述べた。

 四項目合意の下、ドイツとアメリカは、再生可能エネルギーや関連産業を対象に、ウクライナの環境保全技術インフラに5000万ドル投資する。ドイツは、中央ヨーロッパの外交フォーラム、三海洋イニシアチブのエネルギー協議も支援する。

 ベルリンとワシントンは、現在のキエフとの合意下で、ロシアが2024年まで支払う年間通過料金、約30億ドルを、ウクライナが受け取り続けるのを保証しようとするだろう。当局者は、どのようにロシアが支払い続けるよう保証するかは説明しなかった。

 ロシアによるエネルギー威圧とみなされた行動の場合、アメリカは、将来、パイプライン制裁を課す権限も維持するとワシントン当局者が述べた。

 だから、ドイツは、アメリカと共に、太陽光発電や風力発電に関係する少数のウクライナ企業を買収するため、多少の金を使うだろう。それは、多分コーヒー代を支払うことで、若干の無関係な協議を「支援する」だろう。ドイツは、到底成功しないだろうことを試みるのも約束している。

 それらは全て隠蔽策に過ぎない。アメリカは自身のためにも、ウクライナの傀儡政権のためにも、何の対価も受けとることなしに、本当に諦めたのだ。

 アメリカ議会のウクライナ・ロビーは、この取り引きには大いに不満だろう。バイデン政権は、これを巡る騒ぎを避けたいと望んでいる。昨日ポリティコは、バイデン政権が先制的に、ウクライナに、この問題について話すのをやめるよう言っていたと報じた。

 論争の的のロシア・ドイツ・パイプラインを巡るベルリンとの緊迫した交渉のさなか、バイデン政権は、友好国に、声高な反対派に、黙っているように依頼したのだ。ウクライナは不満だ。

 アメリカ当局は、ノルドストリーム2パイプラインとして知られるプロジェクトを止めるのをあきらめたシグナルを出し、今ドイツとの大きな取り引きをまとめて、損害を急いでくい止めようとしているのだ。

 同時に、会談に詳しい四人によれば、政権当局者は、ウクライナ当局に、今度のパイプラインを巡るドイツとの協定批判を保留するよう密かに要請している。

 今度の協定に公に反対するのは、ワシントン-キエフ二国間関係に打撃を与えかねないとアメリカ当局が言ったと情報提供者が述べた。当局者は、アメリカとドイツのあり得る計画について、議会と論じないよう、ウクライナに促した。

 もしトランプが同じことしたら、下院議長のナンシー・ペロシには、もう一つの弾劾が必要だったはずだ。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、この合意に関して黙るように言われたことに激怒している。だがバイデン政権が彼に与えたブービー賞を受け入れる以外、彼にできることはほとんどない。

 アメリカとドイツが到達するどんな最終合意への批判を保留するようにというウクライナ当局者に対するアメリカ当局の圧力は、かなりの抵抗に直面するだろう。

 ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領に近い情報提供者は、キエフの立場は、バイデン政権が建設と認可段階で、制裁を使う意志を持っていれば、アメリカ制裁はプロジェクト完成を止めることができたはずだと言う。その人物は、キエフは断固プロジェクト反対だと述べた。

 一方、政権幹部によれば、バイデン政権は、ゼレンスキーに、この夏遅く、ホワイトハウスでの大統領との会談期日を伝えた

 ノルドストリーム2は96%完了している。試験は8月9月に始まり、願わくは年末までに、西ヨーロッパにガスを送るだろう。

 ノルドストリーム3建設の交渉がまもなく始まる可能性が高い。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2021/07/russia-and-germany-win-war-over-nord-stream-2.html#more

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 RTニュース、強力なアメリカ体操選手の退場?で、ロシア女子久々の金メダル。

 スガーリン体制、マスコミ、つまり大本営広報部を完全に制圧しているので、現在あらゆるテレビ局は五輪呆導しかしない。こういう状態にできる確信があったから、五輪を強行したのだろう。小生の親しい知人には、五輪に熱中している方々はいないが、25%のコアな自公支持層以外の大勢の方々が見なければ視聴率はあがるまい。

 金メダル・ラッシュにつけこんで、緊急事態条項実現?

 東京新聞特報面、菅首相「改憲に挑戦」発言 背景は

 今日の孫崎氏のメルマガ題名

東京コロナ感染、一気に最高に(これまでの最高1月7日2520人)。増減の目安が5%程度といわれる陽性率は26日15.7 %で一段の拡大の可能性。感染力強いデルタ株に置き換わり。感染主力の64歳以下のコロナ接種は低い水準。緊急事態での人的接触の抑制無し。

 日刊ゲンダイDIGITAL

新型コロナに完敗した小池都知事は自らの責任問題から逃れられない

 日刊IWJガイド

東京都で感染爆発! 新規感染者が最多の2848人! にもかかわらず、菅義偉総理は五輪「中止の選択肢ない」! 小池百合子東京都知事は、五輪関係者の感染者数発表に「意味があるのか?」と発言!

 デモクラシータイムス

平野貞夫×佐高信×早野透【3ジジ放談】2021年7月27日配信

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コメント

少し前、クレムリンのサイトに発表されたプーチン論文の衝撃は大きく、テレビでは未だに議論の的になっています。
http://www.kremlin.ru/events/president/news/66181
「ロシア人とウクライナ人の歴史的同一性について」と題するもので、主にウクライナの一般の人々を意識して書かれています。如何にロシア人とウクライナ人が同じ民族であるかについて、論拠を示す内容です。ウクライナの歴史全般(特に現代史)、現在の基本問題を網羅していて、中身の濃い非常に説得力のある文章だと思いました。

論文の一部から
「現在のウクライナは全てソ連時代の産物である。我々はそれが、かなりな部分ロシアの歴史を犠牲にして出来上がっているのかを記憶している。それは、17世紀にどこの土地がロシア国に統合されたかと、ウクライナ社会主義共和国がどの領土を持ってソ連邦から離脱したのかを比較すれば分かることである。」
「ボリシェビキはロシアの人々に対して際限のない社会実験を行った。彼らは国民国家を完全に廃止し、世界革命の実現を夢想していた。そのために、恣意的に国境線を切り刻み、気前よく領土を「プレゼント」したのだ。」
「ご自分の国を作りたいと?どうぞ、ご自由に!それで、いかなる条件で?ここで、新生ロシアを代表する政治家のひとりであり、ペテルブルグの初代市長であるサプチャクの見解を私は思い起こす。高度な法律専門家である彼は、あらゆる決定は合法的でなければならないとし、1992年に次の意見を述べた。連邦を設立構成した共和国は、1922年の合意を破棄し、連邦に加盟した時点の国境線に戻るべきである。」
「別の表現をすれば、来たときの姿で出て行って下さい、ということだ。この論理への反論は難しいだろう。加えて言いたいのは、ボリシェビキは連邦成立の前から国境の引き直しを意図的に始めており、これは人々の意思を無視したものであったということだ。」

この部分を受けてキエフはヒステリーを起こしています。これは宣戦布告だと言っています。ずいぶん前からロシアとは「戦争」していると言っているのですがね。いずれにせよ、嘘に嘘を重ね、無意味に人を殺し、仕舞いには国民の半数以上(恐らくは大半)が母国語にしている言葉を法律(憲法)で禁止するような国に未来はありません。社会の安定を考えれば、プーチンの見立てのような国境線の変更が、国の崩壊と共に行われるような気がします。落ち着くところに落ち着かねば長続きはしないでしょう。

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